四死球ししきゅう

四死球ししきゅう（ししきゅう）とは、野球やきゅう用語ようごで四球しきゅうと死球しきゅうをまとめてい表いあらわしたものである。

記録きろく上じょうの扱あつかい

数かずを集計しゅうけいする際さいなどの記録きろく上じょうの正確せいかくな用語ようごとしては、投手とうしゅから奪うばった四死球ししきゅうが打者だしゃの「四死球ししきゅう」、打者だしゃに与あたえた四死球ししきゅうが投手とうしゅの「与あずか四死球ししきゅう」となる。

書物しょもつなどのデータで、四球しきゅうと死球しきゅうの2項目こうもくを掲載けいさいすると冗長じょうちょうになるため、四球しきゅうのみを掲載けいさいする場合ばあいや、（死球しきゅう数すうが無視むしされてしまうことを避さけるために）一括いっかつして四死球ししきゅうを掲載けいさいする場合ばあいがある。データ欄らんで何なんらかの記録きろくを示しめす表記ひょうきが「球たま」とある場合ばあい、四死球ししきゅうを表あらわしている（安打あんだの「安やす」、本塁打ほんるいだの「本ほん」、三振さんしんの「振ふ」、併殺へいさつ打だの「併」、盗塁とうるいの「盗ぬすめ」などと並ならんでいる）。四球しきゅうを示しめす場合ばあいは「四球しきゅう」または「四よん」、死球しきゅうであれば「死球しきゅう」または「死し」と表記ひょうきされる。

四球しきゅうと死球しきゅうはともに打者だしゃに安全あんぜんに一塁いちるいが与あたえられるが、ルール上じょうの最大さいだいの違ちがいは、四球しきゅうはボールインプレイ（プレイ継続けいぞく）であるが、死球しきゅうはボールデッド（プレイ中断ちゅうだん）になる点てんである。従したがって、例たとえば四球しきゅうが宣告せんこくされた投球とうきゅうが暴投ぼうとうになったときや、捕手ほしゅが後逸こういつしていたとき（捕と逸いっ）など、打者だしゃは安全あんぜんに一塁いちるいに進すすむ塁るいする権利けんりを得えた上うえで、アウトになる危険きけんを冒おかしてさらに次つぎの塁るいを狙ねらってもよい。塁るい上じょうにいる走者そうしゃも同様どうように、暴投ぼうとうまたは捕と逸いっを利りして進すすむ塁るいすることもでき、打者だしゃに一塁いちるいを明あけ渡わたすことによって安全あんぜん進しん塁るい権けんが認みとめられた塁るい以上いじょうに進すすむ塁るいしてもよい。これに対たいして、死球しきゅうが宣告せんこくされた場合ばあいは、打者だしゃ及および走者そうしゃは安全あんぜん進しん塁るい権けんが認みとめられた塁るい以上いじょうに進すすむ塁るいすることはできない。

打者だしゃが四死球ししきゅうを得えた時点じてんで安全あんぜん進しん塁るい権けんが与あたえられた走者そうしゃは、盗塁とうるいを試こころみていたとしても盗塁とうるいによる進すすむ塁るいとはみなされない。

押おし出だし

厳密げんみつには、四死球ししきゅうや打撃だげき妨害ぼうがい等ひとしによって打者だしゃ走者そうしゃに安全あんぜん進しん塁るい権けんが与あたえられることにより、打者だしゃ走者そうしゃに元もとの塁るいを明あけ渡わたさなければならない走者そうしゃ（走者そうしゃ一塁いちるいまたは一いち・三塁さんるいの時ときの一塁いちるい走者そうしゃ、一いち・二塁にるいまたは満塁まんるいの時ときの全ぜん走者そうしゃ）に次つぎの塁るいへの安全あんぜん進しん塁るい権けんが与あたえられることを押おし出だしという。ただし、一般いっぱんには満塁まんるい時じに四死球ししきゅうまたは打撃だげき妨害ぼうがいにより打者だしゃに一塁いちるいが与あたえられ、その結果けっか全ぜん走者そうしゃが一塁いちるいずつ進すすみ、三塁さんるい走者そうしゃの進すすむ塁るいによって1点てんが入はいることを押おし出だしと呼よぶことが多おおい。英語えいごではmerry-go-roundという。

押おし出だしで得点とくてんが入はいった場合ばあい、四死球ししきゅうを得えた打者だしゃ及および打撃だげき妨害ぼうがいをされた打者だしゃには打点だてんが付つく。自責じせき点てんの対象たいしょうとなる走者そうしゃが与あずか四死球ししきゅうによって押おし出だしになり得点とくてんした場合ばあいは投手とうしゅの自責じせき点てんとなる。

無む四球しきゅう試合しあい

投手とうしゅ記録きろくとして、完投かんとうした試合しあい（勝敗しょうはいは問とわない）で、四死球ししきゅうを出ださなかった場合ばあいに、「無む四球しきゅう試合しあい」という記録きろくとしてカウントされる。

関連かんれん項目こうもく

• 野球やきゅうの各種かくしゅ記録きろく