筆記ひっき

紙かみとボールペンで文字もじを書かく様子ようす。

紙かみと万年筆まんねんひつ

筆記ひっき（ひっき、英語えいご: writing）とは、書かき記しるすこと。あるいは筆ふでで書かくこと。また、それによって書かかれたもの。

概説がいせつ

筆記ひっきとは、書かき記しるすことである。特とくに、文字もじ類るいを書かくことを指さすのが一般いっぱん的てきである。 日本にっぽんでは古ふるくは書かく道具どうぐとしてもっぱら《筆ふで》を用もちいていたため「筆記ひっき」と言いう。

誰だれかが話はなすことを聞きいて筆記ひっきすることは、特とくに「口述こうじゅつ筆記ひっき（こうじゅつひっき）」と言いう。

西欧せいおう語ご圏けんでは、手てで書かかれたもの、手てで書かくことをmanuscript、manuscritなどと言いう。日本語にほんごでは文脈ぶんみゃくに応おうじて「マニュスクリプト（英語えいご）」「マニュスクリ（フランス語ふらんすご）」「写本しゃほん」「原稿げんこう」などと訳やくし分わけている。

特とくに手てですばやく書かくための形かたちをしたアルファベットを英語えいごでは「cursive」「joint writing」などと言いっているが、日本語にほんごではそれを「筆記ひっき体たい」と呼よんでいる。

筆記ひっき試験しけん

筆記ひっき試験しけんとは、試験しけんを受うける者ものに何なにかを書かかせることで、その者ものの程度ていどを判断はんだんするための試験しけんである。基本きほん的てきに「実技じつぎ試験しけん」や「面接めんせつ試験しけん」という用語ようご・概念がいねんと対比的たいひてきに用もちいられている。

筆記用具ひっきようぐ

「文房具ぶんぼうぐ」も参照さんしょう

筆記ひっきするための用具ようぐを筆記用具ひっきようぐと言いう。

粘土ねんど板ばんと棒ぼう（メソポタミア）、パピルスと葦あしペンとインク（古代こだいエジプト）、竹たけ簡や紙かみと筆ふで・墨すみ・硯すずり（古代こだい東ひがしアジア）、羊皮紙ようひしと羽はねペン（中世ちゅうせいヨーロッパ。写本しゃほんなど）、紙かみと万年筆まんねんひつ（20世紀せいき、各地かくち）、ノートと鉛筆えんぴつやペン類るい（現代げんだい、各地かくち）　等々とうとう、様々さまざまな筆記用具ひっきようぐを用もちいてきた歴史れきしがある。

筆記用具ひっきようぐの概念がいねんを革命かくめい的てきに変かえたのは西洋せいようではタイプライター、東洋とうようではワードプロセッサである。アメリカでワードプロセッサが生うまれた時ときは文章ぶんしょうを編集へんしゅう・構成こうせいする「意識いしきの拡張かくちょう」の道具どうぐにすぎなかったが、日本にっぽんでは工業こうぎょう化かに向むかないとされた漢字かんじかな混まじり文ぶん の劣勢れっせいを一挙いっきょに改革かいかくしてキーボードとともに筆記用具ひっきようぐとしての地位ちいを確立かくりつした。作家さっかの坂口さかぐち安吾あんごは「文字もじと速力そくりょくと文学ぶんがく」（坂口さかぐち安吾あんご 文字もじと速力そくりょくと文学ぶんがく 1940年ねん）の中なかで「私わたしの想念そうねんは電光でんこうの如ごとく流ながれ走はしつてゐるのに、私わたしの書かく文字もじはたど／＼しく遅おそい」と書かいていたが、そうした速力そくりょくも想念そうねんに追おいつけるようになった。

20世紀せいき末まつからは一瞬いっしゅんで文章ぶんしょうをコピーしたり、ネットとつながることで文章ぶんしょうを瞬時しゅんじに送信そうしんすることもできるようになった。一方いっぽうで手書てがきの機会きかいは大幅おおはばに減へっており、文具ぶんぐメーカーなどによって手書てがき推進すいしん運動うんどうが行おこなわれるようになっている。

関連かんれん項目こうもく

• 手書てがき
• 写本しゃほん
• 直筆じきひつ、筆跡ひっせき
• 口述こうじゅつ筆記ひっき
• 日記にっき
• 筆談ひつだん
• 筆記ひっき体たい
• 書しょ字じ障害しょうがい(ディスグラフィア) - 学習がくしゅう障害しょうがいの一ひとつで正確せいかく・奇麗きれいに文字もじを書かけない障害しょうがい。

職業しょくぎょう

• 書記しょき（古代こだいエジプトでは、書かくということは立派りっぱな専門せんもん職しょくで身分みぶんもかなり高たかかった。）

書道しょどう

• 筆ふで、書道しょどう、カリグラフィー