(Translated by https://www.hiragana.jp/)
銃剣術 - Wikipedia コンテンツにスキップ

銃剣じゅうけんじゅつ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
銃剣じゅうけんじゅつ
じゅうけんじゅつ
木銃を使って銃剣術を練習するアメリカ海兵隊員。左の人物は、右の人物の攻撃をひたすら受け流すだけなので、ヘルメットも着用している
じゅう使つかって銃剣じゅうけんじゅつ練習れんしゅうするアメリカ海兵かいへいたいいんひだり人物じんぶつは、みぎ人物じんぶつ攻撃こうげきをひたすらながすだけなので、ヘルメット着用ちゃくようしている
使用しよう武器ぶき 着剣ちゃっけん小銃しょうじゅう
主要しゅよう技術ぎじゅつ とげ突、斬撃ざんげき打撃だげき
テンプレートを表示ひょうじ
着剣ちゃっけんした小銃しょうじゅう銃剣じゅうけんじゅつ練習れんしゅうするアメリカ海兵かいへい隊員たいいん銃剣じゅうけん実物じつぶつOKC-3Sであるのにたいし、小銃しょうじゅうにはラバーダック訓練くんれんよう模擬もぎじゅう)をもちいている。

銃剣じゅうけんじゅつ(じゅうけんじゅつ)は、白兵戦はくへいせん近接きんせつ戦闘せんとうにおいて、先端せんたん銃剣じゅうけん装着そうちゃく着剣ちゃっけん)した小銃しょうじゅう武器ぶきにしててき殺傷さっしょうする武術ぶじゅつである。

概要がいよう

[編集へんしゅう]

銃剣じゅうけんじゅつわざは、とげ突(き)、斬撃ざんげきりつけ)、小銃しょうじゅう銃床じゅうしょう(ストック、台尻だいじり部分ぶぶん利用りようした打撃だげき基本きほんであるが、弾倉だんそう部分ぶぶんじゅう全体ぜんたいでの打撃だげきてき銃剣じゅうけん攻撃こうげきをかわしたりてきかまえをくず方法ほうほうてきけんとげ突した直後ちょくご発砲はっぽう反動はんどう利用りようしてくなどの技術ぎじゅつもある。銃剣じゅうけんでのとげ突時、銃身じゅうしん極力きょくりょくストレスくわえないよう、正確せいかくにまっすぐとげ突して、よりさき相手あいて肉体にくたい貫通かんつうするようじゅうふん荷重かじゅうをかけることをもとめられる。ただし、相手あいていたのちは、銃身じゅうしん多少たしょうがる場合ばあいがあり、それによりじゅう狙撃そげき能力のうりょくちることがある。

銃剣じゅうけん一見いっけん万能ばんのうえるが、銃剣じゅうけんけた状態じょうたいでの射撃しゃげきはバランスの変化へんか銃身じゅうしんのたわみ、また、銃口じゅうこうから発射はっしゃやく燃焼ねんしょうガスが銃剣じゅうけん反射はんしゃして弾丸だんがん均等きんとう圧力あつりょくあたえるなど、着剣ちゃっけんしていない状態じょうたいくらべて命中めいちゅうりつ低下ていかするおそれがある。銃剣じゅうけん自体じたいも、発射はっしゃやく燃焼ねんしょうガスやえカスによって悪影響あくえいきょうる。

軍隊ぐんたい戦闘せんとう技術ぎじゅつであるので実戦じっせんでのルールはいが、訓練くんれんには安全あんぜんせい確保かくほのため一定いっていのルールがもうけられ、使用しよう可能かのうわざ勝利しょうり条件じょうけんきびしく制限せいげんされる。

日本にっぽんでの銃剣じゅうけんじゅつは、日本にっぽん武術ぶじゅつ槍術そうじゅつをもととするわざなどに独自どくじせいのある日本にっぽんしき銃剣じゅうけんじゅつとされ、剣術けんじゅつ教範きょうはん改正かいせいされている。この日本にっぽんぐん銃剣じゅうけんじゅつもとに、戦後せんご武道ぶどうとして競技きょうぎしたものに銃剣じゅうけんどうがある。

日本にっぽんぐん銃剣じゅうけんじゅつについては、銃剣じゅうけんどう#歴史れきし参照さんしょう

歴史れきし現状げんじょう

[編集へんしゅう]
20世紀せいき初頭しょとう銃剣じゅうけん格闘かくとう訓練くんれん様子ようす日本にっぽん陸軍りくぐんさんじゅうねんしき歩兵ほへいじゅう、1903ねんごろ

かつて小銃しょうじゅう装弾そうだんすうすくなかった時代じだいは、銃剣じゅうけんじゅつ重要じゅうよう白兵戦はくへいせん技術ぎじゅつだった。また、じゅうはいつでもてるものではなく、たまれや火薬かやく湿気しける、たままり、不発ふはつ暴発ぼうはつ、あるいはじゅう自体じたいこわれたり、整備せいび不良ふりょう視界しかいわる状況じょうきょうとなることもある。そのような状況じょうきょうでも着剣ちゃっけんしていれば相手あいてたいして威嚇いかく効果こうか期待きたいされた。しかし、ぐん火力かりょく増大ぞうだいしただいいち世界せかい大戦たいせんにおいては、死傷ししょうしゃのうち銃剣じゅうけんによる割合わりあいは1パーセントにたなかったとわれる。

だい世界せかい大戦たいせんでは、もっと簡易かんい武器ぶきあつか技術ぎじゅつとして敗戦はいせんしょくくなったくにひろおしえられた。イギリスではバトル・オブ・ブリテン時期じきてつパイプ先端せんたん銃剣じゅうけん溶接ようせつした簡易かんいやりつくられ、これを支給しきゅうされた市民しみん銃剣じゅうけんじゅつ訓練くんれんけた。このやりながさは当時とうじイギリスぐん正式せいしき小銃しょうじゅうおなじで、既存きそん銃剣じゅうけんじゅつ訓練くんれんあつかえるようにつくられていた。だい大戦たいせん末期まっき日本にっぽんおこなわれた竹槍たけやり訓練くんれんは、槍術そうじゅつではなく日本にっぽんしき銃剣じゅうけんじゅつ応用おうようしておこなわれた。

だい大戦たいせん以降いこうは、ハイテクや銃器じゅうき兵器へいき進歩しんぽによって、儀仗ぎじょう体力たいりょくねりなり以外いがいでの使用しよう頻度ひんどがよりすくなくなり、現在げんざいでは野戦やせんにおいて塹壕ざんごううちのこったてきやぶかくれたてき掃討そうとうする場合ばあいたおれたてきへい死亡しぼう確認かくにんのため場合ばあいや、占領せんりょう警備けいび捕虜ほりょ護送ごそうなどで相手あいてにプレッシャーをあたえるために銃剣じゅうけん装着そうちゃくして警備けいびたる場合ばあいなど、限定げんていされた局面きょくめんのみでしかもちいられなくなった。冷戦れいせんに、フィリピン武術ぶじゅつカリ」につたわる棒術ぼうじゅつわざをもとにした銃剣じゅうけんじゅつあらたに制定せいていしたアメリカ海兵かいへいたいのように、銃剣じゅうけんじゅつ重視じゅうししている軍事ぐんじ組織そしきもあるが、おおくの軍事ぐんじ組織そしきでは銃剣じゅうけんじゅつ訓練くんれん時間じかん大幅おおはば減少げんしょうした。

冷戦れいせん終結しゅうけつ世界せかいでは、かく戦争せんそう国家こっかそう力戦りきせん脅威きょういったものの、皮肉ひにくにも冷戦れいせん構造こうぞうによって抑制よくせいされていた宗教しゅうきょう民族みんぞくあい他者たしゃへのにくしみとなってはなたれ、テロゲリラなどのてい強度きょうど紛争ふんそうというあらたな脅威きょうい世界せかい安全あんぜん保障ほしょうおびやかすようになり、近接きんせつ戦闘せんとう技術ぎじゅつりょく強化きょうかもとめられるようになった。しかし、銃剣じゅうけんじゅつについては重要じゅうようせいはあまりたかまっていない。アメリカ陸軍りくぐん銃剣じゅうけんじゅつ訓練くんれん廃止はいしし、わりに銃剣じゅうけんって格闘かくとうする訓練くんれん開始かいしした[1]ことは、そのいちれいである。これは、屋内おくない突入とつにゅう着剣ちゃっけんしていると銃剣じゅうけん邪魔じゃまになるため近接きんせつ戦闘せんとう生起せいきしやすい市街しがいせんでは銃剣じゅうけんにぎって使用しようするほうが有利ゆうり近接きんせつ戦闘せんとう生起せいきしやすい屋内おくない船舶せんぱくうちなどでは銃剣じゅうけんもちいるスペースが場合ばあいおおいこと、室内しつないせんでは着剣ちゃっけん機構きこういため銃剣じゅうけん着剣ちゃっけんできないたん機関きかんじゅう(サブマシンガン)が使用しようされることもおおいこと、などによる。

ただし、近接きんせつ戦闘せんとう重視じゅうしされない傾向けいこうがあるとはいえ、野戦やせん小銃しょうじゅう動作どうさ不良ふりょう(ジャム)や弾倉だんそう交換こうかん必要ひつよう発生はっせいすることは兵士へいしにとっておおきな不安ふあんであるため、後述こうじゅつのように装備そうび銃剣じゅうけん戦闘せんとう不向ふむきになりつつある傾向けいこうにもかかわらず、着剣ちゃっけん機構きこう軍用ぐんよう小銃しょうじゅうから完全かんぜん撤廃てっぱいするうごきは存在そんざいしない。

M16などのプラスチックせい銃床じゅうしょうは、せい銃床じゅうしょうことなり打撃だげき攻撃こうげき必要ひつよう強度きょうどゆうしていなかったが、現在げんざいでは強度きょうど改善かいぜん実施じっしされている。また、近年きんねん登場とうじょうしたブルパップ方式ほうしき小銃しょうじゅう従来じゅうらいがた小銃しょうじゅうくらべて、リーチがみじかい、弾倉だんそう銃床じゅうしょう付属ふぞくするため弾倉だんそうもちいた打撃だげき攻撃こうげきができない、銃床じゅうしょうにくびれがなくつかみにくい、じゅう全体ぜんたい重心じゅうしん銃床じゅうしょうりであるためりつけのさいモーメントはたらかないなどの銃剣じゅうけん格闘かくとうじょう不利ふりがある。

大韓民国だいかんみんこく陸軍りくぐんでは、2011ねんから銃剣じゅうけんじゅつ教育きょういく必要ひつようせいかく師団しだんちょう判断はんだんゆだねることとし、2019ねんには、新兵しんぺい教育きょういく訓練くんれん課程かていから銃剣じゅうけんじゅつ科目かもく除外じょがいすることを正式せいしき決定けっていした。今後こんご銃剣じゅうけんじゅつ突撃とつげき訓練くんれんなど戦闘せんとう教育きょういく一部いちぶとしてあつかうようになる見込みこ[1]

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]