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ケミカルバイオロジー

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ケミカルバイオロジー (英語えいご: chemical biology) とは、ハーバード大学だいがくスチュアート・シュライバーらが提唱ていしょうした、分子生物学ぶんしせいぶつがくてき手法しゅほうくわえて有機ゆうき化学かがくてき手法しゅほう駆使くしし、核酸かくさん蛋白質たんぱくしつなど、生体せいたいない分子ぶんし機能きのうはんおう分子ぶんしレベルからあつかおうとする学問がくもん領域りょういきのことをす。[1][2]そのなかでも DNARNA などを対象たいしょうとする分野ぶんやは、化学かがく遺伝いでんがく(ケミカルゲノミクス)とばれる。[3][4][5]

概要がいよう[編集へんしゅう]

生物せいぶつがくあるいは遺伝いでんがくは、生物せいぶつにみられる形質けいしつ対象たいしょうとして、その根底こんていにある遺伝子いでんしとその発現はつげん生体せいたい分子ぶんし相互そうご作用さよう、それらによる制御せいぎょといったメカニズムを解析かいせきする方向ほうこう進歩しんぽしてきた。それと並行へいこうして、有機ゆうき化学かがくてき方法ほうほう駆使くしした医薬品いやくひんなどのそうやくすすみ、これらの薬品やくひん生物せいぶつあたえる影響えいきょう効果こうか副作用ふくさよう毒性どくせい)についての情報じょうほう大量たいりょう蓄積ちくせきされつつある。[6]はじめから生体せいたい高分子こうぶんしねらった分子ぶんし標的ひょうてきやくもすでに実用じつようすすんでいる。[7][8][9]このような化合かごうぶつ影響えいきょうを「形質けいしつ」となして、その根底こんていにあるメカニズムをさぐろうとするのがケミカルバイオロジーである。[10][11][12]

生体せいたい機能きのう制御せいぎょ解析かいせき再現さいげんかかわるものであれば、てい分子ぶんし有機ゆうき化合かごうぶつから生体せいたい高分子こうぶんしまで、ひろ範囲はんい有機ゆうき分子ぶんし研究けんきゅう対象たいしょうはいる。ケミカルバイオロジーはそれら生体せいたいない分子ぶんしあるいは関連かんれん化合かごうぶつの、生体せいたいやモデルけいにおける機能きのうはんおう解析かいせきすることにより、生体せいたい機能きのうかかわる分子ぶんしいを理解りかいしようとする学問がくもんでもある。

ナノテクノロジーちょう分子ぶんし化学かがくとも関連かんれんふかく、[13]近年きんねんいち領域りょういききずいた分野ぶんやである。

学術がくじゅつ[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Altmann, K. H., Buchner, J., Kessler, H., Diederich, F., Krautler, B., Lippard, S., ... & Walsh, C. T. (2009). The state of the art of chemical biology. ChemBioChem, 10(1), 16-29.
  2. ^ 長田ながた裕之ひろゆき. (2007). 化学かがく生物せいぶつがく融合ゆうごう目指めざして: ケミカルバイオロジー. 学術がくじゅつ動向どうこう, 12(12), 62-63.
  3. ^ Spring, D. R. (2005). Chemical genetics to chemical genomics: small molecules offer big insights. Chemical Society Reviews, 34(6), 472-482.
  4. ^ Kanehisa, M., Goto, S., Hattori, M., Aoki-Kinoshita, K. F., Itoh, M., Kawashima, S., ... & Hirakawa, M. (2006). From genomics to chemical genomics: new developments in KEGG. Nucleic acids research, 34, D354-D357.
  5. ^ Hoon, S., Onge, R. P. S., Giaever, G., & Nislow, C. (2008). Yeast chemical genomics and drug discovery: an update. Trends in pharmacological sciences, 29(10), 499-504.
  6. ^ 高橋たかはし行雄ゆきお. (2014). 1. 日本にっぽん公開こうかい医薬品いやくひん副作用ふくさようデータベースの活用かつよう. 薬剤やくざい疫学えきがく, 19(1), 14-22.
  7. ^ Tsimberidou, A. M. (2015). Targeted therapy in cancer. Cancer chemotherapy and pharmacology, 76(6), 1113-1132.
  8. ^ Brown, C. (2016). Targeted therapy: an elusive cancer target. Nature, 537(7620), S106-S108.
  9. ^ Ke, X., & Shen, L. (2017). Molecular targeted therapy of cancer: The progress and future prospect. Frontiers in Laboratory Medicine, 1(2), 69-75.
  10. ^ Ojima, I. (Ed.). (2009). Fluorine in medicinal chemistry and chemical biology. John Wiley & Sons.
  11. ^ Arya, D. P. (2007). Aminoglycoside antibiotics: from chemical biology to drug discovery (Vol. 5). John Wiley & Sons.
  12. ^ Thirumurugan, P., Matosiuk, D., & Jozwiak, K. (2013). Click chemistry for drug development and diverse chemical–biology applications. Chemical reviews, 113(7), 4905-4979.
  13. ^ Atwood, J. L., & Steed, J. W. (Eds.). (2004). Encyclopedia of supramolecular chemistry. CRC Press.

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]