セキレイ

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セキレイ
ハクセキレイ
ハクセキレイ Motacilla alba lugens
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : とりつな Aves
: スズメ Passeriformes
: スズメ Oscines
: セキレイ Motacillidae
階級かいきゅうなし : セキレイ
和名わみょう
鶺鴒せきれい(セキレイ)
英名えいめい
Wagtail
ぞく

セキレイ鶺鴒せきれい、鶺䴇[1])は、スズメスズメセキレイとりイシクナギイモセドリ[2]ニワクナギ鶺鴒せきれいじゅく字訓じくん)、ニワクナブリ鶺鴒せきれい)、ツツ鶺鴒せきれい)、マナバシラ鶺鴒せきれい)、イシタタキ石叩いしたたき・石敲いしたたき)、ニワタタキ庭叩にわたたき)、イワタタキいわはたき)、イシクナギいしこんぎ)、カワラスズメ川原かわはらすずめ河原かわはらすずめ)、オシエドリきょうとり)、コイオシエドリこいきょうとり)、トツギオシエドリよめきょうとり)、ツツナワセドリかり意味いみすることもある)などおおくの異名いみょうつ。

標準ひょうじゅん和名わみょうがセキレイであるたねはなく、和名わみょうにセキレイがふくまれるのはセキレイぞく (Motacilla) とイワミセキレイぞく (Dendronanthus) のたねである。ただし、イワミセキレイぞくはイワミセキレイの1ぞく1しゅで、だい部分ぶぶんはセキレイぞくである。日本にっぽん普通ふつうられるセキレイは、セキレイぞくセグロセキレイ固有こゆうしゅ)、ハクセキレイキセキレイの3しゅだが、たびとりなどでまれられるたねもある。

おも水辺みずべみ、なが上下じょうげ習性しゅうせいがある(ただしイワミセキレイは左右さゆうる)。イシタタキなどの和名わみょう英名えいめいWagtail(Wag:る tail:)はその様子ようす由来ゆらいする[よう出典しゅってん][よう検証けんしょう]ひとしゃ先導せんどうするように様子ようすがよく観察かんさつされる。また、中国ちゅうごくの「相思そうしとり」は雌雄しゆうなかむつまじいからだと[3]

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

セキレイぞく (Motacilla) とイワミセキレイぞく (Dendronanthus) のたねげる。

なお、これらにタヒバリぞく (Anthus)、ツメナガタヒバリぞく (Macronyx)、マキバドリモドキぞく (Tmetothylacus) をくわえた5ぞくは、セキレイ(またはセキレイ)を構成こうせいする。

セキレイぞく Motacilla[編集へんしゅう]

イワミセキレイぞく Dendronanthus[編集へんしゅう]

文化ぶんか[編集へんしゅう]

セキレイ・鶺鴒せきれいおよびその別名べつめいあき季語きごである。

日本書紀にほんしょきには、日本にっぽん神話しんわくに伝承でんしょうひととして、イザナギイザナミ性交せいこう仕方しかたからなかったところにセキレイがあらわれ、セキレイが上下じょうげ動作どうさ性交せいこう仕方しかたったという内容ないようつてかんする記述きじゅつがある。婚礼こんれい調度ちょうど鶺鴒せきれいだいがあるのはそれに由来ゆらいする。日本にっぽん各地かくちにはセキレイにまつわる伝承でんしょうがある。静岡しずおかけん三島みしま広島ひろしまけんなどではセキレイをかみとりしょうし、みだりにらえないのはかみ使以上いじょうかみに交道をおしえた万物ばんぶつ意味いみがあるという。熊本くまもとけん南関なんかんでは子供こどもらがムギわらでセキレイのかたちせいし、「したたきたろじゃ、今日きょういしゃないぞ、あしたはたけ」とはやしながら、あしってあたま上下じょうげうごかしてあそんだ(動植物どうしょくぶつかた言及げんきゅう民俗みんぞく)。生息せいそくのひとつ岐阜ぎふけん高山こうざんでは、セキレイをいじめると、「おやね、ね、なべ茶碗ちゃわんやぶれてえ」といてのろうという。伊勢神宮いせじんぐうかみころも大和やまとにしきにはセキレイの模様もようがあるという(和訓わくんしおり)。

台湾たいわんアミぞく神話しんわでは、東海とうかい孤島ことうボトルに男女だんじょ2かみ天下あまくだり、ホワック(セキレイ)がるのを交合こうごうみちった(生蕃せいばん伝説でんせつしゅう)。

中国ちゅうごくの「詩経しきょう」には「脊令」とあるが、脊(身体しんたい背部はいぶ)をるがす意味いみがあるかはつまびらかにしないという。

セキレイはまた、トツギドリ、トツギオシエドリ、トツギマナビドリ、ツツナワセドリ、ツツマナバシラ、ミチオシエドリ、チチン、セキリ[4]、などの別名べつめいがある。 その別名べつめいは、英語えいごの wagtail とおなじくしりうごかすおおく、ついでものたた動作どうさ形容けいよう出現しゅつげん時期じき場所ばしょかんするもの、飛翔ひしょうときはっするチチンチチンというこえかんするものなどがある。

日本書紀にほんしょきではセキレイは「にはくなふり」としょうされ、その語源ごげんについて、諸説しょせつある。

伊達だてまさしむね花押かおう図案ずあんしたセキレイを使つかっていた。

自治体じちたい指定していとり[編集へんしゅう]

日本にっぽんあきる盛岡もりおか喜多方きたかたなど多数たすう市町村しちょうそん指定していとりである。セキレイぞくたねのキセキレイ、ハクセキレイなどを指定していとりとしているところも多数たすうある。

おもたね画像がぞう[編集へんしゅう]

ハクセキレイ
M. alba lugens
キセキレイ
M. cinerea
セグロセキレイ
M. grandis

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ は、れいとり
  2. ^ 『これは重宝ちょうほう漢字かんじつよくなるほんひかり文書ぶんしょいん昭和しょうわ54ねんがつ15にち発行はっこう622ぺーじ
  3. ^ 『これは重宝ちょうほう漢字かんじつよくなるほんじゅうさんはん株式会社かぶしきがいしゃこう文書ぶんしょいん1979ねん6がつ15にち発行はっこうぜん622ぺーじちゅう38ぺーじ 編集へんしゅう佐藤さとう一郎いちろう 浅野あさの通有つうゆう 出版しゅっぱん じゅうさんはん発行はっこう発行はっこうしゃ 長谷川はせがわ凱久 印刷いんさつ 日本にっぽんデザイン工房こうぼう 開成かいせい印刷いんさつ 製本せいほん 小泉こいずみ製本せいほん高田たかだ紙器しき 
  4. ^ 佐久さくしむら編纂へんさん委員いいんかい編纂へんさん佐久さくしむら 民俗みんぞくへん 佐久さくしむら刊行かんこうかい、1990ねん、1383ページ。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]