スポーツゲーム

スポーツゲーム（英えい: Sports Game）は、スポーツを題材だいざいとしたシミュレーションゲームの総称そうしょう。主おもにコンピュータゲームを指さす場合ばあいが多おおく、そのジャンルの中なかの一ひとつである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

選手せんしゅを操作そうさしてスポーツを行おこなうアクションゲームが多おおいが、コーチや監督かんとくとなって選手せんしゅを育そだてる育成いくせいシミュレーションゲームやチームのオーナーとなる経営けいえいシミュレーションゲームも存在そんざいする。各かくソフトには「スポーツゲーム」のジャンルは付つかず、「○○ゲーム」（○○はスポーツ名めい）と記しるされる事ことが多おおい。また、モータースポーツもスポーツの一種いっしゅだが、日本にっぽんのコンピューターゲームの分類ぶんるいにおいてはレースゲームとしてスポーツゲームとは区別くべつされている。さらに武道ぶどうや格闘技かくとうぎを題材だいざいにした作品さくひんの場合ばあいは、各かく作品さくひんごとにその特徴とくちょうからスポーツゲームであるとされたり格闘かくとうゲームであるとされたり様々さまざまである。

また、その国くにで人気にんきのあるスポーツがゲーム界かいにも表あらわれており、日本にっぽんでは『ウイニングイレブンシリーズ』と『実況じっきょうパワフルプロ野球やきゅうシリーズ』、北米ほくべいでは『マッデンNFLシリーズ』と『NBA 2Kシリーズ』、欧州おうしゅうでは『FIFAシリーズ』がゲーム関連かんれんにおけるランキングの上位じょうい常連じょうれんとなっている。日本にっぽんではマイナースポーツであるクリケットもゲームを出だしており、インドやオーストラリアが中心ちゅうしん市場いちばである。なお、eスポーツ界さかいでもスポーツゲームを使用しようした大会たいかいが行おこなわれており、部ぶ活動かつどうなどの実際じっさいのスポーツ経験けいけん者しゃがそのままeスポーツのプロ選手せんしゅになる傾向けいこうが一般いっぱん的てきになっている。また、タイアップ元もとのスポーツ団体だんたいそのものが運営うんえいに深ふかく関かかわっていることも多おおい。

選手せんしゅ・チームとの契約けいやく[編集へんしゅう]

初期しょきのスポーツゲームでは、コンピュータ自体じたいの能力のうりょくが低ひくかったことから、ゲーム中ちゅうの仮想かそうの選手せんしゅには能力のうりょく差さがついていなかった。野球やきゅうならすべての打者だしゃが同おなじようにバットを振ふったり投球とうきゅうをしていたのである。コンピュータの扱あつかえるデータ量りょうが増ふえるに従したがい、ここに三さん番ばん打者だしゃ、四よん番ばん打者だしゃといった概念がいねんを持もち込こむことでゲーム中ちゅうの選手せんしゅの差別さべつ化かが行おこなわれるようになった。打率だりつやホームラン数すうによって同おなじ操作そうさをしたとしても打球だきゅうの飛とび方かたが変かわったり、得意とくいな変化球へんかきゅうで差さをつける、盗塁とうるいの得意とくいな選手せんしゅは足あしが速はやいといった特徴とくちょうがつけられるようになった。

この点てんで野球やきゅうは、すでに打者だしゃ・投手とうしゅのデータを蓄積ちくせきする体制たいせいが十分じゅうぶんに整ととのっておりコンピュータゲーム上じょうで再現さいげんするのにうってつけであり、日本にっぽんにおいては初期しょきから野球やきゅうゲームが多数たすう開発かいはつされたのである。なお、海外かいがいではサッカーやアメリカンフットボールなどのゲームも、これと同おなじような経緯けいいをたどっている。さらに選手せんしゅに名前なまえをつけることにより、感情かんじょう移入いにゅうを高たかめる効果こうかも期待きたいできるようになった。スポーツ選手せんしゅは肖像しょうぞう権けんで保護ほごされる対象たいしょうとなるため、初期しょきの頃ころのゲームでは現実げんじつの選手せんしゅ名めいを一文字ひともじだけ変かえた「ニセモノ」の選手せんしゅが設定せっていされていたが、ゲーム業界ぎょうかい自体じたいが拡大かくだいすると選手せんしゅやチームなどと契約けいやくすることで「公認こうにん」を受うけ、現実げんじつ世界せかいに存在そんざいするチームのデータをゲーム中ちゅうに再現さいげんする作品さくひんが発生はっせいしたのである。

スポーツの世界せかいでは選手せんしゅのチーム間あいだ移籍いせきなどが毎年まいとし行おこなわれるが、人気にんき作さくになるとこの選手せんしゅの移動いどうなどに対応たいおうしたバージョンが毎年まいとし発売はつばいされることになる。この契約けいやくには、そのスポーツの知名度ちめいどとビジネスに相応そうおうする契約けいやく金きんが動うごくことになり、一定いってい期間きかん他たのゲームメーカーが同おなじ契約けいやくをできなくし、「公認こうにん」ゲームの称号しょうごうを独占どくせんできるという条件じょうけんがつく場合ばあいもある。そのため、日本にっぽんのプロ野球やきゅうの商品しょうひん化か権けんを取得しゅとくしていたコナミや、アメリカンフットボールやタイガー・ウッズ等ひとしのゲーム化か権けんを取得しゅとくしているエレクトロニック・アーツ（EAスポーツ）などは、スポーツゲームのジャンルにおいて大おおきな力ちからを持もっているといえる。