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モンゴルの国 くに 章 あきら
詳細 しょうさい 使用 しよう 者 しゃ
モンゴル国 こく 採用 さいよう
1992年 ねん 3月25日 にち 盾 たて
外縁 がいえん には永遠 えいえん を象徴 しょうちょう するトゥメン・ナサンが描 えが かれ、空 そら を象徴 しょうちょう する円形 えんけい の青 あお い野原 のはら を囲 かこ んでいる。 フィールドの中央 ちゅうおう には、モンゴルの独立 どくりつ 、主権 しゅけん 、精神 せいしん を象徴 しょうちょう するソヨンボのシンボルと風 ふう 馬 ば (愛馬 あいば )が組 く み合 あ わされている。 太陽 たいよう 、月 つき 、火 ひ のシンボルは匈奴 きょうど に由来 ゆらい する。 フィールドの上 うえ にはシンタマニ(チャンドマン)があり、これはモンゴルの民間 みんかん 伝承 でんしょう に登場 とうじょう する願 ねが いを叶 かな える仏教 ぶっきょう の3つの宝石 ほうせき を表 あらわ している。 中央 ちゅうおう の紋章 もんしょう の下 した には緑 みどり の山脈 さんみゃく があり、その中央 ちゅうおう には法輪 ほうりん (ドラム)が描 えが かれている。 山脈 さんみゃく と車輪 しゃりん のふもとには、儀式 ぎしき 用 よう の布 ぬの であるカダグ(ハダグ)がある。
モンゴル国 こく の国 くに 章 あきら (モンゴルこくのこくしょう、モンゴル語 ご : Монгол улсын төрийн сүлд , Mongol ulsyn töriin süld )は、社会 しゃかい 主義 しゅぎ 体制 たいせい が終 お わり国号 こくごう が「モンゴル人民 じんみん 共和 きょうわ 国 こく 」から「モンゴル国 こく 」に改 あらた められた1992年 ねん に制定 せいてい された。
国 くに 章 しょう には仏教 ぶっきょう やモンゴル民族 みんぞく の伝統 でんとう のシンボルが組 く み込 こ まれている。まず国 くに 章 しょう の外側 そとがわ を囲 かこ む円形 えんけい に描 えが かれた文様 もんよう は「tumen nusan」と呼 よ ばれるもので、終 お わりがない文様 もんよう は永遠 えいえん の象徴 しょうちょう でもある。その中 なか は青色 あおいろ の地 ち があり、モンゴルの人々 ひとびと が崇拝 すうはい してきた大空 おおぞら を象徴 しょうちょう している。青地 あおじ の上 うえ の方 ほう には三 みっ つの宝石 ほうせき (chandmani)がある。これは仏教 ぶっきょう でいう三宝 さんぽう を表 あらわ し、モンゴルの民話 みんわ では願 ねが いをき入 きい れるものでもある。これは過去 かこ ・現在 げんざい ・未来 みらい の三 みっ つをも象徴 しょうちょう している。
青地 あおじ の中央 ちゅうおう には「ソヨンボ 」が組 く み合 あ わされた馬 うま が描 えが かれている。ソヨンボ はかつてモンゴルで使 つか われた文字 もじ (ソヨンボ文字 もじ )の名 な で、モンゴルを象徴 しょうちょう するシンボルでもありモンゴルの国旗 こっき にも描 えが かれている。ソヨンボには次 つぎ のような意味 いみ がある。
ソヨンボ
火 ひ : 火 ひ は富 とみ と成功 せいこう の象徴 しょうちょう である。炎 ほのお の三 みっ つの舌 した は、過去 かこ ・現在 げんざい ・未来 みらい を意味 いみ する。
太陽 たいよう と月 つき : 父 ちち なる天 てん (テングリ )に対 たい する崇拝 すうはい の象徴 しょうちょう 。モンゴル人 じん の起源 きげん を意味 いみ する。
二 ふた つの三角 さんかく : 三角形 さんかっけい は矢 や じりや槍 やり の先 さき を表 あらわ す。下 した に向 む いているのは、内外 ないがい の敵 てき を倒 たお すことを意味 いみ する。
二 ふた つの横 よこ 棒 ぼう : 水平 すいへい な横 よこ 棒 ぼう は円 えん よりも安定 あんてい した形 かたち である。横 よこ 棒 ぼう はモンゴルの人々 ひとびと が、上 うえ にある時 とき も下 した にある時 とき も正直 しょうじき さと正義 せいぎ を持 も つことを表 あらわ す。
二 に 匹 ひき の魚 さかな : 魚 さかな が円 えん を描 えが いているのは、太極 たいきょく を意味 いみ し、陰陽 いんよう の調和 ちょうわ を表 あらわ す。社会 しゃかい 主義 しゅぎ の時代 じだい はこの部分 ぶぶん の意味 いみ は「魚 さかな は目 め を閉 と じないことから、警戒 けいかい を欠 か かさないことを象徴 しょうちょう する」と改 あらた められていた。
二 に 本 ほん の縦 たて 棒 ぼう : 縦 たて 棒 ぼう は砦 とりで の壁 かべ を意味 いみ する。これは統一 とういつ と強 つよ さを表 あらわ し、「二人 ふたり の友情 ゆうじょう は石 いし の壁 かべ よりも強 つよ い」というモンゴルのことわざにも基 もと づく
ソヨンボは風 ふう の中 なか を走 はし る馬 うま と組 く み合 あ わされている。この風 ふう の馬 うま は「ヒーモリ」(хийморь , Khiimori)という。モンゴルの言葉 ことば でヒーは「気 き 」、モリは「馬 うま 」を意味 いみ し、ヒーモリは幸運 こううん や魂 たましい のことも指 さ す。この馬 うま は、モンゴルの独立 どくりつ 、主権 しゅけん 、魂 たましい の象徴 しょうちょう である。
紋章 もんしょう の下 した の方 ほう には緑色 みどりいろ の山並 やまな みがあり、中央 ちゅうおう には法輪 ほうりん が描 えが かれている。山並 やまな みから法輪 ほうりん には、青色 あおいろ のハダク (khadag、チベット ではカタ)というスカーフが描 えが かれている。法輪 ほうりん は崇敬 すうけい の象徴 しょうちょう であり、ハダクはモンゴルやチベットでは親 した しい人 ひと や尊敬 そんけい する人 ひと に渡 わた すためのものである。紋章 もんしょう の下 した には白 しろ い蓮 はちす の花 はな がある。
1960年 ねん から1992年 ねん までモンゴル人民 じんみん 共和 きょうわ 国 こく が採用 さいよう していた国 くに 章 あきら は、現在 げんざい の国 くに 章 あきら と同 おな じような形 かたち であるが、中 なか に描 えが かれる物 もの は異 こと なっている。全体 ぜんたい として、社会 しゃかい 主義 しゅぎ のシンボルが仏教 ぶっきょう のシンボルの代 か わりに採用 さいよう されている。「風 ふう の馬 うま 」のかわりに、馬 うま に乗 の った人物 じんぶつ が描 えが かれている。背景 はいけい では、白 しろ い雪 ゆき をかぶった山 やま から太陽 たいよう が昇 のぼ っている。紋章 もんしょう の下 した には、法輪 ほうりん ではなく産業 さんぎょう を象徴 しょうちょう する歯車 はぐるま が描 えが かれ、紋章 もんしょう の周 まわ りは農業 のうぎょう を意味 いみ する麦 むぎ の穂 ほ が描 えが かれ、紋章 もんしょう の上方 かみがた には赤 あか い星 ほし が輝 かがや き、その中 なか にソヨンボ(ただし社会 しゃかい 主義 しゅぎ にあうように修正 しゅうせい されたもの)があしらわれている。紋章 もんしょう の下 した には、歯車 はぐるま の前 まえ に赤 あか と青 あお (国旗 こっき の色 いろ )の帯 おび が描 えが かれ、モンゴル人民 じんみん 共和 きょうわ 国 こく (Бүгд Найрамдах Монгол Ард Улс )の略称 りゃくしょう である「БНМАУ 」の文字 もじ が書 か かれている。
1960年 ねん 以前 いぜん は、国 くに 章 しょう には社会 しゃかい 主義 しゅぎ 的 てき シンボルは赤 あか い星 ほし などを除 のぞ きほとんど描 えが かれていなかった。馬 うま に乗 の った人物 じんぶつ は投 な げ縄 なわ 用 よう の長 なが い棒 ぼう を持 も ち、紋章 もんしょう の両側 りょうがわ には牛 うし やヤギなど四 よん 種類 しゅるい の家畜 かちく の頭 あたま が描 えが かれていた。紋章 もんしょう の下 した の赤 あか いリボンには国名 こくめい の略称 りゃくしょう である「БНМАУ 」の文字 もじ が描 えが かれているが、1940年 ねん から1949年 ねん までの国 くに 章 しょう ではキリル文字 もじ ではなく伝統 でんとう 的 てき なモンゴル文字 もじ で国名 こくめい が書 か かれていた。