(Translated by https://www.hiragana.jp/)
系統連系 - Wikipedia コンテンツにスキップ

系統けいとうれんけい

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

系統けいとうれんけい(けいとうれんけい)とは、発電はつでん設備せつびなどが商用しょうよう電力でんりょく系統けいとう並列へいれつ発電はつでん設備せつびなどを商用しょうよう電力でんりょく系統けいとう接続せつぞくすること)する時点じてんからかいれつ発電はつでん設備せつびなどを商用しょうよう電力でんりょく系統けいとうからはなすこと)する時点じてんまでの状態じょうたいのことをいう。

系統けいとうれんけいには、電気でんき事業じぎょうしゃ電力でんりょく系統けいとう電力でんりょく供給きょうきゅうするぎゃく潮流ちょうりゅう[ちゅう 1]のある場合ばあいとない場合ばあいがある。

適用てきようされる発電はつでん設備せつび[編集へんしゅう]

など(再生さいせい可能かのうエネルギー技術ぎじゅつ白書はくしょによる)。

電気でんき事業じぎょうしゃにおける系統けいとうれんけい[編集へんしゅう]

日本にっぽん北海道ほっかいどう本州ほんしゅう四国しこく九州きゅうしゅうの4つのしまにわかれており、かく地域ちいきまんいち場合ばあい電力でんりょく融通ゆうずうえるように「れんけい設備せつび」というこう電圧でんあつ送電そうでんせんむすばれている。[1] 本州ほんしゅう北海道ほっかいどう(北本きたもとれんけい設備せつびしん北本きたもとれんけい設備せつび)およ紀伊きい半島はんとう四国しこくあいだ(紀伊きい水道すいどうちょく流連りゅうれんけい設備せつび)はちょく流連りゅうれんけい設備せつびが、中国ちゅうごく地方ちほう四国しこくあいだ(ほんよんれんけい設備せつび)およ本州ほんしゅう九州きゅうしゅうあいだ(関門かんもんれんけい設備せつび)は交流こうりゅう連係れんけい設備せつび設置せっちされている。[1]

欧州おうしゅうでは送電そうでんせんもしくは海底かいていケーブルによる国境こっきょうえた系統けいとうれんけい米国べいこくではしゅうあいだないしは発電はつでん事業じぎょうしゃあいだ系統けいとうれんけいられる。[2] 脚注きゃくちゅうのホームページには、欧州おうしゅう国境こっきょうえた系統けいとうれんけい掲載けいさいされている。[2]

ドイツは「エネルギーヴェンデ(だい転換てんかん)」のさなかにあり、2050ねんまでに発電はつでんりょうの80%を再生さいせい可能かのうエネルギーでこす目標もくひょうである。さいエネの目標もくひょう拘束こうそくりょくともなう「再生さいせい可能かのうエネルギーほう」にもとづくが、風力ふうりょく発電はつでん北部ほくぶ偏在へんざいし、需要じゅようだい企業きぎょう南部なんぶ集中しゅうちゅうしてバランスがわるい。「解消かいしょうには南北なんぼくむす送電そうでんもう必要ひつよう」と送電そうでん会社かいしゃ「50ヘルツ」の担当たんとうしゃかたる。ただ送電そうでんせん工事こうじ環境かんきょう破壊はかいすると反対はんたいつよい。電力でんりょく会社かいしゃE・ON(イーオン)は、2013ねん4がつ3~5にちの3日間にちかんうすきり太陽光たいようこう発電はつでん発電はつでんりょう予想よそうおおきく下回したまわり、欧州おうしゅうちゅうからえる電気でんきすべって電力でんりょく不足ふそくをしのいだとあきらかにした。電力でんりょく系統けいとうもう国境こっきょうをまたぐ欧州おうしゅうだから対応たいおうできた。[3]

住友電気工業すみともでんきこうぎょうは、北海道電力ほっかいどうでんりょくネットワークから、系統けいとうがわ蓄電池ちくでんち活用かつようによる風力ふうりょく発電はつでんれんけいのため、出力しゅつりょく17,000kW、51,000kWhのレドックスフロー電池でんち受注じゅちゅうした。2022ねん3がつまつまでに完工かんこう予定よてい[4]

東北電力とうほくでんりょくみなみ相馬そうま変電へんでんしょ容量ようりょう40,000kWhのリチウムイオン電池でんち設置せっちして、系統けいとうれんけいによる電力でんりょく安定あんてい使用しよう開始かいしした。[5]

電気でんき事業じぎょうしゃ以外いがいもの設置せっちする発電はつでん設備せつび系統けいとうれんけい[編集へんしゅう]

2010ねん現在げんざい家庭かていよう太陽光たいようこう発電はつでん燃料ねんりょう電池でんち発電はつでんなどの設備せつび普及ふきゅうはじめている。これらの発電はつでん設備せつびは、いまのところ単独たんどく家庭かてい使用しようする電力でんりょくりょう安定あんていてき運転うんてんすることが困難こんなんなため、電気でんき事業じぎょうしゃ配電はいでん系統けいとう系統けいとうれんけいして発電はつでんすることがほとんどである。

発電はつでん設備せつびとう設置せっちしゃからの観点かんてんとしては、これらの、家庭かていようなど電気でんき事業じぎょうしゃ以外いがいもの設置せっちする発電はつでん設備せつびとの系統けいとうれんけいは、発電はつでん設備せつびとう設置せっちしゃ電気でんき事業じぎょうしゃ配電はいでんせん接続せつぞくし、発電はつでん設備せつび電圧でんあつ周波数しゅうはすうちからりつなどの安定あんていはかり(アンシラリーサービス[ちゅう 2][6]設置せっちした発電はつでん設備せつびとうにより電気でんき事業じぎょうしゃうれでんしたり(うれでんによる利益りえき確保かくほ電気でんき事業じぎょうしゃからのかいでん抑制よくせいかいでん抑制よくせいによる電気でんき料金りょうきん削減さくげん)するためにおこなうものとえる[だれ?]

余剰よじょう電力でんりょく系統けいとうへの供給きょうきゅう[編集へんしゅう]

家庭かていよう発電はつでん設備せつび太陽光たいようこう発電はつでん設備せつびおおい)においては、ぎゃく潮流ちょうりゅうありでの系統けいとうれんけい契約けいやく電気でんき事業じぎょうしゃ締結ていけつし、うれでんによる利益りえき太陽光たいようこう発電はつでん設備せつび設備せつび投資とうし回収かいしゅうすることが目指めざされる場合ばあいもある。とくに、太陽光たいようこう発電はつでん設備せつびは、発電はつでんりょう一般いっぱん家庭かてい使用しようする電力でんりょくりょう上回うわまわ場合ばあいおおいため、このうれでん契約けいやくおこなわれることがおおい。

したがって、ライフサイクルコスト考慮こうりょして発電はつでん設備せつびとう設置せっちすることがのぞましい[だれ?]

系統けいとうれんけいかんする技術ぎじゅつ基準きじゅん[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは、系統けいとうれんけいおこな場合ばあい発電はつでん設備せつび設置せっちしゃ電気でんき事業じぎょうしゃとのあいだで、系統けいとうれんけい条件じょうけんについて個別こべつ協議きょうぎおこな設定せっていされる必要ひつようがある。そのために必要ひつようとなる技術ぎじゅつ要件ようけんとして、2004ねん10がつ1にち下記かきのものが制定せいていされた。この内容ないようは、これ以前いぜんは「系統けいとうれんけい技術ぎじゅつ要件ようけんガイドライン」に規定きていされていたが、分散ぶんさんがた電源でんげんれんけいについて電気でんき設備せつび技術ぎじゅつ基準きじゅん解釈かいしゃく明記めいきするため、下記かきのとおりとなった[7]

なお、これらの問題もんだいてんとして「電力でんりょく品質ひんしつ確保かくほかか系統けいとうれんけい技術ぎじゅつ要件ようけんガイドライン」が、発電はつでん設備せつび設置せっちしゃ電気でんき事業じぎょうしゃ双方そうほうにより、法的ほうてき強制きょうせいりょくっているものとみなされているてんがあげられる[ちゅう 3]

電力でんりょく品質ひんしつ確保かくほかか系統けいとうれんけい技術ぎじゅつ要件ようけんガイドライン

分散ぶんさんがた電源でんげん系統けいとうへのれんけいかか事項じこうのうち、品質ひんしつ確保かくほ観点かんてんからあつかうべき事項じこう[7]記載きさいしている。目的もくてきとしては、

  • 需要じゅよう悪影響あくえいきょうあたえない(電力でんりょく品質ひんしつ:ちからりつ電圧でんあつ周波数しゅうはすうなど、供給きょうきゅう信頼しんらい:停電ていでんなど)
  • 電気でんき事業じぎょうしゃ需要じゅよう設備せつび保全ほぜん支障ししょうあたえない(保全ほぜん作業さぎょういん公衆こうしゅう安全あんぜん確保かくほ波及はきゅう事故じこ防止ぼうしなど)

などがげられる。

なお、以前いぜんの「系統けいとうれんけい技術ぎじゅつ要件ようけんガイドライン」にあった高調こうちょう基準きじゅんについては、「こうあつまた特別とくべつだかあつ受電じゅでんする需要じゅよう高調こうちょう抑制よくせい対策たいさくガイドライン」およびJIS C 61000-3-2:2005(電磁でんじ両立りょうりつせいだい3-2限度げんど高調こうちょう電流でんりゅう発生はっせい限度げんど(1相当そうとうたりの入力にゅうりょく電流でんりゅうが20A以下いか機器きき))で規定きていされていることを理由りゆうに、とうガイドラインからは削除さくじょされている。

電気でんき設備せつび技術ぎじゅつ基準きじゅん解釈かいしゃく

だい8しょう一般いっぱん電気でんき事業じぎょうしゃおよおろし電気でんき事業じぎょうしゃ以外いがいものが,発電はつでん設備せつびとう電力でんりょく系統けいとうれんけいする場合ばあい設備せつび』が、分散ぶんさんがた電源でんげんれんけいについて、「保安ほあん確保かくほ観点かんてんからあつかうべき事項じこう明確めいかくおよ具体ぐたいはかるため」[7]あらたに規定きていされた。

その民間みんかん規定きてい

上記じょうきわせて、民間みんかん規定きていJEAG 9701-2001 分散ぶんさんがた電源でんげん系統けいとうれんけい技術ぎじゅつ指針ししんがJEAG 9701-2006 系統けいとうれんけい規程きてい改正かいせいされた。

系統けいとう安定あんてい方法ほうほう[編集へんしゅう]

電力でんりょく周波数しゅうはすう安定あんていさせるためにはつぎの2つが重要じゅうようになる。[8]

1.同期どうきりょく 系統けいとうかく電源でんげん周波数しゅうはすう位相いそうわせる能力のうりょく

2.慣性かんせいりょく 系統けいとう周波数しゅうはすう急変きゅうへんふせ能力のうりょく

これらの機能きのう同期どうき発電はつでん運動うんどうエネルギーによる慣性かんせい位相いそうズレによってトルクがわることによる同期どうきりょくによってられたが、直流ちょくりゅう交流こうりゅう変換へんかんする単純たんじゅんインバーターではこうした機能きのうられない。

太陽光たいようこう発電はつでんなどの分散ぶんさんがた電源でんげんやす場合ばあいこれらの機能きのうなんらかの方法ほうほうおぎな必要ひつようる。

以下いか方式ほうしきかんがえられる。

1.同期どうき発電はつでん台数だいすう確保かくほ(マストラン)・・・同期どうき発電はつでんかず一定いってい以上いじょう確保かくほすることで安定あんていせい確保かくほする 太陽光たいようこうなどの発電はつでんりょう許容きょよう範囲はんいない制限せいげんされる。

2.動機どうき調ちょうしょう・・・負荷ふか同期どうき発電はつでんまわしておく。回転かいてんさせておくためのエネルギーロスや保守ほしゅコストがかかる。

3.MGセット・・・さいエネの電力でんりょくをインバーターではなく同期どうき発電はつでんとおしておくる これもコストがおおきい。

4.仮想かそう同期どうき発電はつでん・・・同期どうき発電はつでん動作どうさをシミュレーションする。慣性かんせいりょくをシミュレーションするためにインバータや蓄電池ちくでんち大型おおがた必要ひつよう

5.系統けいとう増強ぞうきょう・・・系統けいとうインピーダンスを改善かいぜんさせ同期どうきりょく改善かいぜんする。コストがかかる。

6.STATCOM・・・電圧でんあつ維持いじすることで同期どうきりょく改善かいぜん。なお慣性かんせいりょくまでは確保かくほできない。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ ここでのぎゃく潮流ちょうりゅうとは、発電はつでん設備せつびとう設置せっちしゃ構内こうないから商用しょうよう電力でんりょく系統けいとうがわかう有効ゆうこう電力でんりょくながれをいう。
  2. ^ このために発電はつでん設備せつび設置せっちしゃ電気でんき事業じぎょうしゃアンシラリーサービスりょう支払しはら必要ひつようがある。
  3. ^ 同様どうよう問題もんだい電気でんき設備せつび技術ぎじゅつ基準きじゅん解釈かいしゃくにもてはまる。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b ちょく流連りゅうれんけい採用さいよう理由りゆう - ほくでんネットワーク”. ほくでんネットワーク. 2021ねん12月29にち閲覧えつらん
  2. ^ a b International Grid Connection, Q&A | Q&A | Renewable Energy Institute”. Renewable Energy Institute. 2021ねん12月29にち閲覧えつらん
  3. ^ ドイツ:"不都合ふつごう真実しんじつ"にいどむ | 取材しゅざいノート | 日本にっぽん記者きしゃクラブ JapanNationalPressClub (JNPC)”. 日本にっぽん記者きしゃクラブ. 2021ねん12月29にち閲覧えつらん
  4. ^ 北海道電力ほっかいどうでんりょくネットワーク(株)かぶしきがいしゃからレドックスフロー電池でんち設備せつび受注じゅちゅう|プレスリリース|企業きぎょう情報じょうほう住友電工すみともでんこう”. 住友電工すみともでんこう. 2021ねん12月29にち閲覧えつらん
  5. ^ みなみ相馬そうま変電へんでんしょだい容量ようりょう蓄電池ちくでんちシステムの営業えいぎょう運転うんてん開始かいしについて| 東北電力とうほくでんりょく”. 東北電力とうほくでんりょく. 2021ねん12月29にち閲覧えつらん
  6. ^ https://www.iee.jp/pes/termb_141/ 電気でんき学会がっかい用語ようご解説かいせつ だい141かいテーマ:アンシラリーサービス
  7. ^ a b c 電気でんき設備せつび技術ぎじゅつ基準きじゅん解釈かいしゃく」の一部いちぶ改正かいせいおよび「系統けいとうれんけい技術ぎじゅつ要件ようけんガイドライン」(10こうだい68ごう)の廃止はいしについて
  8. ^ 同期どうき電源でんげん減少げんしょう起因きいんする 技術ぎじゅつてき課題かだい”. 送配そうはいでんもう協議きょうぎかい. 2022ねん5がつ14にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん・URL[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]