作戦さくせん計画けいかく5029

作戦さくせん計画けいかく5029（OPLAN 5029）とは、朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく（北朝鮮きたちょうせん）におけるクーデター・革命かくめい・大だい規模きぼ亡命ぼうめい・大量たいりょう脱だつ北きた・大量たいりょう破壊はかい兵器へいき流出りゅうしゅつ・北朝鮮きたちょうせん国内こくないにおける韓国かんこく人じん人質ひとじち事件じけん・大だい規模きぼ自然しぜん災害さいがい・その他た「体制たいせいを動揺どうようさせる急激きゅうげきな変化へんか」が発生はっせいした場合ばあいに備そなえてアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく（アメリカ・米国べいこく）と大韓民国だいかんみんこく（韓国かんこく）が策定さくていした軍事ぐんじ作戦さくせん計画けいかくである。OPLAN 5029には複数ふくすうの改訂かいてい版ばんが確認かくにんされている（例たとえばOPLAN 5029-05など）が、永続えいぞく的てきに発効はっこうしたと知しられるものは1つも無ない。しかしながら韓国かんこくはこの作戦さくせん計画けいかくが現行げんこうの概念的がいねんてき計画けいかく（CONPLAN 5029、概念がいねん計画けいかく5029。具現ぐげん化か前まえの作戦さくせん計画けいかく）と密接みっせつに関係かんけいがあると繰くり返かえし主張しゅちょうしている。同時どうじにアメリカはこの作戦さくせん計画けいかくが北朝鮮きたちょうせん体制たいせいの崩壊ほうかいを仮定かていし、対応たいおうする作戦さくせん計画けいかくを具体ぐたい的てきに準備じゅんびするものと説明せつめいしている。

他たの朝鮮半島ちょうせんはんとうでのアメリカと韓国かんこくが策定さくていする作戦さくせん計画けいかく同様どうようにアメリカ軍ぐん再編さいへんや2015年ねんの米べい韓かん連合れんごう軍ぐんの戦時せんじ作戦さくせん統制とうせい権けん（Wartime operational control, Wartime-OPCON、戦せん作さく権けん）の大韓民国だいかんみんこく国軍こくぐん移譲いじょうに向むけて改訂かいていが進すすめられている

歴史れきし

1999年ねん8月がつ、在ざい韓かんアメリカ軍ぐんの司令しれい官かんであるジョン・H・ティレリ・ジュニア将軍しょうぐんは、米べい韓かん連合れんごう軍ぐんが北朝鮮きたちょうせん崩壊ほうかい時じに介入かいにゅうするというシナリオとその実行じっこう計画けいかくが存在そんざいすることを認みとめ、「もし我々われわれがそれを保持ほじしなければ、異常いじょう事態じたいに陥おちいるだろう」と述のべている。

2005年ねん初はじめに韓国かんこく国家こっか安全あんぜん保障ほしょう会議かいぎは、CONPLAN 5029の概略がいりゃく的てき行動こうどう指針ししんを作戦さくせん計画けいかくにおける具体ぐたい的てきな軍事ぐんじ行動こうどう計画けいかくに格上かくあげするというアメリカの提案ていあんを拒否きょひした。この具体ぐたい的てきな軍事ぐんじ行動こうどう計画けいかくの中なかにおいて、北朝鮮きたちょうせん体制たいせいの崩壊ほうかい時じに韓国かんこくの軍事ぐんじリソース（assets）をアメリカが統制とうせいする予定よていとなっていた。韓国かんこく高官こうかんはこの計画けいかくが「韓国かんこくの主権しゅけん」を脅おびやかす恐おそれがあるとして拒絶きょぜつしたと述のべたが、アメリカ高官こうかんは重要じゅうような核かく・軍事ぐんじ施設しせつの保護ほごならびに治安ちあん維持いじの為ためにこの計画けいかくが必要ひつようとなると主張しゅちょうしていた。2005年ねん6月がつに韓国かんこくの尹いん光雄みつお（ユン・グァンウン）国防こくぼう部ぶ長官ちょうかんとアメリカのドナルド・ラムズフェルド国防こくぼう長官ちょうかんとの間あいだで、概念がいねん計画けいかくの更さらなる「改善かいぜんと発展はってん」について合意ごういが結むすばれた。

2008年ねん後半こうはんは終始しゅうし北朝鮮きたちょうせんの金きむ正日じょんいる総そう書記しょきの健康けんこう状態じょうたい悪化あっかの噂うわさに呼応こおうし、対応たいおうする本ほん計画けいかくが実行じっこうされるのでは無ないかとの言及げんきゅうがあった。同年どうねん10月がつにアメリカのロバート・ゲーツ国防こくぼう長官ちょうかんと韓国かんこくの李り相しょう熹（イ・サンヒ）国防こくぼう部ぶ長官ちょうかんとの間あいだで戦時せんじ作戦さくせん統制とうせい権けんの大韓民国だいかんみんこく国軍こくぐんへの計画けいかく的てき移行いこうについて会談かいだんが持もたれた。会談かいだんに先立さきだちアメリカ統合とうごう参謀さんぼう本部ほんぶと韓国かんこく合同ごうどう参謀さんぼう本部ほんぶとの間あいだで案あんがまとめられ、北朝鮮きたちょうせん体制たいせい崩壊ほうかい時じの軍事ぐんじ作戦さくせん計画けいかくの取とりまとめを継続けいぞくする事ことなどが話はなし合あわれた。韓国かんこく退役たいえき将軍しょうぐん提督ていとく会かい（Korea Retired Generals and Admirals Association）でのスピーチの中なかで、在ざい韓かんアメリカ軍ぐん司令しれい官かんウォルター・シャープ将軍しょうぐんは、北朝鮮きたちょうせん体制たいせいの動揺どうようや崩壊ほうかいを含ふくめて何なんらかの体制たいせい変動へんどうが発生はっせいした際さいに介入かいにゅうする為ため、様々さまざまな状況じょうきょうに呼応こおうする計画けいかくを準備じゅんびしていると言いう事ことを明あきらかにした。

北朝鮮きたちょうせんの反応はんのう

これに対たいして北朝鮮きたちょうせんの朝鮮中央通信ちょうせんちゅうおうつうしんは「アメリカと南朝鮮みなみちょうせんの好戦こうせん的てきな軍隊ぐんたいは公然こうぜんと反共はんきょう和国わこく的てきかつ軍事ぐんじ的てき作つくり話ばなしを保持ほじしている（いた）。彼かれらはこのような作つくり話ばなしに基もとづいて『不測ふそくの事態じたいに援軍えんぐんを急派きゅうはする』ことに合意ごういしている。」と主張しゅちょうした。更さらに「好戦こうせん的てきなアメリカ軍ぐんは、先さき軍ぐん思想しそうの軍隊ぐんたいと共和きょうわ国こくの決意けついを見み誤あやまらないよう随分ずいぶんと忠告ちゅうこくされるだろうが、しかし同時どうじに新あらたな戦争せんそうへと続つづく彼かれらの無謀むぼうな行動こうどうを制止せいしするアドバイスも与あたえられるだろう。」と述のべた。

シナリオ

作戦さくせん計画けいかくの細部さいぶの不ふ明確めいかくさ・北朝鮮きたちょうせんへの介入かいにゅうに至いたるであろう状況じょうきょう・広ひろい範囲はんいに渡わたる関係かんけい者しゃにとって取とり得える選択肢せんたくし・これらの存在そんざいにより、北朝鮮きたちょうせん崩壊ほうかいの結果けっか起おこり得える推測すいそくが非常ひじょうに多おおく挙あげられている。

報告ほうこく書しょについて

報告ほうこく書しょの指摘してきでは、韓国かんこく軍ぐんが難民なんみんを救助きゅうじょするのと同時どうじにアメリカ軍ぐんが北朝鮮きたちょうせんの旧きゅう体制たいせいから大量たいりょう破壊はかい兵器へいきの管理かんり権けんを奪取だっしゅする事ことを想定そうていしている。大だい多数たすうの人ひとは、北朝鮮きたちょうせんの核兵器かくへいきプログラム（計画けいかく）が韓国かんこくに対たいして使用しようされたり、または核かくテロリズムの為ために利用りようされる事ことの無ないように北朝鮮きたちょうせんの核兵器かくへいきを確保かくほする事ことの重要じゅうよう性せいについて推測すいそくしていた。韓国かんこくとアメリカの両りょう高官こうかんは、「アメリカ軍ぐんは恐おそらく戦時せんじ下かにおける計画けいかく済ずみの軍事ぐんじ作戦さくせんの趨勢すうせいと前後ぜんごして、核兵器かくへいき関連かんれん施設しせつ・物資ぶっしなどの確保かくほに率先そっせんして努つとめるだろう。また一方いっぽうで韓国かんこく軍ぐんは核かく・化学かがく・生物せいぶつ兵器へいき関連かんれん事項じこうにおいてアメリカ軍ぐんをサポートする事ことが可能かのうであろう」と述のべている。。

関連かんれん項目こうもく

• 大韓民国だいかんみんこく国軍こくぐん
• 在ざい韓米かんべい軍ぐん
• 朝鮮人民軍ちょうせんじんみんぐん
• 作戦さくせん計画けいかく5026（OPLAN 5026）
• 作戦さくせん計画けいかく5027（OPLAN 5027） - 北朝鮮きたちょうせんの南侵なんしんに対抗たいこうするための米べい韓かん共同きょうどう作戦さくせん計画けいかく。
• 概念がいねん計画けいかく5029（CONPLAN 5029） - 本ほん計画けいかくの基もととなった概念がいねん計画けいかく。
• 作戦さくせん計画けいかく5030（OPLAN 5030） - 北朝鮮きたちょうせん軍ぐんの軍事ぐんじリソース枯渇こかつを狙ねらった米べい韓かんの軍事ぐんじ挑発ちょうはつ計画けいかく。
• 概念がいねん計画けいかく5055（CONPLAN 5055） - 朝鮮半島ちょうせんはんとう有事ゆうじに関かんする日米にちべい間あいだの概念がいねん計画けいかく。有事ゆうじ法制ほうせいも参照さんしょう。
• 朝鮮ちょうせん統一とういつ問題もんだい

外部がいぶリンク

• OPLAN 5029 - Collapse of North Korea
• 在ざい韓米かんべい軍ぐん - 対たい北きた情報じょうほう調査ちょうさ部ぶ