截拳どう

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截拳どう
ジークンドー
別名べつめい 截拳どう, Jeet Kune Do, ジークンドー
使用しよう武器ぶき
創始そうししゃ はん
源流げんりゅう えいはるけん基本きほんとしたはん功夫いさお
また、フェンシングボクシングキックボクシングサバット柔道じゅうどう空手からてどう合気道あいきどうレスリングなど、様々さまざま武道ぶどう武術ぶじゅつ格闘技かくとうぎ参考さんこうにしている。
主要しゅよう技術ぎじゅつ とっきや金的きんてきとうによる急所きゅうしょ攻撃こうげき打撃だげき
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截拳どう(ジークンドー、中国ちゅうごく: 截拳どう粤拼: Zit6 Kyun4 Dou6)は、武道ぶどうブルース・リー開発かいはつした武術ぶじゅつ哲学てつがく武術ぶじゅつのみならず、人間にんげんとしてのかたあらわ思想しそうである。英語えいごではJeet Kune Do、Jeet kwun daoとく(広東かんとん発音はつおん英語えいごてた表記ひょうき)。リー自身じしん使つかったように、頭文字かしらもじをとってJKDとばれることもある。

概要がいよう[編集へんしゅう]

1960年代ねんだいブルース・リーは、アメリカえいはるけん基本きほんとしたはん功夫いさお(ブルース・リーしきグンフー)をおしえていたが、ロサンゼルスうつってからさらに実戦じっせんてき武術ぶじゅつ模索もさくして研鑽けんさん実践じっせんかさねていき、1966ねんにその名称めいしょうを截拳どうとした[1][2]。「相手あいてこぶし攻撃こうげき)を截(たつ、ふせぐ、さえぎる)みち方法ほうほう、ダオ)」という意味いみであるが、これは「てきたおす」という武術ぶじゅつとしての側面そくめんあらわすとともに「きていくうえ直面ちょくめんする障害しょうがいえる方策ほうさく智恵ちえ」をしめしたものでもある。リーは東洋とうよう哲学てつがくとく古代こだいぜん仏教ぶっきょうろうそう思想しそうたか評価ひょうかしており、かれのルールにしばられないファイティングスタイルも、そうした自由じゆう思想しそう多大ただい影響えいきょうけているとおもわれる。そうしたかんがえからリー自身じしんは、みずからの格闘かくとうじゅつに截拳どうという名称めいしょうあたえ、カテゴライズすることにはすくなからず抵抗ていこうかんじていたようである。

ブルース・リーの截拳どう創始そうしまでの年表ねんぴょう[編集へんしゅう]

えいはるけん様々さまざま中国ちゅうごく武術ぶじゅつ習得しゅうとく[編集へんしゅう]

  • 1947ねん - 父親ちちおやほどきで太極拳たいきょくけんまなぶが、長続ながつづきしなかった[2]
  • 1953ねん - 功夫いさおならっている相手あいて喧嘩けんかけたことが原因げんいんで、えいはるけん使つかであるとい道場どうじょう入門にゅうもんえいはるけんといのもとで3年間ねんかん修業しゅうぎょうするが、不良ふりょう少年しょうねんであったリーは問題もんだいこし破門はもんとなってしまう。そのとい兄弟子あにでしのもとで個人こじんてきに2年間ねんかん修業しゅうぎょうする。このことにより、えいはるけん一部いちぶ技術ぎじゅつまなぶことが出来できなかった[1]
  • 1958ねん - 高校こうこうボクシング大会たいかい出場しゅつじょうし、3ねん連続れんぞくチャンピオンのイギリスじんえいはるけん技術ぎじゅつだけで1ラウンドKOする[1][2]
  • 1959ねん - しらげたけ体育たいいくかい香港ほんこん分会ぶんかいにおいて4週間しゅうかん中国ちゅうごくきたこぶしじゅつおよ中国ちゅうごくみなみこぶしじゅつ基本きほんこう功力くりきけんふしけんなどのかたまなぶ。同年どうねん実戦じっせん試合しあい喧嘩けんか)でえいはるのライバル・蔡李ふつ挑戦ちょうせん相手あいてだい怪我けがわせ、警察けいさつ沙汰ざたとなってしまったリーは渡米とべいすることになる。サンフランシスコ到着とうちゃくしばらくしてシアトル移住いじゅうエジソン・テクニカル・スクール入学にゅうがくし、クラスメートにえいはるけん指導しどうする[1][2]

はん功夫いさお(ジュンファン・グンフー)創始そうし[編集へんしゅう]

  • 1961ねん - ワシントン大学だいがく[よう曖昧あいまい回避かいひ]入学にゅうがく大学だいがくでは哲学てつがく専攻せんこうし、自身じしん武術ぶじゅつ哲学てつがくてき要素ようそれていく。同年どうねん(1962ねんというせつもあり)、日本人にっぽんじん空手からてくろたい)より挑戦ちょうせんけ、Y.M.C.Aシアトルのジムにて実戦じっせん試合しあいをし、わずか11びょうでKOした[2]
  • 1962ねん - ターキー木村きむらすすめで、道場どうじょうであるはんこくじゅつかん開設かいせつえいはるけん基本きほんとし、武術ぶじゅつ格闘技かくとうぎ武術ぶじゅつ格闘技かくとうぎ狭義きょうぎではちがう)の技術ぎじゅつれたはん功夫いさお指導しどうする[1][2]
  • 1964ねん - シアトルの道場どうじょうはターキー木村きむらまかせ、移住いじゅうさきオークランド開設かいせつしただい2のはんこくじゅつかんはん功夫いさお指導しどうする。同年どうねんなつ、ケンポー・カラテの師範しはんエド・パーカーにより、ロングビーチ国際こくさい空手からて選手権せんしゅけん大会たいかい招待しょうたいされる。ターキー木村きむらとも参加さんかし、ワンインチパンチはん功夫いさおのデモンストレーションをおこなった。同年どうねんあき道場破どうじょうやぶりに中国人ちゅうごくじん拳法けんぽうウォン・ジャックマン太極拳たいきょくけんかたちけんきたしょうはやしけん)とのたたかいにやく3ふん勝利しょうりしたが、相手あいてたおすのに長時間ちょうじかんかかってしまったことを反省はんせいし、「実戦じっせんは6びょう以内いないわらせる」という思想しそうもとづき、はん功夫いさお洗練せんれんさせるべく、研究けんきゅう実践じっせんむ。截拳どう創始そうししていく契機けいきとなった[1][2]
  • 1965ねん - 截拳どう名称めいしょう)の基本きほん構想こうそう出来上できあがる[2]

截拳どう創始そうし[編集へんしゅう]

  • 1966ねん - テレビ番組ばんぐみグリーン・ホーネット』に出演しゅつえんのため、オークランドの道場どうじょうジェームズ・リーまかせ、ロサンゼルス移住いじゅうする[1][2]。このころダン・イノサントとの会話かいわから「截拳どう」という名称めいしょう誕生たんじょうする(実際じっさい名称めいしょう書面しょめんとう使用しようはじめたのは1967ねんごろ[1][2]
  • 1967ねん - ロサンゼルスにだい3のはんこくじゅつかん開設かいせつする。オープンフィンガーグローブ、キックミット、キックシールドとう練習れんしゅう用具ようぐ考案こうあん開発かいはつし、練習れんしゅうれていく[2]。また、ミト・ウエハラテッド・ウォン、ダン・リー、ジェリー・ポティート、ハーブ・ジャクソン、ボブ・ブレマー、ピーター・チンなどの弟子でしたちをスパーリングパートナーとして截拳どうのさらなる進化しんかつとめる。のちにミト・ウエハラは「わたしつかてると、テッド・ウォンをぶ。わたしたちがおとげるまでけっしてやめなかった。ウォンとわたし降参こうさんするのをたのしんでいたんです」と回想かいそうしており、生徒せいとたちにわせると、かれらは「ブルースのりをける人形にんぎょう」だったとのこと。同年どうねん、截拳どうがアメリカの格闘技かくとうぎ雑誌ざっしであるブラック・ベルト紹介しょうかいされ、マスコミはつ登場とうじょうとなる[2]以後いごはん功夫いさおから昇華しょうかした截拳どうは、シンプル・ダイレクト・ノンクラシカルを主眼しゅがんとし、ブルース・リーの名声めいせいとともに格闘かくとう武術ぶじゅつのみならず世界中せかいじゅう人々ひとびとから注目ちゅうもくびる。
  • 1968ねん - ふたたびロングビーチ国際こくさい空手からて選手権せんしゅけん大会たいかいにダン・イノサントととも参加さんかし、截拳どうのデモンストレーションをおこなう。当時とうじとしては非常ひじょうめずらしい防具ぼうぐやオープンフィンガーグローブをつけてのフルコンタクトスパーリングを披露ひろうした。
  • 1969ねん - 道場どうじょうでの多人数たにんずうへの指導しどう熱意ねついくしはじめたリーは、ロサンゼルスの道場どうじょうをダン・イノサントにまかせ、しょう人数にんずうせいのプライベート指導しどう形式けいしき弟子でしには、テッド・ウォンのほか、スティーブ・マックイーンジェームズ・コバーンなどのハリウッド俳優はいゆうカリーム・アブドゥル・ジャバージョー・ルイスなどのスポーツ選手せんしゅ/格闘かくとうもいた。)に移行いこうしていく。同年どうねんはん功夫いさおおよび截拳どうのランキングシステム(昇段しょうだんシステム)も廃止はいしする[1]。このころえいはるけんふく中国ちゅうごくしき伝統でんとう武術ぶじゅつへの信頼しんらいしつくしたことをとい愛弟子まなでしであり友人ゆうじんウィリアム・チュン手紙てがみけている一方いっぽうで、えいはるけんがなければいまわたしはいないとターキー木村きむら手紙てがみつたえている。
  • 1970ねん - シアトル・オークランド・ロサンゼルスの3ヶ所かしょはんこくじゅつかんすべ閉鎖へいさする。理由りゆうは、生徒せいとたちが截拳どうにはなに特別とくべつ技法ぎほうり、それをまなびたいと幻想げんそうしていたことによるものだが、ブルース・リーともと夫人ふじんリンダの言葉ことばりれば、截拳どうとは、限定げんていてきなメソッドでもなければ、固定こていされたスタイルでもなく、たるまぬ自己じこ研磨けんまによって成長せいちょう進化しんかつづけるみち、そのプロセスそのものとえる。[1]
  • 1971ねん - ジョー・ルイスの空手からて大会たいかいでのKO勝利しょうり貢献こうけんしたとして、TRAINER-COACH OF THE YEARにブルース・リーが選出せんしゅつされる。同年どうねん映画えいが出演しゅつえんおよ制作せいさくのため、香港ほんこん移住いじゅうする。移住いじゅうはワークアウトパートナーしの一人ひとり研鑽けんさんとなる[1]
  • 1973ねん - ブルース・リー急逝きゅうせい。リーは生前せいぜん、ジークンドーは便宜上べんぎじょうぎず、弟子でしたちはそれぞれのみちあゆ必要ひつようがあり、ジークンドーとはこういうわざだとかスタイルだとかものあらわれたらジークンドーの名前なまえってしまえと主張しゅちょうしており、ジークンドーの名称めいしょうおよ商号しょうごう使用しようけん法定ほうてい相続そうぞくじんであるむすめのシャノン・リーは著書ちょしょともよ、みずになれ」で「これ(ジークンドー)を体系たいけい(システム)や流派りゅうは(スタイル)とぶのをけようとした。こうした言葉ことばひとひととをはなし、ひと芸術げいじゅつせい限定げんていしがちだからです。ジークンドーという名称めいしょうにとらわれ、なにがジークンドーでなにがジークンドーでないかを議論ぎろんするくらいなら、そんな名称めいしょうえてしまったほうがいい、とまでちちいました。」としるしている。生前せいぜん最後さいご撮影さつえいとなったえよドラゴン冒頭ぼうとうシーンでは、現在げんざい総合そうごう格闘技かくとうぎ原型げんけいえるとうごくりのフルコンタクトスパーリングを披露ひろうしており、このシーンで使用しようされているオープンフィンガーグローブは、ダン・イノサント共同きょうどう開発かいはつしたものである。

系統けいとう[編集へんしゅう]

截拳どうはブルース・リーがくなるまで開発かいはつ途上とじょうであったため、おおきく以下いか系統けいとうかれている。

ダン・イノサント系統けいとう[編集へんしゅう]

ダン・イノサントが継承けいしょうした系統けいとう。 シンプル・ダイレクト・ノンクラシカルを基本きほん概念がいねんとし、確実かくじつせいきわまる様々さまざま状況じょうきょう想定そうていして截拳どうを「究極きゅうきょく真実しんじつ」と定義ていぎするにいたったリー自身じしんの「Be Formless, Shapeless, Like Water」「When one has reached maturity in the art, one will have a formless form」「Walk On」などの言葉ことばあらわされる思想しそう精神せいしんと截拳どうの「以無ほうためゆうほう 以無げんため有限ゆうげん」の武道ぶどう哲学てつがく踏襲とうしゅうし、ながれるみずごとく、まることく、みずからを進化しんかさせ、究極きゅうきょくてきにはがたかたちほうほうへと昇華しょうかさせるかぎみちあゆつづけるという真義しんぎもとはん功夫いさおふくむ截拳どう以外いがいにもカリ、シラット、USAおさむ稽古けいこし、あらゆる武術ぶじゅつ格闘技かくとうぎ研究けんきゅう対策たいさくしていたリー同様どうよう実戦じっせんせい重視じゅうしして様々さまざま局面きょくめん対応たいおうすべく実践じっせんかさねている。

テッド・ウォン系統けいとう[編集へんしゅう]

テッド・ウォンが継承けいしょうした系統けいとうフェンシングボクシング科学かがくてき原理げんり抽出ちゅうしゅつしたリードパンチ「ストレートリード」をかくとして、フットワークを多用たようしたリードがわでの攻撃こうげきだい部分ぶぶんめる。はん功夫いさおころにあった接触せっしょくほう技術ぎじゅつはずされている。晩年ばんねん、ブルース・リーはフェンシングではアルド・ナディ、ボクシングではジム・ドリスコルジャック・デンプシー、エドウィン・ヘイスレットからおおくの影響えいきょうけている。

関連かんれん人物じんぶつ[編集へんしゅう]

以下いかとき系列けいれつじゅん紹介しょうかいする。

  • ターキー木村きむら:ブルース・リーのシアトル時代じだい直弟子じきでしであり親友しんゆう日系にっけいアメリカじん。ブルース・リーに道場どうじょう開設かいせつのきっかけをつくった。はん功夫いさおのインストラクター免状めんじょうあたえられ、シアトルのはんこくじゅつかんまかされた。ブルース・リー他界たかいはん功夫いさお継承けいしょうしゃとして、しょう人数にんずうにのみブルース・リーからのおしえをつたえていた。2021ねん他界たかい
  • ジェームズ・リー:ブルース・リーのオークランド時代じだい直弟子じきでしはん功夫いさおのインストラクター免状めんじょうあたえられ、オークランドのはんこくじゅつかんまかされた。はん功夫いさお継承けいしょうしゃ。1972ねん他界たかい
  • ダン・イノサント:ブルース・リーのロサンゼルス時代じだい直弟子じきでし弟子でしなかでは唯一ゆいいつ種類しゅるい免状めんじょうはん功夫いさおはんけんどう、截拳どうすべて3ランク(指導しどういんレベル)を授与じゅよされる。ブルース・リー認定にんてい截拳どうランクの最高さいこうランク保持ほじしゃ。ロサンゼルスのはんこくじゅつかんまかされた。ブルース・リー他界たかいは、現在げんざいいたるまでイノサントアカデミー代表だいひょうつとめている。
  • リチャード・バステロ:ブルース・リーのロサンゼルス時代じだい直弟子じきでし。ブルース・リー他界たかいはん功夫いさお継承けいしょうしゃとして、IMBアカデミー代表だいひょうつとめた。2017ねん他界たかい
  • テッド・ウォン:ブルース・リーのロサンゼルス〜香港ほんこん時代じだい直弟子じきでし。インストラクター免状めんじょうあたえられていないが、1967~1973ねんまで(1970ねん後半こうはんはブルース・リーが怪我けがのため中断ちゅうだん。1971ねんなか以降いこうはブルース・リーが香港ほんこん移住いじゅうのためアメリカに帰国きこくしたときのみ)個人こじんレッスンをけ、スパーリングパートナーでもあった。リー他界たかいは15ねんかけて技術ぎじゅつ鍛錬たんれんしたのちに、その伝承でんしょうつとめた。2010ねん他界たかい

出典しゅってん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

  • ブルース・リー財団ざいだん本部ほんぶ ブルース・リーのむすめであるシャノン・リーが代表だいひょうつとめ、ブルース・リーの遺産いさんであるジークンドーにかんするただしい情報じょうほう発信はっしんすることに尽力じんりょくしている。

日本にっぽん国内こくない正統せいとう継承けいしょう団体だんたい以下いかとおり。

  • IUMA日本にっぽんはんこくじゅつかん 中村なかむらよりゆきひさし代表だいひょうつとめるブルース・リー財団ざいだん公認こうにんの截拳どう正統せいとう継承けいしょう団体だんたいであり、ブルース・リー財団ざいだん正式せいしき日本にっぽん支部しぶねる。ダン・イノサントが継承けいしょうした截拳どうはん功夫いさお、カリ、シラット、ならびにUSAおさむ佐山さやまさとしりゅうシューティング)を伝承でんしょうしている。中村なかむらはブルース・リー財団ざいだん本部ほんぶ理事りじ、ジュンファン・ジークンドー諮問しもん委員いいんかい名誉めいよ理事りじ、ブルース・リー財団ざいだん正式せいしき日本にっぽん支部しぶ最高さいこう顧問こもん、USAおさむ代表だいひょう兼任けんにんする截拳どう世界せかいてき指導しどうしゃである。
  • ミタチ・アカデミー たてとおる代表だいひょうつとめる団体だんたいであり、IMBアカデミー日本にっぽん支部しぶねる。リチャード・バステロが継承けいしょうした截拳どうまなぶことができる。
  • 截拳どう練習れんしゅうかんタイニードラゴン 松岡まつおかユタカ代表だいひょうつとめる截拳どう正統せいとう継承けいしょうする団体だんたい。テッド・ウォンが継承けいしょうした截拳どうまなぶことができる。