電気でんき回路かいろ

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電気でんき回路かいろ(でんきかいろ、えい: electrical circuit)は、電気でんき利用りようするために電源でんげん負荷ふかなどの回路かいろ素子そし導体どうたい接続せつぞくしたものである[1]

概要がいよう[編集へんしゅう]

電気でんき回路かいろ電流でんりゅうながれのためのへいループをっていて、2つ以上いじょう回路かいろ素子そし電源でんげん負荷ふか)が接続せつぞくされていることが通例つうれいである。「回路かいろ」の語義ごぎてきにはへいループになっていることをすが、アンテナのように開放かいほうはしになっている部分ぶぶん通例つうれいとしてふくめている。また回路かいろのうち機能きのうてき一部分いちぶぶんして、その部分ぶぶんして回路かいろということもある。

電気でんき利用りようする人工じんこうぶつはすべて電気でんき回路かいろ範疇はんちゅうであるが、態様たいよう機能きのうにより様々さまざま種類しゅるい類型るいけい存在そんざいする。

たとえば分野ぶんや領域りょういきめいではトランジスタダイオードひとし半導体はんどうたい素子そしふくむものを電子でんし回路かいろ[2][3]高周波こうしゅうは信号しんごうあつか場合ばあい分布ぶんぷ定数ていすう回路かいろなどがあり、機能きのうあらわすものとして増幅器ぞうふくきどう増幅ぞうふく回路かいろ通信つうしん分野ぶんやにおける変調へんちょう機能きのうにな変調へんちょう回路かいろなどがある。

電気でんき回路かいろ」というかたりもちいる場合ばあいは、これらかく領域りょういき共通きょうつうする電気でんき現象げんしょう工学こうがくてき利用りようのためのモデル、実装じっそうかんする概念がいねんあつかう。

電気でんき回路かいろは、電気でんき利用りよう電気でんき現象げんしょう検討けんとうもちいるモデルとしての側面そくめんと、具体ぐたいてき製品せいひん・システムの実装じっそうぶつとしての側面そくめん存在そんざいする。電気でんき利用りようかんする場面ばめんにおいてはこの両者りょうしゃ存在そんざい留意りゅういして、モデルとして設計せっけいした回路かいろ実現じつげんする実装じっそう技術ぎじゅつかんする理解りかい実装じっそう可能かのう方法ほうほう留意りゅういしたモデルとしての回路かいろ設計せっけい理解りかい必要ひつようである。

電気でんき回路かいろのモデルとしての側面そくめんでは、電気でんき回路かいろ回路かいろあたえられる場合ばあい実際じっさい物的ぶってき構成こうせいがその回路かいろどおりであるとはかぎらない。たとえば電動でんどう(モーター)をしめ電気でんき回路かいろでは電気でんきてきエネルギーと機械きかいてきエネルギーの変換へんかん関係かんけいをモデルしてしきてき電気でんき回路かいろとして表現ひょうげんしており、半導体はんどうたいデバイスのトランジスタでは動作どうさ電源でんげん受動じゅどう素子そしわせとしてしきてきべつ電気でんき回路かいろ表現ひょうげんすることがおこなわれる。このようにある機能きのう現象げんしょうしきてきあらわ回路かいろ等価とうか回路かいろぶ。等価とうか回路かいろ電気でんき回路かいろのモデルとしての側面そくめんでよくもちいられるかんがかたである。

電気でんき回路かいろ回路かいろとしてしめされた場合ばあい、それが実装じっそうぶつとしての構成こうせいしめすのか、ある程度ていど実装じっそうそくした設計せっけいモデルなのか、あるいは等価とうか回路かいろなのかという位置いちづけに注意ちゅういすることが必要ひつようである。

電気でんき回路かいろかんするおも法則ほうそく[編集へんしゅう]

設計せっけい方法ほうほう[編集へんしゅう]

小規模しょうきぼまたは簡単かんたんなものではオームの法則ほうそく、キルヒホッフの法則ほうそくをはじめとしたしょ性質せいしつもちいて計算けいさんおこなうことができる。

実際じっさい利用りよう目的もくてきそくした特定とくてい状況じょうきょうしたでは、基本きほんてき回路かいろ構成こうせい利用りようされる入出力にゅうしゅつりょく条件じょうけん定型ていけいされていることもおおく、それにおうじた解法かいほうもちいて設計せっけいできる場合ばあいがある。

電気でんき回路かいろ設計せっけいするためのツールとして回路かいろシミュレーターがある。これは回路かいろ構成こうせいとそれにくわえられる電圧でんあつ電流でんりゅう仕様しようしたがって記述きじゅつすることで、かく節点せってんにおける電位でんいかくえだにおける電流でんりゅう分布ぶんぷとき系列けいれつ計算けいさんするものである。

計算けいさん方法ほうほうとして節点せってん電位でんいほう閉路へいろ電流でんりゅうほうがあるが、実現じつげんめん変数へんすう設定せってい容易たやすさから前者ぜんしゃもちいられる。

回路かいろシミュレーターのれいとして電子でんし回路かいろ分野ぶんや中心ちゅうしんとした用途ようとSPICE電力でんりょく工学こうがく分野ぶんや中心ちゅうしんとした用途ようとEMTPがある。

大学だいがくとうでの授業じゅぎょう科目かもくとしての電気でんき回路かいろ[編集へんしゅう]

大学だいがくとうにおける授業じゅぎょう科目かもくとしての電気でんき回路かいろは、抵抗ていこうインダクタコンデンサひとし受動じゅどう素子そし電源でんげん接続せつぞくされた回路かいろで、電気でんき回路かいろ基本きほんてき性質せいしつ題材だいざいとする[4][2]

  • 電気でんき回路かいろおも法則ほうそく
  • 線型せんけい回路かいろ - RC回路かいろ - LC回路かいろ - RLC回路かいろ
    抵抗ていこう、インダクタ(=コイル)、キャパシタ(=コンデンサ)の受動じゅどう素子そしのみを構成こうせい要素ようそとする電気でんき回路かいろで、回路かいろ方程式ほうていしきから解析かいせきてきかいられる[5]
    • 直流ちょくりゅう回路かいろ
      回路かいろ直流ちょくりゅう電圧でんあつ電流でんりゅうくわえられた場合ばあい動作どうさかんする項目こうもくである。
    • 交流こうりゅう回路かいろ
      回路かいろ交流こうりゅう電圧でんあつ電流でんりゅうくわえられた場合ばあい動作どうさかんする項目こうもくである。
      ここでいう交流こうりゅうとはある特定とくてい周波数しゅうはすう場合ばあい取扱とりあつかい、複数ふくすう周波数しゅうはすう成分せいぶんふくむものではない。
  • 端子たんしたい回路かいろ
    入力にゅうりょくがわ端子たんし出力しゅつりょくがわ端子たんし端子たんし構成こうせい回路かいろである。
    電気でんき回路かいろ機能きのうブロックにけてあつか場合ばあいもちいるモデルである。
  • 電力でんりょく回路かいろ
    電気でんき回路かいろのうち電力でんりょく分野ぶんやもちいられる回路かいろかんする項目こうもくである。
    • さんそう交流こうりゅう回路かいろ
      電力でんりょく分野ぶんやもちいられるさんそう交流こうりゅうもちいられる回路かいろである。
  • 過渡かと応答おうとう、パルス応答おうとう
    電気でんき回路かいろに、周波数しゅうはすう成分せいぶん特定とくていではなくひろがりをった時間じかん変化へんかをする電圧でんあつ電流でんりゅうあたえられた場合ばあい挙動きょどうかんする項目こうもくである。
    電圧でんあつ0から電圧でんあつV(またはそのぎゃく)に変化へんかする電圧でんあつのステップ応答おうとう
    電圧でんあつVがごくみじか時間じかんくわえられ、その時間じかんでは電圧でんあつ0のパルス応答おうとう代表だいひょうてきである。

脚注きゃくちゅう出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 柴田しばた尚志ひさし電気でんき回路かいろI」コロナしゃかん、2006ねん
  2. ^ a b 岩田いわたさとし電子でんし回路かいろ しんインターユニバーシティ』2008ねん、1ぺーじ
  3. ^ 雨宮あまみや好文よしふみ現代げんだい 電子でんし回路かいろがく(I)』 ム社むしゃ、1994ねん、p.1
  4. ^ 電気でんき学会がっかい電気でんき回路かいろろん 改訂かいていばん』 1978ねん
  5. ^ 岩田いわたさとし電子でんし回路かいろ しんインターユニバーシティ』2008ねん、1-2ぺーじ

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]