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縦横じゅうおう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

縦横じゅうおう(じゅうおうか、しょうおうか)は、中国ちゅうごく古代こだい思想家しそうかたちで、諸子しょしひゃくいえひとつ。外交がいこう策士さくしとして各国かっこくあいだしたひとたちのことである。

概要がいよう

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たくみな弁舌べんぜつ奇抜きばつ発想はっそう諸侯しょこうせ、あわよくばみずからがたか地位ちいのぼろうとする、そのような行為こうい弁舌べんぜつによっておこなもの縦横じゅうおうである。合従がっしょうさくとなえたはた連衡れんこうさくとなえたちょうただし有名ゆうめいはたはその弁舌べんぜつによって同時どうじろくこく宰相さいしょうねたとされている。

縦横じゅうおう」という言葉ことばかれらのさく名前なまえ由来ゆらいする。くわしくは「合従連衡がっしょうれんこう」を参照さんしょう

  • 合従がっしょう諸国しょこく連合れんごうしん対抗たいこうする政策せいさくのことで、これは、はた以外いがいくにはたひがし南北なんぼくならんでいること(「たて」=「したがえ」)による。
  • 連衡れんこうはた同盟どうめいのこりをはか政策せいさくのことで、はたとそれ以外いがいくにんだ場合ばあい、それらが東西とうざいならぶことを「よこ」=「衡」といったことによる。

諸子しょしひゃくいえといわれるものにはほかにも各国かっこくいてまわったものはいるが、それらのおおくがそれぞれの思想しそうもとづく理想りそう実現じつげんするためであったのにたいして、いわゆる縦横じゅうおうにはそのようなものはなく、ただそれぞれのくににおいてよろこばれるような政治せいじ手法しゅほうろんじるのがつねであった。たとえばはた合従がっしょうつばめぶんこういてろくこくをまとめ、じゅうねんにわたってはた東進とうしんめたが、伝説でんせつによるとつばめおとずれるまえかれはたかっており、そこではかれ東進とうしんしてとなえる方法ほうほうろんじた。かれしんみとめられなかったのはまったはた都合つごうだけであったという。

おも人物じんぶつ

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書物しょもつ

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概観がいかん

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縦横じゅうおう書物しょもつは、『おに谷子たにこ』をのぞいてすべ散逸さんいつしてしまった。そのため『史記しき』や『戦国せんごくさく』などのなか活躍かつやくつたわるのみだった。

しかし1970年代ねんだいうま王堆漢おうたいかんから、はた書簡しょかん弁論べんろんあつめた書物しょもつ戦国せんごく縦横じゅうおうしょ中国語ちゅうごくごばん』が出土しゅつどした[1]同書どうしょ日本語にほんごやく刊行かんこうされている[2]

2021ねんには、ねむとらしんはかそばのていみずうみ墓地ぼち戦国せんごく末期まっきしんから、「筡」(と)という遊説ゆうぜいが、はたそうじょうおう停戦ていせんろんうったえる『賤臣筡西といしんおう』が出土しゅつどした[3]

漢書かんしょ芸文げいぶんこころざしによる一覧いちらん

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以下いかは『漢書かんしょ芸文げいぶんこころざし記載きさいされる、縦横じゅうおう書籍しょせき一覧いちらんである[4]。いずれも散逸さんいつした。

  • さんじゅういちへんはた
  • 張子はりこじゅうへんちょうただし
  • 龐煖へん
  • 『闕子』いちへん
  • くに筮子』じゅうななへん
  • はたれいりょうれいしんいちへん
  • 『蒯子』へん蒯徹―避諱によるつうめいは蒯通)
  • 鄒陽ななへん
  • しゅちちじゅうはちへん
  • じょらくいちへん
  • そうやすいちへん
  • まちみことのりきん聊蒼』さんへん

新出にいで文献ぶんけん

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その

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  • おに谷子たにこ』(おにだに) - 一般いっぱん偽書ぎしょとされる。
  • 戦国せんごくさく』 - おも戦国せんごく時代じだい縦横じゅうおう活動かつどうしるした書籍しょせき。『漢書かんしょ芸文げいぶんこころざしでは、『戦国せんごくさく自体じたい春秋しゅんじゅう歴史れきし書物しょもつ)に分類ぶんるいされている。
  • 史記しき列伝れつでん

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b 大西おおにし克也かつや (2016ねん). “UTokyo BiblioPlaza 戦国せんごく縦横じゅうおうしょ”. www.u-tokyo.ac.jp. 東京大学とうきょうだいがく. 2020ねん9がつ3にち閲覧えつらん
  2. ^ a b 大西おおにし克也かつや大櫛おおくしあつしひろし戦国せんごく縦横じゅうおうしょ うまおううずたか出土しゅつど文献ぶんけん訳注やくちゅう叢書そうしょ東方とうほう書店しょてん、2015ねんISBN 978-4497215130 
  3. ^ a b 鶴間つるま和幸かずゆき始皇帝しこうてい愛読あいどくしょ 帝王ていおうささえた書物しょもつ変遷へんせん山川やまかわ出版しゅっぱんしゃ、2023ねんISBN 9784634152168 82-88ぺーじ
  4. ^ 中國ちゅうごく哲學てつがくしょ電子でんしけい劃『漢書かんしょ』「藝文げいぶんこころざし

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 司馬しば遷:小川おがわ環樹たまきこんたかしん福島ふくしま吉彦よしひこやく、『史記しき列伝れつでんいち)』、(1975)、岩波書店いわなみしょてん岩波いわなみ文庫ぶんこ

関連かんれん項目こうもく

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