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カスミサンショウウオ

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カスミサンショウウオ
カスミサンショウウオ
カスミサンショウウオ Hynobius nebulosus
保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : 両生りょうせいつな Amphibia
: 有尾ありお Caudata/Urodela
: サンショウウオ Hynobiidae
ぞく : サンショウウオぞく Hynobius
たね : カスミサンショウウオ
H. nebulosus
学名がくめい
Hynobius nebulosus
(Temminck & Schlegel, 1838)[1][2][3]
シノニム[2]
  • Salamandra nebulosa
    Temminck & Schlegel, 1838
  • Ellipsoglossa nebulosa
    Duméril, Bibron & Duméril, 1854
  • Hynobius ikishimae Dunn, 1923
和名わみょう
カスミサンショウウオ[3]
英名えいめい
Clouded salamander[2]

カスミサンショウウオ (かすみ山椒魚さんしょううおHynobius nebulosus) は、両生りょうせいつな有尾ありおサンショウウオサンショウウオぞく分類ぶんるいされる有尾ありおるい。サンショウウオぞくしきしゅ

分布ぶんぷ

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日本にっぽん九州きゅうしゅう北部ほくぶおよび西部せいぶ - 鹿児島かごしまけん熊本くまもとけん佐賀さがけん長崎ながさきけん壱岐いき福江島ふくえじまふくむ>、福岡ふくおかけん[2]

しき標本ひょうほん産地さんちしき産地さんち)は長崎ながさきであり、シーボルトにより採取さいしゅされたメスの成体せいたいのものである[2]

形態けいたい

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全長ぜんちょうオス8.4 - 11.9センチメートル[3]あたまどうちょう4.7 - 6.7センチメートル[2]みじか[3]あたまどうちょうやく69.5パーセント[2]体側たいそくめんはいしわあばらじょう)は左右さゆうに13ほんずつ[2]たね小名しょうみょう nebulosus は、ラテン語らてんごで「くもじょうの」の[2]背面はいめんおよびはらめん外縁がいえん黄色きいろすじ模様もようはい[2]

頭部とうぶ幅広はばひろ[2]上顎じょうがく中央ちゅうおうなられつすきこつれつ)は、アルファベットの「V」じょう[2]四肢ししみじかく、後肢あとあしの趾は5ほん[2]

卵嚢らんのうのような構造こうぞうぶつはなく、表面ひょうめんには明瞭めいりょうすじはいらない[2]幼生ようせい全長ぜんちょう2.89 - 3.15センチメートル(長崎ながさきけん[2]幼生ようせいつめはない[2]背面はいめんあわ褐色かっしょくで、くろ斑点はんてんはい[2]

分類ぶんるい

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以前いぜん岐阜ぎふけん以西いせいから九州きゅうしゅうにかけて分布ぶんぷする広域こういき分布ぶんぷしゅとされていたが、形態けいたい遺伝いでんてき地域ちいき変異へんいおおきく複数ふくすう隠蔽いんぺいしゅふくんでいるとかんがえられていた[2]。2019ねん形態けいたいミトコンドリアDNAシトクロムb分子ぶんし系統けいとう解析かいせきからほんしゅのシノニムとされていたヤマトサンショウウオ H. vandenburghi近畿きんき地方ちほう東部とうぶから東海とうかい地方ちほう南部なんぶ)を復活ふっかつさせ、アブサンショウウオ H. abuensis島根しまねけん山口やまぐちけん)・アキサンショウウオ H. akiensis愛媛えひめけん今治いまばり広島ひろしまけん)・ヤマグチサンショウウオ H. bakan大分おおいたけん山口やまぐちけん)・イワミサンショウウオ H. iwami島根しまねけん北西ほくせいおよび広島ひろしまけん県境けんきょう周辺しゅうへん)・サンインサンショウウオ H. setoi島根しまねけん東部とうぶから兵庫ひょうごけん北西ほくせいにかけて)・セトウチサンショウウオ H. setouchi近畿きんき地方ちほう西部せいぶ淡路島あわじしまふくむ>から中国地方ちゅうごくちほう東部とうぶ四国しこく東部とうぶ)・ヒバサンショウウオ H. utsunomiyaorum広島ひろしまけんから兵庫ひょうごけんにかけての中国山地ちゅうごくさんち)の7しゅ新種しんしゅ記載きさいされたことで、ほんたねを9しゅけるせつ提唱ていしょうされた[2]。このせつしたがうと狭義きょうぎほんしゅは、九州きゅうしゅう北部ほくぶおよび西部せいぶにのみ分布ぶんぷする[2]

ぞくないでは、ツシマサンショウウオやヤマグチサンショウウオにきんえんとされる[3]

生態せいたい

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繁殖はんしょく壱岐いき長崎ながさきでは1がつ下旬げじゅんから、すくなくとも壱岐いきでは3がつ下旬げじゅんまで繁殖はんしょくする[3]みずたまりや池沼ちしょうみぞ水路すいろ休耕田きゅうこうでんなどで繁殖はんしょくする[2]

人間にんげんとの関係かんけい

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森林しんりん伐採ばっさい道路どうろ砂防さぼうダム建設けんせつによる生息せいそく破壊はかい、ペットよう乱獲らんかくなどにより生息せいそくすう減少げんしょうしている[3]

絶滅ぜつめつ危惧きぐIIるい (VU)環境省かんきょうしょうレッドリスト[3]

2022ねん1がつ特定とくていだいしゅ国内こくない希少きしょう野生やせい動植物どうしょくぶつしゅ指定していされており、販売はんばい頒布はんぷ目的もくてきとした捕獲ほかく譲渡じょうとなどの行為こうい禁止きんしされている[4]

鹿児島かごしまけんでは、2014ねん4がつ22にちけん指定してい天然記念物てんねんきねんぶつとして指定していされている[5]過去かこには広島ひろしまけん東広島ひがしひろしま指定してい天然記念物てんねんきねんぶつとして広義こうぎの「カスミサンショウウオ」が指定していされていたが、先述せんじゅつ#分類ぶんるい)の2019ねん分類ぶんるい見直みなおしをけて名称めいしょうが「アキサンショウウオ」に変更へんこうされた[6]

出典しゅってん

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  1. ^ a b IUCN SSC Amphibian Specialist Group. 2021. Hynobius nebulosus. The IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T149671176A149671480. doi:10.2305/IUCN.UK.2021-1.RLTS.T149671176A149671480.en. Downloaded on 19 July 2021.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u Matsui, Masafumi; Okawa, Hiroshi; Nishikawa, Kanto; Aoki, Gen; Eto, Koshiro; Yoshikawa, Natsuhiko; Tanabe, Shingo; Misawa, Yasuchika et al. (2019). “Systematics of the Widely Distributed Japanese Clouded Salamander, Hynobius nebulosus (Amphibia: Caudata: Hynobiidae), and Its Closest Relatives”. Current Herpetology 38 (1): 32–90. doi:10.5358/hsj.38.32. 
  3. ^ a b c d e f g h 松井まつい正文まさふみ 「カスミサンショウウオ」『環境省かんきょうしょうレッドリスト2020 補遺ほい資料しりょう環境省かんきょうしょう自然しぜん環境かんきょうきょく野生やせい生物せいぶつ希少きしょうしゅ保全ほぜん推進すいしんしつへん環境省かんきょうしょう自然しぜん環境かんきょうきょく野生やせい生物せいぶつ希少きしょうしゅ保全ほぜん推進すいしんしつ、2020ねん、27ぺーじ
  4. ^ 国内こくない希少きしょう野生やせい動植物どうしょくぶつしゅ一覧いちらん”. 環境省かんきょうしょう (2023ねん1がつ). 2023ねん2がつ6にち閲覧えつらん
  5. ^ カスミサンショウウオ”. 鹿児島かごしまけん教育きょういく委員いいんかい (2022ねん2がつ13にち). 2023ねん2がつ6にち閲覧えつらん
  6. ^ 東広島ひがしひろしま指定してい文化財ぶんかざい名称めいしょう変更へんこうについて”. 東広島ひがしひろしま (2019ねん7がつ30にち). 2023ねん2がつ6にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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