ちょう音速おんそく輸送ゆそう

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だい1世代せだいちょう音速おんそく旅客機りょかくき
パリ航空ショーでのアエロフロート・ツポレフTu-144(1975年)
パリ航空こうくうショーでのアエロフロート・ツポレフTu-144(1975ねん

ちょう音速おんそく輸送ゆそう(ちょうおんそくゆそうき、えい: Supersonic transport, SST)は、ちょう音速おんそく速度そくど飛行ひこうし、旅客りょかく貨物かもつ輸送ゆそうする航空機こうくうきのことである。ちょう音速おんそく旅客機りょかくきとも。

現在げんざい商業しょうぎょう飛行ひこうおこなっているちょう音速おんそく輸送ゆそうはない。かつては、ソ連それんツポレフ設計せっけいきょく手掛てがけたTu-144と、イギリスフランス共同きょうどう開発かいはつしたコンコルド商業しょうぎょう飛行ひこうおこなっていたが、Tu-144は1978ねん6がつまでに、コンコルドは2003ねん10月24にち商業しょうぎょう飛行ひこうりやめている。

概要がいよう[編集へんしゅう]

ちょう音速おんそく飛行ひこうするためには、速度そくどの2じょう比例ひれいして増加ぞうかする抗力こうりょくをできるだけ低減ていげんする必要ひつようがあるとともに、巡航じゅんこう速度そくど到達とうたつするまえ音速おんそく付近ふきんマッハやく0.8から1.2程度ていどにかけての速度そくどいき遷音そく)できゅうおおきくなる抗力こうりょく係数けいすう低減ていげんしなくてはいけない。遷音そくでの抗力こうりょく係数けいすう衝撃波しょうげきはつくるためについやされるみやつこ抗力こうりょくくわわるために、こう音速おんそくいき(マッハ0.8程度ていどで、遷音そくいきはい直前ちょくぜん)の場合ばあいの3ばい以上いじょうにもなる。しかし、遷音そくえると抗力こうりょく係数けいすう減少げんしょうてんじ、マッハ2をおおきくえる領域りょういきでの航続こうぞくりつこう音速おんそくでのそれとほぼ同等どうとうになる。

ここで一般いっぱん旅客機りょかくきもちいられるようなよこひろつばさ平面へいめんがたつばさがたったつばさちょう音速おんそく飛行ひこうおこなうと、つばさ発生はっせいする揚力ようりょくおおきく減少げんしょうし、抗力こうりょく格段かくだん増大ぞうだいする。通常つうじょうがたつばさでは、マッハ2の速度そくどにおいて、衝撃波しょうげきは影響えいきょうによりその揚力ようりょく半分はんぶんほどがうしなわれる。効率こうりつ指標しひょうであるあげこう揚力ようりょく÷抗力こうりょく)のてん判断はんだんすると、ちょう音速おんそく航行こうこうによる燃費ねんぴ向上こうじょうはほとんどないことになる。このため黎明れいめいには、ちょう音速おんそくでの巡航じゅんこうをなるべく効率こうりつてき維持いじし、なおかつ低速ていそく離着陸りちゃくりくにおいても充分じゅうぶん揚力ようりょく発生はっせいするつばさ平面へいめんがた研究けんきゅうおおくの労力ろうりょくかたむけられ、ちょう音速おんそく輸送ゆそうつばさ平面へいめんがた研究けんきゅうのためだけの実験じっけん製作せいさくされた。

1950年代ねんだいに、ちょう音速おんそく輸送ゆそう概念がいねん技術ぎじゅつてきには可能かのうおもわれていたが、経済けいざいてき可能かのうかどうかははっきりはしなかった。燃費ねんぴおおくかかるちょう音速おんそくによる商業しょうぎょう飛行ひこうも、すくなくとも中距離ちゅうきょりから長距離ちょうきょり飛行ひこうかんしては採算さいさんれるようにおもわれた。燃費ねんぴ以外いがいめんでは、既存きそん音速おんそく航空機こうくうきの3ばい速度そくど航行こうこうすることで航空こうくう会社かいしゃ保有ほゆうすうが3ぶんの1でむことになり、人件じんけん整備せいび低減ていげん期待きたいされた。

なお、ちょう音速おんそく輸送ゆそう速度そくどでは既存きそん航空機こうくうき比較ひかくして高度こうどがらず、衝撃波しょうげきは地上ちじょうへの影響えいきょうおおきいため陸上りくじょうちょう音速おんそく飛行ひこうおおきな制限せいげんがかかる。衝撃波しょうげきは地上ちじょうへの影響えいきょうは、さら高速こうそく成層圏せいそうけん飛行ひこうするごくちょう音速おんそく輸送ゆそう解決かいけつする見通みとおしである。

開発かいはつ[編集へんしゅう]

L-2000(パンアメリカン航空こうくうカラー)イメいめジ図じず

だいいち世代せだいちょう音速おんそく戦闘せんとう普及ふきゅうはじめた1950年代ねんだい中期ちゅうきより、SSTの本格ほんかくてき研究けんきゅう開始かいしされた。シュド・アビアシオンしゃシュペル・カラベルブリストルしゃ223がたなどのデルタつばさが、各国かっこく政府せいふ助成じょせいけて研究けんきゅうされた。ほかに、アームストロング・ホイットワースしゃのMつばさなどが研究けんきゅうされていた。こうした会社かいしゃ研究けんきゅうは、1960年代ねんだい初期しょきまでに実機じっき製作せいさく可能かのう状態じょうたいまで進展しんてんした。また、1962ねんにコスト要因よういんもあってシュドあんとブリストルあん統合とうごうされ、えいふつ共同きょうどう開発かいはつのコンコルドの製作せいさくへといたった。

欧州おうしゅうでのSST開発かいはつ進展しんてんにより、長距離ちょうきょりのシェアをコンコルドにうばわれる可能かのうせいがあるとして、アメリカ航空機こうくうき業界ぎょうかいはパニックにおちいった。そのため、1963ねんよりアメリカ国内こくないでも早急そうきゅう独自どくじのSST研究けんきゅう開始かいしされ、ボーイング 2707ロッキード L-2000などの計画けいかくすすめられた。これらはコンコルドよりも大型おおがた高速こうそく長距離ちょうきょりとなる計画けいかくであった。とくに、ボーイングは熱心ねっしんに2707計画けいかくすすめており、マッハ3ちかくの速度そくど目指めざしていた。どう時期じきにソビエト連邦れんぽうもTu-144の開発かいはつおこなっていた。

環境かんきょう問題もんだい[編集へんしゅう]

1960年代ねんだいは、西欧せいおうにおいて環境かんきょう問題もんだいたいする関心かんしんたかまりはじめた時代じだいでもあった。そのため、SSTのちょう音速おんそく航行こうこうにより発生はっせいするソニックブームによって地上ちじょう被害ひがいることや、高空こうくうでの排気はいきガスがオゾンそう影響えいきょうあたえるのではないかということが懸念けねんされた。ソニックブームの問題もんだいこう高度こうど飛行ひこうすることで解決かいけつするかとおもわれたが、1960年代ねんだい中期ちゅうきちょう音速おんそく爆撃ばくげき原型げんけいXB-70もちいた実験じっけんにより、高空こうくう飛行ひこうしてもソニックブームの問題もんだい発生はっせいすることが確認かくにんされた。このためSSTは公害こうがいげんになると認識にんしきされ、1971ねんのアメリカ連邦れんぽう議会ぎかいにおいて、ボーイングなどにたいするSST研究けんきゅう助成じょせいられた。研究けんきゅう助成じょせいりは致命ちめいてきであり、アメリカにおけるSST研究けんきゅう中止ちゅうしされた。

商業しょうぎょう飛行ひこう開始かいし[編集へんしゅう]

アメリカのSST研究けんきゅう停滞ていたいしているあいだもコンコルドの開発かいはつつづけられており、1969ねんはつ飛行ひこうおこない、1976ねんから商業しょうぎょう飛行ひこう開始かいしした。ヨーロッパからニューヨークへのれは、市民しみんのソニックブームの影響えいきょうたいする抗議こうぎのため、さきにワシントンへれることとなった。ワシントンせん運航うんこう好評こうひょうであったため、すぐにニューヨークせん開設かいせつされることとなった。なお、ソニックブームの影響えいきょうをなくすために、ちょう音速おんそく航行こうこうおこなうのは洋上ようじょうのみである。

コンコルドの商業しょうぎょう飛行ひこう開始かいしされると、アメリカの世論せろんは1960年代ねんだいとは一変いっぺんし、AST(先進せんしんちょう音速おんそく輸送ゆそう Advanced Supersonic Transport)のした再度さいど、ロッキードSCVなどが計画けいかくされはじめた。しかし、すでにSSTの経済けいざい概念がいねん時代遅じだいおくれとなっていた。SSTは80-100めい乗客じょうきゃくせた音速おんそく長距離ちょうきょり輸送ゆそう代替だいたいするために考案こうあんされたが、ボーイング747ような400めい以上いじょうせることができる大型おおがた旅客機りょかくきには経済けいざいせいまったてきわなかった。ボーイング747(の旅客りょかくがた)は、ちょう音速おんそく旅客機りょかくき実用じつよう貨物かもつ転用てんようできる、というコンセプトが顧客こきゃくである航空こうくう会社かいしゃへの訴求そきゅうてんのひとつだったことは、今日きょうではほぼわすれられつつあるその初期しょきのエピソードで、たとえば、コクピットが機体きたい上部じょうぶしていていることで、そのままノーズドアを貨物かもつがた改造かいぞうできるため大型おおがたでもあった。

さらにジェットエンジン効率こうりつでもSSTは不利ふりとなった。いわゆる「じゅんジェット」のターボジェットがたから、1960年代ねんだいターボファンかた進展しんてんによるこうバイパスにより、音速おんそく旅客機りょかくき燃費ねんぴ性能せいのう大幅おおはば向上こうじょう、またさらなるてい騒音そうおん達成たっせいした。これは、燃焼ねんしょう関与かんよしない空気くうき大幅おおはばみ、エンジン後方こうほうへのジェット(噴流ふんりゅう)をより低温ていおん低速ていそく[注釈ちゅうしゃく 1] すると同時どうじだい推力すいりょくするものであるから、音速おんそくには好適こうてき一方いっぽう高速こうそくには不適ふてきであり不利ふりである。さらにオイルショックによる燃料ねんりょう高騰こうとうもこれにをかけた。これらの相対そうたいてきなSST運用うんようコストの増大ぞうだいともない、SSTの経済けいざいせいいちじるしく低下ていかし、AST計画けいかくも1980年代ねんだい初期しょきには消滅しょうめつした。

近年きんねん研究けんきゅう[編集へんしゅう]

最近さいきんでは、機体きたい形状けいじょう工夫くふうらすことにより、ちょう音速おんそく飛行ひこうでもあまりソニックブームをさない航空機こうくうき研究けんきゅうされている。2003ねんからはNASAなどがSSBD (Shaped Sonic Boom Demonstration) のもとF-5戦闘せんとう改造かいぞうした実験じっけんによって飛行ひこう試験しけんおこなっており、実際じっさいにソニックブームの減少げんしょう観測かんそくされている。その、NASAはロッキード・マーティンとX-59実験じっけん共同きょうどう開発かいはつし、2022ねんないはつ飛行ひこう予定よていしている。

ブーゼマン複葉ふくようつばさまいつばさ発生はっせいした衝撃波しょうげきは干渉かんしょうさせす)の欠点けってん解消かいしょうするため、ぜんつばさのように胴体どうたいうえつばさじょう配置はいちし、上下じょうげつばさはし接触せっしょくさせるあんなどが研究けんきゅうされている[1][2]

1994ねん4がつアエロスパシアルしゃブリティッシュ・エアロスペースげんBAEシステムズしゃ・DASAしゃだい世代せだいのコンコルドを2010ねんまでに就航しゅうこうさせることを目標もくひょうとして、欧州おうしゅうちょう音速おんそく研究けんきゅう計画けいかく (ESRP: European Supersonic Research Program) を開始かいしした。並行へいこうして、スネクマロールス・ロイスしゃMTU Münchenしゃフィアットしゃでは、1991ねんから新型しんがたエンジンの共同きょうどう開発かいはつおこなっていた。年間ねんかん1,200まんドル以上いじょうついやされ、研究けんきゅう計画けいかく材料ざいりょう空気くうき力学りきがく各種かくしゅシステムやエンジンの擬装ぎそういた分野ぶんやをカバーしていた。ESRP計画けいかくはマッハ2で飛行ひこうし、座席ざせきすうは250せき航続こうぞく距離きょりは5,500うみさと目指めざすもので、基本きほん設計せっけいあん外観がいかんはコンコルドを大型おおがたしてカナードをけたようなものである。

おなごろアメリカ航空こうくう宇宙うちゅうきょく(NASA)でもSSTの研究けんきゅう開始かいしされていた。Tu-144のエンジンをかわそうした実験じっけんTu-144LLを使用しようして、1996ねんから1998ねんにかけてロシアで19かい飛行ひこう試験しけんおこなった。

2016ねん11月15にち、アメリカ・コロラドしゅうスタートアップ企業きぎょうBoom Technologyちょう音速おんそく旅客機りょかくきのサブスケール技術ぎじゅつ実証じっしょう、XB-1を公開こうかい飛行ひこう速度そくどはコンコルドをえるマッハ2.2(時速じそくやく2,716 km)とされており、実用じつよう旅客機りょかくきやビジネスジェットとしては当初とうしょ2020年代ねんだいはじめの運行うんこう開始かいし目指めざしていた[3]

2017ねんにはかつてコンコルド導入どうにゅう計画けいかくかり発注はっちゅうおこなった日本航空にほんこうくうはBoom Technologyと資本しほん提携ていけいし、20優先ゆうせん発注はっちゅうけん確保かくほする予定よていがあると発表はっぴょうした[4]2021ねん6がつにはユナイテッド航空こうくうもBoomしゃ旅客機りょかくきオーバーチュア」を発注はっちゅうしたとほうじられた[5]

2019ねんボーイングが12にんりのちょう音速おんそくビジネスジェットアエリオン AS2」を開発かいはつするアエリオン・コーポレーション英語えいごばんへの出資しゅっし発表はっぴょうした[6]

ちょう音速おんそくのエンジンとしては、PDE(パルス・デトネーション・エンジン)が注目ちゅうもくされている。現在げんざいのターボファンエンジンよりも効率こうりつ向上こうじょうさせつつ、高速度こうそくどでの飛行ひこう可能かのうにするもので、NASAはマッハ5で飛行ひこうする航空機こうくうきのためのPDEエンジンの研究けんきゅうおこなっている。このほか宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう(JAXA)と東京大学とうきょうだいがく研究けんきゅうチームではマッハ5クラスのきょくちょう音速おんそく旅客機りょかくき搭載とうさいするエンジンとして、液体えきたい水素すいそ燃料ねんりょうとするターボジェットエンジン高温こうおんとなった空気くうき燃料ねんりょう液体えきたい水素すいそ冷却れいきゃくする機構きこう追加ついかした『ひやターボジェットエンジン』の研究けんきゅうおこなっている[7][8]。JAXAは2021ねん6がつIHIなどとともちょう音速おんそく旅客機りょかくき研究けんきゅう開発かいはつおこな協議きょうぎかい「ジャパン・スーパーソニック・リサーチ」をげたことを発表はっぴょうした[9]

年表ねんぴょう[編集へんしゅう]

  • 1947ねん10がつ14にちベルX-1おとかべ突破とっぱ
  • 1952ねんボーイングがSSTの研究けんきゅう開始かいし
  • 1960ねんシュド・アビアシオンシュド シュペル・カラベル設計せっけい開始かいし
  • 1962ねん11月: BACとシュドがコンコルド共同きょうどう開発かいはつすると発表はっぴょう
  • 1963ねん6がつ5にちケネディ大統領だいとうりょう米国べいこくせいSSTへの資金しきん投入とうにゅう承認しょうにん
  • 1964ねん9がつ21にち: マッハ3きゅうばくげきXB-70がはつ飛行ひこう原型げんけいのみ、量産りょうさんされず)
  • 1966ねん12月31にちボーイング 2707べいSST計画けいかく勝者しょうしゃとして選定せんていされる
  • 1968ねん12月31にちTu-144原型げんけいはつ飛行ひこう
  • 1969ねん2がつ9にちボーイング747-100がはつ飛行ひこう
  • 1969ねん3がつ2にち: コンコルドの原型げんけいはつ飛行ひこう
  • 1971ねん5がつ20日はつか: ボーイング 2707計画けいかく中止ちゅうしされる
  • 1973ねん6がつ3にち1973ねんパリ航空こうくうショーTu-144墜落ついらく事故じこ
  • 1975ねん12月26にち: Tu-144が運航うんこう開始かいし(ただし貨物かもつ便びん
  • 1976ねん1がつ21にち: コンコルドが運航うんこう開始かいし
  • 1978ねん: Tu-144が運航うんこう終了しゅうりょう
  • 1994ねん4がつ欧州おうしゅう企業きぎょうがESRP計画けいかく開始かいし
  • 1996ねん - 1998ねん: NASAがTu-144LLの飛行ひこう試験しけん実施じっし
  • 2000ねん7がつ: コンコルドが墜落ついらく乗客じょうきゃく乗員じょういん地上ちじょうひとわせて113にん死亡しぼうくわしくはコンコルド墜落ついらく事故じこ参照さんしょう
  • 2003ねん10がつ24にち: コンコルドが商業しょうぎょう運航うんこう終了しゅうりょう(11月26にち最終さいしゅう飛行ひこう
  • 2003ねん - : NASAなどがSSBDを開始かいし
  • 2005ねん6がつ14にち - : 日本にっぽんフランス航空こうくう宇宙うちゅう工業こうぎょうかいが、次世代じせだい実現じつげんけた共同きょうどう研究けんきゅう開始かいし
  • 2005ねん10がつ10日とおか宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう(JAXA)が小型こがたちょう音速おんそく実験じっけんNEXST-1飛行ひこう試験しけんをおこなった。
  • 2015ねん7がつ24にち宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうていソニックブームちょう音速おんそく試験しけん飛行ひこう試験しけんをおこなった。
  • 2019ねん2がつ12にち: ロシアのプーチン大統領だいとうりょうちょう音速おんそく戦略せんりゃく爆撃ばくげきTu-160ちょう音速おんそく旅客機りょかくきへの改装かいそうあん提案ていあん発表はっぴょうした(原文げんぶん記事きじ内容ないよう:"A brilliant project has been implemented in Kazan, where what is essentially a brand new version of the Tu-160 was created. Not just the plane, but its weapons systems were improved. It runs like clockwork. Why not create a supersonic passenger aircraft?")[10][11]

だい1世代せだいちょう音速おんそく[編集へんしゅう]

実用じつよう[編集へんしゅう]

  • Tu-144ソ連それん・1968年初ねんしょ飛行ひこう
  • コンコルドえいふつ共同きょうどう開発かいはつ・1969年初ねんしょ飛行ひこう

計画けいかく[編集へんしゅう]

  • ブリストル 223:イギリス・1962ねんコンコルド計画けいかく統合とうごう
  • シュド シュペル・カラベル:フランス・1962ねんコンコルド計画けいかく統合とうごう
  • ロッキード L-2000アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく・1971ねん計画けいかく中止ちゅうし
  • ボーイング2707アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく・1971ねん計画けいかく中止ちゅうし

だい2世代せだいちょう音速おんそく[編集へんしゅう]

だい2世代せだいちょう音速おんそく
JAXAで構想中の次世代超音速旅客機
JAXAで構想こうそうちゅう次世代じせだいちょう音速おんそく旅客機りょかくき
NASA航空研究ミッション本部で発表されたボーイングのコンセプト
NASA航空こうくう研究けんきゅうミッション本部ほんぶ発表はっぴょうされたボーイングのコンセプト

構想こうそう開発かいはつちゅう[編集へんしゅう]

だい2世代せだいちょう音速おんそくたいする要望ようぼうは、航空こうくう業界ぎょうかい一部いちぶのこっており、コンコルドの引退いんたい以降いこういくつかの構想こうそうおよび計画けいかく浮上ふじょうしている。

2023ねん1がつに、ブーム・スーパーソニックは、ノースカロライナしゅうピードモント・トライアド国際こくさい空港くうこう にある62エーカー (25 ha) の敷地しきち最先端さいせんたん製造せいぞう施設しせつであるオーバーチュア・スーパーファクトリーの建設けんせつ開始かいし。2032ねんまでに、ブームはスーパーファクトリーで2,400にん以上いじょう労働ろうどうしゃ雇用こようする予定よていである。ブーム・スーパーソニックは、現在げんざい旅客機りょかくきの2ばい速度そくど飛行ひこうする、いわゆる世界せかい最速さいそく旅客機りょかくきオーバーチュアの開発かいはつおよ製造せいぞう目指めざしている。同機どうきのオプションと将来しょうらい購入こうにゅうふくめ、アメリカン航空こうくうユナイテッド航空こうくう日本航空にほんこうくうから130受注じゅちゅうしている[12]

フィクションのなかちょう音速おんそく輸送ゆそう[編集へんしゅう]

  • ファイヤーフラッシュ:『サンダーバード』に登場とうじょうする原子力げんしりょく旅客機りょかくき。ストーリーによってことなるが全長ぜんちょう115m・乗員じょういん乗客じょうきゃく600めい搭乗とうじょう可能かのうというちょう大型おおがた旅客機りょかくきでもある。原子力げんしりょくターボジェットエンジンろくはつそなえ、高度こうど6まんメートルの亜成層圏あせいそうけんをマッハ2でび、東京とうきょう - ロンドンあいだを2あいだはんむすぶという設定せってい
  • ちょう音速おんそく旅客機りょかくき206便びん:『ウルトラQだい27「206便びん消滅しょうめつす」に登場とうじょうする4はつエンジン・尾翼びよくデルタつばさ国産こくさんちょう音速おんそくジェット旅客機りょかくき香港ほんこん - 羽田はた航路こうろ経由けいゆしている。
  • カレイダス160:『タンタンの冒険ぼうけん旅行りょこう』シリーズのいちへん「シドニーき714便びんen)」に登場とうじょうするちょう音速おんそくビジネスジェット最高さいこう速度そくどはマッハ2で、可変かへん後退こうたいつばさっている。
  • R-505U:『エースコンバット3 エレクトロスフィア』に登場とうじょうする、ニューコムしゃがUPEOに要人ようじん専用せんようとして提供ていきょうしたちょう音速おんそく旅客機りょかくき高速こうそくでありながられもほとんどかんじられない快適かいてきせいほこる。最高さいこう速度そくどは3060km/h(やくマッハ2.5)。
  • スワローテイル:『そらなか』に登場とうじょうする国産こくさんちょう音速おんそくビジネスジェット機じぇっときYS-11以来いらいとなるだい規模きぼ国家こっか規模きぼ民間みんかん輸送ゆそう開発かいはつプロジェクトによって開発かいはつされた機体きたいで、試験しけん四国しこくおき自衛隊じえいたい演習えんしゅう空域くういき試験しけん飛行ひこうちゅう突如とつじょ爆発ばくはつ炎上えんじょう墜落ついらくしたことから物語ものがたりはじまる。
  • ちょう音速おんそく旅客機りょかくき:『とある魔術まじゅつ禁書きんしょ目録もくろく』に登場とうじょうするちょう音速おんそく旅客機りょかくきマルコ・ポーロ国際こくさい空港くうこうから学園がくえん都市としまでを1あいだあまりで飛行ひこうでき、最高さいこう速度そくどは7000km/hをえる。ただし、客室きゃくしつないでは機内きないしょく余裕よゆうぶほどの強烈きょうれつなGがかかる。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 燃焼ねんしょう自体じたいはより高温こうおんだかあつであるほうが高性能こうせいのうなのだが、噴流ふんりゅうとしては高温こうおん高速こうそくであるほど、エネルギーを無駄むだてていることになる(大気たいきちゅうのジェットエンジンの場合ばあいは)。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 大林おおばやし大谷おおや研究けんきゅうしつ下山げざん研究けんきゅうしつ
  2. ^ 東北大学とうほくだいがく工学部こうがくぶ工学こうがく研究けんきゅう | 瀬名せな秀明ひであきがゆく!東北大学とうほくだいがく工学部こうがくぶ機械きかいけい
  3. ^ Boom unveils XB-1 supersonic demonstrator - FlightGlobal (2016ねん11月15にち)2016ねん11月19にち閲覧えつらん
  4. ^ ちょう音速おんそく旅客機りょかくき導入どうにゅう提携ていけい 日航にっこう優先ゆうせん発注はっちゅうけん確保かくほ - んでフォト - 産経さんけいフォト
  5. ^ なぜ「ちょう音速おんそく旅客機りょかくき」は少数しょうすうだった? 騒音そうおん&燃費ねんぴ以外いがいにもたかいハードル 軍用ぐんよう少数しょうすうのワケ - ものニュース・2021ねん6がつ14にち
  6. ^ ボーイング、ちょう音速おんそくビジネスジェットに出資しゅっし 23ねん就航しゅうこう開発かいはつ加速かそく - Aviation Wire
  7. ^ 津江つえ中谷なかたに研究けんきゅうしつ研究けんきゅう紹介しょうかいひやターボジェットエンジン
  8. ^ ごくちょう音速おんそく旅客機りょかくき技術ぎじゅつ | 航空こうくう新分野しんぶんや創造そうぞうプログラム(Sky Frontier) | JAXA航空こうくう技術ぎじゅつ部門ぶもん
  9. ^ ちょう音速おんそく旅客機りょかくき、JAXAやIHIなど開発かいはつ 2030ねん想定そうてい - 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん・2021ねん6がつ18にち
  10. ^ Putin Doubles Down on Need for Russian-Made Supersonic Civilian Airliner - Sputnik International sputniknews.com | 2019ねん2がつ12にち閲覧えつらん
  11. ^ Putin supports development new supersonic passenger airplane flyhigh.news | 2019ねん2がつ12にち閲覧えつらん
  12. ^ Boom Supersonic Begins Construction On Overture - SimpleFlying
  13. ^ 日本にっぽん航空機こうくうき産業さんぎょう先頭せんとうって(JAXA公式こうしきサイト)

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 遠藤えんどう欽作『コンコルド: SST(ちょう音速おんそく旅客機りょかくき) 航空こうくう輸送ゆそう時代じだい革命かくめい航空こうくう新聞しんぶんしゃ、1972ねん 
  • ブライアン・トラブショー ちょ小路しょうじ浩史こうじ やく『コンコルド・プロジェクト~栄光えいこう悲劇ひげきかいとりささえたおとこたち』はら書房しょぼう、2001ねんISBN 9784562034192 
  • 帆足ほあし孝治こうじ遠藤えんどう欽作『コンコルド狂想曲きょうそうきょく: べいおう、ソつどもえのゆめあとちょう音速おんそく旅客機りょかくき明日あしたはあるか』イカロス出版いかろすしゅっぱん、2008ねんISBN 9784863200104 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]