Al
2
(
SO
4
)
3
{\displaystyle {\ce {Al_2(SO_4)_3}}}
硫酸 りゅうさん アルミニウム の化学 かがく 式 しき
H
−
C
|
H
H
|
−
C
|
H
H
|
−
C
|
H
H
|
−
C
|
H
H
|
−
H
{\displaystyle {\ce {H-{\overset {\displaystyle H \atop |}{\underset {| \atop \displaystyle H}{C}}}-{\overset {\displaystyle H \atop |}{\underset {| \atop \displaystyle H}{C}}}-{\overset {\displaystyle H \atop |}{\underset {| \atop \displaystyle H}{C}}}-{\overset {\displaystyle H \atop |}{\underset {| \atop \displaystyle H}{C}}}-H}}}
ブタン の構造 こうぞう 式 しき
化学 かがく において、化学 かがく 式 しき (かがくしき、chemical formula)は、特定 とくてい の化合 かごう 物 ぶつ や分子 ぶんし を構成 こうせい する原子 げんし の化学 かがく 的 てき 比率 ひりつ に関 かん する情報 じょうほう を表 あらわ す方法 ほうほう で、化学 かがく 元素 げんそ 記号 きごう や数字 すうじ に加 くわ え、丸 まる 括弧 かっこ 、ダッシュ、角 かく 括弧 かっこ 、コンマ、プラス (+) やマイナス (−) 記号 きごう などの他 ほか の記号 きごう も併用 へいよう される。これらは、印刷 いんさつ 上 じょう の1行 ぎょう に収 おさ まるよう制限 せいげん されているが、下 した 付 つ き文字 もじ や上 うえ 付 つ き文字 もじ (英語 えいご 版 ばん ) を含 ふく むこともできる。ただし化学 かがく 式 しき は、単語 たんご を含 ふく まないため、化学 かがく 名 めい (英語 えいご 版 ばん ) ではない。また、化学 かがく 式 しき が単純 たんじゅん な化学 かがく 構造 こうぞう を示唆 しさ することもあるが、完全 かんぜん な化学 かがく 構造 こうぞう 式 しき とは異 こと なる。化学 かがく 式 しき は、最 もっと も単純 たんじゅん な分子 ぶんし や化学 かがく 物質 ぶっしつ の構造 こうぞう のみを完全 かんぜん に特定 とくてい できるが、一般 いっぱん 的 てき に化学 かがく 名 めい や構造 こうぞう 式 しき よりも表現 ひょうげん 力 りょく は制限 せいげん されている。
最 もっと も単純 たんじゅん な化学 かがく 式 しき は実験 じっけん 式 しき (empirical formulae)と呼 よ ばれるもので、文字 もじ と数字 すうじ を使用 しよう して、原子 げんし の種類 しゅるい ごとの数値 すうち 比率 ひりつ を表 あらわ す。分子 ぶんし 式 しき (molecular formulae)は、分子 ぶんし を構成 こうせい する原子 げんし の種類 しゅるい ごとの単純 たんじゅん な数 かず を示 しめ すもので、構造 こうぞう に関 かん する情報 じょうほう はない。たとえば、グルコース の実験 じっけん 式 しき は CH 2 O (水素 すいそ 原子 げんし は炭素 たんそ や酸素 さんそ の2倍 ばい )だが、分子 ぶんし 式 しき は C 6 H 12 O 6 (水素 すいそ 原子 げんし 12個 こ 、炭素 たんそ と酸素 さんそ 原子 げんし 6個 こ )である。
化学 かがく 式 しき が示 しめせ 性 せい 式 しき (condensed formula)[注釈 ちゅうしゃく 1] として記述 きじゅつ される場合 ばあい 、原子 げんし が化学 かがく 的 てき に結合 けつごう する固有 こゆう の方法 ほうほう (共有 きょうゆう 結合 けつごう 、イオン結合 けつごう 、またはその組 く み合 あ わせ)に関 かん する情報 じょうほう の追加 ついか によって複雑 ふくざつ になることがある。これは、関連 かんれん する結合 けつごう が一 いち 次元 じげん で簡単 かんたん に表現 ひょうげん できるものであれば選択 せんたく 可能 かのう である。たとえば、エタノール の示 しめせ 性 せい 式 しき は、CH 3 –CH 2 –OH、または CH 3 CH 2 OH である。しかし示 じ 性 せい 式 しき でも、原子 げんし 間 あいだ の複雑 ふくざつ な結合 けつごう 関係 かんけい 、特 とく に4つ以上 いじょう の異 こと なる置換 ちかん 基 もと との結合 けつごう を持 も つ原子 げんし を表現 ひょうげん するにはどうしても限界 げんかい がある。
化学 かがく 式 しき は元素 げんそ 記号 きごう の一 いち 行 ぎょう で表現 ひょうげん しなければならないため、化合 かごう 物 ぶつ 中 ちゅう の原子 げんし どうしの空間 くうかん 的 てき 関係 かんけい をグラフィックで表現 ひょうげん した完全 かんぜん な構造 こうぞう 式 しき ほど多 おお くの情報 じょうほう 量 りょう を伝 つた えられないことが多 おお い(たとえば、右 みぎ 下 か のブタンの構造 こうぞう 式 しき 、化学 かがく 式 しき の図 ず を参照 さんしょう )。分子 ぶんし の構造 こうぞう の複雑 ふくざつ さのため、ある示 しめせ 性 せい 式 しき が、異性 いせい 体 たい と呼 よ ばれる互 たが いに異 こと なる分子 ぶんし に対応 たいおう することがある。たとえば、グルコースの分子 ぶんし 式 しき は C 6 H 12 O 6 であるが、フルクトース 、ガラクトース 、マンノース などの異 こと なる多 おお くの糖類 とうるい と共通 きょうつう している。複雑 ふくざつ な構造 こうぞう を一意 いちい に特定 とくてい できる線形 せんけい 等価 とうか 化 か 学名 がくめい [訳語 やくご 疑問 ぎもん 点 てん ] も存在 そんざい するが(化学 かがく 命名 めいめい 法 ほう (英語 えいご 版 ばん ) を参照 さんしょう )、このような名前 なまえ には、化学 かがく 式 しき を定義 ていぎ する単純 たんじゅん な元素 げんそ 記号 きごう 、数字 すうじ 、単純 たんじゅん な活版 かっぱん 印刷 いんさつ 用 よう 記号 きごう だけではなく、多 おお くの用語 ようご を使用 しよう しなくてはならない。
化学 かがく 式 しき は、イオン性 せい 化合 かごう 物 ぶつ (en:英語 えいご 版 ばん ) の溶液 ようえき への溶解 ようかい など、化学 かがく 反応 はんのう やその他 た の化学 かがく 転換 てんかん を記述 きじゅつ するために、化学 かがく 方程式 ほうていしき (chemical equations、化学 かがく 反応 はんのう 式 しき とも)に使用 しよう されることがある。上述 じょうじゅつ のように化学 かがく 式 しき は、構造 こうぞう 式 しき のように原子 げんし 間 あいだ での化学 かがく 的 てき 結 むす びつきを示 しめ すことはできないが、化学 かがく 反応 はんのう における原子 げんし の数 かず や電荷 でんか の数 かず を把握 はあく するには十分 じゅうぶん であり、化学 かがく 方程式 ほうていしき の収支 しゅうし をとることで原子 げんし や電荷 でんか の保存 ほぞん を含 ふく む化学 かがく 問題 もんだい で利用 りよう することができる。
概要 がいよう
化学 かがく 式 しき は、化合 かごう 物 ぶつ を構成 こうせい する各 かく 元素 げんそ を化学 かがく 記号 きごう で識別 しきべつ し、各 かく 元素 げんそ の原子 げんし 数 すう の比率 ひりつ を示 しめ すものである。実験 じっけん 式 しき の場合 ばあい 、これらの比率 ひりつ は、化合 かごう 物 ぶつ 中 ちゅう の主要 しゅよう な元素 げんそ から始 はじ まって、その元素 げんそ に対 たい する比率 ひりつ で他 た の元素 げんそ の原子 げんし 数 すう を割 わ り当 あ てる。分子 ぶんし 化合 かごう 物 ぶつ の場合 ばあい 、これらの比率 ひりつ の値 ね はすべて整数 せいすう で表 あらわ すことができる。たとえば、エタノール の実験 じっけん 式 しき は C 2 H 6 O と表記 ひょうき されることがあるが、これはエタノールの分子 ぶんし はすべて2個 こ の炭素 たんそ 原子 げんし 、6個 こ の水素 すいそ 原子 げんし 、1個 いっこ の酸素 さんそ 原子 げんし を含 ふく んでいるからである。しかし、イオン性 せい 化合 かごう 物 ぶつ の中 なか には、実験 じっけん 式 しき をすべて整数 せいすう で表現 ひょうげん できないものもある。たとえば炭化 たんか ホウ素 ほうそ の場合 ばあい 、その式 しき CBn は、n が 4-6.5 の間 あいだ で可変 かへん の非 ひ 正数 せいすう 比 ひ である。
化合 かごう 物 ぶつ が単純 たんじゅん な分子 ぶんし で構成 こうせい されている場合 ばあい 、化学 かがく 式 しき は分子 ぶんし の構造 こうぞう を示唆 しさ する記述 きじゅつ 法 ほう をとることが多 おお い。このような式 しき は、分子 ぶんし 式 しき あるいは示 しめせ 性 せい 式 しき として広 ひろ く知 し られている。分子 ぶんし 式 しき は、分子 ぶんし 内 ない の原子 げんし の数 かず を反映 はんえい させるために原子 げんし 数 すう を列挙 れっきょ する。そのため、グルコース の分子 ぶんし 式 しき は C 6 H 12 O 6 となり、実験 じっけん 式 しき の CH 2 O とは異 こと なる。しかし、非常 ひじょう に単純 たんじゅん な物質 ぶっしつ を除 のぞ いて、分子 ぶんし の化学 かがく 式 しき は必要 ひつよう な構造 こうぞう 情報 じょうほう を欠 か いていて、曖昧 あいまい となる。
単純 たんじゅん な分子 ぶんし の場合 ばあい 、示 しめせ 性 せい 式 しき (または半 はん 構造 こうぞう 式 しき )は、正 ただ しい構造 こうぞう を完全 かんぜん に示唆 しさ する可能 かのう 性 せい のある化学 かがく 式 しき の一 ひと つである。たとえば、エタノールは CH 3 CH 2 OH という示 しめせ 性 せい 式 しき で、ジメチルエーテル は CH 3 OCH 3 という示 しめせ 性 せい 式 しき で表 あらわ すことができる。この2つの分子 ぶんし は同 おな じ実験 じっけん 式 しき と分子 ぶんし 式 しき (C 2 H 6 O)を持 も っているが、単純 たんじゅん な有機 ゆうき 化合 かごう 物 ぶつ の完全 かんぜん な構造 こうぞう を表 あらわ すのに十分 じゅうぶん な示 しめせ 性 せい 式 しき が示 しめ されることで、分子 ぶんし を区別 くべつ することができる。
また、示 しめせ 性 せい 式 しき はイオン性 せい 化合 かごう 物 ぶつ も表現 ひょうげん することができる。イオン性 せい 化合 かごう 物 ぶつ は個別 こべつ の分子 ぶんし としては存在 そんざい せず、その内部 ないぶ に共有 きょうゆう 結合 けつごう したクラスターを含 ふく んでいる。これらの多 た 原子 げんし イオン は、たとえば硫酸 りゅうさん イオン [SO 4 ]2- のように、全体 ぜんたい としてイオン電荷 でんか を持 も つ、共有 きょうゆう 結合 けつごう した原子 げんし のグループである。化合 かごう 物 ぶつ 中 ちゅう の各 かく 多 た 原子 げんし イオンは、グループ分 わ けを説明 せつめい するために個別 こべつ に表記 ひょうき される。たとえば、六 ろく 酸化 さんか 二 に 塩素 えんそ (英語 えいご 版 ばん ) という化合 かごう 物 ぶつ は、実験 じっけん 式 しき は ClO 3 、分子 ぶんし 式 しき は Cl 2 O 6 で表 あらわ されるが、液体 えきたい や固体 こたい ではイオン示 しめせ 性 せい 式 しき [ClO 2 ]+ [ClO 4 ]− で表 あらわ す方 ほう がより正確 せいかく であり、この化合 かごう 物 ぶつ が [ClO 2 ]+ イオンと [ClO 4 ]− イオンから構成 こうせい されることを示 しめ している。このような場合 ばあい 、示 しめせ 性 せい 式 しき は各 かく イオン種 しゅ の少 すく なくとも1つを示 しめ すのに十分 じゅうぶん な複雑 ふくざつ さであればよい。
本 ほん 記事 きじ で説明 せつめい する化学 かがく 式 しき は、化学 かがく 命名 めいめい 法 ほう (英語 えいご 版 ばん ) のさまざまな体系 たいけい で使用 しよう されている非常 ひじょう に複雑 ふくざつ な化学 かがく 系統 けいとう 名 めい とは異 こと なるものである。たとえば、グルコースの系統 けいとう 名 めい の一 ひと つに、(2R ,3S ,4R ,5R )-2,3,4,5,6-pentahydroxyhexanal がある。この名前 なまえ はその背景 はいけい にある規則 きそく によって解釈 かいしゃく され、グルコースの構造 こうぞう を完全 かんぜん に特定 とくてい しているが、通常 つうじょう の意味 いみ での化学 かがく 式 しき ではなく、化学 かがく 式 しき では用 もち いられない用語 ようご や単語 たんご を使 つか っている。このような名前 なまえ は、基本 きほん 式 しき とは違 ちが って、グラフィックを使 つか わなくても完全 かんぜん な構造 こうぞう を表 あらわ すことができる可能 かのう 性 せい がある。
種類 しゅるい
実験 じっけん 式 しき
化学 かがく では、化学 かがく 物質 ぶっしつ の実験 じっけん 式 しき (empirical formula)とは、化合 かごう 物質 ぶっしつ に含 ふく まれる原子 げんし の種類 しゅるい ごとの相対 そうたい 的 てき な数 かず 、または元素 げんそ の比率 ひりつ を簡単 かんたん に表 あらわ したものである。化学 かがく 物質 ぶっしつ の元素 げんそ 組成 そせい を示 しめ すことから、元素 げんそ 組成 そせい 式 しき (compositional formula, nominal composition)、あるいは単 たん に組成 そせい 式 しき と呼 よ ぶこともある。CaCl 2 のようなイオン性 せい 化合 かごう 物 ぶつ や、SiO 2 のような高分子 こうぶんし 化合 かごう 物 ぶつ では、実験 じっけん 式 しき が標準 ひょうじゅん となる。実験 じっけん 式 しき では、異性 いせい 、構造 こうぞう 、原子 げんし の絶対 ぜったい 数 すう には言及 げんきゅう しない。実験 じっけん (empirical)という用語 ようご は、元素 げんそ 分析 ぶんせき のプロセスを意味 いみ しており、これは純粋 じゅんすい な化学 かがく 物質 ぶっしつ の元素 げんそ ごとの相対 そうたい 的 てき な組成 そせい を決定 けってい するのに使 つか われる分析 ぶんせき 化学 かがく の技術 ぎじゅつ である。
たとえば、ヘキサン は分子 ぶんし 式 しき は C 6 H 14 で、n -ヘキサン(異性 いせい 体 たい の一 ひと つ)の構造 こうぞう 式 しき は CH 3 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 3 であり、6個 こ の炭素 たんそ 原子 げんし と14個 こ の水素 すいそ 原子 げんし からなる直 ちょく 鎖 くさり 構造 こうぞう を持 も っていることを意味 いみ する。しかし、ヘキサンの実験 じっけん 式 しき は C 3 H 7 となる。同様 どうよう に、過酸化水素 かさんかすいそ H 2 O 2 の実験 じっけん 式 しき は単純 たんじゅん に HO で、構成 こうせい 元素 げんそ が 1:1 の比率 ひりつ であることを表 あらわ している。ホルムアルデヒド と酢酸 さくさん の実験 じっけん 式 しき は同 おな じ CH 2 O である。これは、ホルムアルデヒドの実際 じっさい の化学 かがく 式 しき でもあるが、酢酸 さくさん はこの2倍 ばい の原子 げんし 数 すう を持 も っている。
分子 ぶんし 式 しき
イソブタン の構造 こうぞう 式 しき 分子 ぶんし 式 しき : C 4 H 10示 しめせ 性 せい 式 しき : (CH 3 ) 3 CH
H
−
C
|
H
H
|
−
C
|
H
H
|
−
C
|
H
H
|
−
C
|
H
H
|
−
H
{\displaystyle {\ce {H-{\overset {\displaystyle H \atop |}{\underset {| \atop \displaystyle H}{C}}}-{\overset {\displaystyle H \atop |}{\underset {| \atop \displaystyle H}{C}}}-{\overset {\displaystyle H \atop |}{\underset {| \atop \displaystyle H}{C}}}-{\overset {\displaystyle H \atop |}{\underset {| \atop \displaystyle H}{C}}}-H}}}
n -ブタンの
構造 こうぞう 式 しき 分子 ぶんし 式 しき : C
4H
10示 しめせ 性 せい 式 しき : CH
3CH
2CH
2CH
3
分子 ぶんし 式 しき (molecular formula)は、分子 ぶんし 性 せい 物質 ぶっしつ の1分子 ぶんし に含 ふく まれる原子 げんし の種類 しゅるい ごとの数 かず を簡単 かんたん に示 しめ したものである。これは、特定 とくてい の種類 しゅるい の原子 げんし を1つだけ持 も ち、それ以外 いがい はより大 おお きな数 かず を持 も つ分子 ぶんし の実験 じっけん 式 しき と同 おな じである。たとえば、グルコースの場合 ばあい 、実験 じっけん 式 しき は CH 2 O (比率 ひりつ 1:2:1)であるが、これに対 たい し、分子 ぶんし 式 しき は C 6 H 12 O 6 (原子 げんし 数 すう 6:12:6)で相違 そうい している。水 みず の場合 ばあい はどちらの式 しき も H 2 O となる。分子 ぶんし 式 しき は実験 じっけん 式 しき よりも分子 ぶんし に関 かん する情報 じょうほう をより多 おお く提供 ていきょう しているが、確証 かくしょう にはより困難 こんなん さを伴 ともな う。
分子 ぶんし 式 しき は分子 ぶんし に含 ふく まれる元素 げんそ の数 かず を示 しめ し、それが二元 にげん 化合 かごう 物 ぶつ (異 こと なる2種類 しゅるい の元素 げんそ を含 ふく む)か、三 さん 元 もと 化合 かごう 物 ぶつ か、四元 よつもと 化合 かごう 物 ぶつ か、さらに多 おお くの元素 げんそ を持 も つかどうかを決定 けってい する。
構造 こうぞう 式 しき
構造 こうぞう 式 しき (こうぞうしき、structural formula)は、各 かく 分子 ぶんし の原子 げんし 数 すう を示 しめ すだけでなく、原子 げんし が分子 ぶんし をどのように構成 こうせい しているか表現 ひょうげん するとともに、原子 げんし 間 あいだ の化学 かがく 結合 けつごう を示 しめ す(または暗示 あんじ する)ものである。構造 こうぞう 式 しき は通常 つうじょう 、平面 へいめん 上 じょう に構造 こうぞう のトポロジー 的 てき な関係 かんけい だけを表現 ひょうげん し、実際 じっさい の構造 こうぞう を反映 はんえい するものではない。構造 こうぞう 式 しき には、分子 ぶんし 構造 こうぞう のさまざまな側面 そくめん に着目 ちゃくもく した、いくつかの種類 しゅるい がある。右 みぎ に掲載 けいさい したブタンの2つの図 ず は、同 おな じ分子 ぶんし 式 しき C 4 H 10 でありながら構造 こうぞう 式 しき が異 こと なる構造 こうぞう 異性 いせい 体 たい である2つの分子 ぶんし を区別 くべつ して示 しめ している。
分子 ぶんし の連結 れんけつ 性 せい (英語 えいご 版 ばん ) は、しばしばその物理 ぶつり 的 てき 性質 せいしつ 、化学 かがく 的 てき 性質 せいしつ 、挙動 きょどう に強 つよ い影響 えいきょう を与 あた える。同 おな じ数 すう 、同 おな じ種類 しゅるい の原子 げんし から構成 こうせい される2つの分子 ぶんし (つまり一 いち 対 つい の異性 いせい 体 たい )は、原子 げんし の結合 けつごう が異 こと なったり結合 けつごう の位置 いち が異 こと なったりすると、化学 かがく 的 てき および物理 ぶつり 的 てき に全 まった く異 こと なる性質 せいしつ を持 も つことがある。このような場合 ばあい 、どの原子 げんし がどの原子 げんし に結合 けつごう しているかを示 しめ す構造 こうぞう 式 しき が役 やく に立 た つ。また、連結 れんけつ 性 せい から、おおよその分子 ぶんし の形状 けいじょう を推定 すいてい できることも多 おお い。
示 しめせ 性 せい 式 しき
示 しめせ 性 せい 式 しき (しせいしき、condensed formula、または半 はん 構造 こうぞう 式 しき (semi-structural formula))は、図版 ずはん の使用 しよう が非常 ひじょう に制限 せいげん されていた有機 ゆうき 化学 かがく の初期 しょき の出版 しゅっぱん 物 ぶつ で、有機 ゆうき 構造 こうぞう を一 いち 行 ぎょう で記述 きじゅつ する活版 かっぱん 印刷 いんさつ 上 じょう の体系 たいけい として登場 とうじょう した。示 しめせ 性 せい 式 しき は、単純 たんじゅん な化学 かがく 物質 ぶっしつ の結合 けつごう の種類 しゅるい と空間 くうかん 的 てき 配置 はいち を表 あらわ すことができるが、必 かなら ずしも異性 いせい 体 たい や複雑 ふくざつ な構造 こうぞう を特定 とくてい できるわけではない。
たとえば、エタン は単 たん 結合 けつごう した2個 こ の炭素 たんそ 原子 げんし から構成 こうせい され、各 かく 炭素 たんそ 原子 げんし には3個 こ の水素 すいそ 原子 げんし が結合 けつごう していて、化学 かがく 式 しき は CH 3 CH 3 と表 あら わされる。エチレン では、炭素 たんそ 原子 げんし 間 あいだ に二 に 重 じゅう 結合 けつごう があるため(つまり各 かく 炭素 たんそ は2個 こ の水素 すいそ しか持 も たない)化学 かがく 式 しき は CH 2 CH 2 と表 あらわ される。炭素 たんそ 間 あいだ に二 に 重 じゅう 結合 けつごう があることは、炭素 たんそ の原子 げんし 価 か は4であることから暗黙 あんもく 的 てき に示 しめ されている。しかし、より明示 めいじ 的 てき な記述 きじゅつ は H 2 C=CH 2 であり、あまり一般 いっぱん 的 てき ではないが H 2 C::CH 2 と記述 きじゅつ することもある。2本 ほん の線 せん (または2対 つい の点 てん )は、その両隣 りょうどなり の原子 げんし を二 に 重 じゅう 結合 けつごう で連結 れんけつ していることを示 しめ す。三重 みえ 結合 けつごう は3本 ほん の線 せん HC≡CH または3対 つい の点 てん (HC:::CH)で表 あらわ すことがあり、曖昧 あいまい な場合 ばあい は、単 たん 結合 けつごう を1本 ほん の線 せん または1対 つい の点 てん で示 しめ すことがある。
同 おな じ官能 かんのう 基 もと を複数 ふくすう 持 も つ分子 ぶんし は、繰 く り返 かえ される基 もと を丸 まる 括弧 かっこ で囲 かこ んで表現 ひょうげん することができる。たとえば、イソブタン は (CH 3 ) 3 CH と表 あらわ すことがある。この示 しめせ 性 せい 式 しき は、同 おな じ原子 げんし を同 おな じ割合 わりあい で使 つか ってできる他 ほか の分子 ぶんし (異性 いせい 体 たい )とは異 こと なる連結 れんけつ 性 せい を意味 いみ している。この (CH 3 ) 3 CH という式 しき は、中心 ちゅうしん の炭素 たんそ 原子 げんし が、1個 いっこ の水素 すいそ 原子 げんし と3個 こ のメチル基 もと (CH 3 )に接続 せつぞく していることを意味 いみ する。各 かく 元素 げんそ の同数 どうすう の原子 げんし (水素 すいそ 10個 こ 、炭素 たんそ 4個 こ 、つまり C 4 H 10 )があれば、直 ちょく 鎖 くさり 分子 ぶんし である n -ブタン ( CH 3 CH 2 CH 2 CH 3 )を作 つく ることができる。
一定 いってい 組成 そせい の法則 ほうそく
どのような化合 かごう 物 ぶつ でも、元素 げんそ は常 つね に同 おな じ割合 わりあい で互 たが いに結合 けつごう している。これが一定 いってい 組成 そせい の法則 ほうそく (定 てい 比例 ひれい の法則 ほうそく とも呼 よ ぶ)である。一定 いってい 組成 そせい の法則 ほうそく とは、どんな化合 かごう 物 ぶつ でも、その化合 かごう 物 ぶつ のすべてのサンプルは、同 おな じ元素 げんそ が同 おな じ割合 わりあい (または比率 ひりつ )で構成 こうせい されるというものである。たとえば、どの水分 すいぶん 子 こ でも、かならず2個 こ の水素 すいそ 原子 げんし と1個 いっこ の酸素 さんそ 原子 げんし から 2:1 の割合 わりあい で構成 こうせい されている。水 みず の分子 ぶんし に含 ふく まれる酸素 さんそ と水素 すいそ の相対 そうたい 的 てき な質量 しつりょう を見 み ると、水分 すいぶん 子 こ の質量 しつりょう の94%が酸素 さんそ が占 し め、残 のこ りの6%が水素 すいそ の質量 しつりょう であることがわかる。この質量 しつりょう 比 ひ は、どの水分 すいぶん 子 こ でも同 おな じである[1] 。
化学 かがく 式 しき の制約 せいやく に対 たい する化学 かがく 命名 めいめい 法 ほう
ブタ-2-エン(but-2-ene)というアルケン には、化学 かがく 式 しき CH 3 CH=CHCH 3 では識別 しきべつ できない2つの異性 いせい 体 たい がある。2つのメチル基 もと の相対 そうたい 的 てき な位置 いち を示 しめ すためには表記 ひょうき を追加 ついか して、メチル基 もと が二 に 重 じゅう 結合 けつごう の同 おな じ側 がわ (cis または Z )にあるか、反対 はんたい 側 がわ (trans または E )にあるかを示 しめ す必要 ひつよう がある[2] 。
上述 じょうじゅつ のように、多 おお くの複雑 ふくざつ な有機 ゆうき および無機 むき 化合 かごう 物 ぶつ の完全 かんぜん な構造 こうぞう 式 しき を表現 ひょうげん するためには、単純 たんじゅん な示 しめせ 性 せい 式 しき で利用 りよう できる手段 しゅだん をはるかに超 こ える化学 かがく 命名 めいめい 法 ほう (英語 えいご 版 ばん ) を必要 ひつよう とする場合 ばあい がある。その例 れい については、IUPAC有機 ゆうき 化学 かがく 命名 めいめい 法 ほう (英語 えいご 版 ばん ) (IUPAC nomenclature of organic chemistry)および、IUPAC無機 むき 化学 かがく 命名 めいめい 法 ほう (英語 えいご 版 ばん ) 2005(IUPAC nomenclature of inorganic chemistry 2005)を参照 さんしょう のこと。また、国際 こくさい 化学 かがく 識別子 しきべつし (InChI)のような線形 せんけい 命名 めいめい システムによって、コンピュータで構造 こうぞう 式 しき を構築 こうちく することができ、簡易 かんい 分子 ぶんし 入力 にゅうりょく ライン入力 にゅうりょく システム (SMILES)では、人間 にんげん がより理解 りかい しやすいASCII 入力 にゅうりょく ができる。しかし、これらの命名 めいめい 体系 たいけい はいずれも化学 かがく 式 しき の基準 きじゅん を超 こ えており、厳密 げんみつ にいえば式 しき 体系 たいけい ではなく命名 めいめい 法 ほう である[要 よう 出典 しゅってん ] 。
ポリマーの示 しめせ 性 せい 式 しき
ポリマー の示 しめせ 性 せい 式 しき は、繰 く り返 かえ し単位 たんい を括弧 かっこ で囲 かこ んでいる。たとえば、CH 3 (CH 2 ) 50 CH 3 と表記 ひょうき される炭化 たんか 水素 すいそ 分子 ぶんし は、50個 こ の繰 く り返 かえ し単位 たんい を持 も つ分子 ぶんし である。繰 く り返 かえ し単位 たんい の数 かず が不明 ふめい または可変 かへん である場合 ばあい 、文字 もじ n を使用 しよう してその式 しき CH 3 (CH 2 )n CH 3 を示 しめ すことができる。
イオンの示 しめせ 性 せい 式 しき
イオンの場合 ばあい 、特定 とくてい の原子 げんし の電荷 でんか を、右側 みぎがわ の上 うえ 付 つ き文字 もじ で表 あら わすことができる。たとえば、 Na+ や Cu2+ である。また、ヒドロニウム H 3 O+ や硫酸 りゅうさん イオン SO2− 4 のように、荷電 かでん 分子 ぶんし や多 た 原子 げんし イオンの総 そう 電荷 でんか もこの方法 ほうほう で表 あらわ すことができる。ここでは、+1 や -1 の代 か わりに + と - が使用 しよう されている。
より複雑 ふくざつ なイオンの場合 ばあい 、イオン式 しき (イオンしき、ionic formula)を角 かく 括弧 かっこ [ ] で囲 かこ むことがよくあり、ドデカホウ酸 さん セシウム (英語 えいご 版 ばん ) Cs 2 [B 12 H 12 ] などの化合 かごう 物 ぶつ で [B 12 H 12 ]2− のように見 み られる。ヘキサアンミンコバルト(III)塩化 えんか 物 ぶつ [Co(NH 3 ) 6 ]3+ Cl− 3 のように、繰 く り返 かえ し単位 たんい を示 しめ すために、丸 まる 括弧 かっこ ( ) を括弧 かっこ 内 ない に入 い れ子 こ にすることもできる。ここで、 (NH 3 ) 6 はコバルトに結合 けつごう した6個 こ のアンミン基 もと (英語 えいご 版 ばん ) (NH 3 ) を含 ふく むことを示 しめ し、[ ] は電荷 でんか +3 のイオン式 しき 全体 ぜんたい を囲 かこ んでいる 。
こうした表記 ひょうき は厳密 げんみつ には任意 にんい である。化学 かがく 式 しき はイオン化 いおんか 情報 じょうほう の有無 うむ にかかわらず有効 ゆうこう であり、ヘキサアミンコバルト(III)塩化 えんか 物 ぶつ は [Co(NH 3 ) 6 ]3+ Cl− 3 または [Co(NH 3 ) 6 ]Cl 3 と表 あらわ すことができる。角 かく 括弧 かっこ は丸 まる 括弧 かっこ と同様 どうよう に、数学 すうがく と同 おな じように化学 かがく でも用語 ようご をまとめる役割 やくわり をもつが、特 とく にイオン化 いおんか 状態 じょうたい だけに使 つか われるものではない。後者 こうしゃ の場合 ばあい 、角 かく 括弧 かっこ は、全 すべ て同 おな じ形状 けいじょう の6つの基 もと が別 べつ の1つの基 もと (コバルト原子 げんし )に結合 けつごう し、さらにその一群 いちぐん が1つの基 もと として3つの塩素 えんそ 原子 げんし に結合 けつごう していることを示 しめ してる。前者 ぜんしゃ の場合 ばあい 、塩素 えんそ をつなぐ結合 けつごう が共有 きょうゆう 結合 けつごう ではなく、イオン結合 けつごう であることが明確 めいかく になる。
同位 どうい 体 たい
通常 つうじょう 、元素 げんそ は天然 てんねん 組成 そせい 比 ひ の同位 どうい 体 たい 混合 こんごう 物 ぶつ を意味 いみ している。同位 どうい 体 たい は核 かく 化学 かがく や安定 あんてい 同位 どうい 体 たい 化学 かがく に関連 かんれん するが、化学 かがく 式 しき では異 こと なる同位 どうい 体 たい を明示 めいじ するために、左上 ひだりうえ 付 つ き文字 もじ で質量 しつりょう 数 すう を示 しめ すことがある。たとえば、放射 ほうしゃ 性 せい リン32を含 ふく むリン酸 さん イオンは [32 PO 4 ]3- である。また、安定 あんてい 同位 どうい 体 からだ 比 ひ に関 かか わる研究 けんきゅう では、18 O16 O という分子 ぶんし を使 つか うこともある。
左側 ひだりがわ の下 した 付 つ き文字 もじ は、原子 げんし 番号 ばんごう を示 しめ すために重複 じゅうふく して使用 しよう されることがある。たとえば、 8 O 2 は二 に 酸素 さんそ を、 16 8 O2 は二 に 酸素 さんそ の最 もっと も豊富 ほうふ な同位 どうい 体 からだ 種 しゅ を表 あらわ す。これは、核 かく 反応 はんのう 式 しき を書 か くときに、電荷 でんか の収支 しゅうし をより明確 めいかく に示 しめ すために便利 べんり である。
重水素 じゅうすいそ や三 さん 重水素 じゅうすいそ では、それぞれの頭文字 かしらもじ をとって D や T と表 あらわ すことがある。
内包 ないほう 原子 げんし
バックミンスターフラーレン の三 さん 次元 じげん 表現 ひょうげん 従来 じゅうらい の式 しき :MC 60 @表記 ひょうき :M@C 60
@記号 きごう (アットマーク)は、ケージ内 ない に閉 と じ込 こ められているが、化学 かがく 的 てき に結合 けつごう していない原子 げんし や分子 ぶんし を示 しめ す。たとえば、原子 げんし M を持 も つバックミンスターフラーレン (C 60 )は、M が化学 かがく 結合 けつごう せずにフラーレン内 ない に捕捉 ほそく されているか、炭素 たんそ 原子 げんし の1つと結合 けつごう してフラーレン外 がい にあるかに関 かか わらず、単純 たんじゅん に MC 60 と表記 ひょうき される。@記号 きごう を使用 しよう すると、M が炭素 たんそ ネットワークの内側 うちがわ にある場合 ばあい は M@C 60 と表記 ひょうき される。フラーレン以外 いがい の例 れい としては、 [As@Ni 12 As 20 ]3− があげられる。このイオンは、1個 いっこ のヒ素 ひそ 原子 げんし (As)が、他 た の32個 こ の原子 げんし によって形成 けいせい されたケージ内 ない に閉 と じ込 こ められている。
この表記 ひょうき 法 ほう は、1991年 ねん に提案 ていあん されたもので[3] 、La などの原子 げんし を閉 と じ込 こ めて La@C 60 や La@C 82 を形成 けいせい するフラーレン ケージ(内包 ないほう フラーレン )が発見 はっけん されたことに伴 ともな うものである。この記号 きごう を選 えら んだ理由 りゆう について著者 ちょしゃ らは、印刷 いんさつ や電子 でんし 送信 そうしん が容易 ようい であること[注釈 ちゅうしゃく 2] 、視覚 しかく 的 てき に内包 ないほう フラーレンの構造 こうぞう を示唆 しさ するものであると説明 せつめい している。
不定 ふてい 比 ひ 化学 かがく 式 しき
化学 かがく 式 しき では通常 つうじょう 、各 かく 元素 げんそ の数 かず を整数 せいすう で表記 ひょうき する。しかし、小 ちい さな整数 せいすう では表 あらわ せない不定 ふてい 比 ひ 化合 かごう 物 ぶつ (または非 ひ 化学 かがく 量 りょう 論 ろん 的 てき 化合 かごう 物 ぶつ )と呼 よ ばれる種類 しゅるい の化合 かごう 物 ぶつ が存在 そんざい する。このような式 しき は、Fe 0.95 O のように小数 しょうすう で表 あらわ されることもあれば、Fe 1-x O のように文字 もじ による可変 かへん 部 ぶ を含 ふく むこともある。
有機 ゆうき 化合 かごう 物 ぶつ の一般 いっぱん 式 しき
一定 いってい の単位 たんい で互 たが いに異 こと なる一連 いちれん の化合 かごう 物 ぶつ を表 あらわ す化学 かがく 式 しき を、一般 いっぱん 式 しき (general formula)と呼 よ ぶ。これは、同族 どうぞく 列 れつ (英語 えいご 版 ばん ) の化学 かがく 式 しき を生成 せいせい する。たとえば、アルコール は Cn H 2n + 1 OH (n ≥ 1) という一般 いっぱん 式 しき で表 あらわ すことができ、1 ≤ n ≤ 3 でメタノール 、エタノール 、プロパノール という同族 どうぞく 体 たい を得 え ることができる。
また、任意 にんい の金属 きんぞく 元素 げんそ を示 しめ す M やハロゲン 元素 げんそ を示 しめ す X など、元素 げんそ 記号 きごう を一般 いっぱん 化 か して表 あらわ すこともある。
ヒルシステム
ヒルシステム (Hill system、またはヒル表記 ひょうき 法 ほう (Hill notation))は、実験 じっけん 式 しき 、分子 ぶんし 化学 かがく 式 しき 、示 しめせ 性 せい 式 しき の構成 こうせい 元素 げんそ の表記 ひょうき 方法 ほうほう であり、分子 ぶんし 内 うち の炭素 たんそ 原子 げんし の数 かず を最初 さいしょ に表 あらわ し、次 つぎ に水素 すいそ 原子 げんし の数 かず を表 あらわ し、その後 ご に他 た のすべての化学 かがく 元素 げんそ の数 かず を元素 げんそ 記号 きごう のアルファベット順 じゅん に記述 きじゅつ する。炭素 たんそ が式 しき に含 ふく まれない場合 ばあい は、水素 すいそ を含 ふく むすべての元素 げんそ をアルファベット順 じゅん に列挙 れっきょ する。
このような規則 きそく に従 したが って化学 かがく 式 しき を各 かく 元素 げんそ の原子 げんし 数 すう によって並 なら べ替 か え、前 まえ の元素 げんそ や数値 すうち の違 ちが いは後 ご の元素 げんそ や数値 すうち の違 ちが いよりも重要 じゅうよう なものとして扱 あつか うことで、テキスト文字 もじ 列 れつ を辞書 じしょ 順 じゅん に並 なら べるのと同様 どうよう に、化学 かがく 式 しき をヒルシステム順序 じゅんじょ (Hill system order)と呼 よ ばれるものに対照 たいしょう (en:英語 えいご 版 ばん ) することができる。
ヒルシステムは、1900年 ねん に、米国 べいこく 特許 とっきょ 商標 しょうひょう 庁 ちょう の Edwin A. Hill が発表 はっぴょう したものである[4] 。これは、化学 かがく データベースや印刷 いんさつ された索引 さくいん で化合 かごう 物 ぶつ のリストを分類 ぶんるい するために、最 もっと もよく使 つか われる方式 ほうしき である[5] 。
ヒルシステム順序 じゅんじょ による式 しき の一覧 いちらん では、上記 じょうき のようにアルファベット順 じゅん に配列 はいれつ され、記号 きごう が同 おな じ文字 もじ で始 はじ まる場合 ばあい は、1文字 もじ の元素 げんそ が2文字 もじ の元素 げんそ よりも前 まえ に来 く るようになっている(つまり「B」は「Be」の前 まえ に、「Be」は「Br」の前 まえ に来 く る[5] )。
次 つぎ に例 れい を示 しめ す式 しき の配列 はいれつ はヒルシステムを使用 しよう して書 か かれ、ヒルシステム順序 じゅんじょ に並 なら んでいる。
BrI
BrClH2 Si
CCl4
CH3 I
C2 H5 Br
H2 O4 S
関連 かんれん 項目 こうもく
脚注 きゃくちゅう
注記 ちゅうき
^ 示 しめせ 性 せい 分子 ぶんし 式 しき (condensed molecular formula)や半 はん 構造 こうぞう 式 しき (semi-structural formula)とも呼 よ ばれることもある
^ @記号 きごう は、現代 げんだい 使 つか われている大半 たいはん の文字 もじ 符号 ふごう 化 か 方式 ほうしき の基礎 きそ をなすASCII に含 ふく まれている
出典 しゅってん
^ “Law of Constant Composition ”. Everything Math and Science . SIYAVULA. 2016年 ねん 3月 がつ 31日 にち 閲覧 えつらん 。 This material is available under a Creative Commons Attribution-Share Alike 3.0 license.
^ Burrows, Andrew. (2013-03-21). Chemistry³ : introducing inorganic, organic and physical chemistry (Second ed.). Oxford. ISBN 978-0-19-969185-2 . OCLC 818450212
^ Chai, Yan; Guo, Ting; Jin, Changming; Haufler, Robert E.; Chibante, L. P. Felipe; Fure, Jan; Wang, Lihong; Alford, J. Michael et al. (1991). “Fullerenes wlth Metals Inside”. Journal of Physical Chemistry 95 (20): 7564–7568. doi :10.1021/j100173a002 .
^ Edwin A. Hill (1900). “On a system of indexing chemical literature; Adopted by the Classification Division of the U.S. Patent Office” . J. Am. Chem. Soc. 22 (8): 478–494. doi :10.1021/ja02046a005 . hdl :2027/uiug.30112063986233 . https://zenodo.org/record/1428916 .
^ a b Wiggins, Gary. (1991). Chemical Information Sources. New York: McGraw Hill. p. 120.
参考 さんこう 文献 ぶんけん
外部 がいぶ リンク
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