薩摩さつま国司こくし

薩摩さつま国司こくし（さつまこくし）は、薩摩さつま国こくの国司こくし。薩摩さつま守もり、薩摩さつま介かい、薩摩さつま大だい掾じょう、薩摩さつま少しょう掾じょう、薩摩さつま大だい目め、薩摩さつま少しょう目めの各かく1人ひとりで構成こうせいされる。

概要がいよう

薩摩さつま国こくは現在げんざいの鹿児島かごしま県けん西部せいぶにあたり、令れい制せい国こくとしての分類ぶんるいは、国力こくりょく基準きじゅんでは中国ちゅうごく、距離きょり基準きじゅんでは遠国おんごくであった。江戸えど時代じだいは武家ぶけ官位かんいとして、代々だいだいの薩摩さつま藩はん主あるじたる島津しまつ氏し当主とうしゅが名乗なのった。

国司こくし一覧いちらん

国司こくし

• 高こう氏し海人あま、天平てんぺい2年ねん（730年ねん) 目めとして万葉集まんようしゅうに名前なまえが見みえる
• 呉ご原げん百足むかで、天平てんぴょう8年ねん（736年ねん）目めとして正せい倉くら院いん文書ぶんしょに名前なまえが見みえる
• 韓かん柔やわら受郎、天平てんぴょう8年ねん（736年ねん）史生ふみおとして正せい倉くら院いん文書ぶんしょに名前なまえが見みえる
• 次じ田た赤染あかぞめ上うえ麻呂まろ、天平てんぴょう10年ねん（738年ねん）目めとして正せい倉くら院いん文書ぶんしょに名前なまえが見みえる
• 雄お山田やまだ錦にしき麻呂まろ、天平てんぴょう10年ねん（738年ねん）史生ふみおとして正せい倉くら院いん文書ぶんしょに名前なまえが見みえる

薩摩守さつまのかみ

• 多治比たじひ木き人じん、天平てんぴょう宝たから字じ4年ねん（760年ねん）任官にんかん
• 大伴家持おおとものやかもち、天平てんぴょう宝たから字じ8年ねん（764年ねん）任官にんかん
• 紀きの広ひろ純じゅん、天平てんぺい神護かんご1年ねん（765年ねん）任官にんかん
• 坂上さかがみ清野きよの、天てん長ちょう元年がんねん（824年ねん）任官にんかん
• 宮みや道弥みちや益えき、貞さだ観かん4年ねん（862年ねん）任官にんかん
• 忠世ただよ貞さだ直ただし、貞さだ観かん5年ねん（863年ねん）任官にんかん
• 菅野かんの宗はじめ範はん、貞さだ観かん7年ねん（865年ねん）任官にんかん
• 安倍あべ興きょう氏し、貞さだ観かん11年ねん（869年ねん）任官にんかん
• 平忠度たいらのただのり、治ち承うけたまわ4年ねん（1180年ねん）任官にんかん
• 中原なかはら師し右みぎ、建たて武たけし3年ねん（1337年ねん）任官にんかん（北朝ほくちょう）
• 南部なんぶ信行のぶゆき、延のべ元もと3年ねん（1338年ねん）任官にんかん（南朝なんちょう）
• 南部なんぶ信光のぶみつ、正平しょうへい11年ねん（1356年ねん）任官にんかん（南朝なんちょう）
• 松平まつだいら忠吉ただよし、慶長けいちょう10年ねん（1605年ねん）任官にんかん

武家ぶけ官位かんいとしての薩摩守さつまのかみ

• 江戸えど時代じだいを通つうじて、薩摩さつま藩主はんしゅは代々だいだい薩摩守さつまのかみを称しょうした。
  • 島津しまつ家久いえひさ - 島津しまつ氏し第だい18代だい当主とうしゅ。徳川とくがわ幕まく藩はん体制たいせいである薩摩さつま藩はんの初代しょだい藩主はんしゅ。
  • 島津しまつ光久みつひさ - 島津しまつ氏し第だい19代だい当主とうしゅ。薩摩さつま藩はん第だい2代だい藩主はんしゅ。
  • 島津しまつ綱つな貴たか - 島津しまつ氏し第だい20代だい当主とうしゅ。薩摩さつま藩はん第だい3代だい藩主はんしゅ。
  • 島津しまつ吉よし貴たか - 島津しまつ氏し第だい21代だい当主とうしゅ。薩摩さつま藩はん第だい4代だい藩主はんしゅ。
  • 島津しまつ宗そう信しん - 島津しまつ氏し第だい23代だい当主とうしゅ。薩摩さつま藩はん第だい6代だい藩主はんしゅ。
  • 島津しまつ重しげる年ねん - 島津しまつ氏し第だい24代だい当主とうしゅ。薩摩さつま藩はん第だい7代だい藩主はんしゅ。
  • 島津しまつ重豪しげひで - 島津しまつ氏し第だい25代だい当主とうしゅ。薩摩さつま藩はん第だい8代だい藩主はんしゅ。
  • 島津しまつ斉ひとし宣せん - 島津しまつ氏し第だい26代だい当主とうしゅ。薩摩さつま藩はん第だい9代だい藩主はんしゅ。
  • 島津しまつ斉彬なりあきら - 島津しまつ氏し第だい28代だい当主とうしゅ。薩摩さつま藩はん第だい11代だい藩主はんしゅ。
• 島津しまつ氏し9代だい島津しまつ忠国ただくにの弟おとうと・島津しまつ用久ようきゅうから始はじまる家系かけいは代々だいだい薩摩守さつまのかみを称しょうしたため薩州家かと呼よばれ、薩摩さつま守護しゅご代だいを世襲せしゅうした。
  • 島津しまつ用久ようきゅう - 薩州家か初代しょだい当主とうしゅ。
  • 島津しまつ国久くにひさ - 薩州家か第だい2代だい当主とうしゅ。
  • 島津しまつ成久なりひさ - 薩州家か第だい3代だい当主とうしゅ。
  • 島津しまつ忠興ただおき - 薩州家か第だい4代だい当主とうしゅ。
  • 島津しまつ実久さねく - 薩州家か第だい5代だい当主とうしゅ。
  • 島津しまつ義虎よしとら - 薩州家か第だい6代だい当主とうしゅ。
  • 島津しまつ忠ただし辰たつ - 薩州家か第だい7代だい当主とうしゅ。

関連かんれん項目こうもく

• 忠ちゅう度ど (能のう) - 『平家ひらか物語ものがたり』に題材だいざいを取とった能のうの演目えんもく。薩摩守さつまのかみであった平忠度たいらのただのりが登場とうじょうする。
• 薩摩守さつまのかみ (狂言きょうげん) - 狂言きょうげんの演目えんもく。平忠度たいらのただのりの名なを絡からめて渡わたし船ぶねに無賃むちん乗船じょうせんを目論もくろむ僧侶そうりょと船頭せんどうとのやりとりを扱あつかっている。
• 不正ふせい乗車じょうしゃ - 上記じょうきの狂言きょうげんから、俗語ぞくごで列車れっしゃなどのただ乗のり（忠ちゅう度ど＝ただのり＝ただ乗のり）を薩摩守さつまのかみということがある。