埼玉さいたま郡ぐん

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埼玉さいたま県けん埼玉さいたま郡ぐんの範囲はんい

埼玉さいたま郡ぐん（さいたまぐん）は、埼玉さいたま県けん（武蔵むさし国こく）にあった郡ぐん。

郡ぐん域いき

詳細しょうさいは「北埼玉きたさいたま郡ぐん#郡ぐん域いき」および「南埼玉みなみさいたま郡ぐん#郡ぐん域いき」を参照さんしょう

現在げんざいの行政ぎょうせい区画くかくでは概おおむね以下いかの区域くいきに相当そうとうする。

• 南埼玉みなみさいたま郡ぐん（全域ぜんいき）
• 八潮やしお市し（全域ぜんいき）
• 越谷こしがや市し（全域ぜんいき）
• 蓮田はすだ市し（全域ぜんいき）
• 加須かぞ市し（全域ぜんいき）
• 羽生はぶ市し（全域ぜんいき）
• 行田ぎょうだ市し（全域ぜんいき）
• さいたま市し（岩槻いわつき区く）
• 草加そうか市し（綾瀬川あやせがわ以東いとう）
• 春日部かすかべ市し（大落古利根川おおとしふるとねがわ以西いせい）
• 久喜くき市し（八甫はっぽう、西大輪にしおおわ、東大輪ひがしおおわ、上川崎かみかわさき以北いほくの旧きゅう桜さくら田村たむらと旧ふる栗橋くりはし町まちを除のぞく）
• 鴻巣こうのす市し（元荒川もとあらかわ以北いほく）
• 熊谷くまがや市し（大字だいじ太井おおい、戸出といで、平戸ひらど、上中条かみちゅうじょう、今井いまい、小曽根おぞね、大塚おおつか、上川上かみかわかみ、下川上しもかわかみ、池上いけがみ、上之うえの、箱田はこだ。上之うえの・箱田はこだ付近ふきんの住居じゅうきょ表示ひょうじ実施じっし地区ちくの境界きょうかいは不ふ詳しょう）
• 白岡しらおか市し（全域ぜんいき）

歴史れきし

• 「埼玉さいたま」の県けん名めいの由来ゆらいと考かんがえられている。現在げんざいの埼玉さいたま県けん東部とうぶを南北なんぼくに貫つらぬく（八潮やしおから羽生はぶ、行田ぎょうだ周辺しゅうへんまで）広ひろい地域ちいきで、大落古利根川おおとしふるとねがわと元荒川もとあらかわに挟はさまれ、利根川とねがわ東遷とうせん事業じぎょうまでは武蔵むさし国東くにさき端はしだった。郡ぐん衙の位置いちは熊谷くまがや市しの北島きたじま遺跡いせきが有力ゆうりょく視しされている。
• 埼玉さいたま古墳こふん群ぐんのある行田ぎょうだ市し埼玉さいたま（さきたま）や、隣接りんせつする前ぜん玉たま神社じんじゃ（延喜えんぎ式しき神かみ名めい帳ちょうで埼玉さいたま郡ぐん筆頭ひっとう）が郡ぐん名めいの由来ゆらいとされる。
• 534年ねん、武蔵むさし国造くにのみやつこの乱らんに登場とうじょうする笠原かさはら直ただし使つかい主ぬしの本拠地ほんきょち（笠原かさはら郷さと、現在げんざいの鴻巣こうのす市し）とされ、一時いちじ的てきながら国府こくふも置おかれた。
• 771年ねん、武蔵むさし国こくが東山ひがしやま道みちから東海道とうかいどうに所属しょぞく変更へんこうとなる。
• 938年ねん、和名わみょう類聚るいじゅう抄しょうには東海道とうかいどう武蔵むさし國こくの郡ぐん名めいとして埼玉さいたま郡ぐんが記しるされている。
• 平安へいあん時代じだい後期こうきから鎌倉かまくら時代ときよ 武蔵むさし七なな党とうの野の与党よとうが勢力せいりょくを伸のばす。
• 中世ちゅうせいには東西とうざいに分割ぶんかつされ、騎西きさい郡ぐん（寄よせ西郡にしごおり・埼西郡ぐんとも）と騎き東ひがし郡ぐん（荘園しょうえん名めいとしては太田おおた荘そう）に分割ぶんかつされていた。従来じゅうらいの研究けんきゅうでは東西とうざいの境目さかいめは元荒川もとあらかわと考かんがえられてきたが、江戸えど時代じだい初期しょきに行おこなわれた利根川とねがわや荒川あらかわの大だい改修かいしゅうで付近ふきん一帯いったいの河川かせんの流りゅう路ろが大おおきく変かわっているとする筈はずだとする観点かんてんから見直みなおしが行おこなわれた結果けっか、現在げんざいでは歴史れきし河川かせんである日川にっかわ（にっかわ）が境界きょうかい線せんであったと考かんがえられている。日川にっかわは江戸えど時代じだい初期しょきに北側きたがわが新川しんかわ用水ようすいの一部いちぶとされて備前びぜん前ぜん堀川ほりかわに繋つなげられるなど大おおきな流りゅう路ろの変更へんこうが加くわえられたために東西とうざい境界きょうかいとしての役目やくめを果はたせなくなった（水量すいりょうが減少げんしょうした南側みなみがわは18世紀せいきには水田すいでん化かされる）。このためか、寛永かんえい年間ねんかんには騎き東ひがし郡ぐんは用もちいられなくなり、騎西きさい郡ぐんも公文書こうぶんしょからは姿すがたを消けすことになる。
• 現在げんざいの越谷こしがや市しの元荒川もとあらかわ左岸さがん側がわが慶長けいちょう17年ねん（1612年ねん）以前いぜんまで下総しもうさ国こく葛飾かつしか郡ぐんに所属しょぞくしていた。
• 明治めいじ初期しょきの村むら誌し（のち武蔵むさし国こく郡村こおりむら誌し）には、10町まち、4郷さと、4組くみ、2宿しゅく、378村むら、18新田しんでんが記載きさいされている。

沿革えんかく

• 慶長けいちょう17年ねん（1612年ねん） - 現在げんざいの越谷こしがや市しの元荒川もとあらかわ左岸さがん側がわにあたる区域くいきが下総しもうさ国こく葛飾かつしか郡ぐんより編入へんにゅう。

所属しょぞく町村ちょうそんの変遷へんせんは北埼玉きたさいたま郡ぐん#郡ぐん発足ほっそくまでの沿革えんかく、南埼玉みなみさいたま郡ぐん#郡ぐん発足ほっそくまでの沿革えんかくをそれぞれ参照さんしょう

• 「旧きゅう高こう旧領きゅうりょう取調とりしらべ帳ちょう」に記載きさいされている明治めいじ初年しょねん時点じてんでの、当とう郡ぐん域いき18町まち433村むらの支配しはいは以下いかの通とおり。他ほかにも寺社じしゃ領りょう、寺社じしゃ除じょ地ちが各かく村むらに散在さんざい。
  • 後ごの北埼玉きたさいたま郡ぐん域いき（5町まち204村むら） - 幕府ばくふ領りょう（関東かんとう在方ざいかた掛かけ・木村きむら飛騨ひだ守もり支配しはい所しょ、大竹おおたけ左ひだり馬うま太郎たろう支配しはい所しょ、小笠原おがさわら甫はじめ三郎さぶろう支配しはい所しょ、松村まつむら忠四郎ちゅうしろう支配しはい所しょ、福田ふくだ所ところ左衛門さえもん支配しはい所しょ）、旗はた本領ほんりょう、一いち橋きょう徳川とくがわ家か領りょう、武蔵むさし忍にん藩はん、下総しもうさ古河ふるかわ藩はん、上野うえの前橋まえばし藩はん、陸奥みちのく泉いずみ藩はん、上総かずさ久留里くるり藩はん、常陸ひたち下妻しもづま藩はん、下野げや足利あしかが藩はん、出羽でわ長瀞ながとろ藩はん、武蔵むさし岩槻いわつき藩はん
  • 後ごの南埼玉みなみさいたま郡ぐん域いき（13町まち229村むら） - 幕府ばくふ領りょう（大竹おおたけ左ひだり馬うま太郎たろう支配しはい所しょ、佐々井ささい半はん十じゅう郎ろう支配しはい所しょ、小笠原おがさわら甫はじめ三郎さぶろう支配しはい所しょ、松村まつむら忠四郎ちゅうしろう支配しはい所しょ、荒井あらい清きよし兵衛ひょうえ支配しはい所しょ）、旗はた本領ほんりょう、一いち橋きょう徳川とくがわ家か領りょう、武蔵むさし岩槻いわつき藩はん、武蔵むさし忍にん藩はん、武蔵むさし金沢かなざわ藩はん、上総かずさ久留里くるり藩はん、下総しもうさ佐倉さくら藩はん、下総しもうさ古河ふるかわ藩はん
• 慶応けいおう4年ねん
  • 6月17日にち（1868年ねん8月がつ5日にち）　– 関東かんとう在方ざいかた掛かけの旧きゅう岩鼻いわはな陣屋じんやに岩鼻いわはな県けんが設置せっちされ、幕府ばくふ領りょう・旗はた本領ほんりょうのうち外田とだヶ谷村たにむら・上会下かみえげ村むら・上手子林かみてこばやし村むら・不動岡ふどうおか村むらを管轄かんかつ。
  • 6月19日にち（1868年ねん8月がつ7日にち） - 忍しのぶ藩士はんしの山田やまだ政則まさのりが武蔵むさし知ち県けん事ごとに就任しゅうにん。上記じょうき4村むら、下記かき2村むらを除のぞく幕府ばくふ領りょう・旗はた本領ほんりょうを管轄かんかつ。
  • 7月がつ10日とおか（1868年ねん8月がつ27日にち） - 旧きゅう幕府ばくふ代官だいかんの桑山くわやま効こうが武蔵むさし知ち県けん事ごとに就任しゅうにん。青柳あおやぎ村むら（現げん草加そうか市し）・荻島おぎしま村むらを管轄かんかつ。
  • 領地りょうち替がえにより、忍にん藩はん、佐倉さくら藩はん、久留里くるり藩はん、岩槻いわつき藩はん領りょうの一部いちぶが山田やまだ知とも県けん事ごとの管轄かんかつとなる。
  • 領地りょうち替がえにより、山田やまだ知とも県けん事ごとの管轄かんかつ地域ちいきの一部いちぶが忍にん藩はん、長瀞ながとろ藩はん、佐倉さくら藩はん領りょうとなる。
• 明治めいじ元年がんねん
  • 12月23日にち（1869年ねん2月がつ4日にち） - 桑山くわやま効こう知ち県けん事ごとが河瀬かわせ秀治しゅうじに交代こうたい。
• 明治めいじ2年ねん
  • 1月がつ10日とおか（1869年ねん2月がつ20日はつか） - 山田やまだ政則まさのり知ち県けん事ごとが宮原みやはら忠英ただひでに交代こうたい。
  • 1月がつ13日にち（1869年ねん2月がつ23日にち） - 武蔵むさし知ち県けん事ごと・宮原みやはら忠英ただひで、河瀬かわせ秀治しゅうじの管轄かんかつ区域くいきにそれぞれ大宮おおみや県けん（県庁けんちょうは馬喰ばくろ町まち）、小菅こすげ県けんを設置せっち。
  • 6月23日にち（1869年ねん7月がつ31日にち） - 金沢かなざわ藩はんが任にん知ち藩はん事ごとにともない六浦むつうら藩はんに改称かいしょう。
  • 9月29日にち（1869年ねん11月2日にち） - 県庁けんちょうが浦和うらわに置おかれ浦和うらわ県けんに改称かいしょう。
  • 11月1日にち（1869年ねん12月3日にち） - 出羽いずは長瀞ながとろ藩はんが藩はん庁ちょうを移転いてんして上総かずさ大網おおあみ藩はんとなる。
  • このころ一いち橋きょう徳川とくがわ家か領りょうが浦和うらわ県けんの管轄かんかつとなる。
• 明治めいじ4年ねん
  • 2月がつ17日にち（1871年ねん4月がつ6日にち） - 上総かずさ大網おおあみ藩はんが藩はん庁ちょうを移転いてんして常陸ひたち龍崎りゅうざき藩はんとなる。
  • 7月がつ14日にち（1871年ねん8月がつ29日にち） - 廃藩置県はいはんちけんにより、藩はん領りょうが岩槻いわつき県けん、忍しのぶ県けん、六浦むつうら県けん、久留里くるり県けん、佐倉さくら県けん、古河ふるかわ県けん、前橋まえばし県けん、泉いずみ県けん、下妻しもづま県けん、足利あしかが県けん、龍崎たつざき県けんとなる。
  • 11月14日にち（1871年ねん12月25日にち） - 第だい1次じ府県ふけん統合とうごうにより、全域ぜんいきが埼玉さいたま県けんの管轄かんかつとなる。
• 明治めいじ5年ねん4月がつ9日にち（1872年ねん5月15日にち） - 大だい区く小お区く制せいにより町村ちょうそんが廃止はいしされ、大だい区くと小お区くに再さい編成へんせいされる。主おもな大だい区くには、二に区く（越えつヶ谷たに付近ふきん）、五ご区く（粕壁かすかべ付近ふきん）、九きゅう区く（久喜くき付近ふきん）、十じゅう区く（菖蒲しょうぶ付近ふきん）、十じゅう一いち区く（加須かぞ付近ふきん）、十じゅう二に区く（不動岡ふどうおか付近ふきん）、十じゅう三さん区く（羽生はぶ付近ふきん）、十じゅう四よん区く及および十じゅう五ご区く（忍にん付近ふきん）、十じゅう六ろく区く（埼玉さいたま村むら・広田ひろた村むら付近ふきん）、二に十じゅう区く（岩槻いわつき付近ふきん）が存在そんざいした。
• 明治めいじ12年ねん（1879年ねん）3月17日にち - 郡こおり区く町村ちょうそん編制へんせい法ほうの埼玉さいたま県けんでの施行しこうにより、岩槻いわつき町まちほか6町まち218村むらの区域くいきに南埼玉みなみさいたま郡ぐん、成田なりた町まち（忍にん）ほか5町まち188村むらの区域くいきに北埼玉きたさいたま郡ぐんがそれぞれ行政ぎょうせい区域くいきとして発足ほっそく。同日どうじつ埼玉さいたま郡ぐん消滅しょうめつ。

参考さんこう文献ぶんけん

• 「角川かどかわ日本にっぽん地名ちめい大だい辞典じてん」編纂へんさん委員いいん会かい 編へん『角川かどかわ日本にっぽん地名ちめい大だい辞典じてん』 11 埼玉さいたま県けん、角川書店かどかわしょてん、1980年ねん7月がつ1日にち。ISBN 4040011104。 
• 旧きゅう高こう旧領きゅうりょう取調とりしらべ帳ちょうデータベース
• 埼玉さいたま県けん市町村しちょうそん合併がっぺい史し 上じょう・下巻げかん 埼玉さいたま県けん地方ちほう課か監修かんしゅう
• 埼玉さいたま県けん市町村しちょうそん誌し

関連かんれん項目こうもく

• 消滅しょうめつした郡ぐんの一覧いちらん
• 北埼玉きたさいたま郡ぐん
• 南埼玉みなみさいたま郡ぐん

先代せんだい -----

行政ぎょうせい区くの変遷へんせん - 1879年ねん

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