有ゆう爪つま動物どうぶつ

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有ゆう爪つま動物どうぶつ（カギムシ）
生息せいそく年代ねんだい: Cenomanian–現世げんせい
[注釈ちゅうしゃく 1]
様々さまざまなカギムシ
A, B: Principapillatus hitoyensis、C: Epiperipatus biolleyi、D: Eoperipatus sp.
地質ちしつ時代じだい
白はく亜紀あきセノマニアン期き - 現世げんせい
分類ぶんるい
界さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
階級かいきゅうなし : 前口まえぐち動物どうぶつ Protostomia
上うえ門もん : 脱皮だっぴ動物どうぶつ上うえ門もん Ecdysozoa
階級かいきゅうなし : 汎ひろし節足動物せっそくどうぶつ Panarthropoda
門もん : 有ゆう爪つま動物どうぶつ門もん Onychophora
学名がくめい
Onychophora
Grube, 1853
和名わみょう
有ゆう爪つま動物どうぶつ
カギムシ
英名えいめい
Onychophoran
Velvet worm
下位かい分類ぶんるい群ぐん
本文ほんぶんも参照さんしょう
有爪動物の分布 緑がペリパツス科、赤がペリパトプシス科を示す。
有ゆう爪つま動物どうぶつの分布ぶんぷ
緑みどりがペリパツス科か、赤あかがペリパトプシス科かを示しめす。

有ゆう爪つま動物どうぶつ（ゆうそうどうぶつ、onychophoran、学名がくめい：Onychophora）は、長ながく柔やわらかい体からだに数すう多おおくの短みじかい脚あしをもつ動物どうぶつの分類ぶんるい群ぐんである。一般いっぱんにカギムシと総称そうしょうされ、分類ぶんるい学がく上うえは有ゆう爪つま動物どうぶつ門もんとされる。肉食にくしょく動物どうぶつで、粘液ねんえきを噴出ふんしゅつして昆虫こんちゅうなどを捕食ほしょくする[1]。現生げんなまの有ゆう爪つま動物どうぶつは、森もりの落おち葉ばの下したなどに棲すんでいる陸生りくせいのカギムシ目め（Euonychophora）の種たね類るいのみが知しられている。

節足動物せっそくどうぶつと緩なる歩ふ動物どうぶつ（クマムシ）に類縁るいえんとされ、共ともに汎ひろし節足動物せっそくどうぶつに分類ぶんるいされる動物どうぶつ門もんの1つである。同どう規ぶんまわし的てきな体からだ節制せっせいや、柔軟じゅうなんな表皮ひょうひと付属ふぞく肢しなどという、現生げんなま汎ひろし節足動物せっそくどうぶつの共通きょうつう祖先そせんに至いたる絶滅ぜつめつ群ぐんとされる葉は足あし動物どうぶつの祖先そせん形質けいしつを明瞭めいりょうに残のこすため、有ゆう爪つま動物どうぶつは「生いきている化石かせき」として知しられ、汎ひろし節足動物せっそくどうぶつの初期しょき系統けいとう発生はっせいと節足動物せっそくどうぶつの起源きげんを理解りかいするのに重要じゅうよう視しされる分類ぶんるい群ぐんの1つである[1]。

名称めいしょう[編集へんしゅう]

学名がくめい「Onychophora」は「爪つめをもつ者もの」を意味いみする（ギリシャ語ご：「όνυξ」＝爪つめ・「φέρω」＝有ある、持もつ）。これは本ほん群ぐんの鉤かぎ爪つめをもった脚あしに因ちなんでいる[1] が、近きん縁えんである葉は足あし動物どうぶつ・緩なる歩ふ動物どうぶつ・節足動物せっそくどうぶつのそれぞれの脚あしも原則げんそくとして爪つめがあるため、「爪つめをもつ」こと自体じたいは別べつに有ゆう爪つま動物どうぶつに特有とくゆうの性質せいしつではない[2]。総称そうしょうとして英語えいごは学名がくめいに因ちなんだ「onychophoran」と、ビロード状じょうの表皮ひょうひに由来ゆらいする「velvet worm」（ベルベットワーム）がある[1]。日本語にほんごでは「カギムシ」、中国ちゅうごく語ごでは「櫛くし蠶かいこ」、「天てん鵝絨蟲ちゅう」、もしくは「黏液蟲ちゅう」と呼よばれている。

形態けいたい[編集へんしゅう]

有ゆう爪つま動物どうぶつの形態けいたい：A：触角しょっかく、B：口器こうき、C：slime papilla、DとE：葉は足あし、F：爪つめ、G：肛門こうもん、H：生殖せいしょく孔あな

体からだは柔やわらかく、細長ほそながい。やや腹背ふくはいに扁平へんぺい、背面はいめんは盛もり上あがり、腹はら面めんは平たいらになっている。全身ぜんしんは無数むすうの乳頭にゅうとう突起とっき（papillae）が生はえたビロード状じょうの柔やわらかい皮膚ひふ（クチクラ）に覆おおわれ、撥ばち水すい性せいをもち、無数むすうの環たまき形がたの筋すじ（annulation）に細分さいぶんされる。体からだ色しょくは種たねによって赤褐色せきかっしょく、青あお、黒くろ、黒くろ紫色むらさきいろなど様々さまざまである。

頭部とうぶは先さき節ぶし（ocular somite）・第だい1体からだ節ぶし・第だい2体たい節ぶしの計けい3体たい節ぶしが含ふくまれ、それに応おうじて3対ついの付属ふぞく肢しをもつ[3]。先頭せんとうには先さき節ぶし由来ゆらいの1対ついの筋肉きんにく質しつな触角しょっかく（antennae, primary antennae）、その直後ちょくごには1対ついの単眼たんがん（ocelli）をもつ。頭部とうぶの腹はら面めんにある口くちは複雑ふくざつな口器こうきで、奥おくには第だい1体たい節ぶし付属ふぞく肢しの鉤かぎ爪つめから特とく化かした1対ついの顎あご（jaw）がある。顎あごの直前ちょくぜんには、鋸歯きょし状じょうの舌したに似にた1枚まいの柔やわらかい構造こうぞう体たい（tongue）がある[4]。この部分ぶぶんはかつて「上唇うわくちびる」（labrum）とも呼よばれてきたが、節足動物せっそくどうぶつの上唇うわくちびるとは別べつ起源きげんである。これらの口器こうきの周辺しゅうへんは、一見いっけんして放射状ほうしゃじょうの柔やわらかい乳頭にゅうとう突起とっき（lip papillae）に覆おおわれるが、これは複数ふくすう体からだ節ぶしの表皮ひょうひ由来ゆらいの左右さゆう対称たいしょうの構造こうぞう体たいであり、緩なる歩ふ動物どうぶつや葉は足あし動物どうぶつに見みられる放射状ほうしゃじょうの口器こうきとは別べつ起源きげんである[3][4][5]。これらの口器こうきの側面そくめんには、第だい2体たい節ぶしに由来ゆらいし、粘液ねんえき腺せんの開口かいこうとして機能きのうする1対ついの管状かんじょうの器官きかん（slime papillae）がある[3]。

それ以降いこうの胴どう部ぶから尾お部ぶにかけて、葉は足あし（lobopod、葉は足あし動物どうぶつと緩なる歩ふ動物どうぶつの葉は足あしから区別くべつして「onchopod」とも[6]）という付属ふぞく肢しが十じゅう数すう対たい以上いじょうを両りょう腹はら面めんに並ならぶ。葉は足あしは短みじかい円錐えんすい形がたに突出とっしゅつし、環たまき形がたの筋すじに細分さいぶんされ、先端せんたんは足あし先さきのように特とく化かした部分ぶぶん（distal foot）が突出とっしゅつし、その末端まったんには3本ほんの感覚かんかく毛げと1対ついの鉤かぎ爪つめがある[2][6]。この足あし先さき状じょうの部分ぶぶんの直前ちょくぜんは、地面じめんに触ふれる肉にく球だま状じょうの構造こうぞう（spinous pad）が腹はら面めんで前後ぜんご3つ並ならんでいる[6]。

尾お部ぶは付属ふぞく肢しをもたない突出とっしゅつ部ぶで、肛門こうもんがそこに開ひらく。生殖せいしょく孔あな（gonopore）は最後さいごの葉は足あしの間あいだの腹はら面めん中央ちゅうおうか、もう一ひとつ前まえの葉は足あしの間あいだに開ひらく。

有ゆう爪つま動物どうぶつの鉤かぎ爪つめ（爪つま由来ゆらいの顎あごも含ふくむ）は、内部ないぶが常つねに多重たじゅう構造こうぞうになっている。これは一部いちぶの葉は足あし動物どうぶつに似にて、緩なる歩ふ動物どうぶつや節足動物せっそくどうぶつの爪つめ（脱皮だっぴ直前ちょくぜんの時ときのみ多重たじゅうになる）とは異ことなる[2]。

  • 顎
    顎あご
  • 葉足
    葉は足あし
  • 葉足
    葉は足あし
  • 葉足（A）、slime papillae（B）と顎（C）
    葉は足あし（A）、slime papillae（B）と顎あご（C）

内部ないぶ構造こうぞう[編集へんしゅう]

有ゆう爪つま動物どうぶつの解剖かいぼう図ず

呼吸こきゅうは気管きかん系けいによって行おこなわれる。体からだ表ひょうのあちこちに気き門もんが開ひらき、その内部ないぶにはフラスコ型がたの気管きかん嚢がある。気管きかんはここから2-3本ほんが体からだの内部ないぶへと伸のび、それらは互たがいに癒合ゆごうすることがない。

はしご形がた神経しんけい系けいをもち、脳のうはそれぞれ触角しょっかくと顎あご（先さき節ぶしと第だい1体からだ節ぶし）に対応たいおうした前ぜん大脳だいのう（protocerebrum）と中ちゅう大脳だいのう（deutocerebrum）という2つの脳のう神経しんけい節ぶし（cerebral ganglion）からなる[3][7]。第だい2体たい節ぶしおとびそれ以降いこうの胴どう部ぶ腹はら側がわには1対ついの腹はら神経しんけい索さく（ventral nerve cord）が走はしり、節足動物せっそくどうぶつと緩なる歩ふ動物どうぶつのに比くらべると、神経しんけい索さくの間隔かんかくは広ひろく、付属ふぞく肢しと体からだ節ぶしに当あたる部分ぶぶんは神経しんけい節ぶし（ganglion）をもたない[3]。神経しんけい索さくの左右さゆうから胴どう部ぶの背せ側がわまで囲かこんだ一連いちれんの神経しんけい根ねが伸のびる[8]。

  • 有爪動物の気管系
    有ゆう爪つま動物どうぶつの気管きかん系けい
  • 有爪動物の頭部各部位の対応関係（Ant：触角、Md：顎、Op：Slime papilla、P：前大脳、D：中大脳）
    有ゆう爪つま動物どうぶつの頭部とうぶ各かく部位ぶいの対応たいおう関係かんけい（Ant：触角しょっかく、Md：顎あご、Op：Slime papilla、P：前ぜん大だい脳のう、D：中ちゅう大脳だいのう）


生殖せいしょく[編集へんしゅう]

カギムシは雌雄しゆう異体いたいで、体内たいない受精じゅせいによって生殖せいしょくする。雄ゆうは精せい包つつみを雌めすの体からだ表ひょうに貼はり付づけ、精子せいしはその皮膚ひふを貫つらぬいて雌めすの体からだに侵入しんにゅうし、卵たまごを受精じゅせいさせる。卵たまごを産うみ出だす場合ばあいと、体内たいないで孵化ふかするものがある。また、一部いちぶの種たねでは胎盤たいばんが形成けいせいされる胎生たいせいを行おこなう。

生態せいたい[編集へんしゅう]

熱帯ねったい多雨たう林りんの地表ちひょうや朽くち木きの中なかなどに生息せいそくする。肉食にくしょく性せいで、小型こがたの昆虫こんちゅう等とうを捕食ほしょくする。餌えさをとるときは口くちのそばにある粘液ねんえき腺せんから白しろい糸いとのように見みえる粘液ねんえきを噴出ふんしゅつし、これを獲物えものに引ひっかけて動うごけなくする。場合ばあいによっては30cmほども飛とぶ。この粘液ねんえきは防御ぼうぎょのためにも使つかわれる。成長せいちょうは脱皮だっぴを通つうじて行おこなわれる。

現生げんなま種しゅはすべて陸生りくせいである。これによって、有ゆう爪つま動物どうぶつは現存げんそんする動物どうぶつ門もんのうち、現生げんなま種しゅが水生すいせいおよび海産かいさん種しゅを含ふくまない唯一ゆいいつの動物どうぶつ門もんとなっている。

系統けいとう関係かんけい[編集へんしゅう]

前口まえぐち動物どうぶつ
冠かんむり輪わ動物どうぶつ

環たまき形がた動物どうぶつ門もん、軟体動物なんたいどうぶつ門もんなど

 
脱皮だっぴ動物どうぶつ
環かん神経しんけい動物どうぶつ

線形せんけい動物どうぶつ門もん、鰓えら曳動物どうぶつ門もんなど

 
汎ひろし節足動物せっそくどうぶつ
 

有ゆう爪つま動物どうぶつ門もん（カギムシ）

 
 

緩なる歩ふ動物どうぶつ門もん（クマムシ）

 
 

節足動物せっそくどうぶつ門もん

 
 
 
 
前口まえぐち動物どうぶつにおける有ゆう爪つま動物どうぶつの系統けいとう的てき位置いち。
「汎ひろし節足動物せっそくどうぶつ」および「側がわ節足動物せっそくどうぶつ」も参照さんしょう

有ゆう爪つま動物どうぶつは、緩なる歩ふ動物どうぶつ・節足動物せっそくどうぶつと共ともに汎ひろし節足動物せっそくどうぶつを構成こうせいする。はしご形がた神経しんけい系けい、腎じん管かんや爪つめのある付属ふぞく肢しの配置はいちなどの解剖かいぼう学がく的てき構造こうぞう、遺伝子いでんし発現はつげん、胚はい発生はっせいの様子ようすは、いずれも節足動物せっそくどうぶつおよび緩なる歩ふ動物どうぶつ様ようの体からだ節制せっせいにあることを裏付うらづけ、この3つの動物どうぶつ門もんの単たん系統けいとう性せいを支持しじする[9][10][11][12]。一方いっぽうで、汎ひろし節足動物せっそくどうぶつの内部ないぶ系統けいとうにおけるこれらの動物どうぶつ門もんの系統けいとう関係かんけいは議論ぎろん的てきである[9]。これらは線形せんけい動物どうぶつ門もんや鰓えら曳動物どうぶつ門もんなどの環かん神経しんけい動物どうぶつと共ともに脱皮だっぴ動物どうぶつを構成こうせいする[13][14]。

古典こてん的てきな分類ぶんるいにおいて、有ゆう爪つま動物どうぶつは節足動物せっそくどうぶつの1綱つなとされ[15]（昆虫こんちゅう類るい・多た足あし類るいと共ともに単たん枝えだ亜あ門もん (Uniramia) を構成こうせいする[16]）、または節足動物せっそくどうぶつに似にた点てんが多おおいもののこのような点てんで異ことなることから、緩なる歩ふ動物どうぶつ、舌した形がた動物どうぶつ（五ご口くち動物どうぶつ）と併あわせて側がわ節足動物せっそくどうぶつという群ぐんにまとめられることもある。また、発見はっけん当初とうしょはナメクジの1種しゅとして記載きさいされた。

環たまき形がた動物どうぶつの多毛たもう類るいに似にている点てんとして、付属ふぞく肢しが疣いぼ足あし状じょうであること、平滑へいかつ筋すじであること、生殖せいしょく輸管や腎じん管かんに繊毛せんもうがあることなどが挙あげられる。かつては節足動物せっそくどうぶつが環たまき形がた動物どうぶつから進化しんかしたと考かんがえられたため、この両者りょうしゃをつなぐ位置いちにあるものと考かんがえられたこともあった。しかし、節足動物せっそくどうぶつと環たまき形がた動物どうぶつは別べつ系統けいとう（脱皮だっぴ動物どうぶつと冠かんむり輪わ動物どうぶつ）であると判明はんめいして以降いこう、この仮説かせつは支持しじされなくなっている[17]。

葉は足あし動物どうぶつとの関係かんけい性せい[編集へんしゅう]

「葉は足あし動物どうぶつ#変動へんどうの経緯けいい」および「葉は足あし動物どうぶつ#有ゆう爪つま動物どうぶつとの関係かんけい性せい」も参照さんしょう
汎ひろし節足動物せっそくどうぶつ
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（諸説しょせつ）

 
 
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（諸説しょせつ）

 
 
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アンテナカンソポディア

 
 

有ゆう爪つま動物どうぶつ（カギムシ）

 
 
 
 
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（諸説しょせつ）

 
 

緩なる歩ふ動物どうぶつ（クマムシ）

 
 
 
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シベリオン類るい

 
 
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Gilled lobopodians

 
 
 

オパビニア

 
 

ラディオドンタ類るい

 
 

真しん節足動物せっそくどうぶつ

 
 
 
 
 
様々さまざまな葉は足あし動物どうぶつ（*）と現生げんなま汎ひろし節足動物せっそくどうぶつの系統けいとう関係かんけい

アイシェアイアとハルキゲニアを初はじめとして、カンブリア紀きの多おおくの葉は足あし動物どうぶつは、一見いっけんして有ゆう爪つま動物どうぶつに似にた姿すがたで、かつては全般ぜんぱん的てきに原始げんし的てきな有ゆう爪つま動物どうぶつだと考かんがえられた[18][19]。しかし節足動物せっそくどうぶつに似にた性質せいしつをもつ葉は足あし動物どうぶつが後のちに発見はっけんされ[20][21]、葉は足あし動物どうぶつは有ゆう爪つま動物どうぶつだけでなく、節足動物せっそくどうぶつの祖先そせんをも含ふくんだ側がわ系統けいとう群ぐんであると判明はんめいした[15]。これにより、環節かんせつに細分さいぶんされた柔軟じゅうなんなクチクラや葉は足あしなどという、かつて有ゆう爪つま動物どうぶつ的てきと思おもわれた葉は足あし動物どうぶつの特徴とくちょうも、両者りょうしゃの系統けいとう関係かんけいを反映はんえいしない汎ひろし節足動物せっそくどうぶつの祖先そせん形質けいしつだと分わかり[22]、葉は足あし動物どうぶつと有ゆう爪つま動物どうぶつの類縁るいえん関係かんけいは、新あらたな基準きじゅんで見直みなおさなければならない。

基盤きばん的てきな有ゆう爪つま動物どうぶつと思おもわれる石炭せきたん紀きのヘレノドラの化石かせき標本ひょうほん[23]

その後ご、かつて有ゆう爪つま動物どうぶつに近きん縁えんと思おもわれた葉は足あし動物どうぶつの系統けいとう関係かんけいはほとんどが不ふ確実かくじつで、種たねによって有ゆう爪つま動物どうぶつの初期しょき系統けいとう（ステムグループ）・別べつの汎ひろし節足動物せっそくどうぶつ（緩なる歩ふ動物どうぶつおよび節足動物せっそくどうぶつ）の初期しょき系統けいとう・独立どくりつした別べつ系統けいとうだと、対立たいりつした様々さまざまな系統けいとう仮説かせつを与あたえられた[2][22][24][25][26][27][28][29]。葉は足あし動物どうぶつの1種しゅハルキゲニア・スパルサ（Hallucigenia sparsa）の爪つめからは、有ゆう爪つま動物どうぶつに似にた多重たじゅう構造こうぞうが確認かくにんされており、これに基もとづいて有ゆう爪つま動物どうぶつの系統けいとうに属ぞくする説せつもあった[2] が、他たの葉は足あし動物どうぶつのこの特徴とくちょうの有無うむは不明ふめいであるため、有ゆう爪つま動物どうぶつの系統けいとうに特有とくゆうする派生はせい形質けいしつとして断言だんげんしにくく、前述ぜんじゅつの特徴とくちょうのような、単たんなる汎ひろし節足動物せっそくどうぶつの祖先そせん形質けいしつに過すぎない可能かのう性せいもある[22]。21世紀せいき以降いこう、有ゆう爪つま動物どうぶつの初期しょき系統けいとう（基盤きばん的てきな有ゆう爪つま動物どうぶつ）として広ひろく認みとめられる葉は足あし動物どうぶつは、アンテナカンソポディア（Antennacanthopodia[30]）やオーステノトゥブルス（Orstenotubulus[31]）などという僅わずかな種類しゅるいしかない[2][22][24][25][26][27][28]。

下位かい分類ぶんるい[編集へんしゅう]

現生げんなま種しゅはすべてカギムシ目めに属ぞくし、ペリパツス科かとペリパトプシス科かに分わける[1]。2012年ねん時点じてんでは、約やく180種たねの有ゆう爪つま動物どうぶつが認みとめられる[32]。

参考さんこう画像がぞう[編集へんしゅう]

  • Eoperipatus totoro
    Eoperipatus totoro
  • Peripatoides indigo
    Peripatoides indigo
  • Euperipatoides rowelli
    Euperipatoides rowelli
  • Euperipatoides kanangrensis
    Euperipatoides kanangrensis
  • Peripatoides sp.
    Peripatoides sp.
  • Peripatoides sp.
    Peripatoides sp.

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 本ほん群ぐんのステムグループと見みなされる一部いちぶの葉は足あし動物どうぶつを有ゆう爪つま動物どうぶつと考かんがえれば、カンブリア紀きまでにも遡さかのぼる

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

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