ひかりの輪わ

ひかりの輪わ

本部ほんぶが入居にゅうきょする集合しゅうごう住宅じゅうたく「GSハイム烏山からすやま」 世田谷せたがや区く烏山からすやま地域ちいき烏山からすやま地区ちく南烏山みなみからすやまに位置いちする
設立せつりつ	2007年ねん5月7日にち
設立せつりつ者しゃ	上祐じょうゆう史浩ふみひろ
種類しゅるい	学習がくしゅう団体だんたい（法人ほうじん格かくなし）
目的もくてき	心理しんり学がく、宗教しゅうきょう哲学てつがくの追求ついきゅう
本部ほんぶ	日本にっぽん 東京とうきょう都と世田谷せたがや区く南烏山みなみからすやま六ろく丁目ちょうめ30番ばん19号ごう GSハイム烏山からすやま2階かい201号室ごうしつ
会員かいいん数すう	約やく60人にん
公用こうよう語ご	日本語にほんご
ウェブサイト	ひかりの輪わメインサイト
特記とっき事項じこう	オウム真理教おうむしんりきょうの分派ぶんぱ団体だんたい

ひかりの輪わ（ひかりのわ、英語えいご: The Circle of Rainbow Light）は、旧きゅうオウム真理教おうむしんりきょうの元もと幹部かんぶであった上祐じょうゆう史浩ふみひろによって設立せつりつされた、仏教ぶっきょうの教おしえや心理しんり学がくを学まなぶ教室きょうしつ団体だんたいである。

旧きゅうオウム真理教おうむしんりきょうの後継こうけい団体だんたいアレフとは対立たいりつ関係かんけいにある。 ひかりの輪わ側がわは、麻原あさはら彰晃しょうこうの影響えいきょう力りょくを脱だっした「脱だつ麻原あさはら・反はん麻原あさはら派は」を主張しゅちょうし、「オウムからの脱却だっきゃくを果はたし、オウムに反対はんたいしている」として、団体だんたい設立せつりつ当初とうしょからアレフ信者しんじゃの脱会だっかい支援しえんや、旧きゅうオウム真理教おうむしんりきょうが起おこした地下鉄ちかてつサリン事件じけんの被害ひがい者しゃ遺族いぞくに対たいしての賠償ばいしょうを行おこなっている。又また、旧きゅうオウム真理教おうむしんりきょうの後継こうけい団体だんたいであることを否定ひていしている。しかし、公安調査庁こうあんちょうさちょうは「麻原あさはら隠かくし（麻原あさはらの影響えいきょう力りょくを払拭ふっしょくしたかのように偽装ぎそう）」を行おこなっているとして団体だんたい規制きせい法ほうに基もとづく観察かんさつ処分しょぶんを継続けいぞくしている。

概要がいよう

設立せつりつの経緯けいい

アーレフ（現げんAleph・旧きゅうオウム真理教おうむしんりきょう）元もと代表だいひょうでもあった上祐じょうゆう史浩ふみひろらが、ア－レフから独立どくりつする形かたちで2007年ねん5月7日にちに設立せつりつしたものだが、その経緯けいいは以下いかの通とおりである。

上祐じょうゆうは、2002年ねんにアレフ（なおアレフの名称めいしょうは、アレフ→アーレフ→aleph〈読よみはアレフ〉と変遷へんせんしており、時期じきにより異ことなる）で代表だいひょうとなり、「オウム真理教おうむしんりきょう事件じけんを反省はんせいし、麻原あさはら彰晃しょうこうの影響えいきょうを排除はいじょする」という改革かいかくを打うち出だした。

その一方いっぽう、麻原あさはらの妻つまである松本まつもと知子ともこの出所しゅっしょ後ご、秘密裏ひみつりに教団きょうだん運営うんえいに関与かんよするようになった麻原あさはらの子女しじょら（三さん女じょ・松本まつもと麗華れいかと次女じじょ）が、教団きょうだんの主導しゅどう権けんを握にぎるようになり、上祐じょうゆう排除はいじょの指示しじ（「上祐じょうゆうは悪魔あくまに取とりつかれたため麻原あさはらを批判ひはんしている」等とう）を出だしたため、それに従したがった教団きょうだん幹部かんぶらにより、上祐じょうゆうは教団きょうだん運営うんえいから排除はいじょされ、翌年よくねん（2003年ねん）にも事実じじつ上じょう失脚しっきゃく。「修行しゅぎょう」と称しょうして自室じしつに軟禁なんきんされるようになる。 上祐じょうゆうが、一般いっぱんに弟子でしの中なかで最高さいこう位いとされる「正大せいだい師し」の位階いかいであったにもかかわらず、麻原あさはらの子女しじょらの指示しじで、教団きょうだん運営うんえいから排除はいじょされたり軟禁なんきんされたりした理由りゆうは、麻原あさはらの子女しじょらの教団きょうだん内ないでの位階いかいが、上祐じょうゆうよりはるかに上うえの「皇子おうじ（こうし）：すべての弟子でしの上うえの位階いかい）」と麻原あさはらにより位置いちづけられていたため、教団きょうだん幹部かんぶらは麻原あさはらの子女しじょらに従したがった事実じじつがあった。

しかし、上祐じょうゆうは、2004年ねん、麻原あさはら家かやその意向いこうに従したがう信者しんじゃらの強つよい反対はんたいを押おし切きり教団きょうだんに復帰ふっき、いわゆる「上祐じょうゆう派は」が形成けいせいされた。その結果けっか、内部ないぶ対立たいりつが激化げきかし、上祐じょうゆうに反対はんたいする「反はん上祐じょうゆう派は」と、「オウム事件じけんを反省はんせいし、麻原あさはらの影響えいきょうを排除はいじょする」という上祐じょうゆうを支持しじする「上祐じょうゆう派は」、そのどちらにも寄よらない「中間なかま派は」という三みっつに分裂ぶんれつした。その後ご「上祐じょうゆう派は」は、公式こうしきサイトもアーレフ教団きょうだんから分離ぶんりして、「脱だつ麻原あさはら」「反はん麻原あさはら」を旨むねとするグループとして活動かつどうし、2007年ねん3月がつにアーレフから正式せいしき脱退だったいし、同年どうねん5月がつに「ひかりの輪わ」を発足ほっそくさせた。

以上いじょうの経緯けいいについては、東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょも、「ひかりの輪わとアレフの性格せいかくは相当そうとうに異ことなるものとなっている」「ひかりの輪わとアレフは対立たいりつ関係かんけいにあると評価ひょうかすることができる」と事実じじつ認定にんていしている（観察かんさつ処分しょぶん取消とりけし訴訟そしょうにおける2017年ねん9月がつ25日にちの判決はんけつ）。

活動かつどう目的もくてき

オウム真理教おうむしんりきょうの総括そうかつと反省はんせいのもと設立せつりつされたと謳うたわれている。すなわち、特定とくていの崇拝すうはい対象たいしょうを持もたず、また、信者しんじゃや大衆たいしゅうを救済きゅうさいするという理念りねんを捨すて、人々ひとびとに癒いやしをもたらす奉仕ほうしを提供ていきょうする団体だんたいとなった。

団体だんたいの活動かつどう目的もくてきは、「過去かこのオウム真理教おうむしんりきょう事件じけんの反省はんせいに立たち、その教訓きょうくんを生いかしつつ、宗教しゅうきょう・思想しそう・哲学てつがく・科学かがく及および芸術げいじゅつ等とうを幅広はばひろく研究けんきゅう・実践じっせん及および公開こうかいすることによって、人々ひとびとの心身しんしんの浄化じょうか、癒いやし、人間にんげんと自然しぜんとの調和ちょうわに尽つくし、もって宗教しゅうきょうによる悲劇ひげきが発生はっせいしない精神せいしん的てきに豊ゆたかな社会しゃかいづくりに奉仕ほうしすることを目的もくてきとする。」と、会則かいそくに記しるされている。さらに上祐じょうゆう代表だいひょうは、団体だんたい維持いじの必要ひつよう性せいとして「オウム被害ひがい者しゃへの賠償ばいしょうを続つづける為ための財源ざいげんの確保かくほ」、 「オウム信者しんじゃのオウム・麻原あさはら信仰しんこうからの脱却だっきゃくを支援しえんする」、「身寄みよりの無ない信者しんじゃの生活せいかつを扶助ふじょする」などの役割やくわりを果はたすとしている。

2013年ねん頃ごろから、「宗教しゅうきょう団体だんたい」としてではなく、仏教ぶっきょう哲学てつがくや心理しんり学がくを学まなぶ思想しそう哲学てつがくの学習がくしゅう教室きょうしつに改革かいかくしたと主張しゅちょうし、祭壇さいだんなどを除去じょきょ。その活動かつどうの内容ないようは、「仏教ぶっきょう哲学てつがくサークル」としての活動かつどうに近ちかいものになってきており、不定期ふていきで「哲学てつがくセミナー」等とうをYouTubeで動画どうが配信はいしんしている。

上記じょうきの活動かつどう目的もくてきを達たっするため、その活動かつどうは、社会しゃかい的てきな健全けんぜん性せいを保たもつように努つとめているという。具体ぐたい的てきには、団体だんたい会員かいいんは法令ほうれいを遵守じゅんしゅし、いかなる違法いほう行為こういも犯おかさないよう規定きていした「違法いほう行為こうい禁止きんし規定きてい」の制定せいていをはじめ、寄付きふ金きんの受うけ取とりや入会にゅうかい勧誘かんゆう等とうにおいては、日本にっぽん弁護士べんごし連合れんごう会かいが反はん社会しゃかい的てきな宗教しゅうきょう的てき活動かつどうの消費しょうひ者しゃ被害ひがいを防ふせぐための指針ししんとして提示ていじした規定きていに準拠じゅんきょした指針ししん（「社会しゃかい的てきに適切てきせつな団体だんたい活動かつどうのための指針ししん」）などを定さだめて、公表こうひょうしている。

活動かつどう内容ないよう

2009年ねん7月がつ、オウム真理教おうむしんりきょう（現げんAleph）の賠償ばいしょう問題もんだいをひかりの輪わが引ひき受うけることでオウム被害ひがい者しゃ支援しえん機構きこうと合意ごういした。合意ごうい書しょによると、「ひかりの輪わは平成へいせい21年ねん分ぶんとして800万まん円えんを支払しはらう努力どりょくをし、最低さいていでも300万まん円えん以上いじょうを弁済べんさいする義務ぎむを負おい、来年らいねん以降いこうは協議きょうぎして額がくを決きめる。また被害ひがい者しゃ救済きゅうさい法ほうに基もとづき、破産はさん債権さいけん者しゃとしての届出とどけでを行おこなっていなかった被害ひがい者しゃに対たいしても、賠償金ばいしょうきんを支払しはらうことを約束やくそくする。」としている。なお、賠償ばいしょう自体じたいは設立せつりつ当初とうしょから行いっている。また「Aleph」がこの被害ひがい者しゃ支援しえん機構きこうとの契約けいやくを拒否きょひしていることも指摘してきし、契約けいやくを促うながしている。

2010年ねん3月の記者きしゃ会見かいけんでは、契約けいやくで義務ぎむづけられた金額きんがくの支払しはらいを達成たっせいしていると発表はっぴょう。また、Aleph信者しんじゃを説得せっとくし脱会だっかいに導みちびいたり、麻原あさはらやオウム信仰しんこうの問題もんだい点てんを伝つたえAlephへの入会にゅうかいを阻止そしするなどの活動かつどうで成果せいかを出だすことで、当初とうしょの目的もくてきの一ひとつであった「オウム信仰しんこうからの脱却だっきゃく支援しえん」を実施じっししていると声明せいめいをだした。

2022年ねん4月がつ、SNSのmixiの気功きこう・レイキ・ヒーリングのコミュニティーにおいて会員かいいんを募集ぼしゅうしている活動かつどう拠点きょてんが確認かくにんされている。本来ほんらい、現代げんだいレイキにはヨガ、クンダリーニ覚醒かくせい、遠隔えんかくヒーリング、アドラーの心理しんり学がくなどと呼よばれるものは存在そんざいしないのだが、ひかりの輪わを取とり入いれた全まったく新あたらしいヒーリングが誕生たんじょうしている。これは上祐じょうゆうが遺族いぞくに賠償ばいしょうを行おこなう財源ざいげんであり、努力どりょくの痕跡こんせきであると見受みうけられる。

その後ごも、年間ねんかん最低さいてい300万まん円えん以上いじょうを支払しはらう賠償ばいしょう契約けいやくの履行りこうを続つづけ、2024年ねん7月がつ時点じてんで、約やく6520万まん円えんの賠償金ばいしょうきんを支払しはらっている。とりわけ、2023年ねん3月がつ13日にち、アレフが、オウム事件じけん被害ひがい者しゃへの賠償金ばいしょうきんの支払しはらいを逃のがれ、公安調査庁こうあんちょうさちょうへの報告ほうこくを履行りこうしなかったことから、寄付きふの受領じゅりょうと施設しせつの使用しようを禁止きんしする再発さいはつ防止ぼうし処分しょぶんが適用てきようされたことにより、被害ひがい者しゃ賠償ばいしょうの遅おくれが強つよく懸念けねんされる状況じょうきょうになったことを受うけ、ひかりの輪わは、被害ひがい者しゃ賠償ばいしょうの停滞ていたいを少すこしでも和やわらげるために、従来じゅうらいより賠償金ばいしょうきん支払しはらいを増額ぞうがくするため、あらゆる努力どりょくを尽つくしたいと表明ひょうめいし、現げんに賠償金ばいしょうきん支払しはらいを増額ぞうがくさせている。

また、賠償ばいしょう以外いがいには、オウム真理教おうむしんりきょうのような宗教しゅうきょう団体だんたいを二度にどと出現しゅつげんさせないためにということで、オウム真理教おうむしんりきょうの総括そうかつ・反省はんせいを団体だんたいのインターネットサイトや書籍しょせきで公表こうひょうしたり、マスコミやインターネット番組ばんぐみへの出演しゅつえん、有識者ゆうしきしゃとの対談たいだんイベントなどを通つうじても公表こうひょうしたりしている。

オウム（現げんaleph）信者しんじゃの脱会だっかい支援しえん活動かつどうや、入会にゅうかい阻止そしのための活動かつどうを行おこなっており、これまでに150名めい以上いじょうの信者しんじゃを脱会だっかいさせたとしている。

オウム真理教おうむしんりきょうに対たいする反省はんせい・総括そうかつに基もとづくとされる活動かつどう

そして、思想しそう哲学てつがくの学習がくしゅう教室きょうしつとしての具体ぐたい的てきな実践じっせん・研究けんきゅう内容ないようも、オウム真理教おうむしんりきょうに対たいする反省はんせい・総括そうかつに基もとづいて行いっているという。まず、後記こうき（第だい一いち～第だい五ご）のような様々さまざまな「古今ここん東西とうざいの思想しそう・哲学てつがく・宗教しゅうきょう」等とうを探究たんきゅうする目的もくてきについては、「オウム真理教おうむしんりきょうのような宗教しゅうきょうの広ひろがりを防ふせぐこと」「オウムを実体験じつたいけんし、それから抜ぬけ出だした経験けいけんを活いかして、様々さまざまな心しんの問題もんだい・苦くるしみを抱かかえる人ひとが多おおい現代げんだい社会しゃかいにおいて、オウムやそれに類るいする宗教しゅうきょうが不要ふようとなるような思想しそう哲学てつがくを創造そうぞうし、普及ふきゅうしたい」としている。

第だい一いちに、「仏教ぶっきょう」の探究たんきゅうにおいては、仏教ぶっきょうの中なかの特とくに後期こうき密教みっきょうで生いきた人間にんげんのグル（導師どうし）を絶対ぜったい視ししたり、殺人さつじんや戦争せんそうを肯定こうていしたりするような教おしえは過あやまちであり、それがオウム真理教おうむしんりきょうやオウム事件じけんを生うみだしたと批判ひはん的てきに総括そうかつした上うえで、人ひとを崇あがめることを否定ひていし、徹底てっていした非ひ暴力ぼうりょくを説といた仏教ぶっきょう開祖かいそ・釈迦牟尼しゃかむにの本来ほんらいの精神せいしん（初期しょきの仏教ぶっきょう）に立たち返かえることを志向しこうしている。

第だい二にに、「ヨーガ」の実践じっせんにおいても、オウム真理教おうむしんりきょうが、精神せいしん的てきな浄化じょうかをおろそかにして、心身しんしんに過度かどな負担ふたんをかけた修行しゅぎょうを行おこなったり、修行しゅぎょうから生しょうじる神秘しんぴ体験たいけん（変性へんせい意識いしき体験たいけん）を過度かどに重視じゅうししたりした結果けっか、「クンダリニー症候群しょうこうぐん」という心身しんしんの異常いじょうが教祖きょうその麻原あさはらをはじめ多おおくのオウム信者しんじゃに発生はっせいし、自分じぶんが高位こういのステージに到達とうたつしたなどと思おもい込こむ誇大妄想こだいもうそう的てきな慢心まんしんも生しょうじていたことを批判ひはんし、「自然しぜんに無理むりなく段階だんかいを追おって行法ぎょうほうを進すすめることで、現実げんじつと遊離ゆうりしない程度ていどに心身しんしんをリラックスさせていくという方法ほうほう」をとっているという。

第だい三さんに、「心理しんり学がく」の研究けんきゅうについても、まずは心理しんり学がく観点かんてんから、オウム真理教おうむしんりきょうや麻原あさはら、それを支ささえた信者しんじゃらの過あやまちを分析ぶんせきして公表こうひょうしている。それによれば、麻原あさはらは、心理しんり学がく用語ようごでいうところの「空想くうそう虚言きょげん症しょう」「誇大こだい自己じこ症候群しょうこうぐん」であり、そのような人格じんかく障害しょうがいが、国家こっか権力けんりょくから不当ふとうに攻撃こうげきされているという過度かどの被害ひがい妄想もうそうを生うみ出だし、一連いちれんのオウム事件じけんを引ひき起おこしていったとして、麻原あさはらやそれを支ささえた信者しんじゃらの責任せきにんについて心理しんり学がく的てきに総括そうかつしている。また、オウム真理教おうむしんりきょうのような盲信もうしんが生しょうじないようにするために、宗教しゅうきょう思想しそうを「心理しんり学がく」「脳のう科学かがく」などの観点かんてんから、科学かがく的てき・合理ごうり的てきに検証けんしょうする研究けんきゅうを行おこなっているという。そして、オウム真理教おうむしんりきょうで説とかれていたような陰謀いんぼう論ろんや、無む差別さべつ殺人さつじんなどがなぜ生しょうじるのかという理由りゆうや、その発生はっせい防止ぼうしの方策ほうさくについても、「心理しんり学がく」の観点かんてんから探究たんきゅうを行おこない、公表こうひょうしている。

第だい四よんに、日本にっぽん全国ぜんこくの神社じんじゃ仏閣ぶっかくや自然しぜんを訪おとずれる「聖地せいち巡めぐり」についても、「アレフ（旧きゅうオウム）を脱会だっかいするに至いたった重要じゅうようなきっかけのひとつが、聖地せいち・自然しぜんの中なかでの修行しゅぎょう」であったことや、「オウムの善悪ぜんあく二元論にげんろん的てきな教義きょうぎに対たいし、それを超こえる一元論いちげんろん的てきな思想しそうについて、深ふかい思索しさく・瞑想めいそう」が生しょうじるとして、オウム的てきな誤あやまった信仰しんこうから脱却だっきゃくして、精神せいしん的てきに生うまれ変かわることを目的もくてきに実践じっせんしてきたという。

第だい五ごに、ひかりの輪わが導入どうにゅうしている「内観ないかん」（全国ぜんこくの矯正きょうせい・教育きょういく施設しせつ等とうで広ひろく採用さいようされてきた自己じこ内省ないせい法ほうで、吉本よしもと伊い信しんによって開発かいはつされ戦後せんご普及ふきゅうした）についても、「オウム真理教おうむしんりきょうおよび現在げんざいのアレフ（Aleph）では、特とくに出家しゅっけ信者しんじゃと親族しんぞくとの連絡れんらくを規制きせいするなど、家族かぞく・親族しんぞくを軽視けいしする傾向けいこうが強つよく、それが一連いちれんの事件じけんの原因げんいんの一ひとつになった」と反省はんせいしたうえで、家族かぞく・親族しんぞくへの感謝かんしゃを深ふかめ、人間にんげん関係かんけい・社会しゃかいとの関係かんけいの改善かいぜんに努つとめることも大おおきな目的もくてきの一ひとつとして実践じっせんしていると述のべている。

以上いじょうの内容ないようの具体ぐたい的てきな実践じっせんとして、全国ぜんこく各地かくちでの上祐じょうゆう史浩ふみひろ等とうのセミナーや勉強べんきょう会かい（仏教ぶっきょう、ヨーガ、心理しんり学がく、科学かがくなどがテーマ）、インターネットを使つかった瞑想めいそう講座こうざ、全国ぜんこくの神社じんじゃ仏閣ぶっかくや自然しぜん豊ゆたかな場所ばしょへの聖地せいち巡礼じゅんれい、内観ないかんのセミナー、山形やまがた県けんでの修験しゅげん道どう研修けんしゅう、各種かくしゅ教材きょうざいの制作せいさく・販売はんばいなどの活動かつどうを行おこなっている。

活動かつどうに対たいする識者しきしゃの見方みかた

以上いじょうのオウム真理教おうむしんりきょうへの反省はんせい・総括そうかつに基もとづくとされる活動かつどうについて、ひかりの輪わを調査ちょうさしてきた京都大きょうとだい学がく名誉めいよ教授きょうじゅの鎌田かまた東ひがし二に（宗教しゅうきょう学者がくしゃ）は、「（ひかりの輪わは）オウム真理教おうむしんりきょう事件じけんが引ひき起おこした諸しょ問題もんだいを深刻しんこくかつ真剣しんけんに反省はんせい的てきに捉とらえ、混迷こんめいする時代じだいの中なかでの一人ひとりひとりの生いき方かたや内省ないせい・自己じこ省察せいさつと自然しぜん理解りかい・自然しぜん体験たいけんをベースにした人生じんせい哲学てつがくを学まなぶ場ばであろうとしている。（中略ちゅうりゃく）ひかりの輪わは、教本きょうほんのみならず、さまざまな活動かつどうにおいて、思想しそう的てきにオウム真理教おうむしんりきょうの危険きけん性せいと問題もんだい点てんを自己じこ反省はんせい的てき・総括そうかつ的てきに批判ひはんし、そこからの離脱りだつと距離きょりを繰くり返かえし確認かくにんしようとしている。」と述のべている。

オウム真理教おうむしんりきょうに関かんする著作ちょさくがある大田おおた俊寛としひろ（宗教しゅうきょう学者がくしゃ）は、「全体ぜんたいとして言いえば、「ひかりの輪わ」においては、過去かこのオウムに存在そんざいしていたさまざまな問題もんだい点てんが適切てきせつに反省はんせい・考察こうさつされているとともに、それらを乗のり越こえるための新あらたな宗教しゅうきょう観かんが探究たんきゅうされていると結論けつろんすることができるだろう。」と述のべている（なお大田おおたは、複数ふくすうの研究けんきゅう者しゃがひかりの輪わについて断片だんぺん的てき意見いけんを述のべているが、それらの研究けんきゅう者しゃが、大田おおた自身じしんが行おこなってきたように、ひかりの輪わの資料しりょうを調しらべるだけでなく、ひかりの輪わ関係かんけい者しゃに面接めんせつを繰くり返かえして調査ちょうさすることをしていない問題もんだい点てんもあわせて指摘してきしている）。

ジャーナリストの田原たはら総一朗そういちろうは、「（ひかりの輪わは）麻原あさはらを批判ひはんし、オウムを批判ひはんし、人間にんげんとはいかに生いきるべきか（を学まなぶもので）、どっちかというと、哲学てつがくに近ちかい」と評ひょうしている。

団体だんたいの構成こうせい

代表だいひょう役員やくいんは上祐じょうゆう史浩ふみひろであり、その他たに役員やくいんやスタッフが存在そんざいするが、教団きょうだんはこれらはアーレフにおける位階いかい制度せいどとは異ことなるものであるとしている。ホーリーネームを用もちいず、談話だんわやブログなどでは各々おのおの本名ほんみょうを名乗なのる。会員かいいんは専従せんじゅう会員かいいんと非ひ専従せんじゅう会員かいいんからなる。設立せつりつ直前ちょくぜんの2007年ねん5月がつ6日にち時点じてんでの人数にんずうは専従せんじゅう会員かいいんが57人にん、非ひ専従せんじゅう会員かいいんが106人にんと公安調査庁こうあんちょうさちょうに報告ほうこくされた（2022年ねん5月がつ時点じてんの人数にんずうは、専従せんじゅう会員かいいんが7人にん、非ひ専従せんじゅう会員かいいんが50人にんと団体だんたいの公式こうしきサイトに記載きさいされた）。

会員かいいんのほとんどは上祐じょうゆう史浩ふみひろをはじめとした「アーレフ」からの脱退だったい者しゃだが、「ひかりの輪わ」から新あらたに加入かにゅうした会員かいいんもいると発表はっぴょうされた。なお、哲学てつがく教室きょうしつへの改革かいかくなどに伴ともない、入会にゅうかいしなくても活動かつどうに参加さんかして学まなぶことができることを強調きょうちょうしている。

「ひかりの輪わ」側がわが、適正てきせいに運営うんえいされているかチェックする目的もくてきで設立せつりつした外部がいぶ監査かんさ委員いいん会かいが、施設しせつへの立たち入いりや幹部かんぶの面会めんかいで実態じったいを調しらべて必要ひつように応おうじて勧告かんこくを行おこなうことになっている。その監査かんさ委員いいんは同どう団体だんたいの規約きやくによればひかりの輪わの会員かいいんの経歴けいれきが無ない者ものが務つとめることになっている。2011年ねん12月に松本まつもとサリン事件じけん被害ひがい者しゃ・遺族いぞくの河野こうの義行よしゆき（元もと長野ながの県けん公安こうあん委員いいん）、大学だいがく教授きょうじゅ、伝統でんとう宗派しゅうはの宗教しゅうきょう団体だんたいの責任せきにん役員やくいん理事りじなど3名めいが初代しょだいの外部がいぶ監査かんさ委員いいんが就任しゅうにんした。河野こうのが2015年ねんまでに辞任じにんした後のちに、会員かいいんではないが、講話こうわ会かいや聖地せいち巡めぐりのようなイベントに出入でいりしていた女性じょせいが後任こうにんとなり、公安調査庁こうあんちょうさちょうには「観察かんさつ処分しょぶん外はずし」のための組織そしきとも言いわれており、その客観きゃっかん性せいには疑問ぎもんが残のこるという声こえもある（同どう女性じょせい委員いいんは2016年ねん12月27日にち付づけで辞任じにんした）。

なお、同どう女性じょせい委員いいんの辞任じにん後ごは、公安調査庁こうあんちょうさちょうに35年間ねんかん務つとめた経歴けいれきがある元もと公安こうあん調査官ちょうさかんが委員いいんに就任しゅうにんして、監査かんさを引ひき継つぎ、3年間ねんかんにわたって計けい194回かいの団体だんたい行事ぎょうじに自みずから出席しゅっせきするなどして監査かんさした結果けっか、団体だんたいには観察かんさつ処分しょぶん適用てきよう要件ようけんが存在そんざいしないと公表こうひょうした。

「オウム上祐じょうゆう派は」か否ひか

• 公安調査庁こうあんちょうさちょうはひかりの輪わについて、「オウム真理教おうむしんりきょう上祐じょうゆう派は」「教団きょうだん上祐じょうゆう派は」の呼称こしょうを用もちいている。構成こうせい員いんの殆ほとんどが地下鉄ちかてつサリン事件じけん以前いぜんからのオウム真理教おうむしんりきょうの信徒しんとであったという過去かこを持もち、現げんに専従せんじゅう会員かいいんがアーレフ出家しゅっけ信者しんじゃのときからの教団きょうだん施設しせつでの集団しゅうだん居住きょじゅうをアーレフ脱会だっかい後ごも継続けいぞくしていること、新しん団体だんたいの目的もくてきが実際じっさいには麻原あさはら彰晃しょうこうが提唱ていしょうした「衆生しゅじょう救済きゅうさい」を受うけ継ついだものである、ゆるキャラのカワラダくんを麻原あさはらの代かわりに崇拝すうはいしているといった理由りゆうを挙あげて、公安調査庁こうあんちょうさちょうは「ひかりの輪わ」が依然いぜんとして麻原あさはら彰晃しょうこうの影響えいきょう下かにあり団体だんたい規制きせい法ほうに基もとづく観察かんさつ処分しょぶん対象たいしょうだとした。

• 弁護士べんごし滝本たきもと太郎たろうは、ひかりの輪わは「麻原あさはら隠かくし」をやるだけの能力のうりょくがある「大人おとなの過激かげき派は」と批判ひはんし、麻原あさはらがかつて「（上祐じょうゆうが）息子むすことして転生てんせいし、弟子でしとして転生てんせいしてきているということは、当然とうぜんわたしもいずれ彼かれ（上祐じょうゆう）を離はなさなければならない時期じきが来くる。離はなさなければならないとは、一人ひとり立だちし、そして多おおくの衆生しゅじょうのリーダーとし、その世界せかいの救済きゅうさいをしなければならないということである」と説法せっぽうしたことに注目ちゅうもくしているが、この麻原あさはらの説法せっぽうについて、上祐じょうゆうは、麻原あさはらが意図いとしていたのは100生せいぐらい先さきのこと（100回かいほど生うまれ変かわった後のちの生せいのこと）の話はなしであり、上祐じょうゆうも他たの高弟こうていも今生こんじょうのことだとは全まったく受うけ止とめなかったと述のべている。
• 東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょは、観察かんさつ処分しょぶん取消とりけし訴訟そしょうにおける2017年ねん9月がつ25日にちの判決はんけつで、「原告げんこく（※ひかりの輪わ）の設立せつりつは、別べつ団体だんたいを組織そしきして、別べつ団体だんたいとの間あいだで役割やくわり分担ぶんたんしながら活動かつどうすることを求もとめていた松本まつもと（※麻原あさはら）の意思いしに従したがってされたものであるとまでは認みとめることはできない」と事実じじつ認定にんていし、ひかりの輪わが麻原あさはらの意思いしに基もとづいて設立せつりつされた「オウム上祐じょうゆう派は」であるとの見方みかたについては否定ひていした。

観察かんさつ処分しょぶん取消とりけし訴訟そしょう

ひかりの輪わ側がわは麻原あさはらの影響えいきょう下かには無ないと主張しゅちょうするものの、当初とうしょ、上祐じょうゆうは観察かんさつ処分しょぶん対象たいしょうとなった直後ちょくごの会見かいけんで「第三者だいさんしゃの厳きびしい見方みかたは必要ひつよう」と述のべ、公安調査庁こうあんちょうさちょうの立入検査たちいりけんさを受うけ入いれていた。しかし2015年ねん6月1日にち、ひかりの輪わは公安調査庁こうあんちょうさちょうの見解けんかいが事実じじつ誤認ごにんであるとして、同年どうねん1月がつ23日にちに更新こうしんされた観察かんさつ処分しょぶんの取とり消けしを求もとめる行政ぎょうせい訴訟そしょうを東京とうきょう地裁ちさいに提起ていきした。

2017年ねん9月25日にち、東京とうきょう地裁ちさいは「団体だんたいの基本きほん理念りねんで松本まつもと死刑しけい囚しゅうに対たいする絶対ぜったい的てきな帰依きえが否定ひていされ、少すくなくとも表面ひょうめん的てきにはアレフとは性格せいかくが相当そうとうに異ことなっている」「団体だんたいの設立せつりつ以降いこう、アレフと同おなじ施設しせつを利用りようしたといった証拠しょうこはなく、1つの組織そしき体たいと認みとめることはできない」として、観察かんさつ処分しょぶんを取とり消けす判決はんけつを下くだした。上祐じょうゆうは判決はんけつ後ごの会見かいけんで「公安調査庁こうあんちょうさちょうは、ひかりの輪わが『麻原あさはら隠かくし』をしていて、オウム真理教おうむしんりきょうと共通きょうつうの目的もくてきを持もっていると主張しゅちょうしていたが、具体ぐたい的てきな根拠こんきょがないことが認みとめられた。ほっとしている」「社会しゃかい的てき圧力あつりょくを受うけた結果けっか、団体だんたいの収益しゅうえきをもとに事件じけんの被害ひがい者しゃに賠償ばいしょうすることも抑圧よくあつされたので、公安調査庁こうあんちょうさちょうに対たいして損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめ、その一部いちぶを被害ひがい者しゃへの賠償ばいしょうに上積うわづみすることも検討けんとうしたい」と述のべた。国くに側がわはこれを不服ふふくとして控訴こうそした。

2019年ねん2月がつ28日にち、東京とうきょう高裁こうさいはひかりの輪わがAlephと別べつ団体だんたいであることは認みとめたものの、「オウム真理教おうむしんりきょうの修行しゅぎょう体系たいけいの最もっとも本質ほんしつ的てきな部分ぶぶんを継承けいしょうしている」として一いち審しん判決はんけつを取とり消けし、ひかりの輪わの請求せいきゅうを棄却ききゃくした。ひかりの輪わは直ただちに上告じょうこくしたが、2020年ねん3月11日にちに最高裁さいこうさいは上告じょうこくを棄却ききゃくし、2審しんの国くに逆転ぎゃくてん勝訴しょうその判決はんけつが確定かくていした（なお、この最高裁さいこうさいの確定かくてい判決はんけつは、2015年ねんの観察かんさつ処分しょぶん更新こうしんに対たいするものであって、その後ごの2018年ねん、2021年ねんの更新こうしんについては、下記かきの通とおり、別個べっこに取消とりけし訴訟そしょうが続つづいている）。

この間あいだ、2018年ねん1月がつ22日にちには公安こうあん審査しんさ委員いいん会かいが再ふたたび観察かんさつ処分しょぶん更新こうしんを決定けっていしており、ひかりの輪わはこの決定けっていについても取とり消けしを求もとめる訴訟そしょうを提起ていきしたが、東京とうきょう地裁ちさいは2020年ねん2月がつ27日にちにひかりの輪わの請求せいきゅうを棄却ききゃく、続つづいて東京とうきょう高裁こうさいも2021年ねん5月19日にちに控訴こうそを棄却ききゃくした。

その後ご、2021年ねん1月がつ6日にちの公安こうあん審査しんさ委員いいん会かいによる観察かんさつ処分しょぶん更新こうしん決定けっていに対たいしても、ひかりの輪わは取とり消けしを求もとめる訴訟そしょうを提起ていきし、2023年ねん時点じてんで係争けいそう中ちゅうである。2021年ねんの更新こうしん時じにおいては、すでに麻原あさはらの死刑しけいが執行しっこうされていた（2018年ねん7月がつ6日にち）にもかかわらず、観察かんさつ処分しょぶんを更新こうしんしなければならないような危険きけん性せいがあったかどうかが、新あらたな争点そうてんとされている。

公安調査庁こうあんちょうさちょうとは異ことなる国内外こくないがいの諸しょ見解けんかい

この訴訟そしょうの継続けいぞく中ちゅうの2022年ねん5月がつ20日はつか、アメリカ国務省こくむしょうは、1997年ねん以来いらい継続けいぞくしてきたオウム真理教おうむしんりきょうに対たいする「外国がいこくテロ組織そしき（FTO）」の指定していを解除かいじょした。その理由りゆうとして「もはやテロ活動かつどうに関与かんよしておらず、テロを遂行すいこうする能力のうりょくや意思いしもない」と述のべ、「日本にっぽんなどがテロの脅威きょういの排除はいじょに成功せいこうしたことを示しめすものだ」と説明せつめいしている。この指定してい解除かいじょの背景はいけいには、麻原あさはらの死刑しけい執行しっこうがあったのではないかとの観測かんそくもあることから、死刑しけい執行しっこう後ごの観察かんさつ処分しょぶんの必要ひつよう性せいの有無うむについて、アメリカ国務省こくむしょうと公安調査庁こうあんちょうさちょう・公安こうあん審査しんさ委員いいん会かいの見解けんかいの相違そういが生しょうじていることが注目ちゅうもくされている。

公安調査庁こうあんちょうさちょうの見解けんかいに対たいしては、日本にっぽん国内こくないの一部いちぶの識者しきしゃからも、疑問ぎもんを呈ていする声こえが出でている。元もと参院さんいん議員ぎいんでオウム問題もんだいに詳くわしいジャーナリストの有田ありた芳生よしおは、ひかりの輪わは弥勒菩薩みろくぼさつの仏画ぶつがを掲かかげているから麻原あさはらへの信仰しんこうをしているという公安調査庁こうあんちょうさちょうの主張しゅちょうに対たいして、「いささか飛躍ひやくに思おもえた」と述のべている。

フランス等とうの海外かいがいのカルト事情じじょうに詳くわしい国際こくさいジャーナリストは、「セクト(カルト)規制きせいが厳きびしいフランス共和きょうわ国こくの基準きじゅんに鑑かんがみれば、ひかりの輪わはセクト(カルト)の概念がいねん･構成こうせい要件ようけんからはかけ離はなれている」「ひかりの輪わの危険きけん性せいはきわめて低ひくい」と考察こうさつしている。

京都大きょうとだい学がく名誉めいよ教授きょうじゅの鎌田かまた東二ひがしに（宗教しゅうきょう学者がくしゃ）は、ひかりの輪わは麻原あさはらから離はなれていると見みたうえで、「私わたしは東京とうきょう地裁ちさいの（ひかりの輪わへの観察かんさつ処分しょぶんを取とり消けした2017年ねんの）判決はんけつを支持しじする。ひかりの輪わを観察かんさつ処分しょぶんが必要ひつような公共こうきょうの安全あんぜんに脅威きょういを与あたえる危険きけんな団体だんたいと見みなさない。」と述のべている。

宗教しゅうきょう学者がくしゃの大田おおた俊寛としひろ（宗教しゅうきょう学者がくしゃ）は、ひかりの輪わは、オウム真理教おうむしんりきょうの教義きょうぎ・活動かつどうの中なかで事件じけんの原因げんいんとなった危険きけんな要素ようそに対たいして十分じゅうぶんな対処たいしょをしており、その意味いみで危険きけんな団体だんたいではないとして、公安調査庁こうあんちょうさちょうの見解けんかいを否定ひていしている。

年譜ねんぷ

• 2007年ねん
  • 3月8日にち - アーレフから上祐じょうゆう前ぜん代表だいひょうはじめ62人にんが脱会だっかい（脱会だっかい届とどけ提出ていしゅつは前日ぜんじつ）。新しん団体だんたい準備じゅんびグループが立たち上あげた。
  • 5月7日にち - 「ひかりの輪わ」の正式せいしきな設立せつりつ。公安調査庁こうあんちょうさちょうへの報告ほうこく。
  • 5月9日にち - 設立せつりつ記者きしゃ会見かいけん。
  • 5月がつ10日とおか - 公安調査庁こうあんちょうさちょうによる初はつの一斉いっせい立入検査たちいりけんさ。団体だんたい規制きせい法ほうに基もとづくもの。麻原あさはら彰晃しょうこうや家族かぞくの肖像しょうぞう写真しゃしん、呪文じゅもんの音声おんせいファイルなどの「教材きょうざい」が発見はっけんされたが、団体だんたい側がわは廃棄はいき漏もれである（オウム真理教おうむしんりきょう時代じだいの建物たてものをそのまま使用しようしていたため）としており、以後いごの立入検査たちいりけんさでは発見はっけんされていない。また、透明とうめい性せいを強調きょうちょうする教団きょうだん方針ほうしんを掲かかげているにもかかわらず、幹部かんぶの一人ひとりがオウム真理教おうむしんりきょうとの関係かんけいを明あかさないまま一般いっぱん向むけのヨーガ教室きょうしつを開催かいさいしていたことについては、個人こじん的てきな事業じぎょうであると釈明しゃくめいした（なお、この幹部かんぶは2008年ねん夏なつに脱会だっかいしている）。
• 2009年ねん7月がつ6日にち - オウム被害ひがい者しゃ支援しえん機構きこうに対たいし、損害そんがい賠償ばいしょう債務さいむの支払しはらいを引ひき継つぐことで合意ごうい。
• 2010年ねん2月がつ - 設立せつりつ以来いらい初はつとなる出版しゅっぱん物ぶつの刊行かんこうに併あわせ、オウム時代じだいの反省はんせい・総括そうかつをまとめたサイトを設立せつりつ。
• 2011年ねん12月17日にち - 団体だんたいの活動かつどうを監査かんさするための外部がいぶ監査かんさ委員いいん会かいを設置せっち。委員いいん長ちょうの河野こうの義行よしゆき（松本まつもとサリン事件じけん被害ひがい者しゃ・元もと長野ながの県けん公安こうあん委員いいん）・大学だいがく教授きょうじゅ・伝統でんとう宗派しゅうはの宗教しゅうきょう団体だんたいの責任せきにん役員やくいん理事りじら3名めいが監査かんさ委員いいんとして就任しゅうにん。
• 2013年ねん12月 - 宗教しゅうきょう団体だんたいではなく哲学てつがく教室きょうしつに改革かいかくするために団体だんたい規約きやくを改定かいてい。その後ご2014年ねん10月がつまでに祭壇さいだん等とうを除去じょきょし、教室きょうしつ内部ないぶを報道ほうどう機関きかんに公開こうかい。
• 2014年ねん
  • 8月がつ6日にち - 旅行りょこう業ぎょう登録とうろくを行おこなわず無む許可きょかで聖地せいち巡礼じゅんれい名目めいもくでの長野ながの県内けんないの旅行りょこうツアーを行おこなっていたとして、警視庁けいしちょう公安こうあん部ぶに旅行りょこう業法ぎょうほう違反いはん容疑ようぎで家宅かたく捜索そうさくを受うけた。翌よく2015年ねん7月がつ29日にち、同どう容疑ようぎでひかりの輪わ副ふく代表だいひょうが書類しょるい送検そうけんされたが、2015年ねん8月がつ25日にち付づけで東京とうきょう地検ちけんは不ふ起訴きそ処分しょぶんとした。
  • 11月7日にち - 公安こうあん審査しんさ委員いいん会かいによる観察かんさつ処分しょぶん更新こうしん手続てつづきをめぐり公安調査庁こうあんちょうさちょうが提出ていしゅつした調査ちょうさ書しょに、構成こうせい員いんの発言はつげんを歪曲わいきょくした名誉めいよ毀損きそんがあったなどとして、国くにに国家こっか賠償ばいしょうなどを求もとめる訴うったえを東京とうきょう地裁ちさいに起おこした。不法ふほう行為こういが3件けんあるということで一いち件けんに1円えんずつで合計ごうけい3円えんを請求せいきゅうしている。
  • 11月27日にち - 外部がいぶ監査かんさ委員いいん会かいは、「3年間ねんかんの監査かんさの結果けっか、「ひかりの輪わ」には、観察かんさつ処分しょぶんの適用てきよう要件ようけんに該当がいとうする事実じじつは、何なんら認みとめられなかった。」という監査かんさ結果けっかを発表はっぴょう。
• 2015年ねん
  • 3月27日にち - 公安調査庁こうあんちょうさちょうの主任しゅにん調査官ちょうさかんがひかりの輪わへの公安調査庁こうあんちょうさちょうの立たち入いり検査けんさの日程にっていを東京とうきょう都と世田谷せたがや区くの教団きょうだん施設しせつに居住きょじゅうしていた20代だいの男性だんせい信者しんじゃ（脱会だっかい済ずみ）に漏洩ろうえいしたとして、ひかりの輪わの告発こくはつを受うけた東京とうきょう地検ちけん特捜とくそう部ぶは同どう調査官ちょうさかんを国家こっか公務員こうむいん法ほう（守秘しゅひ義務ぎむ）違反いはん罪ざいで略式りゃくしき起訴きそした。公安調査庁こうあんちょうさちょうは「信者しんじゃの信頼しんらいを得えて、より重要じゅうような情報じょうほうを得えようとした」と説明せつめい。主任しゅにん調査官ちょうさかんは男性だんせい信者しんじゃに対たいし、飲食いんしょく接待せったいしたり金品きんぴんを提供ていきょうしたりしていた。
  • 12月31日にち - 河野こうの義行よしゆきが外部がいぶ監査かんさ委員いいんを辞任じにんしたことを発表はっぴょう。
  • 12月20日にち - ひかりの輪わの南烏山みなみからすやま施設しせつなどが道路どうろ交通こうつう法ほう違反いはん（無む免許めんきょ運転うんてん）容疑ようぎで警視庁けいしちょう公安こうあん部ぶの家宅かたく捜索そうさくを受うけた。外部がいぶ監査かんさ委員いいんを務つとめる女性じょせいが、聖地せいち巡礼じゅんれいツアーのため会員かいいんを同乗どうじょうさせ無む免許めんきょ運転うんてんのまま山形やまがた県けんや長野ながの県けんを回まわったりしていたとみられている。同年どうねん12月27日にち、同どう委員いいんは事件じけんの責任せきにんをとって辞任じにんし、翌年よくねんの1月がつ25日にちに同どう違反いはんの容疑ようぎで書類しょるい送検そうけんされた。
• 2017年ねん9月25日にち - ひかりの輪わに対たいする公安こうあん審査しんさ委員いいん会かいによる観察かんさつ処分しょぶんを取とり消けす判決はんけつを東京とうきょう地裁ちさいが下くだす。
  • 11月27日にち - 外部がいぶ監査かんさ委員いいん会かいは、「3年間ねんかん（2014年ねん11月～2017年ねん11月）の監査かんさの結果けっか、「ひかりの輪わ」には、観察かんさつ処分しょぶんの適用てきよう要件ようけんに該当がいとうする事実じじつは、何なんら認みとめられなかった。」という監査かんさ結果けっかを発表はっぴょう。
• 2018年ねん
  • 1月がつ22日にち - 公安こうあん審査しんさ委員いいん会かい、ひかりの輪わに対たいする観察かんさつ処分しょぶんを更新こうしん。
  • 7月がつ6日にち - オウム真理教おうむしんりきょうの元もと教祖きょうそ・麻原あさはら彰晃しょうこうこと松本まつもと智さとし津つ夫おっと死刑しけい囚しゅうを含ふくめた7名めいのオウム真理教おうむしんりきょう・元もと幹部かんぶ死刑しけい囚しゅうの死刑しけいが執行しっこうされたことに際さいし、上祐じょうゆう史浩ふみひろ代表だいひょうが記者きしゃ会見かいけんを行おこなった。この中なかで上祐じょうゆう代表だいひょうは「オウム真理教おうむしんりきょうの犯罪はんざいについては当時とうじ、私わたしも教団きょうだんで重大じゅうだいな責任せきにんがあった。被害ひがい者しゃ家族かぞくに深ふかくお詫わびしたい」と述のべた。更さらにアレフの拡大かくだい防止ぼうしなど事件じけんの再発さいはつ防止ぼうしに努つとめると共ともに、被害ひがい者しゃに対たいする賠償ばいしょうに尽力じんりょくしたいとも述のべ、松本まつもと智さとし津つ夫おっと死刑しけい囚しゅうに対たいしては「かつてのような思おもいは無ない」とした。
• 2019年ねん2月がつ28日にち - ひかりの輪わに対たいする観察かんさつ処分しょぶんについて、東京とうきょう高裁こうさいは一いち審しん東京とうきょう地裁ちさいの判決はんけつを取とり消けし、観察かんさつ処分しょぶんを適法てきほうとする判決はんけつを下くだす。2020年ねん3月11日にちに最高裁さいこうさいがひかりの輪わの上告じょうこくを棄却ききゃくし、判決はんけつが確定かくてい。
• 2020年ねん2月がつ5日にち - 福岡ふくおか県けん福ぶく津つ市しの教団きょうだん施設しせつが公安調査庁こうあんちょうさちょうの立たち入いり検査けんさの際さいにパソコンを隠かくしたとして、団体だんたい規制きせい法ほう違反いはん（検査けんさ忌避きひ）の疑うたがいで福岡ふくおか県警けんけい公安こうあん一いち課かにひかりの輪わの役員やくいんが逮捕たいほされた。同どう役員やくいんは同年どうねん2月がつ21日にち、不ふ起訴きそ処分しょぶんとなり釈放しゃくほうされた。その後ご、同どう役員やくいんは役員やくいんを辞任じにんし、一般いっぱんの会員かいいんとなった。
  • 9月30日にち - 公安調査庁こうあんちょうさちょうに35年間ねんかん務つとめ、CIA（アメリカ中央ちゅうおう情報じょうほう局きょく）での研修けんしゅうを受うけた経歴けいれきもある元もと公安こうあん調査官ちょうさかんが、外部がいぶ監査かんさ委員いいんに就任しゅうにん以来いらい3年間ねんかんにわたって、計けい194回かいの団体だんたい行事ぎょうじに自みずから出席しゅっせきするなどして団体だんたいを監査かんさした結果けっか、団体だんたいには観察かんさつ処分しょぶん適用てきよう要件ようけんが存在そんざいしないとの見解けんかいを示しめした。
  • 12月16日にち - 外部がいぶ監査かんさ委員いいん会かいは、「3年間ねんかん（2017年ねん11月〜2020年ねん12月がつ）の監査かんさの結果けっか、「ひかりの輪わ」には、観察かんさつ処分しょぶんの適用てきよう要件ようけんに該当がいとうする事実じじつは、何なんら認みとめられなかった。」という監査かんさ結果けっかを発表はっぴょう。
• 2023年ねん3月13日にち - アレフが、オウム事件じけん被害ひがい者しゃへの賠償金ばいしょうきんの支払しはらいを逃のがれ、公安調査庁こうあんちょうさちょうへの報告ほうこくを履行りこうしなかったことから、寄付きふの受領じゅりょうと施設しせつの使用しようを禁止きんしする再発さいはつ防止ぼうし処分しょぶんに処しょされることが決定けっていされたことによって、被害ひがい者しゃ賠償ばいしょうの遅おくれが強つよく懸念けねんされる状況じょうきょうになったことを受うけ、ひかりの輪わは、被害ひがい者しゃ賠償ばいしょうの停滞ていたいを少すこしでも和やわらげるために、従来じゅうらいより賠償金ばいしょうきん支払しはらいを増額ぞうがくするため、あらゆる努力どりょくを尽つくしたいと表明ひょうめいし、賠償金ばいしょうきん支払しはらいを増額ぞうがくさせるようになった。

関連かんれん項目こうもく

• オウム真理教おうむしんりきょう
• オウム真理教おうむしんりきょう事件じけん
• 上祐じょうゆう史浩ふみひろ

外部がいぶリンク

• 公式こうしきサイト
• ひかりの輪わ広報こうほう (@hikarinowa_koho) - X（旧きゅうTwitter）
• オウム真理教おうむしんりきょうに対たいする反省はんせい・総括そうかつとネット上じょうでの公表こうひょう / オウム時代じだいの反省はんせい・総括そうかつ - 団体だんたいが運営うんえいするサイト。
• ひかりの輪わ外部がいぶ監査かんさ委員いいん会かい
• 平野ひらの悠ゆうの好奇心こうきしん・何なんでも聞きいてやろう「オウムって何なに？」前半ぜんはん（リンク切きれ） - 上祐じょうゆう代表だいひょう、広末ひろすえ晃敏あきとし副ふく代表だいひょう、野田のだ成人しげとや鈴木すずき邦男くにお（一水会いちすいかい顧問こもん）の対談たいだん（関連かんれん記事きじ）