(Translated by https://www.hiragana.jp/)
観測装置 - Wikipedia コンテンツにスキップ

観測かんそく装置そうち

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

観測かんそく装置そうち(かんそくそうち えい: instrument for observation[1], observation instruments)とは、観測かんそくのための装置そうちである。

概説がいせつ

[編集へんしゅう]

観測かんそく装置そうち観測かんそくおこなうための装置そうちである。

ふるくは、シンプルな望遠鏡ぼうえんきょうなども立派りっぱ観測かんそく装置そうちであった。ひとがそれをのぞみじっくりと観察かんさつし、ひと自分じぶんでスケッチブックにスケッチをえがく、などということをおこなった。ガリレオ・ガリレイもそうして天体てんたい観測かんそくおこなった。

近年きんねん観測かんそく装置そうちは、おおまかにいえば、自然しぜん現象げんしょうせっする(自然しぜん現象げんしょうをとりこむ)部分ぶぶんと、量的りょうてき要素ようそ抽出ちゅうしゅつし(数値すうち、データし)記録きろくする部分ぶぶんからっていることが一般いっぱんてきである。

上記じょうき両方りょうほうそなえ、それ自体じたい完結かんけつしている装置そうちおおい。

広義こうぎには(前半ぜんはんの)自然しぜんせっする機能きのうとくした部品ぶひんてき装置そうち、(後半こうはんの)量的りょうてき要素ようそ抽出ちゅうしゅつし、記録きろくする機能きのうとくした部品ぶひんも「観測かんそく装置そうち」とうことがある。いずれにせよ、観測かんそくのためにもちいる装置そうちだからである。

たとえば、測定そくてい記録きろく機能きのうとくしている部品ぶひんで、望遠鏡ぼうえんきょう人工じんこう衛星えいせいひとし装置そうちけることで観測かんそく装置そうちとして完成かんせいするものもある。

フィルムしきカメラにフィルムがはいっていないと観測かんそくおこなえない。また、カメラが状態じょうたいで、フィルムだけがむきしでかれていても観測かんそくおこなえない。両方りょうほうがそろうことで観測かんそく可能かのうとなる。

カメラにフィルムけられること(レンズとフィルムがわされ、適切てきせつ位置いち関係かんけいかれ、適切てきせつ時間じかん カメラのそとひかりがとりこまれフィルムにとどくとひかりたば画像がぞう)を記録きろくでき、観測かんそくができるわけである。デジタルカメラの場合ばあいには、レンズは光学こうがくけい望遠鏡ぼうえんきょうにあたり、CCDセンサーはひかり電気でんき信号しんごう変換へんかん、デジタルし、小型こがたコンピュータがそれを処理しょりし、メモリーカードなどの記録きろく媒体ばいたいにデジタル情報じょうほうとして記録きろくおこなわれる。望遠鏡ぼうえんきょうに、あとづけで、ひかり検出けんしゅつ記録きろくする装置そうち装着そうちゃくすることで、完結かんけつした観測かんそく装置そうち仕立したてげる場合ばあいもある。この場合ばあい望遠鏡ぼうえんきょうはカメラのレンズ部分ぶぶんたり、ひかり検出けんしゅつ記録きろくおこな装置そうちがフィルム(やCCD+メモリカード)にたる。

なお、かつては、装置そうち自体じたい記録きろくおこなわず、ひとがつきっきりで数値すうち画像がぞうなどを確認かくにん分析ぶんせきし(必要ひつようとあらば)記録きろくする、というものもおおかった。

近年きんねん観測かんそく装置そうち自動じどう観測かんそくおこなうものもえてきている。観測かんそく装置そうち付属ふぞくする(あるいは観測かんそく装置そうちそとけした)制御せいぎょコンピュータに観測かんそく時間じかん間隔かんかく観測かんそく対象たいしょう種類しゅるい観測かんそく対象たいしょう位置いちなどをあらかじめ入力にゅうりょく指定していしておくことで、(そのひとがついていなくても)観測かんそく装置そうち自動的じどうてき観測かんそくおこなってくれるのである。

観測かんそく装置そうちによって測定そくていされたデータは、記録きろく装置そうち記録きろく媒体ばいたい記録きろくされ、その 分析ぶんせきおこなわれる。人間にんげん分析ぶんせきおこなうものもあり、分析ぶんせきだい部分ぶぶんもコンピュータで自動じどうおこなうようにしている場合ばあいもある。

使つかいかた

[編集へんしゅう]

観測かんそくごとにもとめられる精度せいどことなる。たか精度せいど要求ようきゅうされるものもある。あらかじめ測定そくてい精度せいどをしっかりたしかめるのがのぞましい。たか精度せいど要求ようきゅうされる場合ばあいは、較正こうせいばれる検定けんてい作業さぎょう必要ひつようとなる。とくに、観測かんそく装置そうち(や測定そくてい器具きぐ)は、経年けいねん変化へんかによって変化へんかするものがあるため、定期ていきてき検定けんていおこなうのがのぞましい。[2]

観測かんそく装置そうちれい

[編集へんしゅう]
  • あわばこ - 磁場じばもちいて、粒子りゅうし軌跡きせきから質量しつりょう測定そくていする装置そうち
  • きりばこ - あわばこ別名べつめい内部ないぶ媒体ばいたいきりじょうになった液体えきたい窒素ちっそとうによるため。
  • こうエネルギーせん測定そくてい装置そうち - こうエネルギーせんエックス線えっくすせんガンマーせん)の位置いち強度きょうど測定そくていする装置そうち
    • すだれコリメータ - 日本にっぽん開発かいはつした工学こうがく実験じっけん衛星えいせいようエックス線えっくすせん測定そくてい装置そうち。すだれの名前なまえは、エックス線えっくすせんやガンマーせん入力にゅうりょくした金属きんぞくからしょうじる電子でんし加速かそくするとき、その軌跡きせきがすだれじょうになることから。
    • マイクロカロリーメータ - 工学こうがく実験じっけん衛星えいせい「すざく」に搭載とうさいされた、精密せいみつエックス線えっくすせん精密せいみつガンマーせん測定そくてい装置そうち
  • 放射線ほうしゃせんけい - 自然しぜん放射線ほうしゃせん人工じんこう放射線ほうしゃせん測定そくていする装置そうち
  • 傾斜けいしゃけい - 地面じめんかたむきなどを測定そくていする装置そうち
    • 水準すいじゅんけい
    • いびつけい - 傾斜けいしゃけいを2つもしくは3つをもちいて、2次元じげん方向ほうこうかたむきや3次元じげん方向ほうこうかたむきを測定そくていする装置そうち
    • 伸縮しんしゅくけい - 水平すいへい方向ほうこう伸縮しんしゅく測定そくていする装置そうち
  • 干渉かんしょうけい - なみ干渉かんしょう現象げんしょう利用りようして、干渉かんしょうしま測定そくていする装置そうち
  • 重力じゅうりょくけい - 重力じゅうりょく加速度かそくど測定そくていする装置そうち
  • 地震じしんけい - 震度しんど測定そくてい地震じしん測定そくていする装置そうち
  • 熱量ねつりょうけい - 熱量ねつりょう測定そくていする装置そうち
  • 音圧おんあつけい - 周辺しゅうへん音圧おんあつ測定そくていする装置そうち
    • 騒音そうおんけい
    • ドリフトチャンバー - 素粒子そりゅうし実験じっけん装置そうちけられる大型おおがた観測かんそく装置そうち衝突しょうとつがた加速器かそくきとうによってられた荷電かでん素粒子そりゅうしとお空間くうかん磁場じばをかけ、飛跡ひせき測定そくていできるようにした装置そうち名称めいしょう現在げんざいは、素粒子そりゅうし観測かんそく装置そうち一番いちばん内側うちがわ配置はいちされている。このうえに、ガンマーせんセンサー(カメラ)や中性子ちゅうせいしせん測定そくてい装置そうちなどがまれているため大型おおがたしている。
  • 距離きょりけい - 対称たいしょうぶつまでの距離きょり測定そくていする装置そうち。もしくは、航路こうろ移動いどう距離きょり測定そくていする装置そうち(これを積算せきさん距離きょりけいぶ)。
    • 高度こうどけい - 気圧きあつがた、GPSがた、レーザーがた、レーダーがたなどがある。一般いっぱん市販しはんされているものは、ほとんどGPSがたになりつつある。
  • 速度そくどけい - 速度そくど測定そくていする装置そうち
  • 湿度しつどけい - 湿度しつど測定そくていする装置そうち
  • 電界でんかいけい - 電界でんかい測定そくていする装置そうち
  • 電力でんりょくけい - 電力でんりょく測定そくていする装置そうち
  • 磁力じりょくけい - 磁力じりょく測定そくていする装置そうち
  • 回路かいろけい - 電気でんき測定そくていのいくつかの機能きのうふくあいてき装置そうち
    • テスター
    • マルチメータ
  • オシロスコープ - 電気でんき測定そくていにおける時間じかん変化へんかとうブラウン管ぶらうんかんなどの装置そうちうつすことの出来でき装置そうち
  • 流量りゅうりょうけい - ガスじょう物質ぶっしつ流体りゅうたいりょう測定そくていする装置そうち
  • 分光ぶんこうけい - ひかりスペクトル測定そくていする装置そうち
  • 撮像さつぞうかん - 2次元じげんひかり分布ぶんぷとらえる装置そうち
  • 半導体はんどうたいこう検出けんしゅつ - 半導体はんどうたいたるひかり内部ないぶこうでん効果こうかにより電流でんりゅう変換へんかんするセンサー。
    • フォトダイオード - 光子こうし電流でんりゅう変換へんかんするデバイス。アバランシェ・フォトダイオードでは内部ないぶ増幅ぞうふくによりフォトンカウントができる。
    • フォトトランジスタ - フォトダイオードをトランジスタにしたもの。電流でんりゅう電圧でんあつ増幅ぞうふく可能かのうであるが直線ちょくせんせいがよくないという問題もんだいてんがある。
  • ひかり電子でんしぞうばいかん - かすかなひかりひかりでん効果こうかにより電子でんし変換へんかんし、増幅ぞうふくする装置そうち。10の6じょう程度ていど電子でんしぞうばいできる。光量ひかりりょう測定そくていするには、直流ちょくりゅう増幅ぞうふく回路かいろによりアナログ信号しんごう方法ほうほうと、広帯域こうたいいきアンプと高速こうそくコンパレータにより光子こうしイベントをデジタル信号しんごうとして方法ほうほうかれる。最初さいしょ標準ひょうじゅんされた精密せいみつ天体てんたいひかりでん測光そっこうシステム(ジョンソンによるUBVしき)には、RCAせいの1P21とコーニングしゃせいいろガラスフィルターの組合くみあわせが使つかわれ、恒星こうせい精密せいみついろ等級とうきゅう(HR)がられ、恒星こうせい進化しんか研究けんきゅうなどに貢献こうけんした歴史れきしがある。浜松はままつホトニクスにより開発かいはつされた巨大きょだいひかり電子でんしぞうばいかんは、ニュートリノを検出けんしゅつするカミオカンデ(やスーパーカミオカンデ)に使用しようされ、小柴こしば昌俊まさとしのノーベルしょう受賞じゅしょうむすいた。


脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ JST科学かがく技術ぎじゅつ用語ようごにちえい対訳たいやく辞書じしょ観測かんそく装置そうち
  2. ^ トル法とるほう国際こくさい単位たんいけい)によって定義ていぎされている器具きぐは、等級とうきゅうべつ区分くぶんされている。たとえば、各国かっこく重量じゅうりょう原器げんきを0等級とうきゅうとすれば、かく自治体じちたいごと検定けんていよう原器げんきは1等級とうきゅうとなり、重量じゅうりょうけい製作せいさくするメーカにある原器げんきは2等級とうきゅうとなる。これらとの比較ひかく対照たいしょうによって、測定そくてい器具きぐ較正こうせいおこなわれる。

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]