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へるめす

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

へるめす』は岩波書店いわなみしょてんが1984ねん創刊そうかんした文化ぶんかてき学問がくもんてき話題わだいあつか総合そうごう雑誌ざっしである。

概要がいよう

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1984ねん12月3にち季刊きかんとして創刊そうかん磯崎いそざきしん大江おおえ健三郎けんざぶろう大岡おおおかしん武満たけみつとおる中村なかむら雄二郎ゆうじろう山口やまぐち昌男まさお編集へんしゅうどうひととなり[1]編集へんしゅうちょう大塚おおつか信一しんいちのち岩波書店いわなみしょてん社長しゃちょう)がつとめた。

『へるめす』は1981ねん〜1982ねんにかけて岩波書店いわなみしょてんより刊行かんこうされた「叢書そうしょ文化ぶんか現在げんざい」(ぜん13かん)の企画きかく延長えんちょうじょう創刊そうかんされた。編集へんしゅう同人どうじん6にんはいずれもどう叢書そうしょ編集へんしゅう委員いいんであった。

だい18ごう(1989ねん3がつ)までは季刊きかんだったが、19ごう(1989ねん5がつ)から隔月かくげつ刊行かんこうとなった。だい50ごう(1994ねん7がつ刊行かんこうをもって編集へんしゅう同人どうじん体制たいせい終止符しゅうしふち、1997ねん7がつ刊行かんこうしただい67ごうをもっておわりかんとなった。

内容ないよう

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創刊そうかん意図いと

編集へんしゅう同人どうじん連名れんめいによる「『季刊きかんへるめす』の創刊そうかんにあたって」という創刊そうかんでは思想家しそうかはやし達夫たつおが、臨機応変りんきおうへん時代じだい時間じかん逆行ぎゃっこうしたり、よこすべりする歴史れきしをギリシャ神話しんわのヘルメスになぞらえてかたった言葉ことば引用いんようしたうえで、「地殻ちかく変動へんどうのなかで、あたらしい文化ぶんか胎動たいどうこすべく」季刊きかんをつくり、「このあたらしい雑誌ざっしをつうじて、(ちゅう:ヘルメスのように)自分じぶんたちの領域りょういきえたひろがりをする使者ししゃ役割やくわりをはたしたいし、おたがいに隔絶かくぜつしているひとびとあいだ媒介ばいかいしゃ役割やくわりをはたしたいとおもいます。なにより多様たようひとびとのびのびとしたパフォーマンスの舞台ぶたいをつくりだすことが、われわれの希望きぼうするところです」とした[2]

編集へんしゅう後記こうきでは「複雑ふくざつ様相ようそうていする現代げんだい文化ぶんか風俗ふうぞく次元じげんまでふくめてトータルに把握はあくし、あたらしい方向ほうこう見極みきわめつつ、しんゆたかな文化ぶんか創造そうぞう可能かのうせいをさまざまなアプローチでさぐる」ことが創刊そうかん意図いとであるとされた[2]

表紙ひょうし・グラビア

創刊そうかんごうからの表紙ひょうしのデザインは、イラストレイター黒田くろだただし太郎たろうとり使つかわれて、だい18ごうまでつづいた。巻頭かんとうのカラー・グラビアは磯崎いそざきしんの「ポスト・モダニズムの風景ふうけい」で、世界せかい建築けんちくやアーティストのイラストレーションなどに磯崎いそざき論考ろんこうされた(創刊そうかんごう建築けんちくザハ・ハディドであった)[3]

記事きじ誌面しめん構成こうせい

創刊そうかんごうにおける編集へんしゅう同人どうじん記事きじは、論考ろんこう山口やまぐち昌男まさお「ルルの神話しんわがく精霊せいれいろん」、中村なかむら雄二郎ゆうじろう場所ばしょつうそこ遊行ゆぎょうートポスろん展開てんかいのために」、創作そうさく大江おおえ健三郎けんざぶろう小説しょうせつ浅間あさま山荘さんそうのトリックスター」(はやし達夫たつおおもつづられている)、大岡おおおかしんくみ「ぬばたまのよるてん掃除そうじせまってくる」であった[4]山口やまぐちのちに「即興そっきょう空間くうかん」という連載れんさいをする。中村なかむらのちに「かたちのオデッセイ」という連載れんさいをする[5]大江おおえのちに『M/Tともりのフシギの物語ものがたり』『キルプの軍団ぐんだん』『治療ちりょうとう』『治療ちりょうとう惑星わくせい』を連載れんさいする[6]

初期しょき誌面しめん構成こうせいは、「Decoding Culture」とだいされた時事じじてき話柄わへいあつかって社会しゃかい風俗ふうぞく解読かいどくをする対談たいだん、「戦後せんご日本にっぽん文化ぶんか神話しんわだつ神話しんわ」とだいされた文化ぶんかをめぐる対論たいろん、「都市としとトポスへの視点してん」とだいされた都市としろん、「フェミニズムの地平ちへい」とだいしたフェミニズムをめぐる論考ろんこうよっつの企画きかく主軸しゅじくとした[7]。(それぞれシリーズの初回しょかい掲載けいさいからいつまでの記事きじげる)

編集へんしゅう同人どうじん以外いがいに、巻頭かんとう巻末かんまつ主要しゅよう論考ろんこう執筆しっぴつしゃに、中井なかい久夫ひさお前田まえだあい浩二こうじ坂部さかべめぐみ赤瀬あかせ川原平かわらたい河合かわい隼雄はやおなどがいた。だい4ごうから、「Guest From Abroad」というコーナーができて、 フレデリック・ジェフスキーレーモンド・マリー・シェーファールイ・マランナム・ジュン・パイクミヒャエル・エンデジョン・ケージ などが登場とうじょうした[8]

コラムらんみっもうけられた。

その

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出典しゅってん

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  1. ^ 岩波書店いわなみしょてんななじゅうねん』(1987ねん3がつ27にち岩波書店いわなみしょてん発行はっこう)811ぺーじ
  2. ^ a b c 季刊きかんへるめす創刊そうかんごう1984ねん12月
  3. ^ 大塚おおつか信一しんいち理想りそう出版しゅっぱんもとめて いち編集へんしゅうしゃ回想かいそう1963-2003』トランスビュー、2006 p188-190
  4. ^ 大塚おおつか信一しんいち理想りそう出版しゅっぱんもとめて いち編集へんしゅうしゃ回想かいそう1963-2003』トランスビュー、2006 p190-192
  5. ^ 大塚おおつか信一しんいち理想りそう出版しゅっぱんもとめて いち編集へんしゅうしゃ回想かいそう1963-2003』トランスビュー、2006 p203-204
  6. ^ 大塚おおつか信一しんいち理想りそう出版しゅっぱんもとめて いち編集へんしゅうしゃ回想かいそう1963-2003』トランスビュー、2006 p200、p272
  7. ^ 大塚おおつか信一しんいち理想りそう出版しゅっぱんもとめて いち編集へんしゅうしゃ回想かいそう1963-2003』トランスビュー、2006 p204-208
  8. ^ 大塚おおつか信一しんいち理想りそう出版しゅっぱんもとめて いち編集へんしゅうしゃ回想かいそう1963-2003』トランスビュー、2006 p210-217
  9. ^ 大塚おおつか信一しんいち理想りそう出版しゅっぱんもとめて いち編集へんしゅうしゃ回想かいそう1963-2003』トランスビュー、2006 p193
  10. ^ 最後さいご小説しょうせつ大江おおえ健三郎けんざぶろう講談社こうだんしゃ文芸ぶんげい文庫ぶんこ)450ぺーじ