極ごく東風こち

地球ちきゅうの大気たいき循環じゅんかんのモデル

極ごく東風こち（きょくとうふう、英語えいご: polar easterlies）は、両極りょうきょく域いき周辺しゅうへんの大気たいき下層かそうで吹ふく東ひがし寄よりの恒常こうじょう風ふう。極ごく偏へん東風こち（きょくへんとうふう）、極ごく風ふうとも言いう。

概要がいよう

寒冷かんれいのため北極ほっきょくや南極なんきょくに形成けいせいされる極きょく高だか圧あつ帯たいから、寒帯かんたい前線ぜんせん（あるいは亜寒帯あかんたい低圧ていあつ帯たい）に向むかって吹ふく。寒帯かんたい前線ぜんせん（亜寒帯あかんたい低圧ていあつ帯たい）で上昇じょうしょうし対流圏たいりゅうけん上層じょうそうを極きょくへと移動いどうして極ごく高こう圧あつ帯たいで下降かこうすることで極ごく循環じゅんかんを形成けいせいする。極ごく東風こちは地球ちきゅうの自転じてんによるコリオリの力ちからを受うけて東ひがし寄よりとなる。

極ごく東風こちが吹ふく大気たいきの高たかさは地表ちひょうから1 - 3キロメートル程度ていどで薄うすい。また風ふうはあまり一定いっていせず不規則ふきそくである。この上部じょうぶの対流圏たいりゅうけん上層じょうそうでは西風せいふうが吹ふいており、対流圏たいりゅうけん極ごく渦うずを形成けいせいしている。

北半球きたはんきゅうでは、年とし平均へいきんではアリューシャン低てい気圧きあつやアイスランド低てい気圧きあつの北側きたがわで顕著けんちょで、他たの地域ちいきでは極ごく高気圧こうきあつが発達はったつする晩春ばんしゅんから初秋しょしゅうにかけての時期じきに弱よわく吹ふき、年間ねんかんでは明確めいかくに現あらわれない。。南半球みなみはんきゅうでは、滑降かっこう風ふう（カタバ風ふう）の性質せいしつももつ南東なんとうの風かぜが吹ふき、地表ちひょう付近ふきんに強風きょうふう部ぶがある。

参考さんこう文献ぶんけん

• 日本にっぽん気象きしょう学会がっかい 編へん『気象きしょう科学かがく事典じてん』東京書籍とうきょうしょせき、1998年ねん。ISBN 4-487-73137-2。 
• 岩いわ槻けやき秀明ひであき『最新さいしん気象きしょう学がくのキホンがよ〜くわかる本ほん』（2版はん）秀和しゅうわシステム、2012年ねん。ISBN 978-4-7980-3511-6。 
• 山川やまかわ修治しゅうじ、江口えぐち卓たく、高橋たかはし日出男ひでお ほか 編へん『図説ずせつ 世界せかいの気候きこう事典じてん』朝倉書店あさくらしょてん、2022年ねん。ISBN 978-4-254-16132-8。 
  • 山川やまかわ修治しゅうじ『§Ⅰ-1-1 大気たいき大だい循環じゅんかんとその季き節ぶし変動へんどう』。 
• (英語えいご) Glossary of Meteorology（気象きしょう学がく用語ようご集しゅう）. American Meteorological Society（AMS, アメリカ気象きしょう学会がっかい） 
  • “polar easterlies”. AMS気象きしょう学がく用語ようご集しゅう (2024年ねん3月がつ29日にち). 2024年ねん3月がつ29日にち閲覧えつらん。

関連かんれん項目こうもく

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