レユニオン島とうの尖峰せんぽう群ぐん、圏けん谷たに群ぐんおよび絶壁ぜっぺき群ぐん

レユニオン島とうの尖峰せんぽう群ぐん、 圏けん谷たに群ぐんおよび絶壁ぜっぺき群ぐん （フランス）
マファト圏けん谷たに
英名えいめい	Pitons, cirques and remparts of Reunion Island
仏ふつ名めい	Pitons, cirques et remparts de l'île de La Réunion
面積めんせき	10,5838 ha （緩衝かんしょう地域ちいき 1,1729 ha）
登録とうろく区分くぶん	自然しぜん遺産いさん
IUCN分類ぶんるい	Unassigned （一部いちぶがIa, Ib, IV）
登録とうろく基準きじゅん	(7), (10)
登録とうろく年ねん	2010年ねん
公式こうしきサイト	世界せかい遺産いさんセンター（英語えいご）
使用しよう方法ほうほう・表示ひょうじ

ピトン・デ・ネージュ

ピトン・ド・ラ・フルネーズ

2つの火山かざんの位置いち（レユニオン島とう）

「レユニオン島とうの尖峰せんぽう群ぐん、圏けん谷たに群ぐんおよび絶壁ぜっぺき群ぐん」（レユニオンとうのせんぽうぐん けんこくぐんおよびぜっぺきぐん、Pitons, cirques et remparts de l'île de La Réunion）は、2010年ねんにユネスコの世界せかい遺産いさんリストに登録とうろくされた物件ぶっけんのひとつである。フランスの世界せかい遺産いさんの中なかでは3つ目めの自然しぜん遺産いさんで、フランス本土ほんど以外いがいの物件ぶっけんとしては「ニューカレドニアの礁湖」に次つぎ2例れい目め、海外かいがい県けんの物件ぶっけんとしては初はじめての登録とうろくである。

登録とうろく範囲はんいは、2007年ねんに設定せっていされたレユニオン国立こくりつ公園こうえんの中心ちゅうしん部分ぶぶんに該当がいとうし、島しまの面積めんせきの約やく40%に該当がいとうしている。登録とうろくに当あたっては尖とんが鋒ほこさき、圏けん谷たに、絶壁ぜっぺきが形成けいせいする独特どくとくの地形ちけい織おり成なす自然しぜん美びと、特筆とくひつすべき亜熱帯あねったいの雨林うりん、雲霧くもぎり林りん、ヒースなどの植生しょくせいの多様たよう性せいが評価ひょうかされた。

位置いち

レユニオンはインド洋いんどよう南西なんせい部ぶのマスカリン諸島しょとうに位置いちするフランスの海外かいがい県けんで、マダガスカル島とうから800km、南回帰線みなみかいきせんの北きた200kmに位置いちしている。火山かざん活動かつどうによって島しまが誕生たんじょうしたのは約やく300万まん年ねん前まえのことで、面積めんせきは2,500km² である。

構成こうせい要素ようそ

世界せかい遺産いさんはその名なの通とおり、2つの火山かざんと3つの圏けん谷たにから構成こうせいされている。

2つの火山かざん

島しまには異ことなる時期じきに形成けいせいされた2つの火山かざんが存在そんざいする。

ピトン・デ・ネージュ（le piton des Neiges）は、レユニオン島とうの最高峰さいこうほう（標高ひょうこう3,070m）である。過去かこには3つの圏けん谷たに（マファト、サラジー、シラオス）を生うみ出だしたが、活動かつどうを停止ていししてから12,000年ねんが経たっている。

もうひとつがピトン・ドゥ・ラ・フルネーズ（le piton de la Fournaise）で、こちらは対照たいしょう的てきに今いまなおさかんに活動かつどうしている火山かざんである。地球ちきゅう上じょうで最もっとも活発かっぱつな火山かざんのひとつで、世界せかい遺産いさんに登録とうろくされた2010年ねんにも1月がつに噴火ふんかした。標高ひょうこうは2,631mだが、その火口かこうで目めに見みえているのは一部分いちぶぶんで、火ひ道どうの海底かいていからの高たかさは6,000mにもなる。2017年ねん1月がつにも噴火ふんかが発生はっせいしている。

3つの圏けん谷たに

マファト圏けん谷だに（Mafate）は上流じょうりゅうから下流かりゅうへと整然せいぜんと並ならぶ巨大きょだいな稜線りょうせんが特色とくしょくである。シラオス圏けん谷だに（Cilaos）はピトン・デ・ネージュの南西なんせいに形成けいせいされていて、その最もっとも高たかい部分ぶぶんには高原こうげんがいくつもあり、人々ひとびとが入植にゅうしょくを行おこなってきた。サラジー圏けん谷だに（Salazie）の辺あたりには豪雨ごううが降ふり、これが断崖だんがいを流ながれ落おちる数かぞえ切きれない滝たきを生うみ出だし、絶景ぜっけいを呈ていしている。

登録とうろく基準きじゅん

この地域ちいきは、火山かざんによって形成けいせいされた独特どくとくの自然しぜん美びが際立きわだっている。その結果けっか、この世界せかい遺産いさんは世界せかい遺産いさん登録とうろく基準きじゅんのうち、以下いかの条件じょうけんを満みたし、登録とうろくされた（以下いかの基準きじゅんは世界せかい遺産いさんセンター公表こうひょうの登録とうろく基準きじゅんからの翻訳ほんやく、引用いんようである）。

• (7) ひときわすぐれた自然しぜん美び及および美的びてきな重要じゅうよう性せいをもつ最高さいこうの自然しぜん現象げんしょうまたは地域ちいきを含ふくむもの。
• (10) 生物せいぶつ多様たよう性せいの本来ほんらい的てき保全ほぜんにとって、もっとも重要じゅうようかつ意義いぎ深ふかい自然しぜん生息せいそく地ちを含ふくんでいるもの。これには科学かがく上じょうまたは保全ほぜん上じょうの観点かんてんから、すぐれて普遍ふへん的てき価値かちを持もつ絶滅ぜつめつの恐おそれのある種しゅの生息せいそく地ちなどが含ふくまれる。

フランス当局とうきょくは基準きじゅん（8）や（9）の適用てきようも申請しんせいしていたが、カムチャツカの火山かざん群ぐんや済州さいしゅうの火山かざん島とうと溶岩ようがん洞窟どうくつ群ぐんなどの既存きそんの世界せかい遺産いさん登録とうろく物件ぶっけんと比較ひかくした結果けっか、IUCNの事前じぜん調査ちょうさの段階だんかいで否定ひてい的てき評価ひょうかが下くだされていた。

登録とうろく名めい

登録とうろく名めいの rempart は、一般いっぱんに「城壁じょうへき、防御ぼうぎょに役立やくだつもの」などの意味いみであるが、この場合ばあいは現地げんちで高たかさ1,000mの直線ちょくせん的てきあるいは曲線きょくせん的てきな絶壁ぜっぺき（escarpment）を指さす通称つうしょうとして用もちいられているという。「自然しぜんの城壁じょうへき」と訳やくされることもある。