中条ちゅうじょう流りゅう

中条ちゅうじょう流りゅう ちゅうじょうりゅう
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使用しよう武器ぶき	日本にっぽん刀がたな
発生はっせい国こく	日本にっぽん
発生はっせい年ねん	室町むろまち時代ときよ
創始そうし者しゃ	中条ちゅうじょう長秀ながひで
源流げんりゅう	念ねん流りゅう・中条ちゅうじょう家か流りゅう
主要しゅよう技術ぎじゅつ	剣術けんじゅつ

中条ちゅうじょう流りゅう（ちゅうじょうりゅう、中條ちゅうじょう流りゅう）は、中条ちゅうじょう長秀ながひでを開祖かいそとする武術ぶじゅつの流派りゅうは。短みじかい太刀たちを使つかう剣術けんじゅつで有名ゆうめいであった。剣術けんじゅつ以外いがいに槍術そうじゅつなども伝つたえていた。平法ひらのり中條ちゅうじょう流りゅうとも記述きじゅつされる。

歴史れきし

中条ちゅうじょう長秀ながひでが中条ちゅうじょう家か家伝かでんの刀かたな法ほうと念ねん流りゅうを合あわせ自己じこの工夫くふうを加くわえて創始そうししたと伝つたえられる。室町むろまち期きの京きょうで創始そうしされたことや、師しである念ねん阿弥あみ慈恩じおんが鞍馬山くらまやまで修行しゅぎょうした事ことなどから、京きょう八はち流りゅうの流ながれを汲くむ剣術けんじゅつとも言いわれる。

中条ちゅうじょう家かは長秀ながひでの孫まご・詮かい秀しゅう、曾孫そうそん・満まん秀しゅうの代だいで断絶だんぜつしたが、流儀りゅうぎは長秀ながひでから甲斐かい豊ゆたか前ぜん守もり広こう景けいへ継承けいしょうされ、さらにその門人もんじん・大橋おおはし勘かん解かい由よし左衛門さえもん高だか能のうから山崎やまざき右みぎ京きょう亮あきら昌あきら巖いわおへと伝つたわった。昌あきら巖いわおが戦死せんししたため、昌あきら巖いわおの弟子でし、冨田とみた九郎くろう左衛門さえもん長ちょう家かが後見人こうけんにんとして昌あきら巖いわおの子こ、山崎やまざき右みぎ京きょう亮あきら景けい公こうと山崎やまざき内務ないむ丞すすむ景けい隆たかしへと中条ちゅうじょう流りゅうを伝つたえた。その後ご、冨田とみた家かでは長ちょう家かから子この治部じぶ左衛門さえもん景けい家か、景けい家かの嫡子ちゃくし・冨田とみた勢ぜい源げん（1523年ねん（大だい永なが3年ねん） - ?）、次子じし・冨田とみた景政かげまさ（? - 1593年ねん（文ぶん禄ろく2年ねん））と代々だいだい冨田とみた家かで中条ちゅうじょう流りゅうを継承けいしょう、発展はってんさせたことから一般いっぱん的てきには冨田とみた流りゅうと呼よばれるようになったが、山崎やまざき家かや加賀かが藩はんで冨田とみた家かに次ついで師範しはん家かとなった関家せきやなどでは一貫いっかんして中条ちゅうじょう流りゅうとして伝承でんしょうされた。なお、勢いきおい源げんの義理ぎりの甥おいにあたる重政しげまさが山崎やまざき家か出身しゅっしんであったように、山崎やまざき家かと冨田とみた家かは関係かんけいが深ふかかった。山崎やまざき家かの中条ちゅうじょう流りゅうは昭和しょうわ初期しょき - 中頃なかごろまでは存続そんぞくしていたが、現在げんざいは失しつ伝でんしたようである。

後ごの一刀いっとう流りゅう、冨田とみた流りゅう（戸田とだ流りゅう、當田とうで流りゅう、外そと他流たりゅう）等とう、多おおくの有名ゆうめい流派りゅうはの母体ぼたいとなった。

山やま嵜正美びは、上記じょうきの伝承でんしょう記録きろくが歴史れきし資料しりょうに基もとづいたものではないとして、一いち次じ資料しりょうから以下いかの誤謬ごびゅうを明あきらかにした。

• 中條ちゅうじょう長秀ながひでの法名ほうみょうは沙弥さや元もと威いであり、実田みた源みなもと秀しげる(真傳しんでん源みなもと秀しげる)では無ない。実田みた源みなもと秀しげるとは中條ちゅうじょう蕎そば主おもであり、実名じつめいは中條ちゅうじょう左ひだり馬ば介かい持じ保ほ(信之のぶゆき)である。したがって、中條ちゅうじょう長秀ながひで(法名ほうみょう元もと威い)と念ねん流りゅう慈音(恩おん)との関係かんけいは無ない。ただ、実田みた源みなもと秀しげるが念ねん流りゅう(総合そうごう武術ぶじゅつ)から剣けんの術じゅつ(33手て)を取とり入いれている。
• 中條ちゅうじょう家かの術じゅつ継承けいしょうは3代だいにわたる。
• 甲斐かい豊ゆたか前まえとは甲斐かい美濃みの・越前えちぜん守まもるの誤認ごにん記述きじゅつである。
• 大橋おおはし勘かん解かい由よし左衛門尉さえもんのじょうの弟子でしとして朝倉あさくら孫右衛門まごえもん尉じょうを記述きじゅつしているが、甲斐かい越前えちぜんの弟子でしで、山崎やまざき右みぎ京きょう亮あきら昌あきら巖いわおを唯一ゆいいつの弟子でしとしている。父ちち山崎やまざき右みぎ京きょう亮あきら龍渓りゅうけいが同年代どうねんだいの人物じんぶつと考かんがえる。
• 冨田とみた流りゅうとの言動げんどう風評ふうひょうがあったのは、中條ちゅうじょう流りゅうの越前えちぜん時代じだいでの記述きじゅつであり、「家いえノ書しょ」は明確めいかくに否定ひていしている。加賀かが時代じだいに入はいり、冨田とみた盛もり源げんの系統けいとうを引ひき継ついだ関家せきや・矢野やの家かは共ともに山崎やまざき家かと加賀かが藩はん藩校はんこう師範しはんとして勤つとめており、藩主はんしゅに与あたえた免許めんきょも中條ちゅうじょう流りゅう免許めんきょを与あたえたと家いえ譜ふに明記めいきしている。従したがって冨田とみた流りゅうは存在そんざいしない。後世こうせいの誤伝ごでんとなる元凶げんきょうは「本朝ほんちょう武芸ぶげい小傳しょうでん」の冨田とみた流りゅうとの誤認ごにん記述きじゅつである。

形かたち

山崎やまざき家かや富山とやま県けんや石川いしかわ県けんに残のこる中条ちゅうじょう流りゅうの古文書こもんじょによると、二に尺しゃくほど（約やく60センチメートル）の短みじかい太刀たちで刃は長ちょうが三さん尺しゃく（約やく1メートル）長ながい太刀たちと戦たたかう太刀たちの形かたち三さん十じゅう三さん本ほんを中心ちゅうしんに刀かたな（短刀たんとうを使つかう小具足こぐそくのような技わざ）、槍やりや長刀ちょうとうなどが伝つたえられていた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 小島こじま英えい煕ひろし『素顔すがおの剣豪けんごうたち』日本経済新聞にほんけいざいしんぶん、1998年ねん、152頁ぺーじ。ISBN 4-532-16285-8。 
• 中井なかい一いち水みず『日本にっぽん伝承でんしょう武芸ぶげい流派りゅうは読本とくほん』新人物往来社しんじんぶつおうらいしゃ、1994年ねん、58-60頁ぺーじ。 
• 綿谷わたや雪ゆき『図説ずせつ・古こ武道ぶどう史し』青蛙あおがえる房ぼう、2013年ねん、80-82頁ぺーじ。ISBN 978-4-7905-0124-4。 
• 渡辺わたなべ誠まこと『歴史れきし読本とくほん　特集とくしゅう　秘伝ひでん！武芸ぶげい流りゅう祖そ録ろく　1993年ねん11月がつ号ごう』新人物往来社しんじんぶつおうらいしゃ、1993年ねん、152頁ぺーじ。 

関連かんれん項目こうもく

• 冨田とみた流りゅう
• 鐘かね捲めく流りゅう
• 一刀いっとう流りゅう
• 戸田とだ一刀いっとう流りゅう
• 巌流がんりゅう
• 東ひがし軍ぐん流りゅう
• 念ねん流りゅう