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航行こうこうとう

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航海こうかいとうから転送てんそう
着陸ちゃくりく態勢たいせいブリティッシュ・エアウェイズ ボーイング757-200左舷さげん主翼しゅよく先端せんたんあか航行こうこうとうがついている。
ヨットの船首せんしゅあかみどり航行こうこうとうわせたものがついている。

航行こうこうとう(こうこうとう、えい: navigation light)は、船舶せんぱく航空機こうくうき宇宙船うちゅうせん設置せっちする灯火ともしび一種いっしゅもの位置いち方向ほうこう状態じょうたいかんする情報じょうほう他者たしゃ提供ていきょうする。航法こうほうとう(こうほうとう)、位置いちとう(いちとう、position light)ともい、船舶せんぱく設置せっちされるものを航海こうかいとう(こうかいとう)、航空機こうくうき設置せっちされるものを航空こうくうとう(こうくうとう)とう。

航行こうこうとう配置はいちは、国際こくさい条約じょうやく行政ぎょうせい当局とうきょくによって義務付ぎむづけられている。航行こうこうとうは、通過つうかする他者たしゃらしして視認しにんするためではなく、しゃによって認識にんしきされることを目的もくてきとしている。

航海こうかいとう

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1838ねんに、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくで、日没にちぼつからあいだ航行こうこうする蒸気じょうきせんに1つ以上いじょう航海こうかいとう設置せっちすることを義務付ぎむづける法律ほうりつ可決かけつした。ただ、この当時とうじは、いろ可視かしせい設置せっち場所ばしょ指定していされていなかった。1848ねんには、イギリスで、蒸気じょうきせんふなばたがわ赤色あかいろ緑色みどりいろ舷灯げんとう、マストに白色はくしょくのマストとう設置せっちすることを義務付ぎむづける法律ほうりつ可決かけつした。1849ねんに、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく議会ぎかい航海こうかいとうかんする要件ようけんを、帆走はんそうせんにも拡張かくちょうした。1889ねんには、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく衝突しょうとつ防止ぼうしのための規制きせい検討けんとうするために、はつ国際こくさい海事かいじ会議かいぎ開催かいさいした。この会議かいぎにより、ワシントン会議かいぎ規則きそく採択さいたくされ、1897ねん発効はっこうした。この規則きそくでは、蒸気じょうきせんだい2のマストとう設置せっちすることが義務付ぎむづけられた。1948ねん国際こくさい海上かいじょう安全あんぜん会議かいぎでは、ながさが150フィートをえる動力どうりょく駆動くどうせんにはだい2のマストとう設置せっち、また、ほぼすべてのふね固定こていしき船尾せんびとうけることが勧告かんこくされた。それ以来いらい規制きせいはほとんどわっていない[1]

左右さゆうあかみどりいろビナクル設置せっちされたケルビン・ボールのいろ由来ゆらいする。ビナクルは露天ろてん甲板かんぱんたか位置いち設置せっちされ夜間やかんでも航法こうほう計器けいきれるようにかりがついていたのが起源きげんわれる。

1972ねん制定せいていされた海上かいじょうにおける衝突しょうとつ予防よぼうのための国際こくさい規則きそくかんする条約じょうやく(COLREG条約じょうやく)の規則きそくCでは、船舶せんぱく要求ようきゅうされる航海こうかいとう要件ようけん規定きていしている。

航海こうかいとうかた。2は観察かんさつしゃほういている。4は観察かんさつしゃ反対はんたいがわいている。

船舶せんぱくけた航海こうかいとうにより、航行こうこうちゅう船舶せんぱくは、周囲しゅういほか船舶せんぱく種類しゅるい相対そうたいてき方向ほうこう判断はんだんし、それにより衝突しょうとつ危険きけんせいがあるかどうかを判断はんだんする。

一般いっぱんに、帆走はんそうせん真正面ましょうめんから右舷うげん真横まよこよりも船尾せんびがわに2てん22+12)までの方向ほうこうからえるように緑色みどりいろ灯火ともしびを、同様どうよう左舷さげんがわ赤色あかいろ灯火ともしびを、緑色みどりいろとう赤色あかいろとうえる範囲はんい角度かくどからえるようにマストの上方かみがた白色はくしょく灯火ともしび(マストとう)を設置せっちしなければならない[2]

動力どうりょく駆動くどうせんは、これらの灯火ともしびくわえて、前方ぜんぽうのマストとうえない角度かくどからえるように、船尾せんびがわけただい2のマストとう設置せっちしなければならない。また、マストとうが2つ設置せっちされている場合ばあいは、船尾せんびちか灯火ともしび船首せんしゅちか灯火ともしびよりもたかくしなければならない[2]

ホバークラフトや混雑こんざつした場所ばしょ操縦そうじゅうする一部いちぶふねは、視認しにんせいたかめるために昼夜ちゅうやわず黄色おうしょく点滅てんめつする灯火ともしび設置せっちする場合ばあいがある。

航空こうくうとう

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1) 航行こうこうとう 2) 尾灯びとう 3) 衝突しょうとつ防止ぼうしとう 4) ロゴとう
航空こうくうとう
あかみどり航空こうくうとう

航空機こうくうき外部がいぶ照明しょうめいとうは、航空機こうくうき外部がいぶけられた灯火ともしびである[3]。それらは通常つうじょう他者たしゃからの視認しにんせいたかめ、使用しよう滑走かっそうへの進入しんにゅうやエンジンの始動しどうなどの行動こうどうらせるために使用しようされる。ながらく白熱はくねつ電球でんきゅう使用しようされてきたものの、近年きんねんでは白熱はくねつ電球でんきゅうよりも寿命じゅみょうなが発光はっこうダイオードってわられてきている。

航空こうくうとう航海こうかいとう同様どうよう配置はいちされる。赤色あかいろ航空こうくうとうひだり主翼しゅよくはしぜんえん配置はいちされ、緑色みどりいろ航空こうくうとうみぎ主翼しゅよくはしぜんえん配置はいちされている。しろ航空こうくうとうは、できるだけ後方こうほうまたはウィングチップにある[4]衝突しょうとつ回避かいひするために航空機こうくうきには強力きょうりょく閃光せんこうとう配置はいちされている[5]衝突しょうとつ防止ぼうしとうは、胴体どうたい上部じょうぶ下部かぶ主翼しゅよくはしにある点滅てんめつとうである。

民間みんかん航空機こうくうき場合ばあい、パイロットは日没にちぼつからまで航空こうくうとう点灯てんとうさせつづける必要ひつようがある。こう輝度きど白色はくしょく閃光せんこうとうは、あか回転かいてんビーコンと同様どうよう衝突しょうとつ防止ぼうし灯火ともしびシステムの一部いちぶである。

1996ねん3がつ11にち以降いこう製造せいぞうされたすべての航空機こうくうきは、視界しかい不良ふりょうすべ飛行ひこう活動かつどうたいして衝突しょうとつ防止ぼうし灯火ともしびシステム(閃光せんこうとうまたは回転かいてんビーコン)をオンにする必要ひつようがある。たとえば、プッシュバックの直前ちょくぜんに、パイロットはエンジンが始動しどうしようとしていることを地上ちじょう乗務じょうむいんらせるためにビーコンライトを点灯てんとうつづけなければならない。飛行ひこうちゅうはこれらのビーコンライトは点灯てんとうしたままである。タキシングなかは、タクシーとう点灯てんとうする。 滑走かっそうはいると、タクシーとうえ、着陸ちゃくりくとう閃光せんこうとう点灯てんとうする。10,000フィートをぎると、着陸ちゃくりくとう必要ひつようなくなり、パイロットはそれらをすことができる。着陸ちゃくりくにはぎゃく順序じゅんじょおなじサイクルが適用てきようされる。着陸ちゃくりくとうは、航空機こうくうき前面ぜんめんにあるあかるい白色はくしょく前方ぜんぽうおよび下方かほう灯火ともしびである。その目的もくてきは、パイロットが着陸ちゃくりくエリアをえるようにし、地上ちじょう乗務じょうむいん接近せっきんする航空機こうくうきえるようにすることである。

宇宙船うちゅうせん航行こうこうとう

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国際こくさい宇宙うちゅうステーションに接近せっきんちゅうのシグナス5。宇宙船うちゅうせん後方こうほう航行こうこうとうがついているのがえる。下部かぶ黄色おうしょくとうはこの写真しゃしんではえない。
スペースX・ドラゴンのあかみどり航行こうこうとう

2011ねんに、ORBITEC宇宙船うちゅうせん外装がいそう使用しようするための発光はっこうダイオード照明しょうめいシステムを開発かいはつした。現在げんざい国際こくさい宇宙うちゅうステーション(ISS)への貨物かもつ輸送ゆそうよう設計せっけいされた無人むじん輸送ゆそうせんシグナスは 、5つの点滅てんめつするこう出力しゅつりょくLEDライトからなる航行こうこうとうシステムを利用りようしている[6]。シグナスの航行こうこうとうは、船舶せんぱくのものに準拠じゅんきょして、機体きたい左側ひだりがわあかとう右側みぎがわみどりとう上部じょうぶ白色はくしょくとうが2つ、下部かぶ黄色おうしょくとうがある。

スペースX輸送ゆそうせんドラゴンも、あかみどり点滅てんめつする灯火ともしび設置せっちしている。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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出典しゅってん

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  1. ^ Handbook of the Nautical Rules of the Road Llana and Wisneskey
  2. ^ a b 海上かいじょうにおける衝突しょうとつ予防よぼうのための国際こくさい規則きそくかんする条約じょうやく 規則きそくC 灯火ともしびおよ形象けいしょうぶつ
  3. ^ AC 20-30B - Aircraft Position Light and Anticollision Light Installations – Document Information”. www.faa.gov. 6 April 2018閲覧えつらん
  4. ^ 14 CFR 25.1385, "Position light system installation"”. 2017ねん9がつ20日はつか時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2012ねん12月9にち閲覧えつらん
  5. ^ 14 CFR 23.1401, "Anticollision light system"”. 2017ねん9がつ20日はつか時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2012ねん12月9にち閲覧えつらん
  6. ^ ORBITEC Delivers First-Ever LED Lighting System for Orbital Science's Cygnus Module Spacecraft Navigation Lighting”. 2013ねん8がつ20日はつか時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2013ねん4がつ13にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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