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原子力 げんしりょく 飛行機 ひこうき (げんしりょくひこうき)は、原子力 げんしりょく (核 かく エネルギー)をエネルギー源 げん とした飛行機 ひこうき である。過去 かこ 実際 じっさい に検討 けんとう されたものは全 すべ て核分裂 かくぶんれつ を利用 りよう するもので、実用 じつよう 化 か された船舶 せんぱく はともかく、鉄道 てつどう その他 た 様々 さまざま な交通 こうつう 機関 きかん に原子力 げんしりょく の応用 おうよう が研究 けんきゅう されていた1950年代 ねんだい に着手 ちゃくしゅ された。幾 いく つか試作 しさく され、一説 いっせつ には実際 じっさい に原子力 げんしりょく で飛行 ひこう したとされているものもあるが、問題 もんだい が余 あま りに多 おお く実用 じつよう 化 か されずに終息 しゅうそく した。
主 しゅ として軍事 ぐんじ 目的 もくてき の利用 りよう が考 かんが えられ、冷戦 れいせん 下 した で、効果 こうか 的 てき かつ強力 きょうりょく な核兵器 かくへいき 運搬 うんぱん 手段 しゅだん として、主 おも にアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく とソビエト連邦 れんぽう で一時 いちじ 真剣 しんけん に開発 かいはつ が検討 けんとう された。 原子力 げんしりょく 潜水 せんすい 艦 かん と同様 どうよう に、超 ちょう 長時間 ちょうじかん 滞空 たいくう を可能 かのう にするものと期待 きたい された反面 はんめん 、本来 ほんらい 軽量 けいりょう を求 もと められる航空機 こうくうき と放射線 ほうしゃせん 遮蔽 しゃへい 体 たい の重 おも さは相容 あいい れず、乗員 じょういん の被曝 ひばく 、大気 たいき 汚染 おせん 、万一 まんいち の墜落 ついらく 時 じ の核 かく 汚染 おせん 物質 ぶっしつ 拡散 かくさん など、課題 かだい は山積 さんせき していた。
試験 しけん 飛行 ひこう 中 ちゅう のNB-36H
試作 しさく された原子力 げんしりょく エンジン"Tory-IIC"
空軍 くうぐん (米 べい 空軍 くうぐん )のWS-125(en:WS-125 、en:Weapon system の記事 きじ も参照 さんしょう )研究 けんきゅう 開発 かいはつ 計画 けいかく は、原子力 げんしりょく 動力 どうりょく の戦略 せんりゃく 爆撃 ばくげき 機 き を最終 さいしゅう 目標 もくひょう とした構想 こうそう で、超 ちょう 大型 おおがた のレシプロ爆撃 ばくげき 機 き (ブースターとしてジェットエンジンも装着 そうちゃく )B-36 を用 もち いた遮蔽 しゃへい 性能 せいのう 検証 けんしょう 用 よう の実験 じっけん 機 き NB-36H が実際 じっさい に試作 しさく され、模擬 もぎ 原子 げんし 炉 ろ を搭載 とうさい して通常 つうじょう 動力 どうりょく による飛行 ひこう 試験 しけん も行 おこな われたが、データ収集 しゅうしゅう のみに終 お わった。
また、Xプレーン のひとつのX-6 も、B-36の改造 かいぞう を検討 けんとう した。機内 きない にP-1小型 こがた 原子 げんし 炉 ろ を搭載 とうさい し、取 と り出 だ した熱 ねつ でJ47改造 かいぞう のX39原子力 げんしりょく ターボジェットエンジン 4基 き を駆動 くどう し推進 すいしん するものである。熱 ねつ 交換 こうかん には金属 きんぞく ナトリウムによる間接 かんせつ 冷却 れいきゃく 法 ほう (高速 こうそく 増殖 ぞうしょく 炉 ろ でも用 もち いられる)が当初 とうしょ 検討 けんとう されたが、技術 ぎじゅつ 上 じょう ・重量 じゅうりょう 上 じょう の問題 もんだい から、大気 たいき による直接 ちょくせつ 冷却 れいきゃく 法 ほう が次善 じぜん 策 さく として浮上 ふじょう した。これは吸入 きゅうにゅう した大気 たいき を炉心 ろしん に導入 どうにゅう し、熱 ねつ 膨張 ぼうちょう させ噴流 ふんりゅう として推進 すいしん する計画 けいかく だったが、放射能 ほうしゃのう 汚染 おせん が発生 はっせい するなど余 あま りに危険 きけん なため机上 きじょう 案 あん のみで放棄 ほうき された。
1958年 ねん には、巡航 じゅんこう ミサイルの動力 どうりょく を当初 とうしょ の目的 もくてき として、ラムジェットエンジン の熱源 ねつげん に原子力 げんしりょく を用 もち いるプルート計画 けいかく が始動 しどう し、検証 けんしょう エンジン"Tory-IIC" も試作 しさく されたが、1964年 ねん に放棄 ほうき された。
試験 しけん 飛行 ひこう 時 じ には放射線 ほうしゃせん 測定 そくてい の機材 きざい を搭載 とうさい した大型 おおがた 機 き と墜落 ついらく 時 じ に現場 げんば を封鎖 ふうさ する兵士 へいし を乗 の せた輸送 ゆそう 機 き を随伴 ずいはん させていた。このほか1959年 ねん には放射 ほうしゃ 性 せい 物質 ぶっしつ が飛散 ひさん した事故 じこ 現場 げんば での作業 さぎょう を目的 もくてき としてゼネラル・エレクトリック に対 たい し有人 ゆうじん モビル・マニピュレーター (自 じ 走 はし ロボットアーム )の開発 かいはつ を依頼 いらい 、ビートル が試作 しさく された。
ミヤシシチョフM-50戦略 せんりゃく 爆撃 ばくげき 機 き (モニノ空軍 くうぐん 博物館 はくぶつかん に唯一 ゆいいつ 現存 げんそん する機体 きたい )
ソ連 それん も原子力 げんしりょく 飛行機 ひこうき を開発 かいはつ しており、改造 かいぞう したTu-95 ターボプロップ 戦略 せんりゃく 爆撃 ばくげき 機 き に小型 こがた 原子 げんし 炉 ろ を搭載 とうさい したTu-119 で試験 しけん していた。
Tu-119は、原型 げんけい のTu-95の搭載 とうさい エンジンであるクズネツォフNK-12 とは別 べつ に、クズネツォフNK-14 原子力 げんしりょく エンジンを搭載 とうさい していた。実際 じっさい に飛行 ひこう 中 ちゅう に原子 げんし 炉 ろ を稼動 かどう させ、1965年 ねん に初 はつ 飛行 ひこう したといわれている。一部 いちぶ 情報 じょうほう によれば48時 じ 間 あいだ 連続 れんぞく して原子 げんし 炉 ろ を稼動 かどう させることに成功 せいこう したとされ、乗員 じょういん は被曝 ひばく せず生還 せいかん できたというが、実際 じっさい にはその大半 たいはん が数 すう 年 ねん のうちに亡 な くなったようである。詳細 しょうさい は当該 とうがい 項目 こうもく を参照 さんしょう 。
西側 にしがわ では一時 いちじ 、ミヤシシチョフ設計 せっけい 局 きょく の試作 しさく 超 ちょう 音速 おんそく 戦略 せんりゃく 爆撃 ばくげき 機 き M-50 を”ソ連 それん の原子力 げんしりょく 飛行機 ひこうき ”とする誤報 ごほう が流布 るふ した。ソ連 それん 側 がわ も、実際 じっさい には亜 あ 音速 おんそく 機 き だったM-50を1961年 ねん 7月 がつ のツシノ航空 こうくう ショーで公開 こうかい し、西側 にしがわ 関係 かんけい 者 しゃ に対 たい して喧伝 けんでん した。そのためM-50に「バウンダー」(Bounder ごろつき・無法者 むほうもの )というNATOコードネームが与 あた えられ、ソ連 それん の脅威 きょうい が取 と り沙汰 ざた された。M-50を原子力 げんしりょく 機 き と誤認 ごにん した経緯 けいい は不明 ふめい で、大型 おおがた のエンジン配置 はいち が異例 いれい だったためとも、ソ連 それん の科学 かがく 雑誌 ざっし に掲載 けいさい された原子力 げんしりょく 飛行機 ひこうき の想像 そうぞう 図 ず と似 に ていたためとも言 い われているが、定 さだ かではない。
アメリカ同様 どうよう に、ソ連 それん でも原子力 げんしりょく 飛行機 ひこうき は実用 じつよう 化 か されなかった。