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テンチ

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テンチ
テンチ Tinca tinca
保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : じょうひれつな Actinopterygii
つな : しんひれつな Neopterygii
上目うわめ : ほね鰾上 Ostariophysi
: コイ Cypriniformes
: コイ Cyprinidae
ぞく : テンチぞく Tinca Cuvier1816
たね : テンチ T. tinca
学名がくめい
Tinca tinca Linnaeus1758
英名えいめい
Tench

テンチ学名がくめいTinca tinca)は、コイコイぞくする魚類ぎょるい一種いっしゅ。「ドクターフィッシュ」ともばれる。ブリテン諸島しょとうふく西にしヨーロッパからオビがわエニセイがわ水系すいけいなどアジア地域ちいきいたるまで、ユーラシア大陸たいりく幅広はばひろ分布ぶんぷする淡水魚たんすいぎょないし汽水ぎょである[2]バイカルにも生息せいそくする[2]みずうみ低地ていちながれる河川かせんなど、ながれのゆるやかな水域すいいきらしている[3]

生態せいたい

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テンチはすなどろそこ、かつ植生しょくせいゆたかなせい水域すいいきこのんで生息せいそくする[4]いわおお透明とうめいたか水域すいいきにはまれで、とくながれのはや河川かせんではまったくられない。てい酸素さんそ状態じょうたいへのたいせいたか[2]コイCyprinus carpio)が生存せいぞんできない領域りょういきでもきることができる[4]

雑食ざっしょくせいで、おも夜間やかんえささが[2]藻類そうるいおよび種々しゅじゅそこせいせい脊椎動物せきついどうぶつ捕食ほしょくする[4]水温すいおんがる冬期とうきどろなかひそみ、えさらない[2]

水草みずくさおお浅瀬あさせ産卵さんらんし、粘着ねんちゃくせいのある緑色みどりいろの沈性たまご[2]産卵さんらんなつであることがおお[3]たまごかずは30まんおよぶこともある[5]成長せいちょうはやく、1ねんでおよそ0.11kg(0.25ポンド)にたっする。

形態けいたい

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テンチのわかさかなちいさなくちヒゲと微細びさいうろこ明瞭めいりょうである

テンチはずんぐりしたコイがたからだをもち、からだしょくオリおりブ色ぶいろから緑色みどりいろで、背中せなかがわくらはらがわ黄金おうごんしょくちかい。尾鰭おびれ角形かくがたで、ひれ明瞭めいりょうまるみをびる[4]くちはば比較的ひかくてきせまく、りょうはしによく発達はったつしたくちヒゲをもつ[2]最大さいだいで70cmにまで成長せいちょうするが、ほとんどの個体こたいはより小柄こがら[6]全長ぜんちょう20cmほどであることがおお[2]ちいさく、赤色あかいろから橙色だいだいいろびる[2]性的せいてき二形ふたなりはあまりしめさず、成熟せいじゅくしためすではゆうくらべてやや腹部ふくぶ程度ていどである[6]

うろこ非常ひじょうちいさくあつ皮膚ひふふかうずもれ、からだ表面ひょうめん粘液質ねんえきしつウナギのようになめらかとなっている[2]さかながテンチの粘液ねんえきからだにこすりつけ、きず病気びょうき治療ちりょうするという民間みんかん伝承でんしょうがあり、「ドクターフィッシュ」という別名べつめい由来ゆらいとなっている[5][7]

利用りよう

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テンチは食用しょくようぎょとして利用りようされ、あじいとされる[4]観賞かんしょうぎょ釣魚ちょうぎょとしての需要じゅようもあり、雑魚ざこ (Coarse fishing) の対象たいしょうになるほか、バスるいえさにももちいられる[2]

ゴールデンテンチ

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人工じんこうてき品種ひんしゅ改良かいりょうほどこしたテンチを「ゴールデンテンチ」あるいは「Schleie」とび、ヨーロッパではいけ水族館すいぞくかん飼育しいくされる観賞かんしょうぎょとして人気にんきがあり、日本にっぽん国内こくないにも観賞かんしょうぎょとしてまれ輸入ゆにゅうされている[8]からだしょくあわ金色きんいろから赤色あかいろ青色あおいろまで様々さまざまで、黒色こくしょくないし脇腹わきばらひれあか斑点はんてんをもつものもいる。キンギョとも部分ぶぶんをもつが、うろこちいさいため色合いろあいはかなりことなる[5]

大型おおがたのテンチがくぼみやどろそこ水草みずくさかげひそむことがある。種々しゅじゅえさ誘引ゆういんされるが、げるのはむずかしい。1kg(やく2ポンド)にたっする個体こたい非常ひじょうきがつよ[5]

出典しゅってん脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Freyhof, J. & Kottelat, M. (2008). "Tinca tinca". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2008. International Union for Conservation of Nature. 2010ねん1がつ25にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f g h i j k Tinca tinca”. FishBase. 2010ねん6がつ5にち閲覧えつらん
  3. ^ a b B. Whitton (1982). Rivers, Lakes and Marshes p 163. Hodder & Staughton, London.
  4. ^ a b c d e A. F. Magri MacMahon (1946). Fishlore, pp 156-158. Pelican Books.
  5. ^ a b c d A. Lawrence Wells (date unknown). Observer Book of Freshwater Fishes, pp 101-105. Frederick Warne & Co.
  6. ^ a b G. Sterba (1962). Freshwater Fishes of the World pp 249-250. Vista Books, London.
  7. ^ うみ動物どうぶつ百科ひゃっか3 魚類ぎょるいII』 p.85
  8. ^ Dick Mills (2000). Understanding Coldwater Fish, p 106. Interpet Publishing. ISBN 1-9030-9810-6

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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