トルコの経済けいざい

ボスポラス海峡かいきょうからみたイスタンブールの街並まちなみ

トルコの経済けいざいでは、西にしアジアにある国くにトルコの経済けいざい状況じょうきょうに関かんして述のべる。

概況がいきょう

産業さんぎょうは近代きんだい化かが進すすめられた工業こうぎょう・商業しょうぎょうと、伝統でんとう的てきな農業のうぎょうとからなり、農業のうぎょう人口じんこうが国民こくみんのおよそ40%を占しめる。もっぱら軽工業けいこうぎょうが中心ちゅうしんで、繊維せんい・衣類いるい分野ぶんやの輸出ゆしゅつ大国たいこくである。経済けいざい部門ぶもんにおける財閥ざいばつの力ちからが大おおきく、近年きんねんでは世界せかいの大手おおて自動車じどうしゃメーカーと国内こくないの大手おおて財閥ざいばつとの合弁ごうべん事業じぎょうを柱はしらとして重工業じゅうこうぎょうの開発かいはつが進すすめられている。

ただし、工業こうぎょう化かが進すすんでいるのは北西ほくせい部ぶのマルマラ海うみ沿岸えんがん地域ちいきがほとんどで、観光かんこう収入しゅうにゅうの多おおい地中海ちちゅうかい・エえーゲ海げかい沿岸えんがん地域ちいきと、首都しゅとアンカラ周辺しゅうへんの大都市だいとし圏けん以外いがいでは、経済けいざいに占しめる農業のうぎょうの比重ひじゅうが大おおきい。とくに東部とうぶでは、地主じぬし制せいがよく温存おんぞんされているなど経済けいざい近代きんだい化かの立たち遅おくれが目立めだち、農村のうそん部ぶの貧困ひんこんや地域ちいき間あいだの経済けいざい格差かくさが大おおきな問題もんだいとなっており、数すう十じゅう年ねんにわたる政府せいふの開発かいはつ推進すいしん政策せいさくによっても解消かいしょうをみていない。

1990年代ねんだいの後半こうはんから経済けいざいは低調ていちょうで、政府せいふは巨額きょがくの債務さいむを抱かかえ、国民こくみんは急速きゅうそくなインフレーションに悩なやまされている。歴代れきだいの政権せいけんはインフレの自主じしゅ的てきな抑制よくせいに失敗しっぱいし、2000年ねんからIMFの改革かいかくプログラムを受うけるに至いたるが、同年どうねん末まつに金融きんゆう危機ききを起おこした。この結果けっか、トルコリラの下落げらくから国内こくない消費しょうひが急激きゅうげきに落おち込こみ、リラの変動へんどう相場そうば制せい移行いこうをおこなった2001年ねんにはリラの対たいドル価あたいが50%以上いじょう暴落ぼうらく、実質じっしつGNP成長せいちょう率りつはマイナス9.4%となった。

2002年ねん以後いごは若干じゃっかん持もち直なおし、実質じっしつGNP成長せいちょう率りつは5%以上いじょうに復調ふくちょう、さらに同年どうねん末まつに成立せいりつした公正こうせい発展はってん党とう単独たんどく安定あんてい政権せいけんのもとでインフレ目標もくひょうが導入どうにゅうされ、インフレの拡大かくだいはおおよそ沈静ちんせい化かした。2005年ねん1月がつ1日にちには100万まんトルコリラ（TL）を1新しんトルコリラ（YTL）とする新しん通貨つうかを発行はっこうし、実質じっしつ的てきなデノミネーションが行おこなわれた。

2010年代ねんだいになると、テレビドラマをはじめとした文化ぶんか産業さんぎょうが盛さかんになり、2017年ねんのテレビドラマ輸出ゆしゅつ額がくは3億おく5000万まんドルに上のぼる。

2021年ねん9月がつ、エルドアン大統領だいとうりょうはインフレーション対策たいさくとして利下りさげを表明ひょうめい。トルコリラの下落げらくが始はじまり同年どうねん11月がつだけで1/3に減価げんかした。この通貨つうか下落げらくにより、市内しないでは薬局やっきょくから輸入ゆにゅう薬やくが消きえるなど市民しみん生活せいかつに大おおきな影響えいきょうが生しょうじたため、同年どうねん12月がつ、大統領だいとうりょうは為替かわせ変動へんどうを受うけたインフレに伴ともなうリラ建だて資産しさんの目減めべり分ぶんを政府せいふが穴埋あなうめすることを表明ひょうめい。一いち度どはリラの暴落ぼうらくに歯止はどめが欠かけられた。

主要しゅよう経済けいざい指標しひょう

経済けいざい指標しひょう	1994	1995	1996	1997	1998	1999	2000	2001	2002	2003
実質じっしつGDP成長せいちょう率りつ	-5.5	7.2	7.0	7.2	3.1	-5.3	7.4	-7.4	7.8	5.8
名目めいもくGDP（100万まん米あめりかドル）	130,651	169,319	181,464	189,878	200,307	184,857	199,263	148,017	183,119	239,699
消費しょうひ者しゃ物価ぶっか上昇じょうしょう率りつ	106.3	117.0	80.4	85.7	84.6	64.9	39.0	68.5	29.7	18.4
失業しつぎょう率りつ	7.9	6.6	6.0	6.7	6.8	7.6	6.6	8.5	10.3	10.5
対外たいがい債務さいむ残高ざんだか（100万まん米あめりかドル）	65,601	73,278	79,356	84,215	96,417	103,027	118,806	113,901	131,058	147,035

農業のうぎょう

トルコにおいて農業のうぎょうは2016年ねん時点じてんにおいてGDPの約やく6.8%、全ぜん就業しゅうぎょう者しゃの約やく18.4%を占しめる主要しゅよう産業さんぎょうである。GDPと就業しゅうぎょう者しゃ割合わりあいからのアンバランスからも読よみ取とれるように、「貧まずしい農村のうそん」という言葉ことばは現金げんきん収入しゅうにゅうという観点かんてんからすれば、トルコにおいては現在げんざいでも基本きほん的てきには間違まちがった見方みかたではない。

トルコは建国けんこく以来いらい、もともと広大こうだいな耕地こうち面積めんせきを持もつうえ、戦略せんりゃく物資ぶっしである食糧しょくりょうの確保かくほは国家こっかの独立どくりつの維持いじに不可欠ふかけつとの観点かんてんから、一部いちぶ嗜好しこう品ひんを除のぞき食糧しょくりょうの完全かんぜん自給じきゅうを行おこなってきた。しかし急激きゅうげきな人口じんこう増加ぞうかと、一部いちぶ農地のうちの荒廃こうはいにより、ついに食料しょくりょうの輸入ゆにゅう額がくが輸出ゆしゅつ額がくを上回うわまわる輸入ゆにゅう超過ちょうかの状態じょうたいに陥おちいった。

トルコ農業のうぎょうの大おおきな問題もんだいは、オスマン帝国ていこく以来いらい連綿れんめんと続つづく農地のうちの大だい地主じぬし制せいである。初代しょだい大統領だいとうりょうケマル・アタテュルクは農地のうち改革かいかくに本格ほんかく的てきに取とり組くまないうちにその改革かいかくの途中とちゅうで死去しきょしたこともあり、大だい地主じぬし制せいは現在げんざいも存在そんざいしている。これらはとくに農地のうち改革かいかくがまったく手付てつかずだった東部とうぶに多おおいが、アタチュルクが存命ぞんめい中ちゅうに行いった西部せいぶでの農地のうち改革かいかくも実際じっさいにはかなりの抜ぬけ穴あなが存在そんざいし、そのため大だい地主じぬしは程度ていどの差さはあるがほぼトルコ全国ぜんこくに存在そんざいする。また、トルコ政府せいふの行おこなった遊牧民ゆうぼくみん（ユルック）の定住ていじゅう化か政策せいさくも、部族ぶぞく長ちょうを地主じぬし、部族ぶぞく民みんを小作こさく人じんとする新あらたな地主じぬし制せいの発生はっせいを招まねいた。

ただし、大だい地主じぬしの所有しょゆうする大だい農場のうじょうにおいては、大掛おおがかりな投資とうしと合理ごうり的てきな人員じんいん配置はいちが行おこなわれるため、経済けいざい効率こうりつの面めんからみればかえって効率こうりつ的てきな農業のうぎょうを行おこなうことができることに注意ちゅういする必要ひつようがある。実際じっさい、大だい農場のうじょうにおいては、ヨーロッパ製せい大型おおがた農業のうぎょう機器ききの導入どうにゅうや、機械きかい化かされた農薬のうやく・肥料ひりょうの散布さんぷ・散水さんすい、人手ひとでが必要ひつような農作業のうさぎょうでのバスを使つかった人員じんいんの大量たいりょう輸送ゆそうなど、効率こうりつ的てきな農業のうぎょうを行おこなっている。そのため、単純たんじゅんに農業のうぎょう従事じゅうじ者しゃは貧困ひんこんということはできず、農場のうじょうによっては、農民のうみんというよりもむしろ大だい企業きぎょうの社員しゃいんというべき者ものも多おおい。

むしろ経済けいざい困難こんなんに直面ちょくめんしているのは農地のうちの所有しょゆう形態けいたいにかかわりなく小規模しょうきぼ農家のうかであり、これらは、大だい規模きぼ農場のうじょうから出荷しゅっかされる低てい価格かかく農産物のうさんぶつによる農産物のうさんぶつ価格かかくの下落げらくもあり、1990年代ねんだい後半こうはん以降いこう購買こうばい力りょく平価へいかベースでは実質じっしつ所得しょとくの下落げらくが続つづいている。参考さんこうまでに2004年ねん現在げんざいの主要しゅよう農産物のうさんぶつの露天ろてんバザールでの販売はんばい価格かかくはトマト・ジャガイモ・タマネギともおおむね1キロあたり25万まん旧きゅうトルコリラ程度ていどであった。これはトルコの物価ぶっかにおいておおむねチャイ（紅茶こうちゃ）1杯はい、シミット（小ちいさなパン）1個いっこに相当そうとうするものでしかなく、小規模しょうきぼ農家のうかの生活せいかつは大変たいへん苦くるしいといわざるを得えない。

政府せいふも、農村のうそんの現状げんじょうは認識にんしきしており、直接ちょくせつの所得しょとく補助ほじょを行おこなうなどしているが、トルコにおいては財政ざいせいが事実じじつ上じょうIMFの統制とうせい化かにある危機きき的てきな状況じょうきょうを脱だっしていないこともあり、補助ほじょ額がくは不十分ふじゅうぶんな上うえ、そもそもその補助ほじょ自体じたいも一部いちぶが滞とどこおっている状態じょうたいである。

これらの問題もんだいは、一時期いちじき盛さかんだった西にしドイツ（当時とうじ）への移民いみん、大都市だいとし部ぶへの出稼でかせぎや移住いじゅうなどをもたらす結果けっかとなり、一部いちぶ農地のうちの荒廃こうはいの原因げんいんとなっている。国外こくがいへの移民いみん流出りゅうしゅつがやや抑おさえこまれた現在げんざいでも大都市だいとし部ぶへの人口じんこう流入りゅうにゅうは続つづいており、流入りゅうにゅう者しゃがつくりだしたゲジェコンドゥ地区ちくと呼よばれる下町したまちの存在そんざいは都市としの社会しゃかい問題もんだいをも招まねいている。

軽工業けいこうぎょう

建国けんこく当初とうしょのトルコの経済けいざい政策せいさくは、輸入ゆにゅう代替だいたいをおもな目標もくひょうとするものであったため、軽工業けいこうぎょうは一応いちおうの発展はってんを見みた。そのため、衣服いふく・靴くつ・玩具おもちゃ・陶磁器とうじき・日用にちよう雑貨ざっか品等ひんとうの生活せいかつ用品ようひんはほぼ自給じきゅう可能かのうである。ただし、近年きんねんでは「1新しんトルコリラ（為替かわせ相場そうばにもよるが日本円にほんえんで90円えんから60円えん程度ていど）ショップ」での販売はんばいに代表だいひょうされる安価あんかな中国ちゅうごく製品せいひんの輸入ゆにゅうが急増きゅうぞうしており、国内こくない企業きぎょうの業績ぎょうせきを圧迫あっぱくしつつある。関係かんけい業界ぎょうかいは政府せいふに対策たいさくを求もとめているが、政府せいふの動うごきは遅おそい。

トルコにおいては、オスマン帝国ていこく時代じだい以前いぜんから製せい陶すえが行おこなわれており、その伝統でんとうを引ひき継ついだ製せい陶すえ業ぎょうはいまも盛さかんに行おこなわれている。伝統でんとう的てきで小規模しょうきぼな産地さんちとしてはイズニクが、また大だい規模きぼな工業こうぎょうとして成立せいりつしている産地さんちとしてはキュタヒヤがあげられる。特とくにキュタヒヤでは近郊きんこうで産出さんしゅつされる豊富ほうふな陶土とうどを生いかし、巨大きょだいな製せい陶すえ工場こうじょうが多おおく建設けんせつされている。その中なかでもキュタヒヤポルセレン（KütahyaPolseren）とギュラルポルセレン（GüralPolseren）の2社しゃはトルコ国内こくないでは全国ぜんこく的てきに有名ゆうめいである。また、トルコの製せい陶すえ業ぎょうは食器しょっきだけでなくトイレ等ひとしの衛生えいせい機器きき分野ぶんやにも進出しんしゅつしている。

トルコはもともとヨーロッパ向むけに輸出ゆしゅつされる羊毛ようもうと綿花めんかの産地さんちであったことから、伝統でんとう的てきに繊維せんい産業さんぎょうが盛さかんであり、現在げんざいでも輸出ゆしゅつ額がくの約やく3分ぶんの1を占しめる主要しゅよう産業さんぎょうである。また現在げんざいでは天然てんねん繊維せんいだけでなくブルサを中心ちゅうしんに化学かがく繊維せんいの生産せいさんも盛さかんである。トルコの繊維せんい産業さんぎょうの輸出ゆしゅつ先さきは主おもに欧州おうしゅう連合れんごうとアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくであるが、2005年ねんからの中国ちゅうごくに対たいする輸入ゆにゅう割わり当あての撤廃てっぱいにより、今後こんご厳きびしい状況じょうきょうが予想よそうされる。これに対たいしトルコの繊維せんい産業さんぎょう界かいと政府せいふではデザインの向上こうじょうによるアパレル製品せいひんの付加ふか価値かち向上こうじょうや、人件じんけん費ひの安やすい東部とうぶ・南東なんとう部ぶアナトリアや中央ちゅうおうアジアへの工場こうじょう移転いてんなどの対策たいさくを打うっている。

重工業じゅうこうぎょう

トルコにおける重工業じゅうこうぎょうは、鉄鋼てっこう・コンクリート・セメント・石油せきゆ精製せいせいなど基礎きそ的てきな素材そざい分野ぶんやが中心ちゅうしんであったが、近年きんねんでは国内こくない財閥ざいばつと外国がいこく資本しほんの合弁ごうべんによる自動車じどうしゃ生産せいさんが大おおきなシェアを占しめるようになった。

外資がいし系けい自動車じどうしゃ産業さんぎょうはトルコにおける投資とうしの拡大かくだいを表明ひょうめいしており、今後こんごも生産せいさんの伸のびが期待きたいされる。ただし、トルコでは基礎きそ的てきな機械きかい・自動車じどうしゃ部品ぶひん生産せいさん能力のうりょくが未熟みじゅくで、生産せいさん設備せつびにいたってはほぼ完全かんぜんに輸入ゆにゅうに頼たよっている。そのためトルコでは自動車じどうしゃ輸出ゆしゅつが5ドル増加ぞうかするたびに4ドル輸入ゆにゅうが増加ぞうかするとも言いわれており、この状況じょうきょうを改善かいぜんするための国内こくない産業さんぎょうの強化きょうかが模索もさくされている。トルコにおける主おもな自動車じどうしゃ生産せいさん企業きぎょうは以下いかのとおり。

• オヤック・ルノー
• トファシュ
• フォード・オトサン
• トヨタ・サ
• テム・サ
• アナドル・イスズ
• アナドル・ホンダ
• マン・トルコ
• カルサン・プジョー
• BMC

建設けんせつ業ぎょう

トルコにおいて建設けんせつ業ぎょうは国内こくない総そう生産せいさんの3%程度ていどを占しめるに過すぎない産業さんぎょうではあるが、その一方いっぽうで対外たいがい請負うけおいによる外貨がいか獲得かくとく源げんとしても期待きたいされており、実際じっさいに中東ちゅうとう・北きたアフリカ・ロシアを含ふくむ旧きゅうソ連それん諸国しょこくにおいて受注じゅちゅうを獲得かくとくしている。特とくにロシアは受注じゅちゅう額がくの3分ぶんの1を占しめるトルコにとってもっとも主要しゅような受注じゅちゅう先さきであり、ロシア連邦れんぽう議会ぎかいビルの修復しゅうふくを行おこなったのもトルコ企業きぎょうである。

トルコにおいては一般いっぱんの住宅じゅうたく環境かんきょうが良好りょうこうとは言いえなかったが、これは、きわめて高たかいインフレ率りつによって住宅じゅうたくローンが事実じじつ上じょう機能きのうしていなかったことに主おもな原因げんいんがある。実際じっさい、手持てもち資金しきんが尽つきるとその時点じてんで建設けんせつを中断ちゅうだんし、残のこりの部分ぶぶんは再ふたたび資金しきんをためたあとに建設けんせつするということは、トルコにおいてはごく普通ふつうであり、街まち中ちゅうの実際じっさいに居住きょじゅうが行おこなわれている建物たてものでも、これらの光景こうけいは良よく見みられる。しかし、歴史れきし的てきな水準すいじゅんにまで低下ていかしたインフレ率りつによって、一般いっぱん向むけ住宅じゅうたくローンが銀行ぎんこうの営利えいり事業じぎょうとして十分じゅうぶん実行じっこう可能かのうなものとなりつつあり、これにより、2005年ねん以降いこうの住宅じゅうたく建設けんせつの増加ぞうかが期待きたいされている。

文化ぶんか産業さんぎょう

トルコで2010年代ねんだい半なかば以降いこう、テレビドラマが新あらたな輸出ゆしゅつ産業さんぎょうとして注目ちゅうもくされている。トルコのテレビドラマ輸出ゆしゅつ額がくはアメリカに次ついで世界せかい2位いという統計とうけい結果けっかもあり、『オスマン帝国ていこく外伝がいでん〜愛あいと欲望よくぼうのハレム〜』は世界せかいで8億おく人にんが視聴しちょうしているとされている。近年きんねんのトルコのテレビドラマは、近隣きんりんの中東ちゅうとうやバルカン半島ばるかんはんとうに展開てんかい後ご、中南米ちゅうなんべいに展開てんかいされて世界せかい的てきなヒットを得えることが多おおい。
日本にっぽん国内こくないでは、2017年ねんから『オスマン帝国ていこく外伝がいでん〜愛あいと欲望よくぼうのハレム〜』が放送ほうそうされ、2016年ねんからは日本にっぽんの民放みんぽうのテレビドラマ『Mother』他た3作品さくひんがトルコでリメイクされ、日本にっぽんの民放みんぽうテレビドラマがトルコのリメイク版ばんを通つうじて世界中せかいじゅうに展開てんかいしている。

失業しつぎょう問題もんだい

トルコにおける失業しつぎょう率りつは、小規模しょうきぼな変動へんどうはあるものの、おおむね10%強きょうの水準すいじゅんで高こう止とまりしている。

好調こうちょうを維持いじしている経済けいざいにたいして、このような高たかい水準すいじゅんの失業しつぎょう率りつが発生はっせいしているほぼ唯一ゆいいつの理由りゆうは、急激きゅうげきな人口じんこう増加ぞうかである。トルコの出生しゅっしょう者しゃ数すうは、毎年まいとし約やく120万まん人にんにも達たっしており、いかに近年きんねん好調こうちょうなトルコ経済けいざいであってもこれだけ膨大ぼうだいな数かずにのぼる学校がっこう新卒しんそつ者しゃを吸収きゅうしゅうすることはできていない。しかし、単純たんじゅんな理由りゆうであるからこそ、解決かいけつの見込みこみがない問題もんだいであり、トルコにおいては重大じゅうだいな社会しゃかい問題もんだいとなっている。

また、かつてなかった新あらたな形かたちの失業しつぎょう問題もんだいとして、高卒こうそつ者しゃ・大卒だいそつ者しゃ等とうの高学歴こうがくれき失業しつぎょう者しゃの問題もんだいが挙あげられる。これは、中ちゅう所得しょとく階層かいそうの雇用こよう所得しょとくの上昇じょうしょうが高卒こうそつ者しゃ・大卒だいそつ者しゃの増加ぞうかをもたらしたことによるもので、この影響えいきょうにより、かつては存在そんざいしていた一定いっていの学歴がくれきがあるものは企業きぎょうにおいて中間ちゅうかん管理かんり職しょく・上級じょうきゅう管理かんり職しょくの地位ちいが卒業そつぎょう後ごすぐに与あたえられるという社会しゃかいシステムは、なかば崩壊ほうかいしつつある。

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