女体山にょたいさん (さぬき市し)

女体山にょたいさん
	長尾ながお町まちから望のぞむ女体山にょたいさん
標高ひょうこう	774 m
所在地しょざいち	香川かがわ県けんさぬき市し・東ひがしかがわ市し
位置いち	北緯ほくい34度ど12分ふん10.16秒びょう東経とうけい134度ど12分ふん33.58秒びょう / 北緯ほくい34.2028222度ど東経とうけい134.2093278度ど
山系さんけい	讃岐山脈さぬきさんみゃく
	OpenStreetMap
	プロジェクト山やま
	テンプレートを表示ひょうじ

女体山にょたいさん（にょたいざん）は、香川かがわ県けんさぬき市しと東ひがしかがわ市しにまたがる、標高ひょうこう774mの讃岐山脈さぬきさんみゃくにそびえる山やまである。

＜さぬき市し造田そうだ地区ちくに伝つたわる女体山にょたいさんの話はなし＞

昔むかし、志度湾しどわんに玉取たまとり(海女あまの玉取たまとり伝説でんせつ)にきた藤原ふじわら房ぼう前まえ(中臣鎌足なかとみのかまたりの孫まご)にお伴ともをした女官にょかんがいた。この女官にょかんは房前ふさざきが都とへ帰かえった後のちも志度しどにとどまって、漁師りょうしについて海女あまの業ごうを習ならっていた。女官にょかんはあるとき一いち人にんの漁師りょうしに襲おそわれ、さらには病気びょうきになったことから嘆なげいて津田つだ地区ちくの雨滝あめだき山さんにこもったが、ここも浜はまから近ちかく、海うみの匂においがすることから、匂においを嫌きらって造田そうだ地区ちくの青木あおきに移うつり住すんだ。やがて女官にょかんは造田そうだの土民どみんと結婚けっこんしたが、女官にょかんの肌はだは普通ふつうの人ひとと違ちがっていたため人ひとから「女体にょたいさん」と呼よばれるようになったという。その後ご久ひさしくして男おとこの子こが生うまれた。この子こは成長せいちょうののちに励はげんでよく働はたらいたが、田畑たはたの水不足みずぶそくに悩なやまされることが度々たびたびあった。母はははこれをあわれんで「われ百ひゃく歳さいののち、水神すいじんとなって農家のうかに水利すいりの便びんを与あたえん」と願ねがいをかけた。母ははの死後しご、遺体いたいを青木あおきの山やまに葬ほうむって祠ほこらを建たてた。生前せいぜんの念願ねんがんのためか干かんばつの際さい、土民どみんが集あつまって「青木あおき女体にょたい」に雨あめを念ねんずると必かならず降ふったという。しかし、この青木あおき山さんでは不敬ふけいなことが多おおいため、後のちに長尾ちょうびの八幡やはた池ち(宇佐うさ八幡宮はちまんぐう-宮みや池ち)の東ひがしにある山頂さんちょうに女体にょたい神社じんじゃとして遷宮せんぐうしたが、この女体にょたい神社じんじゃに念ねんずる人ひとが多おおく、再ふたたび東ひがし讃さんきっての高峰こうほう、矢筈山やはずさんの東ひがしに移うつして祀まつるようになったという。(参考さんこう文献ぶんけん：改訂かいてい長尾ながお町まち史し-下巻げかん-p778)

以来いらいこの山やまを女体山にょたいさんと呼よぶようになった。

女体山にょたいさんには前述ぜんじゅつの青木あおき女体にょたい神社じんじゃと石田いしだ女体にょたい神社じんじゃの２社しゃがある。

女体山にょたいさんのふもと前山さきやま地区ちくの中津なかつ地域ちいきには女体にょたい神社じんじゃ第だい１の鳥居とりいがある。

登山とざんルート

南山みなみやま麓ふもとには四国しこく八はち十じゅう八はちケ所かしょ結願けちがんの大窪寺おおくぼじがあり、そこに至いたる歩あるき遍路へんろ道どうが頂上ちょうじょう（最高さいこう地点ちてん774m）を通過つうかしており、したがって登山とざん道どうは整備せいびされている。また、三角さんかく点てん（761.7m）のある展望てんぼう台だいは頂上ちょうじょうより東ひがしにずれている。マイカー利用りようだと、車道しゃどうが東西とうざいに山頂さんちょう近ちかくを通とおっているので、頂上ちょうじょうも三角さんかく点てんも簡単かんたんに行いくことができる。