巡査じゅんさ教習所きょうしゅうじょ

巡査じゅんさ教習所きょうしゅうじょ（じゅんさきょうしゅうじょ）は、戦前せんぜんの日本にっぽんの警視庁けいしちょうや府県警ふけんけい察部に設もうけられた巡査じゅんさ養成ようせい機関きかん。現在げんざいの都道府県とどうふけん警察けいさつ学校がっこうに相当そうとうする機関きかんである。

概要がいよう

1879年ねん（明治めいじ12年ねん）、内務省ないむしょう警視けいし局きょく（警保局きょくや警視庁けいしちょうの前身ぜんしん）が最初さいしょに巡査じゅんさ教習所きょうしゅうじょを設もうけた。ここでは警察けいさつ武道ぶどうの振興しんこうに力ちからを入いれており、数すう多おおくの剣客けんかくを教官きょうかん（世話せわ掛かけ）に採用さいようした。これら剣客けんかくの剣術けんじゅつが後のちに「警視けいし流りゅう」としてまとめられていった。

その後ご、滋賀しが県けんを始はじめ、各かく府県警ふけんけい察部に巡査じゅんさ教習所きょうしゅうじょが設もうけられた。1886年ねん（明治めいじ19年ねん）、内務省ないむしょうは各かく地方ちほう長官ちょうかんに対たいして「巡査じゅんさ教習きょうしゅう規則きそく標準ひょうじゅん」を発はっして、巡査じゅんさ教習所きょうしゅうじょの基準きじゅんを定さだめた。未み設置せっちの府県ふけんについても、巡査じゅんさ教習所きょうしゅうじょの設置せっちを義務付ぎむづけた。

時代じだいの進展しんてんに伴ともない、警察けいさつ事務じむも複雑ふくざつ化かして初任しょにん研修けんしゅうのみならず、刑事けいじなどの専務せんむ者しゃに対たいする専門せんもん研修けんしゅうも実施じっしするようになった。1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）には、「警察けいさつ練習れんしゅう所しょ」か「警察けいさつ教習所きょうしゅうじょ」の名称めいしょうを用もちいることが可能かのうとなったため、多おおくの府県警ふけんけい察部が改称かいしょうした。

1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん）の旧きゅう警察けいさつ法ほうの施行しこうに伴ともない、各かく都道府県とどうふけん国家こっか地方ちほう警察けいさつの警察けいさつ学校がっこうに改編かいへんされた。

巡査じゅんさへの教習きょうしゅうは巡査じゅんさ教習所きょうしゅうじょにおいて行おこなわれるのが原則げんそくであるが、実務じつむの教習きょうしゅうは警察けいさつ署しょにおいて先任せんにんの巡査じゅんさの部ぶ伍ごに加くわえられて行おこなうことができる。 教習きょうしゅうの期間きかんは4か月げつ以上いじょうであるが、特別とくべつの事由じゆうのあるときは3か月げつまでに短縮たんしゅくすることができ、警察官けいさつかんの経歴けいれきを有ゆうする者ものおよび学術がくじゅつの素養そようのある者ものにたいしてはさらにその期間きかんを短縮たんしゅくし、または教習きょうしゅうの全部ぜんぶもしくは一部いちぶを省略しょうりゃくすることができる。 教習きょうしゅうの成績せいせきは教習きょうしゅう期間きかんの終末しゅうまつにおいて試験しけんする。 教習きょうしゅう期間きかん中ちゅう、欠席けっせきが30日にち以上いじょうに及およぶとき、または教習きょうしゅうの成績せいせきの試験しけんに合格ごうかくしないときはさらに相当そうとう教習きょうしゅうを経へなければ実務じつむに服ふくさせることはできない。 教習きょうしゅうを終おえた巡査じゅんさはさらに6か月げつ以上いじょう、警察けいさつ署しょ詰つめ勤務きんむに服ふくさせ、もっぱら教養きょうようを施ほどこす（巡査じゅんさ教習きょうしゅう概がい則そく）。

参考さんこう文献ぶんけん

• 大だい霞かすみ会かい編へん『内務省ないむしょう史し 第だい2巻かん』原はら書房しょぼう、1971年ねん

関連かんれん項目こうもく

• 警視庁けいしちょう