みずたからだい綬章じゅしょう

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みずたからだい綬章じゅしょう

勲一等くんいっとう瑞宝章ずいほうしょう正章まさあきふくあきら[注釈ちゅうしゃく 1]現行げんこうみずたからだい綬章じゅしょう本体ほんたい部分ぶぶん意匠いしょうおなじ。
日本にっぽん勲章くんしょう
あい
創設そうせつしゃ 明治天皇めいじてんのう
対象たいしょう 国家こっかまた公共こうきょうたい積年せきねん功労こうろうアルしゃ
状態じょうたい 存続そんぞく
歴史れきし統計とうけい
創設そうせつ 1888ねん明治めいじ21ねん1がつ4にち
勲一等くんいっとう瑞宝章ずいほうしょうとして
2003ねん平成へいせい15ねん11月3にち
栄典えいてん制度せいど改革かいかくともな改称かいしょう
期間きかん 2003ねん - 現在げんざい
前身ぜんしん 勲一等くんいっとう瑞宝章ずいほうしょう
最初さいしょ授与じゅよ 2003ねん11月3にち
序列じょれつ
上位じょうい きりはなだい綬章じゅしょう
下位かい みずたから重光しげみつあきら
同位どうい 旭日大綬章あさひだいじゅしょう宝冠ほうかんだい綬章じゅしょう文化ぶんか勲章くんしょう
みずたからだい綬章じゅしょう略綬りゃくじゅ

みずたからだい綬章じゅしょうずいほうだいじゅしょうえい: Grand Cordon of the Order of the Sacred Treasure)は、日本にっぽん勲章くんしょうひとつ。瑞宝章ずいほうしょう最高さいこうで、2003ねん平成へいせい15ねん)の栄典えいてん改革かいかく以前いぜん勲一等くんいっとう瑞宝章ずいほうしょう相当そうとうする。

概要がいよう[編集へんしゅう]

みずたからだい綬章じゅしょうは、瑞宝章ずいほうしょう最高さいこう勲章くんしょうである。瑞宝章ずいほうしょう1888ねん明治めいじ21ねん)1がつ4にち制定せいていされ、2003ねん平成へいせい15ねん)に改正かいせいされた。勲章くんしょうのデザインは、古代こだいたからであったたからきょう中心ちゅうしん大小だいしょう16連珠れんじゅはいして、四条しじょうないしはちじょう光線こうせんする。ぼたん(ちゅう、正章まさあきと綬をつなぐ部分ぶぶん)にはきりはなもちいている。綬(リボン)は、織地おりじ藍色あいいろそうせんだいだい黄色おうしょく

みずたからだい綬章じゅしょう受章じゅしょうしゃには、中央ちゅうおう省庁しょうちょう事務次官じむじかん検事けんじ総長そうちょう特命とくめい全権ぜんけん大使たいし会計検査院かいけいけんさいんちょう主要しゅよう大学だいがく学長がくちょうなどを経験けいけんしたものおおい。また、2014ねん以降いこう自衛じえいかん地位ちい向上こうじょう一環いっかんとして70さい以上いじょうたっした統合とうごう幕僚ばくりょうちょう経験けいけんしゃたいしても授与じゅよされるようになった。栄典えいてん改革かいかくまえ勲一等くんいっとう瑞宝章ずいほうしょうは、だい企業きぎょう経営けいえいしゃ授与じゅよされることもおおく、トップに勲一等くんいっとう瑞宝章ずいほうしょう授与じゅよされる企業きぎょうぞくに「みずいち企業きぎょう」ともばれた。栄典えいてん改革かいかくには、みずたからだい綬章じゅしょう公務員こうむいんであったもの授与じゅよされることがおおく、だい企業きぎょう経営けいえいしゃには旭日大綬章あさひだいじゅしょうなど旭日きょくじつあきら授与じゅよするれいおおい。これは、栄典えいてん改革かいかくさいに「勲章くんしょう授与じゅよ基準きじゅん」(2003ねん平成へいせい15ねん)5がつ20日はつか閣議かくぎ決定けってい)を改正かいせいしたことによる[1]

瑞宝章ずいほうしょうは、「くにおよ地方ちほう公共こうきょう団体だんたい公務こうむまたは…公共こうきょうてき業務ぎょうむ長年ながねんにわたり従事じゅうじして功労こうろうかさね、成績せいせきげたもの表彰ひょうしょうする場合ばあい授与じゅよする」とさだめられ、その授与じゅよ基準きじゅんは、「そのものたした職務しょくむ複雑ふくざつ困難こんなん責任せきにん程度ていどとう」について評価ひょうかおこない、とく重要じゅうようみとめられる職務しょくむたし成績せいせきげたものたいしてはみずたから重光しげみつあきら以上いじょう授与じゅよするとさだめられている[1]。この授与じゅよ基準きじゅんによれば、「事務次官じむじかんしょくつとめたもの」にはみずたから重光しげみつあきら授与じゅよするとさだめているが、「そのもの功労こうろう全体ぜんたい総合そうごうてき評価ひょうかして、より上位じょうい勲章くんしょう授与じゅよ検討けんとうすることができる」としたため、事務次官じむじかん経験けいけんしゃみずたからだい綬章じゅしょう授与じゅよすることもある。

受章じゅしょうしゃ一覧いちらん[編集へんしゅう]

しるし死亡しぼう叙勲じょくん

受章じゅしょうねん 月日つきひ 氏名しめい(カッコないおも役職やくしょく
2003ねん平成へいせい15ねん)  11月3にち 緒方おがた信一郎しんいちろう国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんちょう)、小田おだしげる国際司法裁判所こくさいしほうさいばんしょふく所長しょちょう)、後藤ごとう康夫やすお農林のうりん水産すいさん事務次官じむじかん)、西垣にしがきあきら大蔵おおくら事務次官じむじかん)、矢崎やさき新二しんじ会計検査院かいけいけんさいんちょう)、和田わだひかり九州大学きゅうしゅうだいがく総長そうちょう
2004ねん平成へいせい16ねん 3月16にち しょうかゆ正巳まさみ大蔵おおくら事務次官じむじかん)※
4がつ29にち 金森かなもり順次郎じゅんじろう大阪大学おおさかだいがく総長そうちょう)、川崎かわさき義徳よしのり公害こうがいとう調整ちょうせい委員いいんかい委員いいんちょう)、工藤くどう敦夫あつお内閣ないかく法制ほうせいきょく長官ちょうかん)、吉永よしなが祐介ゆうすけ検事けんじ総長そうちょう
11月3にち 土肥どい孝治こうじ検事けんじ総長そうちょう)、西島にししま安則やすのり京都大学きょうとだいがく総長そうちょう
2005ねん平成へいせい17ねん 4がつ29にち 井村いむら裕夫ひろお京都きょうと大学だいがく総長そうちょう)、松下まつした康雄やすお日本銀行にっぽんぎんこう総裁そうさい
11月3にち 戸張とばり正雄まさお国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんちょう
2006ねん平成へいせい18ねん 9月22にち 小山こやまちゅうまる早稲田大学わせだだいがく総長そうちょう)※
11月3にち 加藤かとう延夫のぶお名古屋大学なごやだいがく総長そうちょう)、清水しみずじん内閣ないかく情報じょうほう公開こうかい審査しんさ会長かいちょう)、せらざい幸安ゆきやす日本にっぽん大学だいがく総長そうちょう)、花尻はなじりなお国家こっか公務員こうむいん倫理りんり審査しんさかい会長かいちょう)、平澤ひらさわ貞昭さだあき株式会社かぶしきがいしゃ横浜銀行よこはまぎんこう頭取とうどり大蔵おおくら事務次官じむじかん)、村田むらた良平りょうへい外務がいむ事務次官じむじかん
2007ねん平成へいせい19ねん 4がつ29にち 苅田かりた吉夫よしお式部しきぶかんちょう)、北島きたじま敬介けいすけ検事けんじ総長そうちょう)、栗山くりやま尚一しょういち外務がいむ事務次官じむじかん
11月3にち 大森おおもりまさし内閣ないかく法制ほうせいきょく長官ちょうかん)、国広くにひろ道彦みちひこ特命とくめい全権ぜんけん大使たいし)、熊谷くまがい信昭のぶあき大阪大学おおさかだいがく総長そうちょう)、中島なかじま忠能ただやす人事院じんじいん総裁そうさい)、西原にしはら春夫はるお早稲田大学わせだだいがく総長そうちょう)、牧野まきのとおる建設けんせつ事務次官じむじかん
2008ねん平成へいせい20ねん 4がつ29にち 湯浅ゆあさ利夫としお宮内庁くないちょう長官ちょうかん)、吉川よしかわ弘之ひろゆき東京大学とうきょうだいがく総長そうちょう
11月3にち 有馬ありま龍夫たつお特命とくめい全権ぜんけん大使たいし)、杉岡すぎおか洋一よういち九州大きゅうしゅうだい学長がくちょう)、渡辺わたなべまこと侍従じじゅうちょう
2009ねん平成へいせい21ねん 4がつ29にち たん保憲やすのりひとし北海道大学ほっかいどうだいがく総長そうちょう)、渡辺わたなべ幸治こうじ特命とくめい全権ぜんけん大使たいし
11月3にち 齋藤さいとう邦彦くにひこ外務がいむ事務次官じむじかん
2010ねん平成へいせい22ねん 4がつ29にち 杉浦すぎうらつとむ会計検査院かいけいけんさいんちょう)、たに福丸ふくまる衆院しゅういん事務じむ総長そうちょう
11月3にち 清成きよなり忠男ただお法政大学ほうせいだいがく総長そうちょう
2011ねん平成へいせい23ねん 4がつ29にち[注釈ちゅうしゃく 2]  金子かねこあきら会計検査院かいけいけんさいんちょう
11月3にち 森下もりした伸昭のぶあき会計検査院かいけいけんさいんちょう
2012ねん平成へいせい24ねん 4がつ29にち 阿部あべ博之ひろゆき東北大学とうほくだいがく総長そうちょう)、松尾まつおみのる名古屋大学なごやだいがく総長そうちょう
11月3にち いし弘光ひろみつ放送大学ほうそうだいがく一橋大学ひとつばしだいがくもと学長がくちょう)、佐藤さとうたけしろう人事院じんじいん総裁そうさい)、こう久史ひさし麿まろ自治医科大学じちいかだいがく学長がくちょう)、松浦まつうら晃一郎こういちろう国際こくさい連合れんごう教育きょういく科学かがく文化ぶんか機関きかん事務じむ局長きょくちょう
2013ねん平成へいせい25ねん 4がつ29にち 内海うつみ善雄よしお国際電気こくさいでんき通信つうしん連合れんごう(ITU)事務じむそう局長きょくちょう)、大塚おおつか宗春むねはる会計検査院かいけいけんさいんちょう)、竹島たけしま一彦かずひこ公正こうせい取引とりひき委員いいんかい委員いいんちょう)、丹波たんばみのるちゅうロシア大使たいし
11月3にち 阪田さかた雅裕まさひろ内閣ないかく法制ほうせいきょく長官ちょうかん)、日野ひの正晴まさはる金融きんゆうちょう長官ちょうかん
2014ねん平成へいせい26ねん 4がつ29にち 河村かわむら武和たけかず式部しきぶかんちょう)、たけ河内かわうちとし統合とうごう幕僚ばくりょう会議かいぎ議長ぎちょう)、伏屋ふしや和彦かずひこ会計検査院かいけいけんさいんちょう)、矢崎やさき義雄よしお国立こくりつ国際こくさい医療いりょうセンター総長そうちょう
6月23にち 小松こまつ一郎いちろう内閣ないかく法制ほうせいきょく長官ちょうかん)※
11月3にち はやし貞行さだゆきちゅうえい大使たいし
2015ねん平成へいせい27ねん 4がつ 受章じゅしょうしゃなし
11月3にち 石川いしかわとおる統合とうごう幕僚ばくりょう会議かいぎ議長ぎちょう
2016ねん平成へいせい28ねん 4がつ29にち 川島かわしまひろし侍従じじゅうちょう)、西村にしむら正紀まさき会計検査院かいけいけんさいんちょう)、先崎まっさきいち統合とうごう幕僚ばくりょうちょう
11月 受章じゅしょうしゃなし
2017ねん平成へいせい29ねん 4がつ29にち 江利えりかわあつし人事院じんじいん総裁そうさい)、梶山かじやま千里せんり九州大学きゅうしゅうだいがく総長そうちょう)、加藤かとう良三りょうぞう駐米ちゅうべい大使たいし
11月3にち 柳井やない俊二しゅんじ駐米ちゅうべい大使たいし
2018ねん平成へいせい30ねん 4がつ29にち 笠間かさま治雄はるお検事けんじ総長そうちょう)、梶田かじた信一郎しんいちろう内閣ないかく法制ほうせいきょく長官ちょうかん)、齋藤さいとうたかし統合とうごう幕僚ばくりょうちょう)、佐々木ささきあつし東京大学とうきょうだいがく総長そうちょう)、重松しげまつ博之ひろゆき会計検査院かいけいけんさいんちょう)、平野ひらの眞一しんいち名古屋大学なごやだいがく総長そうちょう)、吉本よしもと高志たかし東北大学とうほくだいがく総長そうちょう
2019ねんれい元年がんねん 5月21にち 白井しらい克彦かつひこ早稲田大学わせだだいがく総長そうちょう
7がつ1にち 鳥居とりい泰彦やすひこ慶応義塾けいおうぎじゅく塾長じゅくちょう)※
7がつ18にち[2] 天野あまのわたる国際こくさい原子力げんしりょく機関きかん事務じむ局長きょくちょう)※
11月3にち 小津おつ博司ひろし検事けんじ総長そうちょう
2020ねんれい2ねん 4がつ29にち 折木おりき良一りょういち統合とうごう幕僚ばくりょうちょう
11月3にち 小宮山こみやまひろし東京大学とうきょうだいがく総長そうちょう
2021ねんれい3ねん 4がつ29にち 嶋津しまづあきら総務そうむ事務次官じむじかん)、杉本すぎもと和行かずゆき公正こうせい取引とりひき委員いいんかい委員いいんちょう)、みや﨑礼いち内閣ないかく法制ほうせいきょく長官ちょうかん
11月3にち 松本まつもとひろし理化学研究所りかがくけんきゅうしょ理事りじちょう
2022ねんれい4ねん 4がつ29にち 一宮いちのみやなほみ人事院じんじいん総裁そうさい)、大野おおの恒太郎つねたろう検事けんじ総長そうちょう)、小田野おだのてんたけ侍従じじゅうちょう)、よこはたけ裕介ゆうすけ内閣ないかく法制ほうせいきょく長官ちょうかん
11月3にち 平野ひらの俊夫としお大阪大学おおさかだいがく総長そうちょう)、藤崎ふじさき一郎いちろう特命とくめい全権ぜんけん大使たいし)、山本やまもと信一郎しんいちろう宮内庁くないちょう長官ちょうかん
2023ねんれい5ねん 4がつ29にち 岩崎いわさきしげる統合とうごう幕僚ばくりょうちょう)、おきとう孝康たかやす早稲田大学わせだだいがく総長そうちょう
11月3にち 秋元あきもと義孝よしたか宮内庁くないちょう式部しきぶかんちょう)、河戸こうど光彦みつひこ会計検査院かいけいけんさいんちょう
2024ねんれい6ねん 4がつ2にち ひゃく籏頭しん防衛大学校ぼうえいだいがくこうちょう)※
4がつ29にち 井上いのうえ明久あきひさ東北大学とうほくだいがく総長そうちょう)、黒田くろだひがし日本銀行にっぽんぎんこう総裁そうさい)、西川にしかわ克行かつゆき検事けんじ総長そうちょう法務ほうむ事務次官じむじかん

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 1895ねん明治めいじ28ねん)、西園寺さいおんじ公望きんもち授与じゅよされたもの国立こくりつ公文書こうぶんしょかん所蔵しょぞう請求せいきゅう番号ばんごう寄贈きぞう02112100)。
  2. ^ 東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい影響えいきょうにより発令はつれい延期えんきされ、6月18にちづけ本来ほんらい発令はつれいにさかのぼって発令はつれい叙勲じょくんこう参照さんしょう)。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 勲章くんしょう授与じゅよ基準きじゅん、2003ねん平成へいせい15ねん)5がつ20日はつか閣議かくぎ決定けってい最終さいしゅう改正かいせい2006ねん平成へいせい18ねん)12月26にち)。
  2. ^ 天野あまのわたるしたがえさん日経にっけい電子でんしばん2019/8/15

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]