キックベースボール

キックベースボールをプレーする大人おとな。

キックベースボールは、子供こどもの遊あそび、スポーツの一種いっしゅで、野球やきゅうをサッカーボール（もしくはそれに近ちかい大おおきさのボール）を使用しようして行おこなうものである。略称りゃくしょうは「キックベース」（本ほん項こうも以降いこうキックベースと記しるす）。「フットベースボール」、「キックベー」「キーベー」、「蹴けり野球やきゅう」などとも呼よばれる。

歴史れきし

キックベースボールは1917年ねん頃ごろに、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくオハイオ州しゅうシンシナティにあるCincinnati Park Playgroundsの管理かんり者しゃであったNicholas C Seussによって考案こうあんされた。1920年ねんから1921年ねん頃ごろに、「キックボール」は、若わかい男女だんじょに野球やきゅうの基礎きそを教おしえるために公立こうりつ学校がっこうの体育たいいく教師きょうしによって使つかわれていた。この頃ころ、ボールにはサッカーボールあるいはバレーボールが使用しようされていた。10人にんから13人にんの選手せんしゅによって行おこなわれ、競技きょうぎ場じょうにはボールがキックされるまで入はいってはいけない「ニュートラルゾーン」が設もうけられていた。ピッチャーはおらず、ボールは3フィートの円えんでできたホームエリアからキックされた。ボールは5フィートラインを越こえて飛とばなければならない。走者そうしゃは一塁いちるいだけ進すすむことができた。チームの全員ぜんいんがキックし終おわった後のちに攻守こうしゅ交代こうたいとされた。

ウィスコンシン州しゅうマディソンでの試合しあい。

セントラルパークでキックボールをプレーする少女しょうじょ達たち。

この当時とうじは野球やきゅうと同おなじ競技きょうぎ場じょうで行おこなわれていたが、塁るいは野球やきゅうの2塁るいの相当そうとうするものだけだった。そのため、複数ふくすうの選手せんしゅが一ひとつの塁るいの同時どうじに止とまることがあったが、最後さいごのキッカーが蹴けり終おわるまでに全員ぜんいんホームに戻もどる必要ひつようがあった。

また、野球やきゅうのショートに相当そうとうするポジションが2つ（1塁るいと2塁るいの間あいだ、2塁るいと3塁るいの間あいだ）あった。

アメリカ人じんの第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん特派とくは員いんErnie Pyleは、1942年ねんから1943年ねんのチュニジア戦線せんせんの間あいだ、合衆国がっしゅうこくの兵士へいしによってキックボールがプレーされたと伝つたえている。

各国かっこくにおけるキックベースボール

キックボールは韓国かんこくの若者わかものの間あいだで人気にんきがある。「발야구（足あし野球やきゅう）」として知しられており、小学校しょうがっこうの体育たいいくの授業じゅぎょうで行おこなわれる。キックボールはカナダのある地域ちいきでは「Soccer-Baseball」と呼よばれている。日本にっぽんでは、小学生しょうがくせいの間あいだで人気にんきがある。

スペインのバダホス、San Vicente de Alcántaraの町まちでは、この競技きょうぎは「Beisbol pie」あるいは「Veisbol pie」（どちらもフットベースボールを意味いみする）と呼よばれており、小学校しょうがっこうで行おこなわれている。

キックベースボールはラテンアメリカでも人気にんきがある。しかしながら、これらの文化ぶんかでは娯楽ごらくのスポーツでさえもしばしば男女だんじょ別べつであるため、ほぼ例外れいがいなく女性じょせいによって行おこなわれる。例たとえば、盛況せいきょうな女子じょしキックベースボールリーグがベネズエラやコロンビアに存在そんざいしている。

日本にっぽんにおけるキックベースボール

概要がいよう

キックベースボールの試合しあい風景ふうけい

ルールは野球やきゅうと似にている。投手とうしゅが転ころがしたボールを打者だしゃ（キッカー）が蹴けることを打撃だげき（バッティング）とみなすルールもあれば、投手とうしゅが存在そんざいせず、打者だしゃが予あらかじめ本塁ほんるいに置おかれたボールを蹴けることを打撃だげきとみなすルールもあるなど、地方ちほうによってさまざまなルールが存在そんざいする。

発祥はっしょうは千葉ちば県けん市川いちかわ市しで、子供こども会かい活動かつどうを通とおして普及ふきゅうしたとされる。

1992年ねんから1995年ねんにかけてフジテレビ系列けいれつで放映ほうえいされた『夢ゆめがMORI MORI』では、芸能げいのう界かい等とうの著名ちょめい人じんがチームを編成へんせいした「スーパーキックベースボール」のコーナーが人気にんきを集あつめた。2005年ねんには、日本にほんテレビ系列けいれつの『ひらめ筋すじGOLD』でもキックベース対決たいけつのコーナーが設もうけられていた。

ルール

地方ちほうによりさまざまなルールがあるが、日本にっぽんフットベースボール協会きょうかいにより「全国ぜんこく共通きょうつうルール」が定さだめられている。ボールも専用せんようのものが定さだめられている。

「全国ぜんこく共通きょうつうルール」に基もとづいて行おこなわれる試合しあいでは、野球やきゅうのように、1塁るい、2塁るい、3塁るい、本塁ほんるいという4つの塁るいを設もうけ、ボールを蹴けったキッカーは1～3塁るいを順番じゅんばんに通過つうかして、本塁ほんるいへ走はしる。野球やきゅうにおける守備しゅびと同様どうように、守備しゅび側がわの選手せんしゅがキッカーの蹴けったボールをノーバウンドで捕と球たましたり、ゴロを捕と球たましてキッカーが到達とうたつする前まえに1塁るいに触ふれたり、ボールを持もってキッカーにタッチしたりすることによりアウトが成立せいりつする。また、ボールを当あてることでアウトを成立せいりつさせることもできる（ただし、至近しきん距離きょりから強つよくぶつけることは禁止きんしされている）。ドッジボールの能力のうりょく（捕とる・当あてる）が守備しゅび側がわに要求ようきゅうされる。フォースアウトも存在そんざいする。

キッカーは、ファウルボール・ファウル（空振からぶりなど）2回かいでアウトとなるが、3回かいでアウトとするルールもある。3アウトで攻守こうしゅ交代こうたい。

全国ぜんこく共通きょうつうルールでは試合しあいは7回かい制せいだが、5回かい制せいとしているルールもある。

ポジション

「全国ぜんこく共通きょうつうルール」は11人にん制せいで、野球やきゅうのポジションにセンターフォワード、ライトフォワード、レフトフォワード（ファースト、セカンド、ショート、サードの選手せんしゅよりキッカーに近ちかいポジション）を加くわえ、ピッチャーを省はぶいている。このほか、野球やきゅうと同おなじ9人にん制せい、7人にん制せい、5人にん制せいなどがある。

地域ちいきでの独自どくじのルール

地域ちいきによってまったく別物べつもののローカルルールが多数たすう存在そんざいするのも特徴とくちょうである。 これは全国ぜんこく大会たいかいなど、統一とういつルールの下したでの大会たいかいがないため地域ちいきの指導しどう者しゃたちがそれぞれの智恵ちえを絞しぼり、より楽たのしく、より安全あんぜんにゲームを行おこなおうと考かんがえた、独自どくじ性せいの表あらわれでもある。

• 転ころがって来きたボールを足元あしもとで止とめ、そのまま走はしるというルール。またはこれを禁止きんしするルール。野球やきゅうでいうところのバント。足あしで"ちょろ"と蹴けることから、「チョロキック（『夢ゆめがMORI MORI』のTV番組ばんぐみで森口もりぐち博子ひろこが得意とくいとしている）」と呼よばれる。これを阻止そしするため、ホームベースからインフィールド側がわに半径はんけい2-3メートル程度ていどの「ファウル線せん」が敷しかれ、打球だきゅうがこの線せんを越こえずに落下らっか、またはゴロ性せいの当あたりで転ころがった場合ばあいはファウル扱あつかいになる。
• 3回かいファウルでアウトにしているルールが多おおい。
• 盗塁とうるい・リードは禁止きんしされる傾向けいこうにある。
• 普通ふつうは野球やきゅうと同おなじように4つのベース（1塁るい、2塁るい、3塁るい、本塁ほんるい）で試合しあいを行おこなうが、2塁るいベースなしで試合しあいを行おこなうところがある（いわゆる三角さんかくベースグランド）。

類似るいじ競技きょうぎ

• フットソフトボール-知的ちてき障さわがい者しゃのためにつくられた競技きょうぎ。コート、試合しあい進行しんこうは基本きほん的てきにソフトボールと同おなじである。投手とうしゅは股下またしたからボールを転ころがす、「停止ていし球だま」という打球だきゅうを捕とった野手やしゅからの送球そうきゅうがピッチャーズサークル内ないにいる投手とうしゅに渡わたったときに塁間るいかんにいた走者そうしゃは一ひとつ前まえの塁るいに戻もどるというルールがあることが特徴とくちょうである。

関連かんれん項目こうもく

• 遊あそび
• 夢ゆめがMORI MORI
• メトロラビッツH.P.（ハロー!プロジェクトのキックベースボールチーム）
• 娘むすめDOKYU!

外部がいぶリンク

• 日本にっぽんフットベースボール協会きょうかい