知床岳しれとこだけ

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知床岳しれとこだけ
知床しれとこ硫黄いおうさんよりのぞ知床岳しれとこだけ
標高ひょうこう 1253.9[1] m
所在地しょざいち 日本の旗 日本にっぽん
北海道ほっかいどう羅臼らうすまち斜里しゃりまち
位置いち 北緯ほくい4414ふん09びょう 東経とうけい14516ふん26びょう / 北緯ほくい44.23583 東経とうけい145.27389 / 44.23583; 145.27389座標ざひょう: 北緯ほくい4414ふん09びょう 東経とうけい14516ふん26びょう / 北緯ほくい44.23583 東経とうけい145.27389 / 44.23583; 145.27389[1]
種類しゅるい 成層せいそう火山かざん
知床岳の位置(日本内)
知床岳
知床岳しれとこだけ位置いち
プロジェクト やま
テンプレートを表示ひょうじ

知床岳しれとこだけ(しれとこだけ)は、北海道ほっかいどう羅臼らうすまち斜里しゃりまちにまたがる知床半島しれとこはんとうなかだいよん火山かざんである。標高ひょうこうは1254.2m。やまたい両町りょうちょうにまたがるが、ピークは斜里しゃりまちぞくする。その原始げんしのままの自然しぜん常人じょうじんちかづけない。

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

円錐えんすいがた火山かざん山頂さんちょうにはだい爆裂ばくれつ火口かこうがある[2]地質ちしつ安山岩あんざんがんしつ成層せいそう火山かざんである。南東なんとうはなだらかな高原こうげんじょうで、山頂さんちょう北側きたがわにはがけがあり、火口かこうかべ推測すいそくされている[3]やまたい西にし斜面しゃめんをポトビラベツがわ鮹岩たこいわさわきざんでオホーツクがわへ、ひがし斜面しゃめんをウナキベツがわとカモイウンペがわきざ根室海峡ねむろかいきょうそそいでいる。やまたい更新こうしん噴出ふんしゅつ安山岩あんざんがん溶岩ようがんからなり[4]山稜さんりょう西にし斜面しゃめんには針葉樹しんようじゅりんひろがっている[5]侵食しんしょくすすんでいるが、北面ほくめんのぞ山頂さんちょう一帯いったい知床しれとこぬま周辺しゅうへんには火山かざん地形ちけいがよくのこされている。火山かざん活動かつどう時期じきは60まんねん~20まんねんまえ北側きたがわにはオチッチウシ鉱床こうしょう南側みなみがわにテッパンベツ鉱山こうざんゆうするがまった開発かいはつされていない[6]

知床しれとこ火山かざん火山かざんたい地形ちけい

動植物どうしょくぶつしょう[編集へんしゅう]

うみから直接ちょくせつ強風きょうふうきつけ、気候きこう冷涼れいりょうであるため森林しんりん限界げんかいが500~800mとひくく、下部かぶダケカンバミズナラ上部じょうぶトドマツハイマツおびとなっている[7]ハンノキられる。またヒグマオオワシシマフクロウなどの大型おおがた鳥獣ちょうじゅうおお[8]

登山とざんルート[編集へんしゅう]

ウトロがわからコタキがわ遡行そこう、もしくは相泊あいどまりがわから海岸かいがんせん北上ほくじょう観音岩かんのんいわからウナキベツがわからポロモイ大地だいちへと稜線りょうせんづたいに登攀とうはんする[7]環境省かんきょうしょうでは相泊あいどまりがわからのルートを推奨すいしょうしている[9]整備せいびされた登山とざんどうさわ遡行そこうハイマツのヤブこぎをしなければ山頂さんちょう到達とうたつすることはできない[10]所々しょしょあとはあるもののてにならない。ただし伏流ふくりゅうすいはいたるところにられる。 どうしても野営やえいをする場合ばあい知床しれとこぬま周辺しゅうへんに4にんようテント3~4はり程度ていど指定してい区域くいき特別とくべつもうけられている[11]。また羅臼らうすまちのルサフィールドハウスでも最新さいしん情報じょうほうれることが可能かのうである。山頂さんちょうからのながめはポトピラベツ川ぽとぴらべつがわだい崩壊ほうかいがすさまじい[3]

ウトロがわからのアタックは、知床しれとこ大橋おおはしからテッパンベツ川てっぱんべつがわへと右岸うがんみちにゅうけいし、コタキがわへとすす[12]

積雪せきせつはスキー登山とざんられており、カモイウンベ川かもいうんべがわルートもることができる。相泊あいどまりからカモイガワウンベがわ左岸さがんからしゅ稜線りょうせんコルを目指めざすかアイゼンに尾根おね目指めざす。デポ必要ひつよう冬期とうき相泊あいどまり-ルサがわ閉鎖へいさされることもあるので関係かんけい各所かくしょわせることが必要ひつようとなる[13]

知床しれとこだけから知床岬しれとこみさき縦走じゅうそうするルートもある。こちらも同様どうよう登山とざんどうく、相応そうおう体力たいりょく読図どくず能力のうりょく要求ようきゅうされる。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 日本にっぽんおも山岳さんがく標高ひょうこう日本にっぽん山岳さんがく標高ひょうこう一覧いちらん(1003やま)―
  2. ^ 角川かどかわ日本にっぽん地名ちめいだい辞典じてん1北海道ほっかいどう』、p.739
  3. ^ a b 北海道ほっかいどう地名ちめい』、p.1311なか
  4. ^ 角川かどかわ日本にっぽん地名ちめいだい辞典じてん1北海道ほっかいどう』、pp.739-740
  5. ^ 角川かどかわ日本にっぽん地名ちめいだい辞典じてん1北海道ほっかいどう』、p.740
  6. ^ 地名ちめいだい事典じてん7 北海道ほっかいどう』、p.138
  7. ^ a b 改訂かいていしん日本にっぽん山岳さんがく』、p.206
  8. ^ 北海道大ほっかいどうだい百科ひゃっか事典じてん じょう』、p.919
  9. ^ 環境省かんきょうしょう自然しぜん環境かんきょうきょく知床しれとこ国立こくりつ公園こうえんシレココ(2018.7.27アクセス)
  10. ^ 北海道大ほっかいどうだい百科ひゃっか事典じてん じょう』、p.920
  11. ^ 知床岳しれとこだけ目指めざすかたへ 世界せかい遺産いさんルサフィールドハウス(2016.7.27)
  12. ^ 北海道ほっかいどうやまたにした』、p.203
  13. ^ 北海道ほっかいどうやまたにした』、p.204

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 地名ちめいだい事典じてん7 北海道ほっかいどう』(朝倉あさくら出版しゅっぱん、1968)
  • 北海道大ほっかいどうだい百科ひゃっか事典じてん じょう』(北海道新聞社ほっかいどうしんぶんしゃ、1981)
  • 角川かどかわ日本にっぽん地名ちめいだい辞典じてん1北海道ほっかいどう』(角川書店かどかわしょてん、1987)
  • 北海道ほっかいどうやまたに再刊さいかん委員いいんかい編著へんちょ北海道ほっかいどうやまたにした』(北海道ほっかいどう撮影さつえいしゃ、1999)
  • 北海道ほっかいどう地名ちめい』(平凡社へいぼんしゃ、2003)
  • 改訂かいていしん日本にっぽん山岳さんがく』(日本にっぽん山岳さんがくかい、2016)

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]