皇祖こうそ皇すめらぎ太ふと神宮じんぐう天津てんしん教きょう

皇祖こうそ皇すめらぎ太ふと神宮じんぐう天津てんしん教きょう本庁ほんちょう（皇祖こうそ皇すめらぎ太ふと神宮じんぐう）（茨城いばらき県けん北茨城きたいばらき市し磯原いそはら町まち磯原いそはら835）

皇祖こうそ皇すめらぎ太ふと神宮じんぐう天津てんしん教きょう（こうそ こうたいじんぐう あまつ-きょう）とは、昭和しょうわ前期ぜんきに強つよ勢ぜいを誇ほこった御嶽みたけ教きょう系けいの流ながれをくむ宗教しゅうきょう団体だんたいである。単たんに「天津てんしん教きょう」と略称りゃくしょうされることもある。

沿革えんかく

戦前せんぜん

竹内たけうち巨きょ麿まろが祖父そふより譲ゆずり受うけた、世界せかいの歴史れきしや、太古たいこの天皇てんのう家かを記しるした古こ文献ぶんけん（いわゆる竹内たけうち文書ぶんしょ）や、真正しんせいな神器じんぎとされる神宝しんぽうの正当せいとうな認知にんちや、皇祖こうそ皇すめらぎ太ふと神宮じんぐうの国家こっかによる日本にっぽん国こくの再興さいこうを求もとめ、1900年ねんに茨城いばらき県けんにおいて御嶽みたけ教きょう天てん都と教会きょうかいを開ひらく。

1911年ねんに本殿ほんでんや拝殿はいでんを新築しんちくし、徐々じょじょに活動かつどうの範囲はんいを広ひろげ、1929年ねんには茨城いばらき県けん、福島ふくしま県けん、東京とうきょう、千葉ちば県けんなどで信者しんじゃを1万まん数すう千せん人にんを擁ようするまでになる。 しかし、1929年ねん詐欺さぎ事件じけんで検挙けんきょされた明道みょうどう会かい岸きし一太かずたの著作ちょさく中ちゅうに竹内たけうち文書ぶんしょの一部いちぶが掲載けいさいされていたことや、教団きょうだんから竹内たけうち文書ぶんしょや教団きょうだんの神宝しんぽうを認知にんちするよう宮みや内省ないせいに働はたらきかけがあったこと、さらに、1930年ねんに前出ぜんしゅつの岸きし一太かずたの関連かんれんで、警視庁けいしちょうが詐欺さぎ罪ざい容疑ようぎで竹内たけうち巨きょ磨すりらを取とり調しらべるも、不ふ起訴きそ。 1932年ねん、内務省ないむしょう特高警察とっこうけいさつが竹内たけうち巨きょ磨すりを拘引こういん、不敬ふけいの言動げんどうにより同年どうねん6月がつ、菊花きっか紋章もんしょう類似るいじ図形ずけいの使用しよう禁止きんし、神宝しんぽう拝観はいかん禁止きんしの処分しょぶんをし、神社じんじゃの鳥居とりいを撤去てっきょを余儀よぎなくされた（第だい一いち次じ天津てんしん教きょう弾圧だんあつ事件じけん）。

その後ご、御嶽みたけ教きょうを離はなれ、合資ごうし会社かいしゃ天津てんしん教きょう大だい司つかさ庁ちょうを設立せつりつするなどして活動かつどうを続つづけるも、1936年ねん2月がつ13日にち朝あさ、茨城いばらき県けん多賀たが郡ぐん磯原いそはら町まちにて竹内たけうち巨きょ麿まろらが不敬ふけい罪ざい、文書ぶんしょ偽造ぎぞう行使こうし罪ざい、詐欺さぎ罪ざい容疑ようぎで逮捕たいほされた。 主おもな逮捕たいほ理由りゆうとして世界せかい天皇てんのう史観しかんともいうような神話しんわと、異質いしつな神代かみよ史し、皇統こうとう譜ふを説とき、その神宝しんぽうをもって真正しんせいの三種さんしゅの神器じんぎと称しょうするなど、神宮じんぐうや皇統こうとうの尊厳そんげんをそこなう不敬ふけいな思想しそうが含ふくまれていること、その思想しそうが、国体こくたい明徴めいちょうや現状げんじょう打破だはを主張しゅちょうする国家こっか主義しゅぎ者しゃや国粋こくすい主義しゅぎ者しゃ、軍人ぐんじんの関心かんしんを引ひき付つけたというものであった。

1937年ねん12月11日にち、逮捕たいほ者しゃ15名めい中ちゅう竹内たけうち巨きょ麿まろのみが不敬ふけい罪ざいで起訴きそ。1942年ねん3月16日にち、一いち審しん不敬ふけい罪ざい有罪ゆうざい判決はんけつ。上告じょうこく。

1944年ねん12月12日にち、大審院だいしんいん無罪むざい判決はんけつ、結審けっしん。判決はんけつでは、「この問題もんだいは裁判所さいばんしょの権限けんげんを超こえた宗教しゅうきょう問題もんだいである」、あるいは「単たんなる証拠しょうこ不十分ふじゅうぶんである」として無罪むざいが宣告せんこくされるに至いたる（第だい二に次じ天津てんしん教きょう弾圧だんあつ事件じけん）。

教団きょうだんとしては決けっして大だい規模きぼではなかったが、その神宝しんぽうや文献ぶんけんを見学けんがく、調査ちょうさに訪おとずれた学者がくしゃや軍人ぐんじんはかなりの数かずにのぼり、当時とうじその思想しそう的てき影響えいきょう力りょくは無視むしできないものがあった。天津てんしん教きょう最盛さいせい期き時じには、当時とうじの教団きょうだんの説明せつめいによると、荒木あらき貞夫さだお、有馬ありま良りょう橘たちばな、一条いちじょう実みのる孝こう、川村かわむら竹治たけじ、下中しもなか弥三郎やさぶろう、塩野しおの季き彦、頭山とうやま満みつるなどの有力ゆうりょく軍人ぐんじん・政治せいじ家かの信奉しんぽう者しゃがいたと伝つたえられている。

戦後せんご

終戦しゅうせん後ご、1946年ねん、宗教しゅうきょう法人ほうじん令れいにより宗教しゅうきょう法人ほうじん大日だいにち教きょうに改あらため、1949年ねん天津てんしん巨きょと再さい改名かいめいするが、1950年ねんに今度こんどは超ちょう国家こっか主義しゅぎ的てき思想しそうを有ゆうする団体だんたいとしてGHQから解散かいさんを命めいじられる。

1952年ねんに宗教しゅうきょう法人ほうじん法ほうによる宗教しゅうきょう法人ほうじん 皇祖こうそ皇すめらぎ太ふと神宮じんぐう天津てんしん教きょうとして再さい発足ほっそく。1965年ねん教団きょうだん創設そうせつ者しゃであり、管長かんちょう（教団きょうだん代表だいひょう）竹内たけうち巨きょ麿まろが逝去せいきょし、子息しそくの竹内たけうち義よし宮みや（1999年ねん死去しきょ）、孫まごの竹内たけうち康裕やすひろが管長かんちょうの座ざを引ひき継つぎ、現在げんざいに至いたっている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 現代げんだい霊れい学がく研究けんきゅう会かい編へん『神代かみしろ秘史ひし資料しりょう集成しゅうせい・人にん之の巻まき』（八幡やはた書店しょてん、1985年ねん）
• 秦はた郁いく彦「天津てんしん教きょう盛衰せいすい記き」『昭和しょうわ史しの謎なぞを追おう 下した』（文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、1993年ねん）p.116 — p.132
• 別冊べっさつ宝島たからじま編集へんしゅう部ぶ編へん『日本にっぽんの新しん宗教しゅうきょう50　完全かんぜんパワーランキング　人脈じんみゃく力りょく・資金しきん力りょく・政治せいじ力りょく』（宝島社たからじましゃ、2017年ねん）p.267

関連かんれん項目こうもく

• 御ご皇すめらぎ城山しろやま 皇祖こうそ皇すめらぎ太ふと神宮じんぐう - 富山とやま県けん富山とやま市し金屋かなや 呉羽山くれはやま中なか
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• 竹内たけうち文書ぶんしょ（磯原いそはら文書ぶんしょ、天津てんしん教きょう文書ぶんしょ） – 偽書ぎしょとされる
• 神代文字じんだいもじ
• ヒヒイロカネ
• 酒井さかい勝軍かちいくさ - キリスト教きりすときょう伝道でんどう者しゃ、オカルティスト
• 澤田さわだ健けん - 鍼灸しんきゅう師し・柔道じゅうどう整復せいふく師し・武道ぶどう家か、オカルティスト
• 熊沢くまさわ寛道ひろみち - 皇位こうい僭称せんしょう者しゃ

外部がいぶリンク

• 皇祖こうそ皇すめらぎ太ふと神宮じんぐう（公式こうしき）