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国鉄ケ210形蒸気機関車 - Wikipedia コンテンツにスキップ

国鉄こくてつケ210かたち蒸気じょうき機関きかんしゃ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ケ210かたちは、かつて日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどうおよびその前身ぜんしんである鉄道てつどうしょうひとし在籍ざいせきした、特殊とくしゅ狭軌きょうきせんようタンクしき蒸気じょうき機関きかんしゃである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

鉄道てつどうしょう1922ねん大正たいしょう11ねん)および1923ねん大正たいしょう12ねん)に改良かいりょう事務所じむしょけとして、深川ふかがわ造船ぞうせんしょで5りょうケ210 - ケ214[1])を製造せいぞうした機関きかんしゃである。車軸しゃじく配置はいち0-6-0(C)、サイド・ウェルタンクしき公称こうしょう15トンといわれるタイプで、運転うんてんだいやサイドタンクのてにさらびょうもちいて、フラッシュ仕上しあげとしている。また、加減かげんべんはドームのなか収納しゅうのうされ、すなばこ形式けいしきはこがたたいしてドームがたで、ことなる様式ようしきとなっている。

落成らくせいはケ210 - ケ212が1922ねん11月 - 12月で3りょうとも東京とうきょうだい改良かいりょう事務所じむしょ、ケ213, ケ214は1923ねん9がつ神戸こうべ改良かいりょう事務所じむしょ配置はいちである。価格かかくは1922ねんせいが11,895えんであったが、1923ねんせいは7,930えんで、大幅おおはばやすくなっている。これは、雨宮あまみや製作所せいさくしょとの対抗たいこうのためであった。

この機関きかんしゃ経歴けいれきにおいて特筆とくひつされるのは、後年こうねん本線ほんせん土工どこうように1,067mm(3ft6in)軌間きかん改造かいぞうされたことである。それにともない、連結れんけつピン・リンクしきから通常つうじょう自動じどう連結れんけつ交換こうかんされ、動輪どうりん直径ちょっけい縮小しゅくしょう煙突えんとつ短縮たんしゅくおこなったものもあったようである。改造かいぞう運転うんてん整備せいび重量じゅうりょうは18トンであったといわれるが、正式せいしき記録きろくはない。改造かいぞう時期じきつまびらかでないが、1936ねん昭和しょうわ11ねん)7がつ関門かんもんトンネル工事こうじのため下関しものせき改良かいりょう事務所じむしょさい設置せっちされた時期じきではないかと推定すいていされている。また、あらためこうあらためばんおこなわれておらず、「ケ番号ばんごう」のままであった。改造かいぞう対象たいしょうとなったのは、1929ねん昭和しょうわ4ねん)7がつ廃車はいしゃとなったケ212をのぞ全車ぜんしゃである。

移動いどうについての正式せいしき記録きろくあきらかでないが、つね幹線かんせんすじ使用しようされたこともあり、目撃もくげき報告ほうこくおおい。ケ212は大船おおぶね放置ほうちされているのが実見じっけんされており、ケ210が名古屋なごやえき改築かいちく工事こうじで、ケ210, ケ213が下関しものせき工事こうじきょく小森江こもりえ工事こうじで、ケ214が大阪おおさか工事こうじ事務所じむしょ向日むこうまち修理しゅうり工場こうじょうでそれぞれ実見じっけんされている。

ケ212以外いがい廃車はいしゃは、ケ213が1953ねん昭和しょうわ28ねん)9がつ、ケ210が1954ねん昭和しょうわ29ねん)9がつ、ケ211, ケ214が1954年度ねんどちゅうであるが、ケ211についてはすでに1948ねん昭和しょうわ23ねん)にきょうさん工業こうぎょう更新こうしん工事こうじ実施じっしのうえ、翌年よくねん建設省けんせつしょう東北とうほく地方ちほう建設けんせつきょく河川かせん工事こうじよう譲渡ゆずりわたされており、このあたりの事務じむ処理しょり杜撰ずさんさはおどろくほかない。

施設しせつきょく建設けんせつきょく)では全車ぜんしゃくるまふけ番号ばんごうされ、番号ばんごうじゅんくるまふけ46, くるまふけ11, くるまふけ19, くるまふけ47, くるまふけ41であった。

主要しゅようしょもと[編集へんしゅう]

  • 全長ぜんちょう:5,976mm
  • 全高ぜんこう:3,124mm
  • 最大さいだいはば:2,100mm
  • 軌間きかん:762mm → 1,067mm
  • 車軸しゃじく配置はいち:0-6-0(C)
  • 動輪どうりん直径ちょっけい:762mm
  • べん装置そうちワルシャートしき
  • シリンダー(直径ちょっけい×行程こうてい):254mm×355mm
  • ボイラー圧力あつりょく:12.2 kg/cm²
  • 格子こうし面積めんせき:0.62m²
  • ぜんつてねつ面積めんせき:29.3m²
  • 機関きかんしゃ運転うんてん整備せいび重量じゅうりょう:15.7t
  • 機関きかんしゃ動輪どうりんじょう重量じゅうりょう運転うんてん整備せいび):15.7t
  • 機関きかんしゃ動輪どうりんじくじゅうかくじく均等きんとう):5.2t
  • 機関きかんしゃ性能せいのう
    • シリンダ引張ひっぱちから:3,250 kg
  • ブレーキ方式ほうしきブレーキ蒸気じょうきブレーキ

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 深川ふかがわ造船ぞうせんしょでは、蒸気じょうき機関きかんしゃ独自どくじ製造せいぞう番号ばんごうしていないが、臼井うすい茂信しげのぶ調査ちょうさによれば、46 - 48, 65, 66に相当そうとうする。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 金田かねだしげるひろし形式けいしきべつ国鉄こくてつ蒸気じょうき機関きかんしゃ 国鉄こくてつ軽便けいべんせん機関きかんしゃ」1987ねんエリエイ出版しゅっぱんかん
  • 臼井うすい茂信しげのぶ日本にっぽん蒸気じょうき機関きかんしゃ形式けいしき集成しゅうせい 2」1969ねんまことぶんどう新光しんこうしゃかん
  • 臼井うすい茂信しげのぶ機関きかんしゃ系譜けいふ 3」1976ねん交友こうゆうしゃかん
  • 臼井うすい茂信しげのぶ国鉄こくてつ狭軌きょうき軽便けいべんせん 6」鉄道てつどうファン1983ねん7がつごう (No.267)