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国籍 こくせき (こくせき)とは、個人 こじん と特定 とくてい の国家 こっか を法的 ほうてき に結 むす びつける絆 きずな であり[ 1] 、18世紀 せいき 以降 いこう のヨーロッパ において市民 しみん 革命 かくめい を経 へ て国民 こくみん 国家 こっか という概念 がいねん が生 う まれたことに対応 たいおう して形成 けいせい された概念 がいねん である。
かつては自国 じこく の国籍 こくせき を有 ゆう しない外国 がいこく 人 じん に法律 ほうりつ 上 じょう 何 なん らの保護 ほご を与 あた えなかった時代 じだい 、外国 がいこく 人 じん の権利 けんり を著 いちじる しく制限 せいげん した時代 じだい もあったが、今日 きょう では一般 いっぱん 的 てき には外国 がいこく 人 じん も内国 ないこく 人 じん と同 おな じような法律 ほうりつ 上 じょう の地位 ちい が認 みと められ、特 とく に私法 しほう 上 うえ の権利 けんり については内外 ないがい 人 じん 平等 びょうどう が原則 げんそく である。
もっとも、いくつかの領域 りょういき では自国 じこく の国籍 こくせき の有無 うむ が権利 けんり の享有 きょうゆう 又 また は義務 ぎむ の負担 ふたん の基準 きじゅん となることがある。例 たと えば、参政 さんせい 権 けん はその性質 せいしつ 上 じょう 自国 じこく の国籍 こくせき を有 ゆう するものしか認 みと められないと解 ほぐ され(ただし、地方自治体 ちほうじちたい 水準 すいじゅん では例外 れいがい および議論 ぎろん がある)、入国 にゅうこく ・居住 きょじゅう の権利 けんり についても基本 きほん 的 てき に自 じ 国民 こくみん しか享有 きょうゆう 主体 しゅたい にはならない。したがって、外国 がいこく に居住 きょじゅう して勤労 きんろう に従事 じゅうじ して生計 せいけい を立 た てることには一般 いっぱん 的 てき に大 おお きな困難 こんなん が伴 ともな う。ただし、ニュージーランド では永住 えいじゅう 権 けん を持 も つ永住 えいじゅう 者 しゃ に国政 こくせい 選挙 せんきょ での選挙 せんきょ 権 けん が与 あた えられている。なお、公務 こうむ 就任 しゅうにん 権 けん については、参政 さんせい 権 けん との関係 かんけい で自国 じこく の国籍 こくせき を有 ゆう することが必須 ひっす と考 かんが えることもできるが、全 まった く就任 しゅうにん することが不可能 ふかのう と言 い えるかについては、議論 ぎろん がある(国籍 こくせき 条項 じょうこう を参照 さんしょう )。
また、外国 がいこく 人 じん は経済 けいざい 政策 せいさく 上 じょう の理由 りゆう などにより私法 しほう 上 じょう の権利 けんり を制約 せいやく されることがある(鉱業 こうぎょう 権 けん 、漁業 ぎょぎょう 権 けん など)。
国際 こくさい 私法 しほう では、特 とく に家族 かぞく 法 ほう の領域 りょういき で準拠 じゅんきょ 法 ほう 決定 けってい のための連結 れんけつ 点 てん としての機能 きのう を有 ゆう する場合 ばあい がある(属人 ぞくじん 法 ほう を参照 さんしょう )。例 たと えば、婚姻 こんいん の成立 せいりつ 要件 ようけん については、婚姻 こんいん の当事 とうじ 者 しゃ が国籍 こくせき を有 ゆう する国 くに の法 ほう (本国 ほんごく 法 ほう )の適用 てきよう が原則 げんそく とされることがある(もっとも、当事 とうじ 者 しゃ の住所 じゅうしょ 地 ち 法 ほう を準拠 じゅんきょ 法 ほう とする例 れい もある)。
国籍 こくせき の国際 こくさい 法的 ほうてき 機能 きのう の一 ひと つとして、国家 こっか の外交 がいこう 的 てき 保護 ほご 権 けん 、すなわち国家 こっか は自 じ 国民 こくみん が他国 たこく によって身体 しんたい や財産 ざいさん の侵害 しんがい を被 こうむ った場合 ばあい に、加害 かがい 国 こく に対 たい して適切 てきせつ な救済 きゅうさい を与 あた えるよう要求 ようきゅう することが認 みと められる。ここで、国内 こくない 法 ほう 上 じょう 有効 ゆうこう に付与 ふよ された国籍 こくせき であっても、国際 こくさい 法 ほう 上 じょう の対抗 たいこう 力 りょく を欠 か く場合 ばあい がある。国際司法裁判所 こくさいしほうさいばんしょ はノッテボーム事件 じけん において、個人 こじん と国籍 こくせき 国 こく との間 あいだ に真正 しんせい の連関 れんかん 基準 きじゅん が無 な い場合 ばあい には外交 がいこう 的 てき 保護 ほご 権 けん を発動 はつどう できないとした。
また、何 なん らかの理由 りゆう により自 じ 国民 こくみん が他国 たこく に在留 ざいりゅう することができなくなった場合 ばあい には、国家 こっか は自 じ 国民 こくみん を自国 じこく 領域 りょういき に受 う け入 い れる義務 ぎむ がある。
国際 こくさい 法 ほう の原則 げんそく 上 じょう 、国籍 こくせき の得喪 とくそう に関 かん する立法 りっぽう は各国 かっこく の国内 こくない 管轄 かんかつ 事項 じこう であるとされている。もっとも無制限 むせいげん に妥当 だとう するものではなく、国籍 こくせき の決定 けってい に関 かん する条約 じょうやく を締結 ていけつ した国家 こっか は、国内 こくない 立法 りっぽう に際 さい して条約 じょうやく による制約 せいやく を受 う けるのはもちろんである。ただし、国内 こくない 法的 ほうてき 側面 そくめん において、憲法 けんぽう を頂点 ちょうてん とする国内 こくない 法 ほう 秩序 ちつじょ と国際 こくさい 法 ほう である条約 じょうやく との優劣 ゆうれつ をどのように位置付 いちづ けるかという論点 ろんてん が存在 そんざい する。
例 たと えば、日本 にっぽん では条約 じょうやく は憲法 けんぽう には劣後 れつご し法律 ほうりつ に優先 ゆうせん するものと一般 いっぱん に考 かんが えられているので、国会 こっかい が国籍 こくせき に関 かん する立法 りっぽう を行 おこな う際 さい に条約 じょうやく による制約 せいやく を受 う けることになるが、仮 かり に条約 じょうやく の内容 ないよう が憲法 けんぽう に抵触 ていしょく するものである場合 ばあい には、国会 こっかい は憲法 けんぽう に従 したが うことを優先 ゆうせん しなければならないので、その限 かぎ りにおいて条約 じょうやく の内容 ないよう に反 はん する立法 りっぽう が行 おこな われることとなろう。一方 いっぽう 、アメリカのように条約 じょうやく と法律 ほうりつ が同 どう 順位 じゅんい であると考 かんが えている国 くに では、先 さき に締結 ていけつ された条約 じょうやく に反 はん する内容 ないよう の国内 こくない 立法 りっぽう を行 おこな うことが許 ゆる されるということになろう。[独自 どくじ 研究 けんきゅう ? ]
国籍 こくせき の得喪 とくそう に関 かん する国内 こくない 法 ほう の存在 そんざい 形態 けいたい については、憲法 けんぽう 典 てん に規定 きてい を置 お く形態 けいたい (ドミニカ共和国 どみにかきょうわこく 、ジャマイカ など)、民法 みんぽう 典 てん に規定 きてい を置 お く形態 けいたい (フランス 、スペイン など)、複数 ふくすう の法典 ほうてん に分散 ぶんさん させる形態 けいたい (ポルトガル 、パナマ など)もあるが、多 おお くの国 くに では国籍 こくせき の得喪 とくそう に関 かん して規定 きてい した一 ひと つの法典 ほうてん を制定 せいてい している(日本 にっぽん 、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 、ドイツ 、大韓民国 だいかんみんこく など)。
国籍 こくせき の得喪 とくそう に関 かん する立法 りっぽう は各国 かっこく の国内 こくない 管轄 かんかつ 事項 じこう である以上 いじょう 、各国 かっこく がそれぞれ独自 どくじ の国籍 こくせき 法 ほう を制定 せいてい することになる。各国 かっこく の国籍 こくせき 法 ほう の内容 ないよう が全 すべ て一致 いっち する保証 ほしょう はないため、重 じゅう 国籍 こくせき や無 む 国籍 こくせき が生 しょう じる可能 かのう 性 せい は常 つね に存在 そんざい する。換言 かんげん すれば、重 じゅう 国籍 こくせき や無 む 国籍 こくせき は国籍 こくせき 法 ほう が各国 かっこく の国内 こくない 管轄 かんかつ 事項 じこう とされていることから論理 ろんり 必然 ひつぜん 的 てき に生 しょう じる現象 げんしょう である。
人 ひと は必 かなら ず国籍 こくせき を持 も ち、かつ唯一 ゆいいつ の国籍 こくせき を持 も つべきとする原則 げんそく である。国籍 こくせき 単一 たんいつ の原則 げんそく とも呼 よ ばれる。この原則 げんそく に反 はん することを国籍 こくせき の抵触 ていしょく といい、多重 たじゅう 国籍 こくせき を国籍 こくせき の積極 せっきょく 的 てき 抵触 ていしょく 、無 む 国籍 こくせき を国籍 こくせき の消極 しょうきょく 的 てき 抵触 ていしょく と呼 よ ぶこともある。
多重 たじゅう 国籍 こくせき の場合 ばあい 、複数 ふくすう の国家 こっか から国民 こくみん としての義務 ぎむ の履行 りこう を要求 ようきゅう が問題 もんだい と考 かんが える視点 してん と、それぞれ履行 りこう すればよいではないかという視点 してん がある。いずれの国家 こっか の外交 がいこう 的 てき 保護 ほご を認 みと めるかという点 てん で紛糾 ふんきゅう を生 しょう じる場合 ばあい があるという見方 みかた もあるが、外交 がいこう 的 てき 保護 ほご 権 けん は排他 はいた 的 てき でないという見方 みかた もある。
かつては多重 たじゅう 国籍 こくせき による不都合 ふつごう を避 さ けるために立法 りっぽう 上 じょう の工夫 くふう がされてきたが、国際 こくさい 化 か 社会 しゃかい が進 すす んだ現在 げんざい では欧米 おうべい などを中心 ちゅうしん に多重 たじゅう 国籍 こくせき を容認 ようにん する国 くに が増 ふ えてきており、国籍 こくせき 唯一 ゆいいつ の原則 げんそく はもはや国際 こくさい 的 てき 趨勢 すうせい とは到底 とうてい 言 い いがたい状況 じょうきょう にある[独自 どくじ 研究 けんきゅう ? ] 。
かつてはカルヴィン裁判 さいばん を例 れい とする永久 えいきゅう 忠誠 ちゅうせい の原則 げんそく が支配 しはい し、国籍 こくせき の変更 へんこう ・離脱 りだつ は自由 じゆう には認 みと められていなかったが、その後 ご 、国家 こっか による国籍 こくせき の強制 きょうせい は決 けっ して望 のぞ ましいものではないという考 かんが え方 かた が支配 しはい 的 てき になり、国籍 こくせき 離脱 りだつ を認 みと める国内 こくない 立法 りっぽう がされるようになった。国民 こくみん が国家 こっか に対 たい して忠誠 ちゅうせい を尽 つ くすのではなく、国家 こっか がそれぞれの国民 こくみん に対 たい してわけ隔 へだ てなく奉仕 ほうし するのが現代 げんだい の社会 しゃかい 福祉 ふくし 国家 こっか 観 かん であるから、国家 こっか による国籍 こくせき の強制 きょうせい を許 ゆる すべきでないのは当然 とうぜん であろう[独自 どくじ 研究 けんきゅう ? ] 。もっとも、国籍 こくせき 唯一 ゆいいつ の原則 げんそく との関係 かんけい から、無 む 国籍 こくせき になる自由 じゆう までも含 ふく むものではないので、それらを防止 ぼうし する限度 げんど では制約 せいやく を加 くわ えることも許 ゆる されるとしている。
日本 にっぽん では、明治 めいじ 憲法 けんぽう は国籍 こくせき の離脱 りだつ について規定 きてい を置 お いておらず、旧 きゅう 国籍 こくせき 法 ほう (明治 めいじ 32年 ねん 法律 ほうりつ 第 だい 66号 ごう )は国籍 こくせき 離脱 りだつ の自由 じゆう を認 みと めず一般 いっぱん 的 てき には政府 せいふ の許可 きょか を要 よう するとしていた[ 2] 。戦後 せんご 、日本国 にっぽんこく 憲法 けんぽう は海外 かいがい 移住 いじゅう 及 およ び国籍 こくせき 離脱 りだつ の自由 じゆう を明文 めいぶん を以って認 みと めた(日本国 にっぽんこく 憲法 けんぽう 第 だい 22条 じょう 第 だい 2項 こう )。なお現在 げんざい 、国籍 こくせき 離脱 りだつ の自由 じゆう を認 みと めていない国 くに としてアルゼンチン がある(ブラジル は憲法 けんぽう 第 だい 12条 じょう 第 だい 4項 こう の規定 きてい により国籍 こくせき 離脱 りだつ が可能 かのう [ 3] )。
出生 しゅっしょう による国籍 こくせき の取得 しゅとく については、親 おや の血統 けっとう と同 おな じ国籍 こくせき を子 こ に与 あた える立法 りっぽう 、すなわち自 じ 国民 こくみん から生 う まれた子 こ に自国 じこく の国籍 こくせき の取得 しゅとく を認 みと める血統 けっとう 主義 しゅぎ と、出生 しゅっしょう 地 ち の国籍 こくせき を子 こ に与 あた える立法 りっぽう 、すなわち自国 じこく で生 う まれた子 こ に自国 じこく の国籍 こくせき の取得 しゅとく を認 みと める出生 しゅっしょう 地 ち 主義 しゅぎ とがある。
日本 にっぽん をはじめ、韓国 かんこく やドイツなどは血統 けっとう 主義 しゅぎ が原則 げんそく であるのに対 たい し、アイルランド などは出生 しゅっしょう 地 ち 主義 しゅぎ が原則 げんそく である。
ただしいずれの国家 こっか の立法 りっぽう も、一方 いっぽう の主義 しゅぎ に徹底 てってい しているわけではなく、無 む 国籍 こくせき 防止 ぼうし や子供 こども の人権 じんけん 擁護 ようご の観点 かんてん から両者 りょうしゃ を併用 へいよう している。上記 じょうき のドイツも含 ふく め、EU 諸国 しょこく では血統 けっとう 主義 しゅぎ であっても、少 すく なくとも自国 じこく に永住 えいじゅう する外国 がいこく 人 じん の子 こ や孫 まご には国籍 こくせき の取得 しゅとく を認 みと めている例 れい が多 おお い。
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく に至 いた っては、血統 けっとう 主義 しゅぎ と出生 しゅっしょう 地 ち 主義 しゅぎ の完全 かんぜん な二本立 にほんだ てとなっており、片方 かたがた の親 おや が外国 がいこく 籍 せき でかつ外国 がいこく で生 う まれた子 こ であっても、もう片方 かたがた の親 おや がアメリカ人 じん であれば、その者 もの が子 こ の出生 しゅっしょう 届 とどけ をアメリカの国籍 こくせき 移民 いみん 局 きょく (US Citizenship and Immigration Services)または滞在 たいざい 国 こく にあるアメリカ大使館 あめりかたいしかん に提出 ていしゅつ することにより、その子 こ のアメリカ国籍 こくせき が自動的 じどうてき に認 みと められる。
日本 にっぽん でも、日本 にっぽん で生 う まれたが両親 りょうしん の所在 しょざい が分 わ からなくなったり、無 む 国籍 こくせき の両親 りょうしん から生 う まれたりした子供 こども には日本 にっぽん 国籍 こくせき を与 あた えている。無 む 国籍 こくせき 者 しゃ の発生 はっせい は、人道 じんどう 上 じょう 大変 たいへん 憂慮 ゆうりょ すべき事態 じたい であるからである。
外国 がいこく 人 じん に国籍 こくせき を付与 ふよ することと、元々 もともと 持 も っていた外国 がいこく 籍 せき の放棄 ほうき との二 ふた つの問題 もんだい がある。国 くに によっては、外国 がいこく 人 じん が自 じ 国民 こくみん との間 あいだ で婚姻 こんいん 、養子 ようし 縁組 えんぐみ などの身分 みぶん 行為 こうい をした場合 ばあい に国籍 こくせき の取得 しゅとく を認 みと める立法 りっぽう 例 れい がある。このような事由 じゆう による国籍 こくせき の取得 しゅとく が認 みと めるのは、家族 かぞく によって国籍 こくせき が異 こと なると、国籍 こくせき を異 こと にする国家 こっか 間 あいだ で戦争 せんそう などがあった場合 ばあい に家族 かぞく が崩壊 ほうかい する恐 おそ れがあるとの考慮 こうりょ などによるのではなく、国籍 こくせき がないと、当該 とうがい 国 こく での生活 せいかつ に制約 せいやく が出 で るため、身分 みぶん 行為 こうい を行 おこな った外国 がいこく 人 じん に国籍 こくせき を付与 ふよ して、当該 とうがい 外国 がいこく 人 じん 及 およ び家族 かぞく の生活 せいかつ の便宜 べんぎ を図 はか ることに目的 もくてき がある。
もっとも、このような立法 りっぽう 例 れい は少 すく なくなっており、日本 にっぽん の国籍 こくせき 法 ほう でも準 じゅん 正 せい の場合 ばあい に届出 とどけで がされる場合 ばあい を除 のぞ き採用 さいよう されていない。
出生 しゅっしょう 後 ご に国籍 こくせき を取得 しゅとく すること全 すべ てを指 さ す場合 ばあい もあるが、基本 きほん 的 てき には、出生 しゅっしょう 後 ご の国籍 こくせき 取得 しゅとく のうち本人 ほんにん の志望 しぼう に基 もと づき国家 こっか が国籍 こくせき を付与 ふよ する場合 ばあい を帰化 きか という。
法律 ほうりつ で定 さだ められた条件 じょうけん を満 み たす場合 ばあい は当然 とうぜん 帰化 きか できる立法 りっぽう 例 れい (アメリカ)と、定 さだ められた条件 じょうけん を満 み たす場合 ばあい でもなお帰化 きか の決定 けってい について行政 ぎょうせい 機関 きかん に一定 いってい の裁量 さいりょう が認 みと められる立法 りっぽう 例 れい (日本 にっぽん 、イギリス )がある。
志望 しぼう による外国 がいこく 籍 せき 取得 しゅとく による喪失 そうしつ [ 編集 へんしゅう ]
国籍 こくせき 自由 じゆう の原則 げんそく から、本人 ほんにん が志望 しぼう した場合 ばあい は国籍 こくせき の離脱 りだつ を認 みと めるべきと言 い える。国籍 こくせき 唯一 ゆいいつ の原則 げんそく と、無 む 国籍 こくせき の防止 ぼうし とは別 べつ の問題 もんだい であるため、国籍 こくせき 唯一 ゆいいつ の原則 げんそく による制約 せいやく とは関係 かんけい ない。立法 りっぽう 例 れい としては志望 しぼう により外国 がいこく 籍 せき を取得 しゅとく した場合 ばあい に国籍 こくせき 離脱 りだつ を認 みと める例 れい が多 おお い。
このような立法 りっぽう がされる趣旨 しゅし は身分 みぶん 行為 こうい による取得 しゅとく と同旨 どうし である。しかし、外国 がいこく 籍 せき の取得 しゅとく が本人 ほんにん の志望 しぼう によるものではないため(もちろん、外国 がいこく 籍 せき の取得 しゅとく を目的 もくてき で婚姻 こんいん 等 とう をする場合 ばあい はある)、このような立法 りっぽう 例 れい は少 すく なくなっている。
国籍 こくせき 離脱 りだつ の届出 とどけで による喪失 そうしつ [ 編集 へんしゅう ]
国籍 こくせき 自由 じゆう の原則 げんそく から認 みと められるが、無 む 国籍 こくせき を防止 ぼうし するため、外国 がいこく 籍 せき を有 ゆう していることを条件 じょうけん とする立法 りっぽう 例 れい が多 おお い。日本国 にっぽんこく 憲法 けんぽう 第 だい 22条 じょう 第 だい 2項 こう は国籍 こくせき 離脱 りだつ の自由 じゆう を保障 ほしょう しており、国籍 こくせき 離脱 りだつ の届出 とどけで 制度 せいど が存在 そんざい するが、外国 がいこく 籍 せき がない場合 ばあい の離脱 りだつ (無 む 国籍 こくせき になること)を認 みと めていない。
国籍 こくせき 選択 せんたく 制度 せいど による喪失 そうしつ [ 編集 へんしゅう ]
国籍 こくせき 選択 せんたく 制度 せいど とは、二 に 重 じゅう 国籍 こくせき 者 しゃ に対 たい し一定 いってい の期限 きげん までにいずれかの国籍 こくせき の選択 せんたく を義務 ぎむ づける制度 せいど である。二 に 重 じゅう 国籍 こくせき を解消 かいしょう することを目的 もくてき としており、選択 せんたく がされない場合 ばあい は国籍 こくせき を喪失 そうしつ させる措置 そち が採 と られる立法 りっぽう 例 れい が多 おお い。
日本 にっぽん においては、1984年 ねん の国籍 こくせき 法 ほう 改正 かいせい の時 とき に導入 どうにゅう された(施行 しこう は1985年 ねん )。もっとも、日本 にっぽん 国籍 こくせき を選択 せんたく した場合 ばあい は外国 がいこく 籍 せき の離脱 りだつ に努 つと める義務 ぎむ が生 しょう じるが、国籍 こくせき 離脱 りだつ に関 かん する外国 がいこく の法 ほう 制度 せいど が様々 さまざま であることなどを考慮 こうりょ し、その後 ご に外国 がいこく 籍 せき の離脱 りだつ の手続 てつづき をとらないことをもって日本 にっぽん 国籍 こくせき 喪失 そうしつ 事由 じゆう とはしていない。
国籍 こくせき の存在 そんざい する母国 ぼこく に敵対 てきたい する国家 こっか 若 も しくは組織 そしき の軍隊 ぐんたい または関連 かんれん する組織 そしき に加担 かたん して、母国 ぼこく の安全 あんぜん 保障 ほしょう を害 がい したと認 みと められた場合 ばあい 、国家 こっか 反逆 はんぎゃく の罪 つみ に問 と われ国籍 こくせき を強制 きょうせい 的 てき に剥奪 はくだつ (相手 あいて 国 こく 国籍 こくせき に)されることがある(東京 とうきょう ローズ )。
国籍 こくせき は本来 ほんらい は自然人 しぜんじん についてのみ認 みと められる概念 がいねん であるが、法人 ほうじん や船舶 せんぱく 、航空機 こうくうき についてもいわば擬制 ぎせい 的 てき に国籍 こくせき という概念 がいねん が用 もち いられる場合 ばあい がある。
法人 ほうじん に関 かん しては、法人 ほうじん に関 かん する法律 ほうりつ 関係 かんけい の準拠 じゅんきょ 法 ほう の指定 してい や、ある国 くに の法律 ほうりつ に基 もと づいて成立 せいりつ した法人 ほうじん が他国 たこく でも法人 ほうじん として権利 けんり 能力 のうりょく を有 ゆう するかという問題 もんだい がある。この点 てん につき考察 こうさつ する場合 ばあい に法人 ほうじん の国籍 こくせき という概念 がいねん を用 もち い、内国 ないこく 法人 ほうじん と外国 がいこく 法人 ほうじん とに区別 くべつ することが行 おこな われる場合 ばあい がある。
この点 てん については、法人 ほうじん の設立 せつりつ 準拠 じゅんきょ 法 ほう が内国 ないこく である場合 ばあい は内国 ないこく 法人 ほうじん であり、設立 せつりつ 準拠 じゅんきょ 法 ほう が外国 がいこく である場合 ばあい は外国 がいこく 法人 ほうじん であると考 かんが えるのが、伝統 でんとう 的 てき な見解 けんかい である。もっとも、第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん の際 さい 、内国 ないこく 法 ほう に従 したが って設立 せつりつ された法人 ほうじん の経営 けいえい 権 けん が外国 がいこく 人 じん に帰属 きぞく しているような場合 ばあい であっても内国 ないこく 法人 ほうじん と言 い えるかが問題 もんだい となったことがある。
船舶 せんぱく の国籍 こくせき は船籍 せんせき と呼 よ ばれ、いずれの国 くに においても船籍 せんせき の許 もと 与 くみ するための要件 ようけん を定 さだ めており、船舶 せんぱく の製造 せいぞう 地 ち が自国 じこく であることを要件 ようけん とする例 れい 、船舶 せんぱく の所有 しょゆう 者 しゃ が自 じ 国民 こくみん であることを主要 しゅよう な要件 ようけん とする例 れい (加 くわ えて船員 せんいん が自 じ 国民 こくみん であることを要求 ようきゅう する場合 ばあい もある)などがある。しかし、いずれの場合 ばあい にも、国際 こくさい 法 ほう 上 うえ は抽象 ちゅうしょう 的 てき に、船舶 せんぱく と船籍 せんせき との間 あいだ に「真正 しんせい な関係 かんけい 」が存在 そんざい しなければならないとされている(海洋 かいよう 法 ほう に関 かん する国際 こくさい 連合 れんごう 条約 じょうやく 91条 じょう 1項 こう )。
日本 にっぽん の場合 ばあい には船舶 せんぱく 法 ほう 1条 じょう で船舶 せんぱく の日本 にっぽん 国籍 こくせき 取得 しゅとく の要件 ようけん (日本 にっぽん 船舶 せんぱく の要件 ようけん )が定 さだ められており、日本 にっぽん 船舶 せんぱく には国旗 こっき 掲揚 けいよう の権利 けんり (船舶 せんぱく 法 ほう 2条 じょう )や不 ふ 開港 かいこう 場 じょう へ寄港 きこう する権利 けんり (船舶 せんぱく 法 ほう 3条 じょう )が認 みと められる一方 いっぽう 、その所有 しょゆう 者 しゃ は原則 げんそく として日本 にっぽん での船舶 せんぱく 登記 とうき ・船舶 せんぱく 登録 とうろく の義務 ぎむ を負 お うことになる(船舶 せんぱく 法 ほう 5条 じょう )。
もっとも、自国 じこく に船舶 せんぱく の登録 とうろく を誘致 ゆうち するために、上記 じょうき の登録 とうろく 要件 ようけん を緩 ゆる やかにしたり船舶 せんぱく に関 かん する行政 ぎょうせい 上 じょう の規制 きせい を緩 ゆる やかにする国 くに があり(税 ぜい の優遇 ゆうぐう など パナマ が有名 ゆうめい )、そのような国家 こっか に船籍 せんせき を置 お く便宜置籍船 べんぎちせきせん が問題 もんだい となっている。
なお、国際 こくさい 私法 しほう 上 うえ 、物権 ぶっけん 関係 かんけい の準拠 じゅんきょ 法 ほう の指定 してい に際 さい し、所在地 しょざいち に代 か わる連結 れんけつ 点 てん として使用 しよう されることが多 おお い(日本 にっぽん の場合 ばあい は明文 めいぶん の規定 きてい がないが、同様 どうよう に解 ほぐ されている)。
「軍艦 ぐんかん 旗 はた 」、「商船 しょうせん 旗 はた 」も参照 さんしょう 。
航空機 こうくうき は船舶 せんぱく に準 じゅん じた考 かんが え方 かた が導入 どうにゅう されており、機体 きたい にアルファベットと数字 すうじ を組 く み合 あ わせで登録 とうろく 国籍 こくせき を表 あらわ す機体 きたい 記号 きごう を掲示 けいじ する。