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未来みらいおも

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
未来みらいおも
ジャンル SF漫画まんがループもの
大人おとな青年せいねん漫画まんが
漫画まんが
作者さくしゃ 藤子とうこ・F・不二雄ふじお
出版しゅっぱんしゃ 小学館しょうがくかん
掲載けいさい ビッグコミック
レーベル ビッグコミックススペシャル
発表はっぴょうごう 1991ねん6月10にちごう - 8がつ25にちごう
巻数かんすう ぜん1かん
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画まんが
ポータル 漫画まんが

未来みらいおも』(みらいのおもいで)は、藤子とうこ・F・不二雄ふじおによる日本にっぽん漫画まんが。1992ねん森田もりた芳光よしみつ監督かんとく脚本きゃくほんのもと、『未来みらいおも Last Christmas』として映画えいがされている。

概要がいよう[編集へんしゅう]

1991ねん小学館しょうがくかんビッグコミック』に連載れんさいされた。藤子とうこ・F・不二雄ふじお最後さいご新作しんさく連載れんさい漫画まんが作品さくひん(『だい長編ちょうへんドラえもん』の新作しんさくタイトルはのぞく)。

人生じんせい後悔こうかいしている漫画まんがが「記憶きおくったまま人生じんせいなんもやりなおす」というループもので、時代じだい1971ねんから1991ねんの20年間ねんかん設定せっていしている[注釈ちゅうしゃく 1]漫画まんが奮闘ふんとう基本きほんじくに、漫画まんが仲間なかまとの交流こうりゅう女優じょゆう志望しぼう劇団げきだん研究けんきゅうせいとの真剣しんけん交際こうさいまれている。

主人公しゅじんこう風貌ふうぼう藤子とうこ・F・不二雄ふじお自身じしんていること[注釈ちゅうしゃく 2]主人公しゅじんこう時代じだい漫画まんが仲間なかまともんでいた西日にしびそうトキワそう酷似こくじしていることなど、時代じだい年齢ねんれいがややことなるものの、自伝じでんてき要素ようそ存在そんざいする[よう出典しゅってん]

ほんさく発表はっぴょうねんちかループもの作品さくひんには、ケン・グリムウッド小説しょうせつリプレイ』(1987ねん)や木内きうち一雅かずまさ渡辺わたなべじゅん漫画まんがだいもんTAKE2』(1990ねん)がある。藤子とうこ・Fはほんさく連載れんさいだい1かい主人公しゅじんこうに「ふるいね。ファウスト以来いらいあかのついた題材だいざいじゃないか」とかたらせることで、ほんさく設定せってい斬新ざんしんなものではないことをしめしている。なお、藤子とうこ・Fが敬愛けいあいする漫画まんが手塚てづか治虫おさむ生涯しょうがいで3、ファウストものの作品さくひん手掛てがけている(1950ねん1971ねん1988ねん)。ほんさく主人公しゅじんこうがファウストに言及げんきゅうすることで「手塚てづか後追あとお漫画まんが」という批評ひひょうさきんじてふうじる効果こうかまれている。

なお、藤子とうこ・F・不二雄ふじお代表だいひょうさく『ドラえもん』にも、同様どうよう効果こうか道具どうぐ人生じんせいやりなおし」「タマシイム・マシン」が登場とうじょうする[よう出典しゅってん]

2003ねんメディコム・トイから、納戸なんどじんと、漫画まんが登場とうじょうする「ざしきボーイ」のフィギュア発売はつばいされた。

あらすじ[編集へんしゅう]

かつての人気にんき漫画まんが納戸なんどじんは、作家さっか人生じんせいのすべてをかけて執筆しっぴつした連載れんさい漫画まんが時空じくう戦記せんき」をられ、になりつつあった。日常にちじょう希望きぼういだけず、惰性だせい生命せいめい維持いじしているかのような年月としつきながながつづいていた。そんなある納戸なんど参加さんかした出版しゅっぱんしゃのゴルフコンペでホールインワンし、おどろきのあまりうしなってしまう。

登場とうじょうキャラクター[編集へんしゅう]

納戸なんど じん(なんど りひと)
ほん作品さくひん主人公しゅじんこう漫画まんが山梨やまなしけん出身しゅっしん1948ねん4がつ1にちまれ。高校こうこう在学ざいがくちゅうから漫画まんが投稿とうこうし、上京じょうきょうまえには読切よみき漫画まんがなんさく掲載けいさいされた。上京じょうきょうはしばらくなかったものの、ほどなく連載れんさい漫画まんが『ざしきボーイ』がだいヒットし、アニメされ社会しゃかいてきだいブームをこす。自作じさく次々つぎつぎにアニメされる人気にんき漫画まんがになるも、その立場たちばおぼれて流行りゅうこうなみをつかみそこね、のちちぶれる。劇画げきが不得意ふとくいで、生活せいかつギャグ漫画まんが得意とくいとしているが、つまからギャグが理屈りくつっぽいとわれている。ループのカラクリにづき「未来みらいおも」をすことに成功せいこうするが、人生じんせいをやりなおさい運命うんめいかみ)にさからうごとに頭痛ずつう警告けいこく)がこる。
水谷みずたに 晶子あきこ
女優じょゆう志望しぼう劇団げきだん未来みらい研究けんきゅうせい北海道ほっかいどう函館はこだて出身しゅっしん納戸なんどのヌードモデルのバイトをしている。納戸なんど最愛さいあいひと納戸なんど人生じんせいをやりなおまえは、ちち経営けいえいする会社かいしゃ倒産とうさんによる一家いっか崩壊ほうかいにまきこまれ、いのちとすことになる。彼女かのじょ運命うんめい回避かいひこそが、過去かこ帰還きかんした納戸なんどによる「あらたなる人生じんせい」の最終さいしゅう目標もくひょうとなる。
ごう カオリ
納戸なんど時代じだい漫画まんがグループの一人ひとり大阪おおさか出身しゅっしん漫画まんがのタマゴ。不動産ふどうさん会社かいしゃ経営けいえいしている実家じっかおやのすねかじりで生活せいかつしながら、読切よみき漫画まんがではなく、発表はっぴょうだい長編ちょうへん少女しょうじょ漫画まんが『ファラオせんねんのたたり』のみに人生じんせいをかける。納戸なんど人生じんせいをやりなおまえ納戸なんどつま。『ドラえもん』アニメだい2さくだい2おうかんコレクション」にモブキャラとして登場とうじょうしている。
沢井さわい のぼる
漫画まんが納戸なんど上京じょうきょうするまえからのペンフレンドで、納戸なんど時代じだい漫画まんがグループのリーダーてき存在そんざい面倒めんどうがよく、納戸なんど相談そうだんっている。地味じみながら人間にんげん描写びょうしゃたしかで、かせがうまい漫画まんがえがく。
小金井こがねい 英光ひでみつ
納戸なんど時代じだい漫画まんがグループの一人ひとり北海道ほっかいどう出身しゅっしん大学だいがく留年りゅうねんちゅう上京じょうきょうし、大人おとな漫画まんがこころざす。のち大学生だいがくせいのファンがおおく、批評ひひょう注目ちゅうもくする漫画まんがとなる。ごうカオリとおなじく『ドラえもん』アニメだい2さくだい2おうかんコレクション」にモブキャラとして登場とうじょうしている。
東山ひがしやま 岩男いわお
納戸なんど時代じだい漫画まんがグループの一人ひとり漫画まんがグループのなか最初さいしょ連載れんさいつが、すぐりにう。ナンセンスにてっしたギャグ作品さくひんえがいている。
大学だいがくかん編集へんしゅうしゃ
漫画まんが雑誌ざっし編集へんしゅうしゃ原稿げんこうをボツにされて漫画まんが納戸なんどを「ボツ原稿げんこうやまこそ最良さいりょう」とはげましている。納戸なんど出世しゅっせ漫画まんが『ざしきボーイ』を連載れんさい漫画まんがするも、人気にんき漫画まんがになった納戸なんどマンネリ化まんねりかしたさいには「漫画まんがをパターンせずに、いつまでもなやみながらかいてしかった」となげき、納戸なんど激怒げきどさせる。
眼鏡めがね編集へんしゅうしゃ
納戸なんどりをぎても原稿げんこうえがかずにえたさいに、きわめいてなげく。納戸なんど原稿げんこうあなうめに、われだんたいらの『やぶれハッポー』を掲載けいさいすることをめる。
われ だんたいら
漫画まんが納戸なんどのアシスタント。のち漫画まんが『やぶれハッポー』をだいヒットさせて、人気にんき漫画まんがとなる。
ノラこう
西日にしびそうみついたノラねこ。ノミがついている。のちに交通こうつう事故じこまれて死亡しぼうする。
青年せいねん
水谷みずたにのアパートの隣室りんしつんでいるネクラ青年せいねんじつ過激かげき一員いちいんだった。

収録しゅうろく書籍しょせき[編集へんしゅう]

  • 藤子とうこ・F・不二雄ふじお未来みらいおも小学館しょうがくかん〈Big comics special〉、1992ねん9がつISBN 4091818919  ISBN 978-4091818911
  • 藤子とうこ・F・不二雄ふじお中年ちゅうねんスーパーマンひだり江内えうち/未来みらいおも』〈藤子とうこ・F・雄大ゆうだい全集ぜんしゅう〉2012ねん2がつISBN 978-4091434852 

映画えいが[編集へんしゅう]

未来みらいおも Last Christmas
Future Memories: Last Christmas
監督かんとく 森田もりた芳光よしみつ
脚本きゃくほん 森田もりた芳光よしみつ
原作げんさく 藤子とうこ・F・不二雄ふじお
未来みらいおも
製作せいさく 鈴木すずきひかり
出演しゅつえんしゃ 清水しみず美砂みさ
工藤くどう静香しずか(W主演しゅえん)
音楽おんがく 加古かこたかし
主題歌しゅだいか ワム!ラスト・クリスマス
撮影さつえい 前田まえだ米造よねぞう
編集へんしゅう 川島かわしまあきらただし
製作せいさく会社かいしゃ 光和こうわインターナショナル
藤子とうこ・F・不二雄ふじおプロ
配給はいきゅう 東宝とうほう
公開こうかい 日本の旗 1992ねん8がつ29にち
上映じょうえい時間じかん 118ふん
製作せいさくこく 日本の旗 日本にっぽん
言語げんご 日本語にほんご
テンプレートを表示ひょうじ

未来みらいおも Last Christmas』として映画えいがされ、1992ねん8がつ29にち東宝とうほうけい公開こうかいされた。主人公しゅじんこう女性じょせいえられている。タイトルにくわえられ主題歌しゅだいかにもなった「ラスト・クリスマス」をはじめ、1980年代ねんだいソニー・ミュージックレーベルズ楽曲がっきょく挿入そうにゅうされている。

特撮とくさつ描写びょうしゃ夜景やけいのシーンなどに使つかわれているのみであるが[1]監督かんとくっており、特技とくぎ監督かんとく樋口ひぐちしんわかいスタッフ編成へんせい満足まんぞくできるものができたことで、の『ガメラ だい怪獣かいじゅう空中くうちゅう決戦けっせん』(1995ねん)を製作せいさくするにいた自信じしんられたとべている[2]

映画えいがあらすじ[編集へんしゅう]

1991ねんのクリスマスイブに出会であった納戸なんど遊子ゆうし金江かなえ銀子ぎんす遊子ゆうし子供こどもころからのゆめである漫画まんがになったがヒットさくむことなく、銀子ぎんすしあわせとはえない結婚けっこん生活せいかつおく日々ひびごしていた。たがいの境遇きょうぐうかた2人ふたり連絡れんらくさき交換こうかんしてわかれた。翌日よくじつ出版しゅっぱんしゃ主催しゅさいのゴルフコンペに出席しゅっせきした遊子ゆうし意識いしきうしなくなってしまう。彼女かのじょ葬式そうしき参列さんれつした銀子ぎんすもまた帰宅きたく途中とちゅう不思議ふしぎちからによりくなってしまう。

んだはずの遊子ゆうしがつくと1981ねんもどっていた。おどろきつつも人生じんせいをやりなおそうとする主人公しゅじんこうだがはげしい競争きょうそうかべたかく、遊子ゆうし過去かこ記憶きおく使つかってこれからヒットする作品さくひんのアイデアをいただこと決意けつい現実げんじつえること成功せいこうする。そんな彼女かのじょのもとに盗用とうよう脅迫きょうはくする手紙てがみとどいにくと銀子ぎんすあらわれる。銀子ぎんすもまた過去かこもど自分じぶん人生じんせいえていた。再会さいかいした2人ふたりにとりあたらしいとびらひらいたはずだったが、からった運命うんめいはさらに彼女かのじょたちにべつ問題もんだいせつけることになる。

未来みらい記憶きおくったまま過去かこ時代じだいへともどってきてしまった主人公しゅじんこう友人ゆうじんともに、2人ふたり人生じんせいをやりなおしてこうという、友情ゆうじょうあり、恋愛れんあいありの感動かんどう物語ものがたり。1かい人生じんせいおもどおりにならなかったことを、2かい人生じんせいでやりなおそうとするが、またもおもどおりにかず、3かい人生じんせいをやりなおす。

キャスト[編集へんしゅう]

スタッフ[編集へんしゅう]

逸話いつわ[編集へんしゅう]

映画えいがない漫画まんが原稿げんこう[編集へんしゅう]

主人公しゅじんこう納戸なんど遊子ゆうし」はさくないにおける「最初さいしょ人生じんせい」ではれない漫画まんがである。しかし、まれわった「2かい人生じんせい」において「未来みらいのヒットさくおも」を使つかい、れっ漫画まんが転身てんしんする。そのためげきちゅうには、なんまいにもおよ漫画まんが原稿げんこう登場とうじょうするが、それを実際じっさい執筆しっぴつしたのは、原作げんさくしゃである藤子とうこ・F・不二雄ふじおのアシスタントや、当時とうじ小学館しょうがくかん新人しんじんコミック大賞たいしょう児童じどう部門ぶもん藤子とうこ不二雄ふじおしょうなどを受賞じゅしょうした新人しんじん漫画まんがであった。スタッフめいのエンドロールには「漫画まんが作画さくが指導しどう」のスタッフとして紹介しょうかいされている。メンバーは以下いかとおり。

出演しゅつえん漫画まんが[編集へんしゅう]

映画えいがかんしては、藤子とうこ・F・不二雄ふじお自身じしんが、2人ふたり主人公しゅじんこうみちしめうらなとして出演しゅつえんしたことで話題わだいになった。ほかにも藤子とうこのつてにより、トキワそうメンバーを中心ちゅうしんとした巨匠きょしょう漫画まんがすうめい出演しゅつえんしている。メンバーは以下いかとおり。

納戸なんど受賞じゅしょうパーティーにばれた同僚どうりょうおよび先輩せんぱい漫画まんが

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 年代ねんだい主人公しゅじんこう本人ほんにん発言はつげんによるが、そのまえはなしでは「ざしきボーイ」のだいいちかん発売はつばい昭和しょうわ44ねん(1969ねん)12月としていたり、同年どうねん東大とうだい安田やすだ講堂こうどう事件じけんをテレビでていたりなど、1968ねん - 1969ねんごろ描写びょうしゃもある。
  2. ^ より正確せいかくえば、藤子とうこ・F・不二雄ふじおつねより使用しようしていた自画像じがぞうのデザインをほぼそのまま利用りようしている

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 石井いしい博士はかせほか 1997, p. 351.
  2. ^ 石井いしい博士はかせほか 1997, p. 392, 特撮とくさつ監督かんとくインタビュー - 樋口ひぐちしん嗣.

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 石井いしい博士はかせほか『日本にっぽん特撮とくさつ幻想げんそう映画えいが全集ぜんしゅう』勁文しゃ、1997ねんISBN 4766927060 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]