Ξくしー

ギリシア文字もじ
Αあるふぁαあるふぁ	アルファ	Νにゅーνにゅー	ニュー
Βべーたβべーた	ベータ	Ξくしーξくしー	クサイ
Γがんまγがんま	ガンマ	Οおみくろんοおみくろん	オミクロン
Δでるたδでるた	デルタ	Πぱいπぱい	パイ
Εいぷしろんεいぷしろん	エプシロン	Ρろーρろー	ロー
Ζぜーたζぜーた	ゼータ	Σσς	シグマ
Ηいーたηいーた	イータ	Τたうτたう	タウ
Θしーたθしーた	シータ	Υうぷしろんυうぷしろん	ウプシロン
Ιいおたιいおた	イオタ	Φふぁいφふぁい	ファイ
Κかっぱκかっぱ	カッパ	Χかいχかい	カイ
Λらむだλらむだ	ラムダ	Ψぷさいψぷさい	プサイ
Μみゅーμみゅー	ミュー	Ωおめがωおめが	オメガ
使つかわれなくなった文字もじ
()	ディガンマ		サン
	ヘータ		ショー
ギリシアの数字すうじ
	スティグマ	()	サンピ
()	コッパ

Ξくしー, ξくしー（クサイ、クシー、古代こだいギリシア語ご: ξくしーεいぷしろんῖ クセー、ギリシア語ご: ξくしーιいおた クシ、英語えいご: xi [zaɪ] ザイ）は、ギリシア文字もじ第だい14字母じぼ。数すう価かは 60、音おと価かは /ks/。手書てがきでは「王おう」のようにも書かかれる。

起源きげん

フェニキア文字もじ 𐤎 （サメク）に由来ゆらいする。この文字もじはセム語ごでは [s] を表あらわしたが、ギリシア語ごでは [s] のためには Σしぐま（シグマ）または Ϻ（サン）を使用しようした。

早期そうきのアルファベットでは/ks/の音おとは ΚかっぱΣしぐま のように2文字もじで表あらわされた。アッティカ地方ちほうでは ΧかいΣしぐま と書かかれた。その後ご、地方ちほうによって「Ξくしー」または「Χかい」によってこの音おとが表あらわされるようになった。イオニア式しきアルファベットでは「Ξくしー」によって表あらわされ、これが標準ひょうじゅん化かした。一方いっぽう西方にしかたギリシア文字もじではこの文字もじは使つかわれず、/ks/ の音おとは Χかい によって表あらわされた。ラテン文字もじの X は西方にしかたギリシア文字もじに由来ゆらいする。

古代こだいの文字もじ名称めいしょうクセーは πぱい（ペー）、φふぁい（ペー）、χかい（ケー）からの類推るいすいにもとづく。紀元前きげんぜん4世紀せいき末まつごろに [eː] から [iː] へ発音はつおんが変化へんかしたために ξくしーῖ（クシー）と呼よばれるようになった。

記号きごうとしての用法ようほう

• 大文字おおもじの「Ξくしー」は、
  • 素粒子そりゅうし物理ぶつり学がくでアイソスピンが1⁄2、ストレンジネスが-2のハイペロン（$uss$, $dss$）を表あらわす。
  • 統計とうけい力学りきがくで大だい分配ぶんぱい関数かんすうを表あらわす記号きごうとして主おもに用もちいられる。
  • イーサリアムの通貨つうか記号きごうとして用もちいられる。
• 小文字こもじの「ξくしー」は、
  • 数学すうがくで、x と異ことなる第だい1の未知数みちすうとして用もちいられることがある。特とくにフーリエ変換へんかんした関数かんすうの変数へんすうとしてよく使つかわれる。
  • 完備かんびリーマンゼータ関数かんすうを表あらわす記号きごうである。

Ξくしーに関かんする諸しょ事項じこう

大文字おおもじのΞくしーはラテン文字もじのEと似にているため、偽にせキリル文字もじのような用法ようほうで使用しようされることがある。例たとえば、Razer のロゴは RAZΞくしーR のように、テスラのロゴは TΞくしーSLA といったようにデザインされている。

RAZER ではなく RAZΞくしーR のようにデザインされている。

世界せかい保健ほけん機関きかんによる新型しんがたコロナウイルスの変異へんい種しゅの命名めいめいではギリシア文字もじ順じゅんで命名めいめいされていくはずだったが、Ξくしー（英語えいご: Xi）の綴つづりと習（簡体字かんたいじ: 习、拼音: Xí）の綴つづりが同おなじ理由りゆうで採用さいようされなかった。

符号ふごう位置いち

大文字おおもじ	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	小文字こもんじ	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	備考びこう
Ξくしー	U+039E	1-6-14	Ξ Ξ Ξ	ξくしー	U+03BE	1-6-46	ξ ξ ξ

参考さんこう文献ぶんけん

• W. Sidney Allen (1987) [1968]. Vox Graeca (3rd ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521335558