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ルノー・12

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ルノー・12
セダンTS
ワゴン(1975ねん以後いご)
ゴルディーニ
ボディ
乗車じょうしゃ定員ていいん 5にん
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアワゴン
2ドアパネルバン
ピックアップトラック
駆動くどう方式ほうしき FF
パワートレイン
エンジン 直列ちょくれつ4気筒きとうOHVガソリン
変速へんそく 4そくMT・3そくAT
まえ まえ独立どくりつ ダブルウィッシュボーン コイル
 固定こてい 3リンク コイル
のち まえ独立どくりつ ダブルウィッシュボーン コイル
 固定こてい 3リンク コイル
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース 2,441 mm
全長ぜんちょう 4,348 mm
全幅ぜんぷく 1,616 mm
ぜんこう 1,435 mm
車両しゃりょう重量じゅうりょう 900 kg
その
生産せいさんこく フランスコロンビアルーマニア
トルコブラジルオーストラリア
アルゼンチンベネズエラメキシコ
累計るいけい生産せいさん台数だいすう やく250まんだい
系譜けいふ
先代せんだい ルノー・8/10
後継こうけい ルノー・18
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ルノー・12(Renault 12,R12)は、フランス自動車じどうしゃ製造せいぞう会社かいしゃであるルノー1969ねんから1980ねんまで生産せいさんした小型こがた乗用車じょうようしゃである。フランス語ふらんすごでは「12」を「ドゥーズ」(ふつ: douze)とむ。3ドアノッチバックスタイルの4ドアセダン(ベルリーヌ)と5ドアワゴン(ブレーク)中心ちゅうしんに、パネルバン(ブレークとおなじシルエットの2ドアブラインドバン)やピックアップなどの商用しょうようしゃつくられ、フランス国内こくないでの生産せいさん終了しゅうりょう2000年代ねんだいなかごろまで、おおくのくにライセンス生産せいさんおこなわれたことでもられる。累計るいけい生産せいさん台数だいすうは250まんだいたっした。

概要がいよう

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開発かいはつ1965ねんから、1962ねん以来いらいつくられていたリアエンジンしゃR8と、このとしデビューしたばかりの5ドアハッチバックの中型ちゅうがたしゃR16あいだのギャップをめる中間ちゅうかん車種しゃしゅとして「プロジェクト117」の名前なまえ開始かいしされた。あまり高度こうど機構きこうもちいずに、経済けいざいてきで、居住きょじゅうせい・トランクスペースがひろく、発展はってん途上とじょうこくでライセンス生産せいさんできるほど生産せいさん効率こうりつたかく、フランスじん満足まんぞくするだけの心地ごこちち、派生はせい車種しゃしゅ開発かいはつ可能かのうくるま、というのがあたえられた命題めいだいであった。

完成かんせいしたR12はR16とおなじくフロントエンジンの前輪ぜんりん駆動くどうくるまで16のパーツをすくなからず流用りゅうようしていたが、R16とも、ルノーのベーシックモデルである R4とも機構きこうてきにはおおきくことなっていた。すなわち、R4・R16のエンジンは前輪ぜんりんよりうしろにたてされていたが、R12のエンジンはおなたてきながら前輪ぜんりんよりまえかれ、フロントオーバーハングなが別物べつもののプロポーションとなっていた。この結果けっかトランスミッションからシフトレバーまでのレイアウトに余裕よゆう出来できたため、R4のダッシュしき・R16のコラムしきとはことなり、R12には通常つうじょうフロアシフトあたえられた。また、R12のサスペンションはよんりん独立どくりつ懸架けんかのR4・R16とはちがってリアは固定こていじくであった。外観がいかんじょう通常つうじょうのトランクをつ3ボックスセダンで、ハッチバックくるま大半たいはんめるルノー製品せいひんなかではぎゃく異色いしょく存在そんざいであった。鋳鉄ちゅうてつせいシリンダーブロック水冷すいれい直列ちょくれつ4気筒きとうOHVエンジンはルノー・8ルノー・10共通きょうつう設計せっけいであったが、排気はいきりょうが1,289 ccに拡大かくだいされていた。

あまりえない外観がいかん基本きほんデザインはのイメージをったもので、これはクーペはん姉妹しまいしゃともいえるR15R17によりつよ反映はんえいされている)に似合にあわず、良好りょうこう居住きょじゅうせい心地ごこちさ、充分じゅうぶんなパワーでヨーロッパの自動車じどうしゃジャーナリズムにも好評こうひょうむかえられた。これにあわてたライバルのプジョーは、1,100 ccクラスの3ボックス乗用車じょうようしゃ204をベースに、急遽きゅうきょ1,300 ccクラスの上級じょうきゅうばんである304投入とうにゅうしたほどであった。

バリエーションとモデルの変遷へんせん

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パネルバン

1969ねん10月、パリサロン発表はっぴょうされた当初とうしょのR12は4ドアセダンのみ、エンジンは1,289 cc54馬力ばりきいちほんで、「L」と「TL」の2グレード構成こうせいであった。よく1970ねんになって5ドアワゴンと、「R12ゴルディーニ」が追加ついかされた。

R12ゴルディーニは、R8にも設定せっていされていた、めいチューナー・ゴルディーニ高度こうどにチューンしたエンジンを搭載とうさいするスポーツタイプで、R16TSようのSOHCアルミせいエンジンにウェバーせいツインキャブを装着そうちゃく、125馬力ばりき強化きょうかしていた。よんりんディスクブレーキ・5そくギアボックスもあたえられ、最高さいこうそくは185 km/hにたっした。おおくの場合ばあい「ゴルディーニ・ブルー」とばれるフレンチブルーにられ(いろもあった)、しろのストライプがられていた。しかし、ラリーレースミニ・クーパー1275Sはげしいバトルを展開てんかいしたR8ゴルディーニと比較ひかくすると前輪ぜんりん駆動くどうになったこともあり、動力どうりょく性能せいのう操縦そうじゅうせいともあじにぶかったため、R8ゴルディーニほどの人気にんき車種しゃしゅにはならず、モータースポーツでもさして活躍かつやくしなかった。

1972ねん10月には1,289 ccエンジンながらよりこう出力しゅつりょくの「12TS」が追加ついかされ、最高さいこう速度そくどはL/TLの140 km/hから150 km/hにげられた。外観がいかんじょうもゴルディーニとおなじデザインのホイール、サイドストライプ、2つの補助ほじょランプが装備そうびされた。1973ねん10月には3そくATきの「12TR」が追加ついかされた。

1975ねんにはマイナーチェンジをけ、フロントとテールのデザイン、ダッシュボード一新いっしんされた。また、ゴルディーニはこのさいラインナップからとされた。その1978ねんにややおおきいサイズの後継こうけいしゃ18登場とうじょうしたのちまでほとんど変更へんこう継続けいぞく生産せいさんされ、1980ねんにフランスでの生産せいさん終了しゅうりょうした。


フランス国外こくがいでの生産せいさん

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ダチア・1310(ルーマニア)
フォード・コルセル(ブラジル)
R12アルピーヌ(アルゼンチン)

R12がルノーとしては保守ほしゅてき設計せっけいであったのは海外かいがいでの現地げんち生産せいさん対応たいおうするためであったが、その期待きたいこたえ、R12はおおくのくに生産せいさんされることになった。それどころかブラジルでは発売はつばいまえからそのシャシーはべつメーカーの製品せいひんのベースとなったほどである。

ルーマニア

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ルーマニア国営こくえい自動車じどうしゃメーカー・ダチアはやくも1969ねんにR12の製造せいぞうけん取得しゅとくダチア・1300生産せいさん開始かいしした。1300は1979ねんまで生産せいさんされ、おなじくR12ベースの「1310」にマイナーチェンジされ、セダンとワゴンは経済けいざい自由じゆうされたのち2004ねんまで、ガンマ名付なづけられたピックアップトラックはさらに2005ねん7がつまで生産せいさん続行ぞっこうされた。ヨーロッパ各国かっこくてい価格かかくしゃとしてれているダチア・ロガンは、ルーマニアせいR12の後継こうけいしゃることもできる。

トルコではオヤック・ルノーが1970年代ねんだいはじめから1990年代ねんだいまつまでR12を生産せいさんした。当初とうしょ本国ほんごくせいR12とほぼおなしゃであったが、1980年代ねんだい以降いこうはマイナーチェンジをけ「トロス」(Toros )という名前なまえ販売はんばいされた。

オーストラリア

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オーストラリアビクトリアしゅうハイデルバーグ近郊きんこう工場こうじょうでノックダウン生産せいさんおこなわれた。 オーストラリアせいR12は好評こうひょうむかえられ、自動車じどうしゃ雑誌ざっし「Wheels」の1970ねん「Car of the Year」を受賞じゅしょうした。シートなど部品ぶひんおおくが現地げんちせいとなっていたが、1970年代ねんだいなかばまでは基本きほんてきには英国えいこく仕様しようおな内容ないようであった。1976ねんにエンジンが1,397ccに拡大かくだいされて「ルノー・12 1.4」となり、1978ねんにはまるがた2とうしきヘッドライトにあらためられて「ルノー・ヴィラージュ」(Renault Virage )と改名かいめいされて1980ねんまで生産せいさんされた。

ブラジル

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1960年代ねんだいなかフォード現地げんち進出しんしゅつのため、きゅうウィリス・オーバーランド工場こうじょう取得しゅとくしたが、ブラジル市場いちばてきした製品せいひん急遽きゅうきょ開発かいはつする必要ひつようせまられた。フォードはルノーに共同きょうどう開発かいはつけ、R12より一足早ひとあしはや1968ねんに、R12とおなじシャシーを小型こがた乗用車じょうようしゃコルセル誕生たんじょうさせた。コルセルは1980年代ねんだいまで、モデルチェンジをけつつ「フォード・デル・レイ」とえて生産せいさんされた。

そのみなみアメリカ諸国しょこく

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コロンビアではルノー・SOFASA1973ねんから1981ねんまで生産せいさんされたが、とくアルゼンチンでもルノー現地げんち法人ほうじん (IKAルノー) によって,1971ねんから1994ねんまで、やく45まんだいという多数たすう長期ちょうきにわたって生産せいさんされた。アルゼンチンばんではエンジンが1977ねんから1,400cc、1992ねんには1,600ccとなり、ギアボックスも1992ねんから5そくとなるなど、地道じみち改良かいりょうつづけられた。また、同国どうこくではR12はふるランブラー・アメリカンベースのルノー・トリノのぞくと同社どうしゃのトップモデルであったので、R12の位置付いちづけは本国ほんごくよりもたかく、大半たいはんがTS仕様しよう生産せいさんされた。また、「R12・アルピーヌ」ので、R5 アルピーヌの110馬力ばりきエンジンを搭載とうさいし、最高さいこう速度そくど175km/hを発揮はっきするホットモデルも1977ねんから1980ねんまで493だい生産せいさんされた。

輸出ゆしゅつ市場いちばでのR12

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アメリカ市場いちばには1,647 cc65馬力ばりきエンジンを搭載とうさいした「12」「12L」「12TL」が輸出ゆしゅつされた。、北米ほくべいけヨーロッパしゃおおくよりも車体しゃたいおおきかったわり当初とうしょ価格かかくは2,975 - 3,448ドル比較的ひかくてきやす設定せっていされていた。最後さいご1975ねんモデルではシリンダーヘッド改善かいぜんされて72馬力ばりき強化きょうかされた。しかし、1974ねんがたをテストした ロード&トラックはエンジン騒音そうおんたかさ、ステアリングのおもさ、不十分ふじゅうぶん室内しつない換気かんきなどにつら評価ひょうかくだしており、商業しょうぎょうてきにも成功せいこうしなかった。1950年代ねんだいドーフィンVWビートルたいべい輸出ゆしゅつだいめていたルノーの北米ほくべいでの販売はんばいづまっており、つぎ世代せだいとなるR5についてはAMCとの業務ぎょうむ提携ていけいによる販売はんばいもう利用りようという手段しゅだんられることとなった。

日本にっぽん市場いちばには当時とうじ輸入ゆにゅうそう代理だいりてん三井物産みついぶっさん輸送ゆそう機械きかいルノーチームの1972ねん昭和しょうわ47ねん)から12TLが輸入ゆにゅうされ、にちえい自動車じどうしゃなどの特約とくやく販売はんばいてんつうじて販売はんばいされたが、熱心ねっしんマニアおおフランスしゃ需要じゅようそうってR12はオーソドックスぎ、どう時期じき販売はんばい開始かいしされたシトロエン・GSとは対照たいしょうてき販売はんばいびず、安全あんぜん排出はいしゅつガス規制きせい厳格げんかくしてきたこともあって、三井物産みついぶっさん1973ねんにルノーの輸入ゆにゅうから撤退てったいした。輸入ゆにゅう台数だいすうしたがってごくわずかであった。

参考さんこう文献ぶんけん

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  •  Gazoo名車めいしゃかん [1]
  •  Wikipedia英語えいごばん