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ゴニオフォリス

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ゴニオフォリス
ゴニオフォリス頭骨とうこつ
地質ちしつ時代じだい
中期ちゅうきジュラ紀じゅらき - 前期ぜんきはく亜紀あき
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
うえつな : 四肢しし動物どうぶつじょうつな Tetrapoda
つな : 爬虫つな Reptilia
つな : そうゆみつな Diapsida
下綱しもつな : しゅりゅうがた下綱しもつな Archosauromorpha
階級かいきゅうなし : クルロタルシるい Crurotarsi
上目うわめ : ワニがた上目うわめ Crocodylomorpha
階級かいきゅうなし : しんわにるい Neosuchia
: ゴニオフォリス Goniopholididae
学名がくめい
Goniopholididae Cope1875
ぞく

ゴニオフォリス(ゴニオフォリスか、学名がくめいGoniopholididae)は、後期こうきジュラ紀じゅらきから前期ぜんきはく亜紀あきにかけて北半球きたはんきゅう生息せいそくした、せいわにるいきんえんワニがた上目うわめアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくエウトレタウラノスクス中国ちゅうごくスノスクスなど、ローラシア大陸たいりくから集中しゅうちゅうてき化石かせき報告ほうこくされている。南半球みなみはんきゅう位置いちしたゴンドワナ大陸たいりくからも報告ほうこくはあるものの、これらは断片だんぺんてきであり、ゴニオフォリスである確証かくしょうはない[1]

外見がいけんすで現生げんなまワニちかく、頭部とうぶ扁平へんぺいで、おおくのぞくしゅ感覚かんかく器官きかん頭部とうぶ上側うわがわ位置いちし、背中せなかにはうろこいたこつならぶ。これらの特徴とくちょうすでにワニがた上目うわめはん水棲すいせい適応てきおうげていたことを示唆しさするが、より派生はせいてきベルニサルティアせいわにるいではさらに適応てきおうたかめていくことになる[1]

分布ぶんぷ[編集へんしゅう]

ゴニオフォリスはローラシア大陸たいりくちゅう分布ぶんぷし、きたアメリカ大陸あめりかたいりく・ヨーロッパ・中国ちゅうごく中部ちゅうぶジュラけい[2][3]タイ王国おうこく下部かぶ白亜はくあけいから化石かせき産出さんしゅつしている[4]。ゴニオフォリス推測すいそくされる化石かせき日本にっぽん下部かぶ白亜はくあけいである手取てどりそうぐん北谷きたやそうからも産出さんしゅつしており、福井ふくいけん勝山かちやまのち恐竜きょうりゅう発掘はっくつ現場げんばから1982ねん発見はっけんされている[5][6]

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

現生げんなまのワニとくらべて特異とくいてきてんがいくつかげられる。ひとつは長方形ちょうほうけいをなした連動れんどうするうろこいたこつ背中せなかならんでいたが、これが現生げんなまワニるいよりもすくない2れつで、また頸部には存在そんざいしなかったてんである。また、うえりゅうるい同様どうようはらがわにもかわこついた存在そんざいしていた。前肢ぜんし非常ひじょうながく、とくかたかぶとこつ手首てくびほね後肢あとあしおなじかそれ以上いじょうながさがあり、現生げんなまのワニとはぎゃく状態じょうたいになっている。また、アンテオフタルモスクス英語えいごばんなどでは前方ぜんぽうについており、がわ位置いちする現生げんなまのワニと特徴とくちょうこととする。これは現代げんだいたねとの複数ふくすう生物せいぶつ力学りきがくてき相違そういてん示唆しさしている[7][8]

うち鼻孔びこう祖先そせんのワニがた上目うわめ比較ひかくすれば口腔こうくうおくまで後退こうたいしていた。うち鼻孔びこう口腔こうくう前方ぜんぽう位置いちしていると水中すいちゅうでの開口かいこう獲物えものくわえているさい呼吸こきゅう不能ふのうおちいってしまうが、うち鼻孔びこう後退こうたいしたため水中すいちゅうでも呼吸こきゅう可能かのうとなった。こうしたはん水棲すいせい適応てきおうは、ベルニサルティアせいわにるいではより強化きょうかされていく[1]

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

以下いかは、Marco Brandalise de Andrade et al., 2011 にもとづくクラドグラム[9]

しんわにるい
アトポサウルス英語えいごばん

Theriosuchus pusillus

Theriosuchus guimarotae

Rugosuchus

Bernissartia

せいわにるい

Stolokrosuchus

テティスクス英語えいごばん

タラットスクス

ゴニオフォリス

Calsoyasuchus valliceps

"Goniopholis" phuwiangensis

Eutretauranosuchus delfi

"Sunosuchus" junggarensis

Sunosuchus miaoi

Chalawan thailandicus

Siamosuchus phuphokensis

Amphicotylus lucasii

Denazinosuchus kirtlandicus

Nannosuchus gracilidens

Hulkepholis willetti

Anteophthalmosuchus

Dollo’s goniopholidid

ゴニオフォリスぞく

Goniopholis baryglyphaeus

Goniopholis kiplingi

Goniopholis simus

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c 小林こばやしかいつぎ『ワニと恐竜きょうりゅう共存きょうぞん 巨大きょだいワニと恐竜きょうりゅう世界せかい北海道大学ほっかいどうだいがく出版しゅっぱんかい、2013ねん7がつ25にち、28-30ぺーじISBN 978-4-8329-1398-1 
  2. ^ Steel R. 1973. Crocodylia. Handbuch der Paläoherpetologie, Teil 16. Stuttgart: Gustav Fischer Verlag, 116 pp.
  3. ^ Maisch MW, Matzke AT, Stohr H. 2003. Sunosuchus (Archosauria, Crocodyliformes) from the Toutunhe Formation (Middle Jurassic) of the Southern Junggar Basin (Xinjiang, NW-China). Geobios 36 (4): 391-400.
  4. ^ Lauprasert, K.; Cuny, G.; Buffetaut, E.; Suteethorn, V.; Thirakhupt, K. (2007). “Siamosuchus phuphokensis, a new goniopholidid from the Early Cretaceous (ante-Aptian) of northeastern Thailand”. Bulletin de la Société Géologique de France 178 (3): 201–216. doi:10.2113/gssgfbull.178.3.201. 
  5. ^ 福井ふくい県立けんりつ恐竜きょうりゅう博物館はくぶつかん職員しょくいん福井ふくい県立けんりつ恐竜きょうりゅう博物館はくぶつかん 展示てんじ解説かいせつしょ』2012ねん7がつ31にち、106-107ぺーじISBN 978-4-907355-12-8 
  6. ^ 恐竜きょうりゅう博物館はくぶつかん画像がぞうライブラリー”. 福井ふくい県立けんりつ恐竜きょうりゅう博物館はくぶつかん. 2021ねん7がつ30にち閲覧えつらん
  7. ^ Salisbury, S. W. & Frey, E. 2000. A biomechanical transformation model for the evolution of semi-spheroidal articulations between adjoining vertebral bodies in crocodilians. In Grigg, G. C., Seebacher, F. & Franklin, C. E. (eds) Crocodilian Biology and Evolution. Surry Beatty & Sons (Chipping Norton, Aus.), pp. 85-134.
  8. ^ Salisbury, S. W. & Naish, D. (2011). Crocodilians. In Batten, D. J. (ed.) English Wealden Fossils. The Palaeontological Association (London), pp. 305-369.
  9. ^ Marco Brandalise de Andrade; Richard Edmonds; Michael J. Benton; Remmert Schouten (2011). “A new Berriasian species of Goniopholis (Mesoeucrocodylia, Neosuchia) from England, and a review of the genus”. Zoological Journal of the Linnean Society 163 (s1): S66–S108. doi:10.1111/j.1096-3642.2011.00709.x.