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棒術ぼうじゅつ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

棒術ぼうじゅつ(ぼうじゅつ)は、

  1. 日本にっぽん武術ぶじゅつにおいてながぼう武器ぶきとする武器ぶきじゅつのこと。以下いか詳説しょうせつする。
  2. 沖縄おきなわ琉球りゅうきゅう武術ぶじゅつにおいて、おもろくしゃくぼうもちいる武器ぶきじゅつかた名称めいしょうには一般いっぱんに「……の棍」という呼称こしょう使つかわれるが、操作そうさほう自体じたい棒術ぼうじゅつい棍術とはばない。
  3. 中国ちゅうごく武術ぶじゅつにおいては、「ぼう」ではなく中央ちゅうおう若干じゃっかんふとい「」を使用しよう拳法けんぽう延長えんちょうとしての武器ぶきじゅつである『棍術』としょうされる。
  4. 世界せかい各地かくち棒状ぼうじょう武器ぶき使用しようする戦闘せんとう技法ぎほう過去かこ存在そんざいまたは伝来でんらいしており、それを日本にっぽんでは日本にっぽん武術ぶじゅつ棒術ぼうじゅつ類似るいじするため棒術ぼうじゅつかたりをあてる。

日本にっぽん武術ぶじゅつにおける棒術ぼうじゅつは、しゅとして6しゃくやく180cm)前後ぜんこうの、すべ均一きんいつふとさで、みがいてすべりやすくした、断面だんめん円形えんけいぼうもちいる武術ぶじゅつである。直径ちょっけいはちふんやく2.4cm)〜一寸いっすんいちふんやく3.3cm)のものがよくられる。ただし流儀りゅうぎ流派りゅうはによってはそれよりながい、またはみじかい、断面だんめん円形えんけいでない、均一きんいつふとさではないなど様々さまざまである。りょうはしふとく、中央ちゅうおうほそいものはつづみぼうばれる。現在げんざい4しゃく前後ぜんこうぼう使つか武術ぶじゅつは『つえじゅつ』、さらにみじか場合ばあいは『はん棒術ぼうじゅつ』としてけられる場合ばあいがあるが、ぼうながさによる流派りゅうはによって様々さまざまであり、つえじゅつはん棒術ぼうじゅつ広義こうぎ意味いみでは棒術ぼうじゅつ一種いっしゅである。

ぼう種類しゅるい材質ざいしつ形態けいたい様々さまざまで、日本にっぽんいて『太平たいへい』では柏木かしわぎぼう樫木かしきぼうきむ砕棒鉄棒てつぼうなどが出現しゅつげんし、『義経よしつね』では八角はっかくぼう乳切ちぎりなど、特殊とくしゅ形態けいたいぼうしるされている。

日本にっぽん棒術ぼうじゅつ由来ゆらい

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ふるくから棒術ぼうじゅつ宗教しゅうきょうかかわりがあり、祭礼さいれい棒術ぼうじゅつ相当そうとうするものがふるくからおこなわれている。ぼうもっと単純たんじゅん武器ぶきひとつであるが、その起源きげん文献ぶんけん資料しりょう剣術けんじゅつひとしくらべるとすくなく、よくわかっていない。アイヌ社会しゃかいでは制裁せいさいぼう(ストゥ)がつえけい使つかわれており、戦闘せんとうようてつ補強ほきょうしたものあつか棒術ぼうじゅつもあった。岡山おかやまにある弥生やよい時代じだい遺跡いせきである南方みなかた遺跡いせきからアイヌの制裁せいさいぼう類似るいじした形状けいじょうぼう発見はっけんされており、古代こだいから使つかわれていたことはたしかである。

日本にっぽんではおおくの流派りゅうは戦場せんじょうやりさき薙刀なぎなたさきられたときに、ただちにそのをもってたたかったことが発端ほったんとなってされたといういわれがつたわっているが、やりよりも金属きんぞく使用しようしないぼうほう登場とうじょうはやかったと推測すいそくされるため、棒術ぼうじゅつもと槍術そうじゅつ発展はってんしたとかんがえられている。実際じっさいおおくの槍術そうじゅつ流派りゅうはでは棒術ぼうじゅつふくまれている。

おおくの棒術ぼうじゅつ流派りゅうはで『ゴホウ(ほうぽう御方おかた)』『サシアイ(指合さしあわせ差合さしあい)』『カサノシタ(かさした)』『五輪ごりん砕(ゴリンクダキ)』『水引みずひき(ミズヒキ)』とう技法ぎほうめい共通きょうつうしている存在そんざいすることから、流派りゅうはあいだなんらかの関連かんれんがあるとかんがえられている。

棒術ぼうじゅつ特徴とくちょう技法ぎほう

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日本にっぽん棒術ぼうじゅつ特徴とくちょうとしては、他国たこく棒術ぼうじゅつのようにぼうたいぼう存在そんざいするが、日本にっぽんほか武術ぶじゅつ種目しゅもくおなじように、剣術けんじゅつ仮想かそうてき想定そうていして体系たいけいけられている場合ばあいおおいことがげられる。また槍術そうじゅつ剣術けんじゅつ薙刀なぎなたじゅつみさおほう共通きょうつうこうがあることがおおい。

柔術じゅうじゅつ流派りゅうはおおくでも棒術ぼうじゅつふくんでいたり、または他流たりゅう棒術ぼうじゅつを併伝しているれいおおくみられる。

日本にっぽん棒術ぼうじゅつふく総合そうごう武術ぶじゅつなかには、その教練きょうれん体系たいけいないでこのじゅつを「間合まあいの操作そうさまなぶためのもの」と位置いちづけ、長物ちょうぶつ全般ぜんぱんあつかうための基本きほんとしているれいおおい(竹内たけうちりゅう気楽きらくりゅうなど)。これはそのすべてがでありすべてがとなる、ぼうという武器ぶき特質とくしつふかかかわりがあるとえる。また身体しんたいみさおほう訓練くんれんにも最適さいてきとされている。講道館こうどうかん創始そうししゃである嘉納かのう治五郎じごろう修行しゅぎょう時代じだい柳生やぎゅう心眼しんがんりゅう棒術ぼうじゅつやそのぼうまなんだことで効用こうようみとめ、つえじゅつ棒術ぼうじゅつ講道館こうどうかんれようとしたが、失敗しっぱいわった。

武士ぶし以外いがい棒術ぼうじゅつ 

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棒術ぼうじゅつ手軽てがるはいり、日常にちじょう生活せいかつでも使用しようするぼう武器ぶきとするその特性とくせいじょう身分みぶん階層かいそうわずひろ修練しゅうれんされており、日本にっぽん各地かくちおおくの流派りゅうは存在そんざいした。また刃物はものった相手あいて殺傷さっしょうせずに制圧せいあつする手段しゅだんとしておおくの捕手ほしゅじゅつ流派りゅうは修練しゅうれんされていた。

現在げんざいでも祭礼さいれい棒術ぼうじゅつぼう棒術ぼうじゅつぼうおどり、獅子舞ししまいなどとばれえんじられるれいおおくある。場合ばあいによっては、祭礼さいれいえんじられるが、伝承でんしょう形態けいたい武術ぶじゅつそのものとしてつたわっているれい散見さんけんされる。

流派りゅうは

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そのおおくの流派りゅうはぼう獅子ししまいぼうおどまつりの露払つゆはらいとして地方ちほうつたわっている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 武蔵むさし円明えんめいりゅう 棍術口訣くけつしょ 文化ぶんかねんがつ吉日きちじつ 石原いしはらただし左衛門さえもん善勝よしかつ

日本にっぽん以外いがい

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原始げんしてき武器ぶきであるぼう棍棒こんぼう使つか武術ぶじゅつ世界せかい各地かくち存在そんざいする。

  • 中国ちゅうごく武術ぶじゅつ - おおくの流派りゅうはぼうたんぼうふくまれる。また2ほんたんぼう使つか技法ぎほうおおい。
  • 西洋せいよう剣術けんじゅつ - 刀身とうしん根元ねもとにあるれない部分ぶぶん(リカッソ)をってぼうのように使つか技術ぎじゅつがある。
  • ドンガ - エチオピアにむスルマじん棒術ぼうじゅつ
  • ナクバブカ - マサイぞく武術ぶじゅつ。2ほんぼう使つか棒術ぼうじゅつがある。
  • ングニ棒術ぼうじゅつ - みなみアフリカやスワジランドにむングニ民族みんぞく棒術ぼうじゅつたて併用へいようたんやり使つか技法ぎほうもある。
  • マトラグ - アルジェリア発祥はっしょう棒術ぼうじゅつ。スポーツとしてもおこなわれている。
  • タフティーブ - エジプト棒術ぼうじゅつ観光かんこうきゃくけに演武えんぶ披露ひろうされており、ベリーダンスにもれられている。
  • カプ・クイアルア - ハワイの武術ぶじゅつ。2ほんぼうかいなど多彩たさいぼう使つか武器ぶきじゅつ発達はったつしている。
  • マタルア - マオリぞく棒術ぼうじゅつタイアハばれる穂先ほさき加工かこうしたぼうもちいる。
  • クラビー・クラボーン - タイつたわる総合そうごう武術ぶじゅつ。クラボーンとばれる2m前後ぜんごぼうもちいる。
  • シラット - 東南とうなんアジア武術ぶじゅつぼう棍棒こんぼうのほか、竹竿たけざお使つか技術ぎじゅつもある。
  • エスクリマ - フィリピンの武術ぶじゅつ棒術ぼうじゅつほか、2ほんたんぼう使つか技術ぎじゅつなどがある。
  • カラリパヤット - インド南部なんぶつたわる武術ぶじゅつ棒術ぼうじゅつふくまれる。
  • シランバム英語えいごばん - インド南部なんぶつたわる総合そうごう武術ぶじゅつ現代げんだいでは棒術ぼうじゅつのみが伝承でんしょうされている。

関連かんれん項目こうもく

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