塗 壁
概要 [編集 ]
また、
現代 的 大衆 文化 と塗 壁 [編集 ]
2004
『
類 話 [編集 ]
野 襖 (のぶすま)高知 県 幡多 郡 の妖怪 。夜 、道 を歩 いている人 の行 く手 に襖 (ふすま)のような壁 ができ、上下 左右 どこまでも際限 なく壁 が続 いており、野 襖 だと気 づいた者 は途端 に気絶 してしまう。これに立 ちふさがれたときには、落 ち着 いて煙草 でもふかしていると、自然 に消 えるという[10][2]。越前 国 石徹白 村 (現 ・岐阜 県 郡上 市 、福井 県 大野 市 )にも、名称 はないものの、タヌキが道 に襖 をはって通行人 の行 く手 をふさぐという同様 の怪異 が伝 わっている[11]。壁 塗 り(カベヌリ)- 1969
年 (昭和 44年 )には、熊本 県 出身 の民俗 学者 ・丸山 学 によって「壁 塗 り」(かべぬり)という妖怪 の伝承 が報告 されている。夜 の道 に黒 い壁 が現 われて行 く手 をさえぎったという[12][* 1]。丸山 の報告 内容 には伝承 地 の記載 が無 い。 大分 県 臼杵 市 で妖怪 による町 の振興 を行 う臼杵 ミワリークラブの調査 によれば、壁 塗 りは同 市内 にも伝承 が残 っているものであり、観光 用 に絵葉書 まで売 られているほど有名 なものであったとされる。
- ヌリボウ(
塗 坊 ) 郷土 史家 ・山口 麻太郎 の著書 によると、壱岐 国 壱岐島 (現 ・長崎 県 壱岐 市 )では、夜 の山道 で山側 から突 き出 してくるといわれる[13]。柳田 國男 はこれを塗 壁 に似 たものとして「妖怪 名彙 」に分類 しているが[1]、原典 ではどのような形態 のものかは詳 しく述 べられておらず、何 を根拠 として塗 壁 と同類 とされているのかは不明 [3][14]。(路上 に出現 する怪異 であること、名称 が似 ていることから塗 壁 の類 話 とされたとの説 もある[14])。昭和 ・平成 以降 の妖怪 関連 の文献 では、灰色 の化 け物 であり、棒 で叩 くか、路傍 の石 などに腰 をかけて一服 しているとじきに消 え去 るなどとの解釈 もある[2]。
- シマーブー
鹿児島 県 奄美 群島 の喜界島 に伝 わる妖怪 。夜道 を歩 いていると、目 の前 に枝 を広 げた木 のようなものが急 に現 れ、道 を塞 ぐという[2][15]。道 塞 ぎ(みちふさぎ)[* 2]- 1957
年 (昭和 32年 )の夏 の日 の夕暮 れに、新潟 県 と長野 県 の県境 に位置 する苗場山 で、ある老人 が遭遇 したという怪異 。釣 りの帰 り道 に突如 、見 たこともない大滝 が現 れて行 く手 を阻 まれ、後方 には見 たこともないマツの大樹 と、見上 げるような大岩 が現 れ、そのまま滝 と岩 が自分 へ迫 ってきて身動 きできなくなってしまったという。老人 はその場 で一夜 を過 ごす羽目 になったが、夜 が明 けると共 にこの怪異 は消 え去 ったという[16]。
水木 しげるの、ラバウルの体験 水木 しげるは著書 において、第 二 次 世界 大戦 での従軍 中 に南方 のラバウルで塗 壁 と同 じものに遭遇 した体験 談 を語 っている。敵 軍 に襲 われ、仲間 とはぐれて深 い森 をひとりで逃 げ惑 っているうちに、コールタールを固 めたようなものが前方 に立 ち塞 がって行 く手 を阻 まれ、右 も左 もその壁 に囲 まれて身動 きできない。途方 に暮 れているうちに、疲労 から数 十 分 休 んでいると、この壁 は消 えたという[17][18]。青木 ヶ原 樹海 の見 えない壁 霊 能 者 ・宗 優子 によると、テレビ番組 の撮影 で青木 ヶ原 樹海 に入 った際 、制作 スタッフたちの前 に壁 のようなものが立 ちはだかったといい、樹海 での自殺 者 たちがこれ以上 進 まぬようにと壁 を作 ったのではないかと語 っている[19]。
このほかにも、
妖怪 画 [編集 ]
2007
「ぬりかべ」の
しかし、
脚注 [編集 ]
注釈 [編集 ]
出典 [編集 ]
- ^ a b c
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参考 文献 [編集 ]
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