建水けんすい

豊楽ほうらく焼しょう南蛮なんばん写うつしの建水けんすい

建水けんすい（けんすい）とは、茶道具ちゃどうぐの一ひとつで、茶碗ちゃわんを清きよめたり温あたためたりしたときに使つかった湯ゆや水みずを捨すてるために使つかうもの。「こぼし」とも言いう。材質ざいしつは陶器とうき、磁器じき、曲きょく物ぶつ（木地きじ物ぶつ）、唐から銅どうや砂すな張ちょう（さはり）（金属きんぞく器き）、近年きんねんはアクリル製せいなど軽かるくて丈夫じょうぶな物ものも使用しようすることもある。形状けいじょうは筒つつ型がたや桶おけ型がた、壺つぼ型がた、碗わん型がたなど、湯ゆを捨すてやすいように口くちは大おおきく開ひらいている物ものがほとんどである。

茶道さどう（抹茶まっちゃ）の場合ばあい

茶道さどうにおける基本きほん的てきな使つかい方かたは以下いかの通とおりである。流派りゅうはや手前てまえの仕方しかたによって順序じゅんじょには変動へんどうがある。

1. 席入せきいり（茶室ちゃしつへの入場にゅうじょう）の最後さいごに、中なかに蓋ぶた置おけ、口くちに柄杓ひしゃくをかけ、左手ひだりてで口くちを持もって入はいり、手前てまえ座ざに着つく
2. 一端いっぱし左手ひだりてに柄杓ひしゃくを持もち、右手みぎてで中なかから蓋ぶた置おけを取とり出だし所定しょていの位置いちに置おく
3. 茶筅ちゃせん通どおしで茶碗ちゃわんを清きよめるときに使用しようしたお湯ゆを捨すてる
4. お手前てまえが終おわると、最初さいしょに左手ひだりてに持もって退座たいざする。

煎茶せんちゃ道どうの場合ばあい

煎茶せんちゃ道どうでは「湯ゆこぼし」とも言いわれる。材質ざいしつは金属きんぞく器きが多おおい。形状けいじょうは筒つつ型がたの物ものが多おおい。

抹茶まっちゃ用ようの物ものとの相違そうい点てんとしては、口くちの部分ぶぶんに蓋ぶたのような水切みずきりが付ついていることが多おおい点てんが挙あげられる。ただし流派りゅうはによっては、抹茶まっちゃ（茶道さどう）用ようの建水けんすいをそのまま使用しようする流派りゅうはもある。