ヒドロモルフォン
IUPAC命名 めいめい 法 ほう による物質 ぶっしつ 名 めい
4,5-α あるふぁ -Epoxy-3-hydroxy-17-methyl morphinan-6-one
臨床 りんしょう データ販売 はんばい 名 めい
Dilaudid, Hydromorph Contin, others Drugs.com
monograph MedlinePlus
a682013 胎児 たいじ 危険 きけん 度 ど 分類 ぶんるい
法的 ほうてき 規制 きせい
依存 いぞん 性 せい
非常 ひじょう に強 つよ い 薬物 やくぶつ 動態 どうたい データ生物 せいぶつ 学 がく 的 てき 利用 りよう 能 のう Oral: 30–35%, Intranasal: 52–58%[ 1] IV/IM:100% 血漿 けっしょう タンパク結合 けつごう 20% 代謝 たいしゃ Hepatic 半減 はんげん 期 き 2–3 hours[ 2] 排泄 はいせつ Renal データベースID CAS番号 ばんごう
466-99-9 ATCコード
N02AA03 (WHO ) PubChem
CID: 5284570 IUPHAR/BPS
7082 DrugBank
DB00327 ChemSpider
4447624 UNII
Q812464R06 KEGG
D08047 ChEBI
CHEBI:5790 ChEMBL
CHEMBL398707 別名 べつめい
dihydromorphinone 化学 かがく 的 てき データ化学 かがく 式 しき C 17 H 19 N O 3 分子 ぶんし 量 りょう 285.34 g·mol−1
O=C4[C@@H]5Oc1c2c(ccc1O)C[C@H]3N(CC[C@]25[C@H]3CC4)C
InChI=1S/C17H19NO3/c1-18-7-6-17-10-3-5-13(20)16(17)21-15-12(19)4-2-9(14(15)17)8-11(10)18/h2,4,10-11,16,19H,3,5-8H2,1H3/t10-,11+,16-,17-/m0/s1 Key:WVLOADHCBXTIJK-YNHQPCIGSA-N
物理 ぶつり 的 てき データ水 みず への溶解 ようかい 量 りょう HCl salt : 333 mg/mL (20 °C)テンプレートを表示 ひょうじ
ヒドロモルフォン (Hydromorphone)は オピオイド 類 るい の中枢 ちゅうすう 作用 さよう 型 がた の鎮痛 ちんつう 剤 ざい [ 3] 。 ジヒドロ モルフィノンとしても知 し られ、速 はや 放 ひ 錠 じょう ナルラピド、徐 じょ 放 ひ 錠 じょう ナルサス、静 しずか 注 ちゅう 薬 くすり ナルベイン の商品 しょうひん 名 めい で販売 はんばい されている。モルヒネ から作 つく られる。 ヒドロコドン がコデイン であるのと同様 どうよう に、ヒドロモルホンはモルヒネ(の水素 すいそ 化 か ケトン)である。 医学 いがく 的 てき にはオピオイド鎮痛 ちんつう 薬 やく で、法的 ほうてき には麻薬 まやく である。 ヒドロモルフォンは、生物 せいぶつ 学 がく 的 てき 利用 りよう 能 のう が経口 けいこう 投与 とうよ 、直腸 ちょくちょう 投与 とうよ 、および鼻腔 びこう 内 ない 投与 とうよ において非常 ひじょう に低 ひく いので、主 おも に静脈 じょうみゃく 内 ない 注射 ちゅうしゃ によって用 もち いられてきた。舌 した 下 か 投与 とうよ は通常 つうじょう 、生物 せいぶつ 学 がく 的 てき 利用 りよう 能 のう および薬効 やっこう において経口 けいこう 投与 とうよ より優 すぐ れているが、ヒドロモルフォンは苦 にが くそして親水 しんすい 性 せい であるため、口腔 こうくう 粘膜 ねんまく からはあまり吸収 きゅうしゅう されない。
ヒドロモルフォンはモルヒネよりもはるかに水溶 すいよう 性 せい なので、ヒドロモルフォン溶液 ようえき は、少量 しょうりょう の水量 すいりょう で製剤 せいざい 化 か できる。ヒドロモルフォン塩酸 えんさん 塩 しお 1gは3gの水 みず に溶 と けるが、塩酸 えんさん モルヒネ1gは16mLの水 みず に溶 と ける。すべての一般 いっぱん 的 てき な目的 もくてき のために、病院 びょういん での使用 しよう のための純粋 じゅんすい な粉末 ふんまつ は、事実 じじつ 上 じょう 任意 にんい の濃度 のうど の溶液 ようえき を製造 せいぞう するために使用 しよう することができる。粉末 ふんまつ が流出 りゅうしゅつ した場合 ばあい 、一 いち 回分 かいぶん の投与 とうよ に必要 ひつよう とされる量 りょう は非常 ひじょう に少量 しょうりょう なので、ヘロイン や他 た の粉末 ふんまつ 麻薬 まやく と間違 まちが えた人 ひと 、特 とく に希釈 きしゃく された物 もの を入手 にゅうしゅ した人 ひと にとっては、過剰 かじょう 摂取 せっしゅ の可能 かのう 性 せい が高 たか い [ 4] 。
1921年 ねん に特許 とっきょ を取得 しゅとく した [ 5] 。ごくまれに、 アヘン の分析 ぶんせき でごく少量 しょうりょう のヒドロモルフォンが検出 けんしゅつ される。現時点 げんじてん では解明 かいめい されていない状況 じょうきょう 下 か およびプロセス下 か で、植物 しょくぶつ 自身 じしん が産 さん 生 む していると考 かんが えられている。 植物 しょくぶつ における同様 どうよう の過程 かてい または他 た の代謝 たいしゃ 過程 かてい が、アヘンおよびアヘン由来 ゆらい のアルカロイド混合 こんごう 物 ぶつ 中 ちゅう に非常 ひじょう に少量 しょうりょう のヒドロコドンが見出 みいだ される原因 げんいん でもあり得 え る。 ジヒドロコデイン 、 オキシモルオール 、オキシコドン 、オキシモルフォン 、 メトポン 、およびおそらく他 た のモルヒネおよびヒドロモルフォンの誘導体 ゆうどうたい もまた、アヘン中 ちゅう に微量 びりょう で見出 みいだ される。
日本 にっぽん では長 なが く未 み 承認 しょうにん であったが、日本 にっぽん 緩和 かんわ 医療 いりょう 学会 がっかい と日本 にっぽん 緩和 かんわ 医 い 療薬 りょうやく 学会 がっかい がヒドロモルフォン開発 かいはつ の要望 ようぼう 書 しょ を提出 ていしゅつ したのを受 う けて、厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう の「医療 いりょう 上 じょう の必要 ひつよう 性 せい の高 たか い未 み 承認 しょうにん 薬 やく ・適応 てきおう 外 がい 薬 やく 検討 けんとう 会議 かいぎ 」で「医療 いりょう 上 じょう の必要 ひつよう 性 せい あり」と認 みと められた。そして第 だい 一 いち 三共 さんきょう と第 だい 一 いち 三共 さんきょう プロファーマ の共同 きょうどう 開発 かいはつ による速 はや 放 ひ 錠 じょう の「ナルラピド」、徐 じょ 放 ひ 錠 じょう の「ナルサス」[ 6] が2017年 ねん 6月 がつ に認可 にんか された。そして、2018年 ねん 5月には同社 どうしゃ の注射 ちゅうしゃ 薬 やく 「ナルベイン注 ちゅう 」が認可 にんか された[ 7] 。
ヒドロモルフォンの有害 ゆうがい 作用 さよう は、 モルヒネ やヘロインの ような他 ほか の強力 きょうりょく なオピオイド鎮痛 ちんつう 薬 やく の有害 ゆうがい 作用 さよう に似 に てい る。 ヒドロモルフォンの主 おも な危険 きけん には、用量 ようりょう 依存 いぞん 的 てき な呼吸 こきゅう 抑制 よくせい 、尿 にょう 閉、気管支 きかんし 痙攣 けいれん 、そして時 とき には循環 じゅんかん 抑制 よくせい が含 ふく まれる [ 8] 。もっと一般 いっぱん 的 てき な副作用 ふくさよう には、立 た ちくらみ、めまい 、鎮静 ちんせい 、かゆみ 、便秘 べんぴ 、吐 は き気 け 、嘔吐 おうと 、頭痛 ずつう 、発汗 はっかん および幻覚 げんかく がある[ 8] 。これらの症状 しょうじょう は、外来 がいらい 患者 かんじゃ や激痛 げきつう を経験 けいけん していない患者 かんじゃ によく見 み られる。
ヒドロモルフォンを他 た のオピオイド、筋 すじ 弛緩 しかん 剤 ざい 、精神 せいしん 安定 あんてい 剤 ざい 、鎮静 ちんせい 剤 ざい 、および全身 ぜんしん 麻酔 ますい 薬 やく と同時 どうじ に使用 しよう すると、呼吸 こきゅう 抑制 よくせい が著 いちじる しく増加 ぞうか し、昏睡 こんすい または死亡 しぼう に至 いた ることがある。 ベンゾジアゼピン ( ジアゼパム など)をヒドロモルフォンと一緒 いっしょ に服用 ふくよう すると、めまいや集中 しゅうちゅう 困難 こんなん などの副作用 ふくさよう が増大 ぞうだい することがある[ 9] 。 これらの薬物 やくぶつ を同時 どうじ に使用 しよう する必要 ひつよう がある場合 ばあい は、用量 ようりょう 調整 ちょうせい をすることができる [ 10] 。
ヒドロモルフォンで起 お こり得 え る特定 とくてい の問題 もんだい は、処方箋 しょほうせん が書 か かれたとき、または薬 くすり が調剤 ちょうざい されたときのいずれかにおいて、名称 めいしょう が類似 るいじ しているために、モルヒネと間違 まちが えて偶発 ぐうはつ 的 てき に投与 とうよ されることである。 これはいくつかの死亡 しぼう 事故 じこ をもたらし、混乱 こんらん を避 さ けるためにヒドロモルフォンをモルヒネとは明 あき らかに異 こと なる包装 ほうそう で分配 ぶんぱい することを求 もと めている[ 11] [ 12] 。
大量 たいりょう の過 か 量 りょう 摂取 せっしゅ はオピオイド耐 たい 性 せい の個人 こじん ではめったに観察 かんさつ されないが、発生 はっせい した場合 ばあい 、循環 じゅんかん 器 き 系 けい の虚脱 きょだつ を引 ひ き起 お こす可能 かのう 性 せい がある。過 か 量 りょう 摂取 せっしゅ の症状 しょうじょう には、呼吸 こきゅう 抑制 よくせい 、昏睡 こんすい および時 とき には死 し に至 いた る眠気 ねむけ 、骨格 こっかく 筋 すじ の弛緩 しかん 、心拍 しんぱく 数 すう 低下 ていか 、および血圧 けつあつ の低下 ていか が含 ふく まれる。病院 びょういん では、ヒドロモルフォンの過 か 量 りょう 投与 とうよ 者 しゃ は、酸素 さんそ を供給 きょうきゅう するための補助 ほじょ 換気 かんき 、経 けい 鼻 はな 胃 い チューブを通 とお して活性炭 かっせいたん を使用 しよう した消化 しょうか 管内 かんない の洗浄 せんじょう などの支持 しじ 療法 りょうほう を受 う ける。ナロキソン などのオピオイド拮抗 きっこう 薬 やく も、酸素 さんそ 補給 ほきゅう と同時 どうじ に投与 とうよ することができる。ナロキソンはヒドロモルフォンの効果 こうか を拮抗 きっこう させることによって作用 さよう するので、重大 じゅうだい な呼吸 こきゅう 抑制 よくせい および循環 じゅんかん 抑制 よくせい の存在 そんざい 下 か でのみ投与 とうよ される [ 10] 。
薬物 やくぶつ がアルコールで 服用 ふくよう された場合 ばあい 、過剰 かじょう 摂取 せっしゅ の影響 えいきょう は用量 ようりょう ダンピングによって悪化 あっか することがある [ 13] 。
ヒドロモルフォンの使用 しよう に伴 ともな う糖 とう の渇望 かつぼう は、注射 ちゅうしゃ 後 ご の一過 いっか 性 せい の高 こう 血糖 けっとう 後 ご のグルコースの急激 きゅうげき な減少 げんしょう 、またはモルヒネ、ヘロイン、コデイン、および他 た のアヘン剤 ざい と同様 どうよう に、数時間 すうじかん にわたるあまり深 ふか くない血糖 けっとう 低下 ていか の結果 けっか 起 お きる。
他 た のオピオイドと同様 どうよう に、ヒドロモルフォン(特 とく に重度 じゅうど の慢性 まんせい 的 てき な使用 しよう 中 ちゅう )はしばしば一時 いちじ 的 てき な性腺 せいせん 機能 きのう 低下 ていか 症 しょう またはホルモンの不 ふ 均衡 きんこう を引 ひ き起 お こす[ 14] 。
長期 ちょうき 使用 しよう 、高 こう 用量 ようりょう 、および/または腎臓 じんぞう 機能 きのう 不全 ふぜん の条件 じょうけん では、ヒドロモルフォンは振 ふ 戦 せん 、ミオクローヌス 、興奮 こうふん 、および認識 にんしき 機能 きのう 不全 ふぜん などの神経 しんけい 興奮 こうふん 性 せい 症状 しょうじょう と関連 かんれん する[ 15] [ 16] [ 17] 。この毒性 どくせい は、特 とく にペチジン クラスの合成 ごうせい 物 ぶつ などの他 ほか のクラスのオピオイドに関連 かんれん するものよりも少 すく ない。
ヒドロモルフォンの使用 しよう 者 しゃ は、薬物 やくぶつ が中断 ちゅうだん されると痛 いた みを伴 ともな う症状 しょうじょう を経験 けいけん する可能 かのう 性 せい がある[ 18] 。痛 いた みに耐 た えることができず、継続 けいぞく 的 てき な薬物 やくぶつ 使用 しよう をもたらす場合 ばあい がある[ 18] 。薬物 やくぶつ 探索 たんさく 行動 こうどう と真 しん の離脱 りだつ 効果 こうか には違 ちが いがあるので、オピオイド離脱 りだつ の症状 しょうじょう を解読 かいどく するのは容易 ようい ではない [ 19] 。ヒドロモルフォン離脱 りだつ に関連 かんれん する症状 しょうじょう には以下 いか が含 ふく まれる[ 18] [ 19] [ 20] :
腹痛 はらいた
不安 ふあん /パニック発作 ほっさ
うつ病 びょう
鳥肌 とりはだ
日常 にちじょう 活動 かつどう を楽 たの しむことができない
筋肉 きんにく と関節 かんせつ の痛 いた み
吐 は き気 け
鼻水 はなみず と過度 かど の涙 なみだ の分泌 ぶんぴつ
発汗 はっかん
嘔吐 おうと
臨床 りんしょう 現場 げんば では、涙 なみだ 液 えき の過剰 かじょう な分泌 ぶんぴつ 、あくび、および瞳孔 どうこう 拡大 かくだい は、オピオイド離脱 りだつ の診断 しんだん に役立 やくだ つ症状 しょうじょう である[ 21] 。ヒドロモルフォンは即効 そっこう 性 せい の鎮痛 ちんつう 剤 ざい だが、いくつかの製剤 せいざい は数時間 すうじかん 効果 こうか を持続 じぞく することがある。この薬 くすり を突然 とつぜん 中止 ちゅうし した患者 かんじゃ は、ヒドロモルフォンの離脱 りだつ 症状 しょうじょう [ 20] [ 22] を、最終 さいしゅう 投与 とうよ 後 ご 数 すう 時間 じかん 以内 いない に開始 かいし し、数 すう 週間 しゅうかん まで経験 けいけん することがある [ 18] 。オピオイドを中止 ちゅうし した人 ひと の禁断症状 きんだんしょうじょう は、オピオイドまたは非 ひ オピオイド補助 ほじょ 剤 ざい を使用 しよう することによって管理 かんり できる[ 23] 。メサドン は、この種 たね の治療 ちりょう に一般 いっぱん 的 てき に使用 しよう されているオピオイドであるが、治療 ちりょう 法 ほう の選択 せんたく はそれぞれの人 ひと に合 あ わせて調整 ちょうせい されるべきである[ 24] 。 メサドンは、ヘロインやモルヒネに似 に た薬 くすり などのオピオイド依存 いぞん 症 しょう の解毒 げどく にも使用 しよう される [ 24] 。 経口 けいこう または筋肉 きんにく 内 ない に投与 とうよ することができる。治療 ちりょう を中断 ちゅうだん したとき置換 ちかん 薬 やく 自身 じしん が患者 かんじゃ に禁断症状 きんだんしょうじょう の再発 さいはつ を引 ひ き起 お こすことがあるため、禁断症状 きんだんしょうじょう を経験 けいけん している者 もの にオピオイドを使用 しよう することに関 かん しては論争 ろんそう がある [ 18] 。 クロニジン は非 ひ オピオイド補助 ほじょ 剤 ざい であり、高血圧 こうけつあつ 患者 かんじゃ のようにオピオイドの使用 しよう が望 のぞ ましくない状況 じょうきょう で使用 しよう することができる [ 25] 。
CNS抑制 よくせい 剤 ざい は、ヒドロモルフォンの抑制 よくせい 効果 こうか を増強 ぞうきょう し得 え る。他 た のオピオイド、 麻酔 ますい 薬 やく 、 鎮静 ちんせい 薬 やく 、 催眠 さいみん 薬 やく 、 バルビツレート 、 ベンゾジアゼピン 、 フェノチアジン 、 抱 だき 水 すい クロラール 、 ジメンヒドリナート 、およびグルテチミドなど。ヒドロモルフォンの抑制 よくせい 効果 こうか は、 モノアミンオキシダーゼ阻害 そがい 剤 ざい (MAO阻害 そがい 剤 ざい )、第 だい 一 いち 世代 せだい の抗 こう ヒスタミン薬 やく ( ブロムフェニラミン 、 プロメタジン 、 ジフェンヒドラミン 、クロルフェニラミン )、 β べーた 遮断 しゃだん 薬 やく 、およびアルコール によっても増強 ぞうきょう される可能 かのう 性 せい がある。 併用 へいよう 療法 りょうほう が企図 きと される場合 ばあい 、一方 いっぽう または両方 りょうほう の薬剤 やくざい の用量 ようりょう を減 へ らすべきである [ 15] 。
等 とう 鎮痛 ちんつう 薬 やく 投与 とうよ 量 りょう [ 27] [ 28] [ 29] PO; 経口 けいこう ,IV; 静脈 じょうみゃく 内 ない
化合 かごう 物 ぶつ
ルート
用量 ようりょう
コデイン
PO
200 mg
ヘロイン
IV
4.5 mg
ヒドロコドン
PO
20〜30 mg
ヒドロモルフォン
PO
7.5 mg
ヒドロモルフォン
IV
1.5 mg
モルヒネ
PO
30 mg
モルヒネ
IV
10 mg
オキシコドン
PO
20 mg
オキシコドン
IV
10 mg
オキシモルフォン
PO
10 mg
オキシモルフォン
IV
1 mg
ヒドロモルフォンは半 はん 合成 ごうせい μ みゅー -オピオイド アゴニスト である。 モルヒネの水素 すいそ 化 か ケトンとして、オピオイド鎮痛 ちんつう 薬 やく に 典型 てんけい 的 てき な薬理 やくり 学 がく 的 てき 性質 せいしつ を有 ゆう する。 ヒドロモルホンおよび関連 かんれん オピオイドは中枢 ちゅうすう 神経 しんけい 系 けい および胃腸 いちょう 管 かん にそれらの主要 しゅよう な効果 こうか をもたらす。これらには、 鎮痛 ちんつう 、眠気 ねむけ 、精神 せいしん 的 てき 混濁 こんだく 、気分 きぶん の変化 へんか 、 多幸 たこう 感 かん または不快 ふかい 感 かん 、呼吸 こきゅう 抑制 よくせい 、咳 せき の抑制 よくせい 、胃腸 いちょう 運動 うんどう の低下 ていか 、悪心 あくしん 、嘔吐 おうと 、脳 のう 脊髄 せきずい 液 えき 圧 あつ の上昇 じょうしょう 、 胆汁 たんじゅう 圧 あつ の上昇 じょうしょう 、および瞳孔 どうこう のピンポイント収縮 しゅうしゅく の上昇 じょうしょう が含 ふく まれる[ 22] 。
ヒドロモルフォンは、非 ひ 経口 けいこう 、直腸 ちょくちょう 、皮下 ひか および経口 けいこう 製剤 せいざい で入手 にゅうしゅ 可能 かのう であり、 硬 かた 膜 まく 外 がい 注射 ちゅうしゃ または髄 ずい 腔内注射 ちゅうしゃ によっても投与 とうよ することができる [ 30] 。 ヒドロモルフォンはまた、 息切 いきぎ れ を治療 ちりょう するために噴霧 ふんむ 剤 ざい で投与 とうよ されてきたが、低 ひく い生物 せいぶつ 学 がく 的 てき 利用 りよう 能 のう の ため、疼痛 とうつう 管理 かんり 目的 もくてき の投与 とうよ 経路 けいろ としては用 もち いられていない[ 31] 。
塩酸 えんさん ヒドロモルフォンの濃厚 のうこう 水溶液 すいようえき は、特 とく に透明 とうめい なアンプルに保存 ほぞん された場合 ばあい 、純 じゅん 水 みず 、等 とう 張 はり 9‰(0.9%)生理 せいり 食 しょく 塩水 えんすい などとは明 あき らかに異 こと なる屈折 くっせつ 率 りつ を持 も ち、光 ひかり にさらされるとわずかに透明 とうめい な琥珀 こはく 色 しょく の変色 へんしょく を生 しょう じることがある。一説 いっせつ には、これは溶液 ようえき の薬効 やっこう に影響 えいきょう を及 およ ぼさないが、ヒドロモルフォン、 オキシモルフォン 、および近 きん 縁 えん 物 ぶつ の14-ジヒドロモルフィノンは、光 ひかり から保護 ほご するよう説明 せつめい 書 しょ に記載 きさい がある [ 32] 。 沈殿 ちんでん 物 ぶつ を生 しょう じた溶液 ようえき のアンプルは廃棄 はいき しなければならない [ 32] 。
外科 げか 手術 しゅじゅつ および伝統 でんとう 的 てき な薬物 やくぶつ 療法 りょうほう などの他 ほか の選択肢 せんたくし が除外 じょがい され、患者 かんじゃ が生理学 せいりがく 的 てき および心理 しんり 的 てき の両方 りょうほう の禁忌 きんき に関 かん して適切 てきせつ な適合 てきごう と見 み なされるという条件 じょうけん において、慢性 まんせい 疼痛 とうつう のために電池 でんち 式 しき 髄 ずい 腔内薬物 やくぶつ 送達 そうたつ システムが埋 う め込 こ まれる [ 33] 。
ヒドロモルフォンの持続 じぞく 放出 ほうしゅつ (1日 にち 1回 かい )剤 ざい 型 がた が米国 べいこく で入手 にゅうしゅ 可能 かのう [ 34] 。
かつては、2005年 ねん 7月 がつ のFDAアドバイザリーで、アルコールとの併用 へいよう で高 こう 過剰 かじょう 摂取 せっしゅ の可能 かのう 性 せい があると警告 けいこく された後 のち 、自発 じはつ 的 てき に市場 いちば から撤退 てったい される前 まえ に、ヒドロモルフォンの持続 じぞく 放出 ほうしゅつ 型 がた であるPalladoneが入手 にゅうしゅ 可能 かのう だった。2010年 ねん 3月 がつ 現在 げんざい 、英国 えいこく ではPalladone SRというブランド名 めい で、ネパールではOpidolというブランド名 めい で、そしてその他 た のヨーロッパ諸国 しょこく でもまた入手 にゅうしゅ 可能 かのう [ 35] 。
モルヒネ分子 ぶんし をヒドロモルフォンに化学 かがく 修飾 しゅうしょく すると、脂 あぶら 溶性 ようせい が高 たか まり、 血液 けつえき 脳 のう 関門 かんもん を通過 つうか する能力 のうりょく が高 たか まり、より迅速 じんそく で完全 かんぜん な中枢 ちゅうすう 神経 しんけい 系 けい の浸透 しんとう が起 お こる。 1ミリグラムあたりでは、ヒドロモルフォンはモルヒネの5倍 ばい の効力 こうりょく があると考 かんが えられている。変換 へんかん 率 りつ は4〜8倍 ばい の間 あいだ で幅 はば があるが、5倍 ばい が一般 いっぱん 的 てき な臨床 りんしょう 使用 しよう 法 ほう である [ 36] [ 37] 。 耐 たい 性 せい の発達 はったつ (同 おな じ投与 とうよ 量 りょう では鎮痛 ちんつう 効果 こうか が得 え られなくなること)も個人 こじん によって異 こと なる。
腎臓 じんぞう 異常 いじょう を有 ゆう する患者 かんじゃ は、ヒドロモルフォンを投与 とうよ するときには注意 ちゅうい を払 はら わなければならない。 腎 じん 機能 きのう 障害 しょうがい のある人 ひと では、ヒドロモルフォンの半減 はんげん 期 き は最大 さいだい 40時 じ 間 あいだ まで延長 えんちょう する可能 かのう 性 せい がある。 静脈 じょうみゃく 内 ない 投与 とうよ でのヒドロモルホンの典型 てんけい 的 てき な半減 はんげん 期 き は2.3時 じ 間 あいだ [ 38] 。 最高 さいこう 血 ち 中 ちゅう 濃度 のうど には、通常 つうじょう 、経口 けいこう 投与 とうよ 後 ご 30〜60分 ふん で達 たっ する [ 39] 。
ヒドロモルフォンの作用 さよう 開始 かいし は静脈 じょうみゃく 内 ない 投与 とうよ で5分 ふん 以内 いない であり、経口 けいこう 投与 とうよ (即時 そくじ 放出 ほうしゅつ )では30分 ふん 以内 いない [ 31] 。
コデイン やオキシコドンなど、そのクラスの他 ほか のオピオイドはCYP450酵素 こうそ を介 かい して代謝 たいしゃ されるが、ヒドロモルフォンは異 こと なる [ 40] 。 ヒドロモルフォンは肝臓 かんぞう でヒドロモルフォン-3-グルクロニドに代謝 たいしゃ されるが、代謝 たいしゃ 物 ぶつ に鎮痛 ちんつう 作用 さよう はない。 モルヒネ代謝 たいしゃ 産物 さんぶつ 、モルヒネ-3-グルクロニド、ヒドロモルホン-3-グルクロニドの血 ち 中 ちゅう 濃度 のうど 増加 ぞうか で同様 どうよう に見 み られるように、落 お ち着 つ きのなさ、ミオクローヌスおよび痛覚 つうかく 過敏 かびん のような興奮 こうふん 性 せい の神経 しんけい 毒性 どくせい 作用 さよう を生 しょう じることがある。 腎 じん 機能 きのう が低下 ていか した患者 かんじゃ および高齢 こうれい 患者 かんじゃ は、代謝 たいしゃ 産物 さんぶつ 蓄積 ちくせき のリスクが高 たか い [ 41] [ 42] 。
ヒドロモルフォンは、モルヒネから直接 ちょくせつ 転位 てんい (白金 はっきん またはパラジウム触媒 しょくばい の存在 そんざい 下 か でのモルヒネのアルコール溶液 ようえき または酸性 さんせい 水溶液 すいようえき の還流 かんりゅう 加熱 かねつ により)またはジヒドロモルヒネへの還元 かんげん (通常 つうじょう は接触 せっしょく 水素 すいそ 化 か による )、それに続 つづ くベンゾフェノン 中 なか での酸化 さんか により製造 せいぞう される。 カリウム tert-ブトキシド またはアルミニウム tert-ブトキシド の存在 そんざい (オッペナウアー酸化 さんか )。 6ケトン基 もと は、 ウィッティヒ反応 はんのう を介 かい してメチレン基 もと と置換 ちかん されて、モルヒネより80倍 ばい 強 つよ い6-メチレンジヒドロデオキシモルヒネ を生成 せいせい することができる [ 43] 。
モルヒネをヒドロモルフォンに変 か えることはその活性 かっせい を増大 ぞうだい させ、そしてそれ故 こ 、ヒドロモルフォンを重量 じゅうりょう 基準 きじゅん でモルヒネより約 やく 8倍 ばい 強 つよ くするが、他 た のすべてのことは同 おな じである [要 よう 出典 しゅってん ] 。 脂 あぶら 溶性 ようせい の変化 へんか は、ヒドロモルフォンの吸収 きゅうしゅう 、分布 ぶんぷ 、代謝 たいしゃ 、および排泄 はいせつ 特性 とくせい に作用 さよう し、より迅速 じんそく な薬効 やっこう の開始 かいし ならびに(一般 いっぱん 的 てき な、より少 すく ない悪心 あくしん およびかゆみで)副作用 ふくさよう 特性 とくせい を有 ゆう することに寄与 きよ する。ヒドロモルフォンおよびそのコデイン類似 るいじ 体 たい ヒドロコドン が最 もっと もよく知 し られている、古 ふる くからある半 はん 合成 ごうせい アヘン剤 ざい には、強 つよ さがさまざまで、微妙 びみょう なものとはっきりとしたものが異 こと なる多数 たすう の薬物 やくぶつ が含 ふく まれ、治療 ちりょう のためのさまざまな選択肢 せんたくし がある。
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