竹内たけうち流りゅう

竹内たけうち流りゅう捕手ほしゅ腰こし廻まわり小具足こぐそくたけのうちりゅうとりて; こしのまわりこぐそく
	; 画像がぞうをアップロード
発生はっせい国こく	日本にっぽん
発祥はっしょう地ち	美作みさく国こく（現在げんざいの岡山おかやま市し北きた区く建部たけべ町まち角石谷ついしたに）
発生はっせい年ねん	戦国せんごく時代じだい; 天文てんもん元年がんねん（1532年ねん）6月がつ24日にち
創始そうし者しゃ	竹内たけうち中務なかつかさ大輔だいすけ源みなもと久盛ひさもり
派生はせい流派りゅうは	竹内たけうち畝うね流りゅう、呑敵流りゅう、双水そうずい執と流りゅう、力ちから信しん流りゅう、片山かたやま伯耆ほうき流りゅう、竹内たけうち三さん統すべ流りゅう、竹之内たけのうち判官ほうがん流りゅう、風ふう伝でん流りゅう、専せん当とう一心いっしん流りゅう、天然てんねん理り心しん流りゅう、竹内たけうち流りゅう備中びっちゅう伝でん、高木たかぎ流りゅう
主要しゅよう技術ぎじゅつ	捕手ほしゅ、小具足こぐそく、羽はね手しゅ、捕縄とりなわ、拳法けんぽう、剣法けんぽう、抜刀ばっとう、棒ぼう、薙刀なぎなた、殺ころせ活かつ法ほう
公式こうしきサイト	竹内たけうち流りゅう宗家そうけ（日下くさか捕手ほしゅ開山かいさん竹内たけうち流りゅう）; 竹内たけうち流りゅう相伝そうでん家か
伝承でんしょう地ち	岡山おかやま県けん、広島ひろしま県けん
	テンプレートを表示ひょうじ

竹内たけうち流りゅう（たけのうちりゅう）、は、日本にっぽん武術ぶじゅつの流派りゅうは。歴史れきしを遡さかのぼる事ことが出来できる最古さいこの日本にっぽん柔術じゅうじゅつの流派りゅうはと言いわれている。正式せいしき名称めいしょうは「竹内たけうち流りゅう捕手ほしゅ腰こし廻まわり小具足こぐそく（たけのうちりゅうとりてこしのまわりこぐそく）」という。捕手ほしゅと腰こし之の廻まわり小具足こぐそくを中心ちゅうしんに成立せいりつし、捕手ほしゅ術じゅつ、羽はね手しゅ、小具足こぐそく、捕縄とりなわ術じゅつ、棒術ぼうじゅつ、剣術けんじゅつ、居合いあい、十じゅう手て、薙刀なぎなたなどの総合そうごう的てきな技術ぎじゅつを今いまに伝つたえる。

日本にっぽん古こ武道ぶどう協会きょうかいでは「竹内たけうち流りゅう柔術じゅうじゅつ腰こし廻まわり小具足こぐそく」という名称めいしょうで登録とうろくしているが、竹内たけうち流りゅうが柔術じゅうじゅつと自称じしょうした記録きろくはない^[1]。

歴史れきし

1532年ねん(天文てんもん元年がんねん)美作みさく国一くにいちノ瀬せら城主じょうしゅの竹内たけうち中務なかつかさ大輔だいすけ源みなもと久盛ひさもりによって創始そうしされた流派りゅうはである。流りゅう祖そは中世ちゅうせいから戦国せんごく時代じだいに垪和を拠点きょてんとした垪和氏しの竹内たけうち久盛ひさもりである。以降いこう三さん代だいにわたって体系たいけい化かされ流儀りゅうぎの完成かんせいに至いたった。

1836年ねん（天保てんぽう７年ねん）八はち代目だいめの竹内たけうち久ひさ愛あいが45歳さいの若わかさで亡なくなったが子この竹内たけうち久雄ひさおと竹内たけうち久ひさ種しゅはまだ若わかく、流儀りゅうぎを究きわめるのが難むずかしかった。この時とき、淡あわ州しゅうで武術ぶじゅつ指南しなんを行おこなっていた７代目だいめ竹内たけうち久ひさ孝こうから印可いんかを授さずかった高弟こうていの池内いけうち雅みやび門かど太ふとしが竹内たけうち道場どうじょうへと呼よび戻もどされた。池内いけうち雅みやび門かど太ふとしは竹内たけうち家かのために藩主はんしゅから許ゆるしを得えて、竹内たけうち久雄ひさおと竹内たけうち久ひさ種しゅに指導しどうを行おこなった。

これにより、池内いけうち雅みやび門かど太ふとしは竹内たけうち姓せいを授さずかって九きゅう代目だいめ竹ちく内藤ないとう一郎いちろう久居ひさいを襲名しゅうめいした。その後ご、竹内たけうち久雄ひさおが十じゅう代目だいめを継つぎ弟おとうとの竹内たけうち久ひさ種しゅは流儀りゅうぎ断だん統みつるを防ふせぐために立たてられた分家ぶんけの当主とうしゅとなり竹内たけうち藤十郎とうじゅうろうを名乗なのった。この時ときに相伝そうでん家かが生うまれ当主とうしゅは竹内たけうち藤十郎とうじゅうろうを襲名しゅうめいするようになった。

現在げんざいは、宗家そうけである竹内たけうち藤ふじ一郎いちろう家かと相伝そうでん家かである竹内たけうち藤十郎とうじゅうろう家かの伝承でんしょうが残のこっており、岡山おかやま市し北きた区く建部たけべ町まち角石谷ついしたににある竹内たけうち家かで伝承でんしょうされている。現存げんそんしている柔術じゅうじゅつ流派りゅうはの中なかでは最もっとも古ふるい文献ぶんけんや記録きろくが残のこっているため、日本にっぽん柔術じゅうじゅつ現存げんそん最古さいこの流派りゅうはと言いわれる事ことが多おおい。

技法ぎほう

流ながれ祖そ、竹内たけうち久盛ひさもりの時代じだいは捕手ほしゅ五ごヶ条かじょう、腰こし之の廻まわり二に十じゅう五ごヶ条かじょう、迅縄七ななケ条かじょう、殺ころせ活かつだけだった。

二に代目だいめ、竹内たけうち久勝ひさかつが必勝ひっしょう五ごヶ条かじょう、八はちヶ条かじょう極意ごくいを竹内たけうち流りゅうに加くわえ^[2]、さらに三さん代目だいめの竹内たけうち久吉ひさよしが腰こし之の廻まわり裏うら五ご十じゅう四よんケ条かじょう、小しょう裏うら十じゅう五ごヶ条かじょう、裏うら極意ごくい五ごヶ条かじょう等とうを加くわえて竹内たけうち流りゅうの基礎きそを確立かくりつしたとされる^[2]。

1532年ねんの創始そうしの際さいに編あみ出だされた神かみ伝つたえ捕手ほしゅ五ごヶ条かじょうは、現在げんざいも秘伝ひでんとして伝つたえられている。

竹内たけうち流りゅうでは一般いっぱんで言いう柔術じゅうじゅつの事ことを羽はね手しゅ（はで）と称しょうする。

竹内たけうち流りゅう編纂へんさん委員いいん会かい編纂へんさんの『新装しんそう増補ぞうほ版ばん日本にっぽん柔術じゅうじゅつの源流げんりゅう竹内たけうち流りゅう』記載きさいの技わざの名称めいしょうを、次つぎのように記しるしている^[3]

腰こし之の廻まわり（小具足こぐそく組討くみうち）

表ひょう二に十じゅう五ごケ条かじょう

忽ゆるがせ離はなれ之の事こと、清見きよみ之の事こと、脇差わきざし鞘さや抜之事ごと、鴨かも之の入にゅう首くび之の事こと、脇わき指ゆび落手らくしゅ之の事こと

脇わき指ゆび横よこ刀がたな之の事こと、脇わき指ゆび入いれ違たがえ之これ事ごと、柄え砕之事ごと、大だい殺ころせ之これ事ごと、倒たおせ切きり之の事こと

右みぎ之の手取てどり之の事こと、大乱たいらん之の事こと、小しょう乱らん之の事こと、四よんッ手刀てがたな之の事こと、戈ほこ縛ばく之の事こと

脇わき指ゆび心持こころもち之の事こと、奏者そうしゃ取と之これ事ごと、鐺返之の事こと、通つう之の大事だいじ之の事こと、刀かたな落手らくしゅ之の事こと

大だい殺ころせ無む外之そとゆき事ごと、脇わき指ゆび敵てき胸むね取と之これ事ごと、両りょう手取てどり之の事こと、大小だいしょう一いち籠かご之の事こと、人質ひとじち請取うけとり様さま之の事こと

裏うら五ご十じゅう四よんケ条かじょう（各かく形かたちに2～5条じょうある）

忽ゆるがせ離はなれ之の事こと、清見きよみ之の事こと、脇わき指ゆび鞘さや抜之事ごと、鴨かも之の入にゅう首くび之の事こと、脇わき指ゆび落手らくしゅ之の事こと

脇わき指ゆび横よこ刀がたな之の事こと、脇わき指ゆび入いれ違たがえ之これ事ごと、柄え砕之事ごと、大だい殺ころせ之これ事ごと、倒たおせ切きり之の事こと

右手みぎて之の事こと、大乱たいらん之の事こと、小しょう乱らん之の事こと、四よんツ手刀てがたな之の事こと、戈ほこ縛ばく之の事こと

脇わき指ゆび心持こころもち之の事こと、奏者そうしゃ取と之これ事ごと、鐺返之の事こと、通つう之の大事だいじ之の事こと、刀かたな落手らくしゅ之の事こと

大だい殺ころせ無む外之そとゆき事ごと、脇わき指ゆび敵てき胸むね取と之これ事ごと、大小だいしょう一いち籠かご之の事こと、両りょう手取てどり之の事こと、人質ひとじち請取うけとり様さま之の事こと

小しょう裏うら十じゅう五ごケ条かじょう

忽ゆるがせ離はなれ之の事こと、鴨かも入にゅう首くび之の事こと、脇わき指ゆび落手らくしゅ之の事こと、脇差わきざし横よこ刀がたな之の事こと、柄え砕之事ごと

大だい殺ころせ之これ事ごと、右みぎ之の手取てどり之の事こと、大乱たいらん之の事こと、四手よつで刀がたな之の事こと、戈ほこ縛ばく之の事こと

奏者そうしゃ取と之これ事ごと、鐺返之の事こと、刀かたな落手らくしゅ之の事こと、両りょう手取てどり之の事こと、大小だいしょう一いち籠かご之の事こと

極意ごくい八はちケ条かじょう

大脇おおわき指ゆび之の事こと、小脇こわき指ゆび之の事こと、仕掛しかけ留とめ之の事こと、抜留之の事こと、

玄蕃げんば留とめ之の事こと、戸と入いれ之の事こと、行くだり身み之の事こと、監物けんもつ留とめ之の事こと、中村なかむら留とめ之の事こと

裏うら極意ごくい五ごケ条かじょう

清見きよみ之の事こと、鴨かも之の入にゅう首くび之の事こと、千鳥ちどり之の事こと、附つけ移うつり之の事こと、左ひだり座ざ之の事こと

秘奥ひおう之の伝つて七ななケ条かじょう之の大事だいじ

脇わき指ゆび鞘さや抜之事ごと、鴨かも之の人ひと音おん之の事こと、大だい殺ころせ之これ事ごと、

右みぎ之の手取てどり之の事こと、奏者そうしゃ取と之これ事ごと、両りょう手取てどり之の事こと、人質ひとじち請取うけとり渡わたり之の事こと

秘奥ひおう之の伝つて十じゅう五ごケ条かじょう之の大事だいじ

忽ゆるがせ、横よこ刀がたな、入にゅう違たがえ、柄え砕、大だい殺ころせ、倒たおせ切き、大乱たいらん、小しょう乱みだれ、四よんツ手しゅ、心持こころもち、通つう、刀かたな落シ手しゅ、大だい殺ころせ無む外そと、敵てき胸むね取と、大小だいしょう一いち籠かご

奥おく七ななケ条かじょう之の傳つて

忽ゆるがせ清きよしシ、鞘さや抜、落手らくしゅ、戈ほこ縛ばく、脇わき指ゆびニテ心持こころもち、鐺返シ、大だい殺ころせ無む外そと

極意ごくい必勝ひっしょう五ごヶ条かじょう

鎧よろい組ぐみ之の事こと（胴どう組ぐみ之の事こと、甲きのえ返かえし之の事こと）突手之の事こと、身み之の剣けん之の事こと、鷲わし落之事ごと、惣そう巻まき理之まさゆき事ごと

御ご相伝そうでん捕手ほしゅ五ごケ条かじょう

立合たてあい之の事こと、居合いあい之の事こと、込こみ添之事ごと、風呂ふろ詰つめ之の事こと、極意ごくい向上こうじょう之の事こと

捕縛ほばく術じゅつ四よん十じゅう八はちケ条かじょう

通用つうよう縄なわニケ条かじょう之の事こと

早縄はやなわ

大だい襷たすき縄なわ、小しょう襷たすき縄なわ、用捨ようしゃ縄なわ、助じょ縄なわ、下しも緒いとぐち縄なわ、預あずか縄なわ、腰縄こしなわ二にツ

半はん縄なわ

高手小手たかてこて、被官ひかん縄なわ、侍さむらい縄なわ二にツ、疑うたぐ縄なわ、三さん寸すん縄なわ真行草しんぎょうそう、乳ちち割わり縄なわ真行草しんぎょうそう、袈裟けさ縄なわ真行草しんぎょうそう

本ほん縄なわ

亀甲きっこう、二に菱ひし、三さん鱗うろこ、四よんツ目め、三さん筋すじ懸かか、十文字じゅうもんじ、渡わたり縄なわ

伝授でんじゅ縄なわ七ななケ条かじょう之の事こと

晒さらし縄なわ、拂はらい縄なわ、番ばん不入ふにゅう、縄手なわて錠じょう、逆手さかて縄なわ、海老えび責せめ、渡わたり縄なわ

極意ごくい縄なわ

網あみ縄なわ、流ながれシ縄なわ、四よん寸すん七なな節せつ、斬き縄なわ、脇差わきざし下か緒いとぐち留とめ、投とう縄なわ、神縄かみなわ

大だい極意ごくい口傳くでん之の部ぶ

五ご寸すん縄なわ、八はち寸すん縄なわ、太刀たち縄なわ、棒ぼう縛ばく、真ま縛ばく

剣法けんぽう斉ひとし手て

剣法けんぽう前まえ斉ひとし手て六ろくヶ条かじょう

一心いっしん一いち刀がたな之の事こと、切きり返かえし之の事こと、左ひだり剣けん之の事こと、提ひさげ刀がたな之の事こと、柄え入いれ之の事こと、鍔つば摺すり之の事こと

剣法けんぽう中ちゅう斉ひとし手て六ろくヶ条かじょう

太刀たち落之事ごと、責せめ落之事ごと、逆手さかて投とう之の事こと、小しょう手取てどり之の事こと、四よんツ手しゅ砕之事ごと、清きよし眼め捌之事ごと

剣法けんぽう中ちゅう斉ひとし手て裏うら六ろくヶ条かじょう

太刀たち落之事ごと、責せめ落之事ごと、逆手さかて投とう之の事こと、小しょう手取てどり之の事こと、四よんツ手しゅ砕之事ごと、清きよし眼め捌之事ごと

剣法けんぽう奥おく斉ひとし手しゅ五ごヶ条かじょう

陰かげ剣けん之の事こと、陽ひ剣けん之の事こと、上うえ入いれ之の事こと（無む刀かたな取と）、下しも入いれ之の事こと（無む刀かたな取と）、極意ごくい斉ひとし手て之の事こと

奥秘おうひ剣けん三さんケ条かじょう

潜龍せんりゅう剣けん、飛ひ龍りゅう剣けん、応おう龍りゅう剣けん

剣法けんぽう抜刀ばっとう

前ぜん抜刀ばっとう七ななヶ条かじょう

真行草しんぎょうそう之の事こと（三さんヶ条かじょう）、小手こて返かえし之の事こと、離はなれ切きり之の事こと、冠かんむり落之事ごと、四方しほう固かた之これ事ごと

中ちゅう抜刀ばっとう七ななヶ条かじょう

小手こて切きり之の事こと、投打とうだ之の事こと、柄え砕之事ごと、十文字じゅうもんじ之の事こと、中道ちゅうどう之の事こと、請流之の事こと、伏ふく切きり之の事こと

中ちゅう抜刀ばっとう付づけ三さんヶ条かじょう

双方そうほう小手こて切きり之の事こと、双方そうほう横よこ面めん之の事こと、立合たてあい之の事こと

奥おく抜刀ばっとう七ななヶ条かじょう

鐺留之の事こと、向こう切きり之の事こと、三方みかた切きり之の事こと、四方しほう切きり之の事こと、冠かんむり落之事ごと、月影つきかげ之の事こと、稲妻いなづま之の事こと

羽はね手しゅ（拳法けんぽう躰からだ術じゅつ）

前ぜん羽はね手しゅ胸倉むなぐら取と七ななヶ条かじょう

小手こて破片はへん手取てどり之の事こと、小手こて砕両手取てどり之の事こと、大力だいりき落之事ごと、

切きり落之事ごと、見合みあい之の事こと、引掛之の事こと、尺しゃく澤之さわの事ごと

曲折きょくせつ之の事こと（八はちヶ条かじょう目めの技わざは目録もくろくの後のちに伝授でんじゅされる）

座ざ誥胸倉むなぐら取と三さんヶ条かじょう

巻まき留とめ之の事こと、組くみ留とめ之の事こと、小手こて返かえし之の事こと

先さき髪かみ取と三さんヶ条かじょう

巻まき落之事ごと、突留之の事こと、羽はね返かえし之の事こと

杖つえ捕と三さんヶ条かじょう

面めんしばき之これ事ごと、小手こてしばき之これ事ごと、提つつみ杖つえ之の事こと

拳こぶし張はり九きゅうヶ条かじょう

引違之の事こと、扶錐留とめ之の事こと、車くるま留とめ之の事こと、見込みこみ之の事こと

水車みずぐるま之の事こと、負ふ投とう之の事こと、拳こぶし砕之事ごと、手刀てがたな之の事こと、乱らん突之事ごと

拳こぶし張ちょう座ざ誥三さんヶ条かじょう（奥おく座ざ詰つめ）

蓮華れんげ詰つめ之の事こと、取違とりちがえ之これ事ごと、巻まき返かえし之の事こと

引合ひきあい棒ぼう之の事こと

引合ひきあい棒ぼう之の事こと

中ちゅう羽はね手しゅ五ごヶ条かじょう

虎とら乱らん之の事こと、通つう違たがえ之これ事ごと、伏ふく返かえし之の事こと、紅葉狩もみじがり之の事こと、小膝こひざ廻まわり之の事こと

奥羽おうう手しゅ十じゅう一いちヶ条かじょう

飼落之の事こと、難波なんば落之事ごと、岩石がんせき落之事ごと、車くるま戸ど之の事こと

片手かたて投とう之の事こと、千鶴ちづる之これ事ごと、鉢はち投とう之の事こと、小手こて責せめ之の事こと

滝たき落之事ごと、虎とら乱らん之の事こと（向むかい、後こう）、霞かすみ投とう之の事こと

極意ごくい羽わ手しゅ工夫くふう伝授でんじゅ七ななヶ条かじょう

口伝くでん

拳法けんぽう十じゅう二に勢ぜい

昇降しょうこう勢ぜい、電光でんこう勢ぜい、如水にょすい勢ぜい、屈伸くっしん勢ぜい

徐じょ疾やまし勢いきおい、隠顕いんけん勢ぜい、精微せいび勢ぜい、発はつ機き勢ぜい

潰つぶせ衆しゅ勢ぜい、陰陽いんよう勢ぜい、与奪よだつ勢ぜい、不ふ識勢

拳法けんぽう極秘ごくひ

請身之の大事だいじ、真ま活かつ之の大事だいじ、神かみ勢ぜい之の大事だいじ

棒ぼう

表おもて棒ぼう十じゅう二にヶ条かじょう

物見ものみ之の事こと、門構もんがまえ之の事こと、芝しば引之事ごと、腰こし車之くるまの事ごと

肩かた崩くずし之の事こと、鷲わし之の羽はね返かえし之の事こと、鶴づる之の一足いっそく之の事こと、鯉こい之の水みず入いれ之の事こと

飛ひ毛げ之の事こと、蜻蛉とんぼ返かえし之の事こと、順礼じゅんれい之の事こと、二方ふたかた搦之事ごと

裏うら棒ぼう十じゅう二にヶ条かじょう

物見ものみ之の事こと、門構もんがまえ之の事こと、芝しば引之事ごと、腰こし車之くるまの事ごと、

肩かた崩くずし之の事こと、鷲わし之の羽はね返かえし之の事こと、鶴づる之の一足いっそく之の事こと、鯉こい之の水みず入いれ之の事こと

飛ひ毛げ之の事こと、蜻蛉とんぼ返かえし之の事こと、順礼じゅんれい之の事こと、二方ふたかた搦之事ごと

奥おく棒ぼう八はちヶ条かじょう

石割いしわり之の事こと付づけ裏うら一いちヶ条かじょう、上うえ入いれ之の事こと、下しも入いれ之の事こと、合ごう引之事ごと、飛鳥ひちょう之の事こと、稲妻いなづま之の事こと、引合ひきあい之の事こと、清きよし眼め崩くずし之の事こと

奥おく裏うら棒ぼう十じゅう二にヶ条かじょう

物見ものみ之の事こと、門構もんがまえ之の事こと、芝しば引之事ごと、腰こし車之くるまの事ごと

肩かた崩くずし之の事こと、鷲わし之の羽はね返かえし之の事こと、鶴づる之の一足いっそく之の事こと、鯉こい之の水みず入いれ之の事こと

飛ひ毛げ之の事こと、蜻蛉とんぼ返かえし之の事こと、順礼じゅんれい之の事こと、二方ふたかた搦之事ごと

棒ぼう極意ごくい五ごヶ条かじょう

裏うら八はち方ぽう之の事こと、杖つえ取と之これ事ごと、虎とら一いち点てん霞かすみ掛かけ之の事こと、虎とら乱らん天狗てんぐ返かえし之の事こと、奥おく石割いしわり之の事こと

棒ぼう極意ごくい四よんヶ条かじょう

鴨かも之の入にゅう首くび之の事こと、鷲わし之の羽はね返かえし之の事こと、虎とら一いち点てん之の事こと、霞かすみ掛かけ之の事こと

長刀ちょうとう（薙刀なぎなた）

前段ぜんだん八はちヶ条かじょう

水車みずぐるま、雨あめ垂たれ、風生ふうせい、立だて戦せん、鷹たか沖おき、勢いきおい龍りゅう、正せい生せい、乱らん虎とら

中段ちゅうだん太刀だち合ごう八はちヶ条かじょう

陽ひ戦せん、風ふう用よう、村雲むらくも、竜りゅうヒ、虎とら翼つばさ、羽はね落、太ふとし蛇へび、地裁ちさい

奥傳おくでん太刀だち合ごう三さんヶ条かじょう

水月すいげつ、鷹たか之の羽はね返かえし、鷲わし落

奥傳おくでん長刀ちょうとう合あい三さんヶ条かじょう

陽ひ焔ほのお、稲妻いなづま、浦うら調子ちょうし

奥伝おくでん槍やり合あい八はちヶ条かじょう

進すすむ勢ぜい、對當たいとう、剣けん甲かぶと、破やぶ群ぐん、雁行がんこう、流水りゅうすい、麒麟きりん、蛇へび蟠わだかま

奥伝おくでん槍やり合あい三さんヶ条かじょう

登のぼり龍りゅう、比ひ龍りゅう、臥龍がりょう

槍術そうじゅつ

修練しゅうれん之の型かた

十じゅう数すうヶ条かじょう口伝くでん

小頭こがしら鎗印可いんか秘伝ひでん十じゅう三さんヶ条かじょう

物見ものみ之の事こと、門構もんがまえ之の事こと、芝しば引之事ごと、腰こし車之くるまの事ごと、

肩かた崩くずし之の事こと、鷲わし之の羽はね返かえし之の事こと、鶴づる之の一足いっそく之の事こと、鯉こい之の水みず入いれ之の事こと

飛ひ毛げ之の事こと、蜻蛉とんぼ返かえし之の事こと、順礼じゅんれい之の事こと、二方ふたかた搦之事ごと

石割いしわり之の事こと

奥義おうぎ技法ぎほう群ぐん

小しょう裏うら基本きほん三さんヶ条かじょう（無む刀かたな取と）

口伝くでん

男女だんじょ躰からだ術じゅつ

片手かたて押之事ごと、片手かたて投とう之の事こと、蜻蛉とんぼ返かえし之の事こと二にヶ条かじょう、

胸倉むなぐら脱だっ之の事こと二にヶ条かじょう、片手かたて横よこ投とう之の事こと、鉄扇てっせん捌之事ごと

枕まくら詰つめ之の事こと、御前ごぜん掛かけ之の事こと、鎌かま之の次第しだい之の事こと三さんヶ条かじょう

手て傘かさ仕合じあい之の事こと（唐から傘かさ之の術じゅつ三さんヶ条かじょう）、手刀てがたな遁レル之の事こと二にヶ条かじょう

天狗てんぐ羽わ返かえし之の事こと、一足ひとあし手しゅ詰つめ之の事こと、張ちょう請乱之の事こと二にヶ条かじょう

横よこ刀がたな遁様之の事こと二にヶ条かじょう、下馬げば落之事ごと

鍋蓋なべぶた之の術じゅつ五ごヶ条かじょう

鍋蓋なべぶた仕合じあい之の事こと三さんヶ条かじょう、清きよし眼め之の事こと、清きよし眼め捌之事ごと

鉄扇てっせん術じゅつ五ごヶ条かじょう変化へんか口伝くでん多数たすう有ゆう

鉄扇てっせん捌之事ごと、傘かさ鉄扇てっせん、他た三さんヶ条かじょうあり

十手じって五ごヶ条かじょう

口伝くでん

武術ぶじゅつ教師きょうし之の心得こころえ

袖そで返かえし之の事こと、裏うら岩石がんせき之の事こと

奥傳おくでん武術ぶじゅつ教師きょうし之の心得こころえ

剛力ごうりき者しゃ取とリ来らいルヲ取とル事ごと、引立ひきたて之これ事ごと、挫くじけ落之事ごと

工夫くふう伝授でんじゅ七ななヶ条かじょう（免状めんじょう工夫くふう試験しけん形がた）

向こう奏者そうしゃ之の事こと、柄え扱之事ごと、閂かんぬき留とめ之の事こと、関取せきとり落之事ごと、御前ごぜん掛かけ之の事こと、縄なわ捌之事ごと、邯鄲かんたん夢ゆめ之の枕まくら之の事こと

仕合しあい入にゅう身み秘術ひじゅつ八はちヶ条かじょう

立合たてあい之の事こと、清きよし眼め之の事こと、上段じょうだん入いれ之の事こと、突清眼め之の事こと、太刀たち伏ふく之の事こと、行合ゆきあい之の事こと、抜手ぬきて留とめ之の事こと、虎とら乱らん之の事こと

仕合しあい抜刀ばっとう十じゅう四よんヶ条かじょう

口伝くでんにつき技わざ名めいの公開こうかいを秘ひす

仕合しあい小具足こぐそく極意ごくい三さんヶ条かじょう

影かげ焔ほのお、稲妻いなづま、天狗てんぐ返かえし

殺ころせ活かつ法ほう（経絡けいらく）

心中しんちゅうの口伝くでん殺ころせ活かつ穴あな所しょ巻まき

殺ころせ穴あな所しょ

雷光らいこう、百ひゃく会かい、顔かお別べつ、顔かお下か、鳥子とりこ節ぶし、人中ひとなか

無明むみょう、続ぞく骨ほね、釣鐘つりがね、水月すいげつ、膻中、明あきら、

分骨ぶんこつ、松風まつかぜ、村雨むらさめ、跟後頂いただき、巓平、手首てくび

鯖さばノ尾お、即そく窮きゅう、牛ノ鼻うしのはな、手てノ甲きのえ、風ふう門もん

肩かた門もん、露ろ、力ちから、高股たかもも、脊筋七なな九きゅうノ間あいだ、腎じん

胃い経けい

乳ちち中ちゅう

膀胱ぼうこう経けい

心こころ兪、釣鐘つりがね

肝胆かんたん経けい

月影つきかげ、稲妻いなづま

心こころ経けい

脇わきノ下した、独鈷とっこ、鳥とり闇やみ、鬼おに闇やみ、水月すいげつ

肺はい経けい

尺せき澤さわ、曲きょく地ち

殺ころせ之の大事だいじ

独鈷とっこ、雷光らいこう、膻中、無明むみょう、釣鐘つりがね、心こころ兪、脇わきノ下した

活かつ法ほう七ななヶ条かじょう

稲妻いなづま、月影つきかげ、溺おぼれ活かつ、真ま闇やみ、行くだり即そく、草くさ足あし、婦ふ活かつ

神かみ傳つたえ極意ごくい惣そう活かつ一いち通つうノ伝つて

御歌おうた口伝くでん心しん伝でん、秘ひ歌か頌文口授くじゅ心しん伝でん、天てんト地ちト虚空こくう口授くじゅ心しん伝でん

殺ころせ活かつ法ほう之の図ず

兵法ひょうほう

極ごく秘伝ひでん二に百ひゃく余よヶ条かじょうあり

法ほう術じゅつ

公開こうかいを秘ひす

その他た

勇いさむ功いさお丹に・袋ふくろ打だ妙薬みょうやくの薬くすり法ほう、踏之大事だいじ、基礎きそ鍛錬たんれん法ほう、最奥さいおう秘法ひほう絲いと業ぎょう等とう秘事ひめごと多数たすうなど

系譜けいふ

竹内たけうち流りゅうの師範しはんと著名ちょめいな門人もんじんは以下いかの通とおりである。

流ながれ祖そ:竹内たけうち中務なかつかさ大輔だいすけ久盛ひさもり
- 竹内たけうち五郎左衛門ごろうざえもん久治きゅうじ（久盛ひさもりの長男ちょうなん）
二に代だい:竹内たけうち常陸ひたち介かい久勝ひさかつ
三さん代だい:竹内たけうち加賀かが介かい久吉ひさよし
- 竹内たけうち久嗣ひさつぐ
- 竹内たけうち藤ふじ市郎いちろう久ひさ且
四よん代だい:竹内たけうち藤ふじ一郎いちろう久次きゅうじ
- 竹内たけうち藤ふじ兵衛ひょうえ久秀ひさひで（高松たかまつ藩はん竹内たけうち流りゅう）
  - 竹内たけうち藤ふじ大夫たいふ久ひさ儔
    - 竹内たけうち兵へい大夫たいふ久ひさ氏し
      - 竹内たけうち藤ふじ大夫たいふ久ひさ孝こう
        竹内たけうち藤ふじ大夫たいふ久義ひさよし
        竹内たけうち藤ふじ大夫たいふ久義ひさよし
        竹内たけうち七なな五ご三さん之の助じょ久成くなり
        竹内たけうち才ざい兵衛ひょうえ久尚ひさなお
        竹内たけうち緑みどり新久あらく
        片山かたやま高義たかよし
        
        小西こにし康裕やすひろ
五ご代だい:竹内たけうち藤ふじ一郎いちろう久ひさ政せい
- 竹内たけうち藤ふじ九郎くろう久藏きゅうぞう
  - 竹内たけうち藤ふじ發はつ斎とき久ひさ陳ひね
    - 竹内たけうち藤ふじ八郎はちろう久直ひさなお
      - 𠮷里さと藤ふじ右みぎ衛門えもん呑敵斎とき信武のぶたけ（呑敵流りゅう）
六ろく代だい:竹内たけうち藤ふじ一郎いちろう久重くしげ
七なな代だい:竹内たけうち藤ふじ一郎いちろう久ひさ孝こう
八はち代だい:竹内たけうち藤ふじ一郎いちろう久ひさ愛あい
九きゅう代だい:竹内たけうち藤ふじ一郎いちろう久居ひさい（池内いけうち雅みやび門かど太ふとし、七なな代目だいめの高弟こうてい）
- 竹内たけうち藤ふじ一郎いちろう久雄ひさお（宗家そうけ十じゅう代だい）
- 竹内たけうち藤十郎とうじゅうろう久ひさ種しゅ（相伝そうでん家か九きゅう代だい）
- 矢野やの彦左衛門ひこざえもん廣こう英えい（竹内たけうち三さん統すべ流りゅうを開ひらく）

宗家そうけ

十じゅう代だい:竹内たけうち藤ふじ一郎いちろう久雄ひさお
- 難波なんば伊い右みぎ衛門えもん信久のぶひさ
  - 三宅みやけ松吉まつよし信しん輝てる
    - 船ふね浅次あさじ幽かそけ心こころ斎とき
      - 渡辺わたなべ修おさむ策さく
    - 監物けんもつ鹿しか十じゅう郎ろう
    - 山根やまね末まつ十じゅう二に
十じゅう一いち代だい:竹内たけうち藤ふじ一郎いちろう久則ひさのり
十じゅう二に代だい:竹内たけうち藤ふじ一郎いちろう久ひさ継ままし
十じゅう三さん代だい:竹内たけうち藤ふじ一郎いちろう久ひさ教きょう
十じゅう四よん代だい:竹内たけうち藤ふじ一郎いちろう久宗ひさむね

相伝そうでん家か

九きゅう代だい:竹内たけうち藤十郎とうじゅうろう久ひさ種しゅ
十じゅう代だい:竹内たけうち藤十郎とうじゅうろう久ひさ守もり
十じゅう一いち代だい:竹内たけうち藤十郎とうじゅうろう久允きゅういん
十じゅう二に代だい:竹内たけうち藤十郎とうじゅうろう久ひさ博はく
十じゅう三さん代だい:竹内たけうち藤十郎とうじゅうろう久ひさ武たけし