青年せいねん団だん

青年せいねん団だん（せいねんだん）とは、日本にっぽんの各かく地域ちいきごとに居住きょじゅうする20歳さい代だいから30歳さい代だいの青年せいねん男女だんじょにより組織そしきされる団体だんたいで青年せいねん会かい（せいねんかい）とも言いう。社会しゃかい教育きょういく系けいの青年せいねん団体だんたいの全国ぜんこく組織そしきとして、日本にっぽん青年せいねん団だん協議きょうぎ会かい、日本にっぽん都市とし青年せいねん会議かいぎがある。

歴史れきし[編集へんしゅう]

近世きんせい[編集へんしゅう]

青年せいねん団だんのルーツは室町むろまち時代ときよあるいはそれ以前いぜんまでさかのぼると言いわれる。江戸えど時代じだいには各かく村落そんらくごとに若者わかもの組ぐみ、若わか連中れんちゅう、若衆わかしゅ組ぐみなどと呼よばれ、村落そんらくにおける祭礼さいれい行事ぎょうじや自警じけい団だん的てき活動かつどうなど村むらの生活せいかつ組織そしきと密着みっちゃくした自然しぜん発生はっせい的てきな集団しゅうだんであった。

若者わかもの組ぐみには大おおきく分わけて2つの形態けいたいがあり、一定いっていの年齢ねんれいに達たっした男子だんしは必かならず加入かにゅうしなければならず、世帯せたいを持もつ時ときに脱退だったいするというタイプと、一いち世帯せたいから一いち人にんだけが加入かにゅうし、結婚けっこん後ごも一定いっていの年齢ねんれいに達たっするまで脱退だったいしないというタイプがある。いずれも加入かにゅうの時期じきは15歳さい頃ごろが多おおく、若者わかもの組ぐみへの加入かにゅうが、いわゆる成年せいねん式しきの意味いみを持もつ場合ばあいもある。

また、こうした若者わかもの組ぐみなどは独自どくじの宿やどを持もち、昼間ひるまは働はたらき、夜よるは宿やどに集あつまって一いち種しゅの合宿がっしゅく生活せいかつをしていた。こうした宿やどは村むらによっていろいろな場合ばあいがあり、男女だんじょ別べつ、男女だんじょ一緒いっしょ、宿泊しゅくはくをする、ただ集会しゅうかいのためだけなどと様々さまざまなパターンがあった。宿やどは若者わかもの組ぐみの重要じゅうような訓練くんれんの場所ばしょであり、同時どうじに愉快ゆかいな仲間なかまづきあいの場ばでもあって、若者わかもの仲間なかまの活動かつどうの中心ちゅうしんだった。このような自然しぜんな団体だんたい生活せいかつの中なかで若者わかもの達たちは自みずからの村むらのことや、自分じぶん自身じしんに対たいする認識にんしきを深ふかめ、世よの中なかの善悪ぜんあくの標準ひょうじゅんを悟さとり、村むらの立派りっぱな若わかい衆しゅとして教育きょういくされ訓練くんれんされていった。若者わかもの仲間なかまに加入かにゅうすることによって、一いち人前にんまえになることで、自他じた共どもに成人せいじん意識いしきを深ふかめ、このときから彼等かれらは初はじめて結婚けっこん資格しかくを公認こうにんされ、神事しんじ祭礼さいれいに参加さんかする特権とっけんを与あたえられ、また一いち人前にんまえの労働ろうどう能力のうりょくを有ゆうする者ものとして公認こうにんされる。部落ぶらくの治安ちあん維持いじや道路どうろ、橋梁きょうりょうの修繕しゅうぜん、堤防ていぼうの築造ちくぞうなど若わか連中れんちゅうのいろいろな仕事しごとに対たいし、一人前いちにんまえとして責務せきむを果はたさなければならなくなり、私的してき生活せいかつから公的こうてき生活せいかつへの関門かんもんでもあった。子こどもと大人おとなの間あいだの人生じんせいの多感たかんな頃ころを同どう世代せだいの者もの達たちと寝食しんしょくを共ともに楽たのしく過すごし、大人おとなへの仲間入なかまいりをするためのしきたりなどを学まなんだ。

明治めいじ〜昭和しょうわ前半ぜんはん[編集へんしゅう]

明治維新めいじいしんにより近代きんだい国家こっかの建設けんせつと共ともに自給自足じきゅうじそく的てきな村落そんらくが解体かいたいする中なかで伝統でんとう的てきな若者わかもの制度せいども消きえていったが自由じゆう民権みんけん運動うんどうの影響えいきょうを受うける世よの中なかで、山本やまもと滝之たきの助すけが広島ひろしまで青年せいねん会かいを起おこす等ひとし、全国ぜんこくへ青年せいねん組織そしきの結成けっせいが広ひろまっていった。それらの組織そしきは、大正たいしょう時代じだいには青年せいねん団だんおよび処女しょじょ会かい（女子じょし青年せいねん団だん）と称しょうされるようになった。日にち露ろ戦争せんそう後ご、内務省ないむしょうは戦後せんご経営けいえいの一環いっかんとして若者わかもの組ぐみの近代きんだい的てき脱皮だっぴをはかり、文部省もんぶしょうも補習ほしゅう教育きょういくの観点かんてんから青年せいねん団体だんたいの再さい組織そしき化かに協力きょうりょくした^[1]。1912年ねん（明治めいじ45年ねん）に明治天皇めいじてんのうが崩御ほうぎょすると、天皇てんのう神格しんかく化かの一環いっかんとして明治天皇めいじてんのうを祭神さいじんとした明治めいじ神宮じんぐうの建立こんりゅうが計画けいかくされた。内務省ないむしょう明治めいじ神宮じんぐう造営ぞうえい局きょく総務そうむ課長かちょうで、山本やまもと滝之たきの助すけに影響えいきょうを受うけて青年せいねん講習こうしゅう運動うんどうを実践じっせんしていた田澤たざわ義よし鋪しきは、神宮じんぐう造営ぞうえい奉仕ほうし作業さぎょうを全国ぜんこくの青年せいねん団だんに呼よびかけ、日本にっぽん中ちゅうより二に百ひゃく八はち十じゅう団体だんたい・一いち万まん五ご千せん人にんの青年せいねん団だん員いんが動員どういんされた。これを契機けいきに、大正たいしょう末期まっきには、全国ぜんこくの青年せいねん団だんを一ひとつに結むすびつける組織そしき、大だい日本にっぽん連合れんごう青年せいねん団だんが結成けっせいされた。明治めいじ神宮じんぐう外苑がいえん内ないに現在げんざいもある日本にっぽん青年せいねん館かん（旧館きゅうかん）は、東京とうきょう市し助役じょやくとなった田澤たざわの主唱しゅしょうの下した、全国ぜんこく青年せいねん団だん員いんの一いち円えん拠よりどころ金きん活動かつどうにより1925年ねん（大正たいしょう14年ねん）に建たてられたものである。昭和しょうわに入はいり青年せいねん団だんも国策こくさくへの協力きょうりょくを余儀よぎなくされ、やがて戦局せんきょくの悪化あっかに伴ともない青年せいねん団だんは学徒がくと隊たいに編入へんにゅうされた。

また、日本にっぽんによる植民しょくみん地ち統治とうちの一いち政策せいさくとして、朝鮮ちょうせん^[2]、台湾たいわん^[3]、南洋なんよう諸島しょとう^[4]^[5]などでも日本にっぽんの青年せいねん団だんが導入どうにゅうされ、活用かつようされた。マーシャル諸島しょとうでは日本にっぽん統治とうち時代じだいには現地げんち人じんが参加さんかする青年せいねん団だんは作つくられなかったものの、戦後せんご、日本にっぽんの青年せいねん団だんをモデルとした「クミ（組くみ）」と呼よばれる青年せいねん集団しゅうだんが組織そしきされていった^[6]。

第だい2次じ大戦たいせん後ご[編集へんしゅう]

終戦しゅうせんとともに今日きょうの青年せいねん団だんが日本にっぽん全国ぜんこく各地かくちで結成けっせいされた。昭和しょうわ20年代ねんだいの後半こうはんには約やく400万まん人にんと青年せいねん団だん人口じんこうはピークを迎むかえる。また社会しゃかい教育きょういく法ほうの施行しこうにより、行政ぎょうせい当局とうきょくは青年せいねん団だんを社会しゃかい教育きょういく関連かんれん団体だんたいとして位置いちづけ、青年せいねん団だんの活動かつどうも社会しゃかい教育きょういく的てきな面めんへのウェイトが大おおきくなった。また現在げんざい、成人せいじん式しきとして広ひろく定着ていちゃくしている行事ぎょうじはこの頃ころ、埼玉さいたま県けん蕨わらび町まち（現げん蕨わらび市し）の青年せいねん団だんが始はじめたものである。また1979年ねん（昭和しょうわ54年ねん）には青年せいねん団だん員いんによる約やく5億おく円えんの募金ぼきんにより日本にっぽん青年せいねん館かんが新あらたに建設けんせつされた。昭和しょうわ20年代ねんだい後半こうはん以降いこう、団員だんいん数すうは減少げんしょうし続つづけ、日本にっぽん社会しゃかいにおける青年せいねん団だんのウェイトも低下ていかしたが、終戦しゅうせんから約やく50年ねん以上いじょうを過すぎた現在げんざいでも日本にっぽんの約やく半数はんすうの市町村しちょうそんに青年せいねん団だんがあり、全国ぜんこくに約やく10万まん人にんの青年せいねん団だん員いんがいると言いわれる。なお、戦後せんごの青年せいねん団だんの全国ぜんこく組織そしきである日本にっぽん青年せいねん団だん協議きょうぎ会かい（日にち青あお協きょう）は1954年ねん（昭和しょうわ29年ねん）に結成けっせいされた。事務じむ局きょくは日本にっぽん青年せいねん館内かんないにある。

体系たいけい・組織そしき形態けいたい[編集へんしゅう]

体系たいけい[編集へんしゅう]

「青年せいねん団だん」と呼よばれる組織そしきは大おおきく次つぎのように分類ぶんるいされる。

町内ちょうない会かい・自治じち会かい・字じ単位たんいで組織そしきされるもの。
かつては集落しゅうらく単位たんいで組織そしきされていたこれが地域ちいき青年せいねん団だんの原型げんけいである。個人こじん参加さんかで構成こうせいされている。この中なかには地域ちいきの祭事さいじの際さいにのみ集あつまり、祭事さいじの運営うんえいもしくは祭事さいじに参加さんかするものも含ふくまれる。また、「青年せいねん団だん」という独立どくりつした組織そしきではなく、町内ちょうない会かい（自治じち会かい）の「青年せいねん部ぶ」という位置いちづけの組織そしきも広義こうぎでは青年せいねん団だんと言いえるだろう。これらは単独たんどくで完結かんけつしている場合ばあいが多おおいため、実数じっすうや所属しょぞく人数にんずうなどは地元じもと市町村しちょうそんにおいても把握はあくし切きれていない事ことがほとんどである。

地域ちいきに住すむ青年せいねんがこの青年せいねん団だんへ入団にゅうだんする事ことはもちろん任意にんいだが、地域ちいきによっては一定いってい年齢ねんれいに達たっすれば自動的じどうてきに「団員だんいん」として登録とうろくされ祭事さいじなどの町内ちょうない会かいの事業じぎょうに強制きょうせい的てきに借かり出だされ、本人ほんにんが自覚じかくしないまま青年せいねん団だん活動かつどうに携たずさわるというところもある。

逆ぎゃくに都会とかいからの転入てんにゅう者しゃの場合ばあい、青年せいねん団だんに入はいって地域ちいきに溶とけ込こみたいと考かんがえていても各かく地域ちいきの因習いんしゅう・序列じょれつにより加入かにゅうが認みとめられない、加入かにゅうが後回あとまわしになる事例じれいがある。^[7]
市町村しちょうそん内ないの公民館こうみんかんまたは小・中学校しょうちゅうがっこうの学区がっく単位たんいで組織そしきされるもの。
構成こうせいは上記じょうきの青年せいねん団だんと同様どうよう個人こじん参加さんかによるが、これらは一般いっぱん的てきに市町村しちょうそん単位たんいで連合体れんごうたいを組織そしきしている場合ばあいが多おおい。とは言いえ、これらが必かならず連合体れんごうたいに加盟かめいしなければいけないわけではなく、市町村しちょうそんに連合体れんごうたいがあるにもかかわらず単独たんどくで活動かつどうしていくところもある。また、この単位たんいで大掛おおがかりな祭事さいじを行おこなうところはその必要ひつよう性せいから、これが町内ちょうない会かい単位たんいの連合れんごう組織そしきである場合ばあいもある。

市町村しちょうそん単位たんいで組織そしきされるもの、もしくは郡ぐん単位たんいの連合れんごう組織そしき。
本来ほんらいは公民館こうみんかん（小・中学校しょうちゅうがっこう区く）単位たんいで組織そしきされた青年せいねん団だんの連合れんごう組織そしきであり、○○市し（町まち・村むら）連合れんごう青年せいねん団だん、または○○市し（町まち・村むら）青年せいねん団だん協議きょうぎ会かいと呼称こしょうされている場合ばあいがほとんどである。さらに、近隣きんりん郡こおり市しの郡ぐん・市町村しちょうそん連合れんごう青年せいねん団だん（青年せいねん団だん協議きょうぎ会かい）が協議きょうぎ会かいを形成けいせいしているところもある。地方ちほう公共こうきょう団体だんたいが社会しゃかい教育きょういく法ほうに基もとづき補助ほじょ金きんを交付こうふするのは一部いちぶ例外れいがいを除のぞきこの単位たんいで組織そしきされた青年せいねん団だんである。

しかし近年きんねんは構成こうせいすべき公民館こうみんかん（小・中学校しょうちゅうがっこう区く）単位たんいで組織そしきされた青年せいねん団だんがない市町村しちょうそんも多おおいので、市町村しちょうそん単位たんいで青年せいねんが相あい集つどい、個人こじん参加さんかで組織そしきされている市町村しちょうそん青年せいねん団だんも発生はっせいしている。
道府県どうふけん単位たんいで組織そしきされるもの。
郡ぐん・市町村しちょうそん青年せいねん団だんによって構成こうせいされている連合れんごう組織そしきであり、○○県けん（道みち・府ふ）連合れんごう青年せいねん団だん、青年せいねん団だん協議きょうぎ会かいなどと呼称こしょうされている。多おおくは郡ぐん・市町村しちょうそん単位たんいの青年せいねん団だんの相互そうご連絡れんらく強化きょうか機関きかんとしての性格せいかくが強つよい。本来ほんらいは全すべての都道府県とどうふけんで組織そしきされていたものであるが、東京とうきょう都とにおける連合れんごう青年せいねん団だん組織そしきは昭和しょうわ30年代ねんだいに解散かいさんしているため、これらは一般いっぱん的てきに「道府県どうふけん団だん」と総称そうしょうされている。

近年きんねんは東京とうきょう都とのほかにも埼玉さいたま県けん連合れんごう青年せいねん団だんが1991年ねん（平成へいせい3年ねん）に活動かつどうを停止ていし、2006年ねん（平成へいせい18年ねん）に兵庫ひょうご県けん連合れんごう青年せいねん団だん、2007年ねん（平成へいせい19年ねん）に富山とやま県けん青年せいねん団だん協議きょうぎ会かいがそれぞれ活動かつどう低迷ていめいを理由りゆうに正式せいしきに日本にっぽん青年せいねん団だん協議きょうぎ会かいを脱退だったいしており、正式せいしきな表明ひょうめいはないものの実質じっしつ活動かつどう休止きゅうし状態じょうたいの県けん連合れんごう組織そしきも少すくなくない。ただ、これらは都とや県内けんないにおいて青年せいねん団だんがなくなった事ことを示しめしているわけではない。
全国ぜんこく組織そしき（＝日本にっぽん青年せいねん団だん協議きょうぎ会かい）
全国ぜんこくの道府県どうふけん連合れんごう青年せいねん団だんによって組織そしきされている。

組織そしき形態けいたい[編集へんしゅう]

青年せいねん団だんには綱領こうりょう及および規約きやく（会則かいそく）が存在そんざいする。綱領こうりょうは日本にっぽん青年せいねん団だん協議きょうぎ会かい以下いかほとんどの青年せいねん団だんで採用さいようしており、その内容ないようは次つぎの通とおり。

一いち、私わたしたちは心身しんしんを修練しゅうれんし、よりよき個人こじんの完成かんせいに努つとめます。

二に、私わたしたちは友愛ゆうあいと共きょう励を信条しんじょうに団結だんけつします。

三さん、私わたしたちは住すみよい郷土きょうど社会しゃかいの建設けんせつに努つとめます。

四よん、私わたしたちは人類じんるい愛あいと正義まさよしをもって世界せかい平和へいわに努つとめます。

規約きやく（会則かいそく）は組織そしきによってはない（もしくはあっても死文しぶん化かされている）ところも多おおいが、形態けいたいに関かんしておおむね以下いかの内容ないようの事ことを謳うたっている。

民主みんしゅ的てきな組織そしき運営うんえいが大だい原則げんそくであり、最高さいこう意思いし決定けってい機関きかんは定期ていきまたは臨時りんじに開催かいさいされる大会たいかい（総会そうかい）である。
団長だんちょう、副ふく団長だんちょう、事務じむ局長きょくちょう、理事りじ（それぞれ呼よび方かたは任意にんい）などの役員やくいんを置おき、会務かいむを執行しっこうする。また、別途べっと監事かんじを置おき年ねん数すう回かい会務かいむの監査かんさを行おこなう。
構成こうせいするものの主義しゅぎ、政治せいじ信条しんじょう、信教しんきょう、思想しそうその他たは問とわない。ただし、組織そしきそのものがそれらに偏重へんちょうしてはならない。
収入しゅうにゅうはおもに構成こうせいするものからの負担ふたん金きん並ならびに寄付きふ金きんからなる（商行為しょうこういによる利益りえき追求ついきゅう型がたの組織そしきではない）

農のう山やま漁村ぎょそん部ぶ系けいの青年せいねん団だんと都市とし系けい青年せいねん団体だんたい[編集へんしゅう]

上記じょうきの青年せいねん団だんは農のう山やま漁村ぎょそん部ぶの若者わかもの組ぐみをルーツに持もつ青年せいねん団だんであるのに対たいして、日本にっぽん都市とし青年せいねん会議かいぎ（日にち都と青あお）は都市とし系けい青年せいねん団体だんたいの組織そしきであるといえる。日にち都と青あおはサークルなどの青年せいねん団体だんたいを基盤きばんとし、1969年ねん（昭和しょうわ44年ねん）に5大だい市し青年せいねん団体だんたい協議きょうぎ会かいに東京とうきょうと北九州きたきゅうしゅうの青年せいねん団体だんたいを加くわえて発足ほっそくした。なお、5大だい市し青年せいねん団体だんたい協議きょうぎ会かいは、大阪おおさか、横浜よこはま、神戸こうべ、京都きょうと、名古屋なごやの青年せいねん団体だんたいにより1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）に設立せつりつされた。

活動かつどう内容ないよう[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「青年せいねん団だん活動かつどう」を参照さんしょう

日にち青あお協きょうが主催しゅさいする全国ぜんこく行事ぎょうじとしては全国ぜんこく青年せいねん大会たいかい、全国ぜんこく青年せいねん問題もんだい研究けんきゅう集会しゅうかいなどがある。全国ぜんこく青年せいねん大会たいかいはバレーボール、野球やきゅう、フットサルなどのスポーツや、演劇えんげき、人形にんぎょう劇げき、郷土きょうど芸能げいのうなどの文化ぶんか活動かつどうを発表はっぴょうする大会たいかいで、過去かこ毎年まいとし11月がつに東京とうきょう・国立こくりつ競技きょうぎ場じょう周辺しゅうへんで開催かいさいされていた。青年せいねん問題もんだい研究けんきゅう集会しゅうかいは全国ぜんこくの青年せいねん団だん員いんが1年間ねんかんの青年せいねん団だん活動かつどうの実践じっせんを元もとにした実践じっせんレポートを持もち寄より、分科ぶんか会かい形式けいしきで発表はっぴょう・討論とうろんし、青年せいねん運動うんどうの発展はってんを目指めざす集つどいである。毎年まいとし3月がつに日本にっぽん青年せいねん館かんで開催かいさいされていた。行事ぎょうじの手法しゅほうは、全日本ぜんにほん自治じち団体だんたい労働ろうどう組合くみあいの地方ちほう自治じち研究けんきゅう全国ぜんこく集会しゅうかいや日本にっぽん教職員きょうしょくいん組合くみあいの教育きょういく研究けんきゅう全国ぜんこく集会しゅうかいと同様どうようの手法しゅほうである。道府県どうふけん団だん、市町村しちょうそん団だんレベルにおいての実施じっし行事ぎょうじは、各かく団だんまちまちで一様いちようではないが、前述ぜんじゅつの全国ぜんこく青年せいねん大会たいかい、青年せいねん問題もんだい研究けんきゅう集会しゅうかいの予選よせん的てき行事ぎょうじのほか、社会しゃかい教育きょういく的てきな活動かつどう、青年せいねん団だん同士どうしの交流こうりゅう会かいや祭礼さいれい等とうへの参加さんかが多おおく、日本にっぽん全国ぜんこくの各地かくちでその地域ちいきの実状じつじょうに応おうじた活動かつどうを展開てんかいしている。

問題もんだい[編集へんしゅう]

団だん数すう、団員だんいん数すうの減少げんしょう[編集へんしゅう]

昭和しょうわ20年代ねんだいを頂点ちょうてんに団だん数すう、団員だんいん数すうが減少げんしょうしている。高度こうど経済けいざい成長せいちょう期きに地方ちほう青年せいねん層そうが都市としへ流出りゅうしゅつし、都市とし近郊きんこうにおいては通勤つうきん青年せいねん化かし青年せいねん団だんの存続そんぞくが困難こんなんになっている。また価値かち観かんの多様たよう化かにより青年せいねん層そうへの青年せいねん団だんの求心力きゅうしんりょくが低下ていかしている。この背景はいけいとしては青年せいねん団だんが社会しゃかい的てき役割やくわりを喪失そうしつしつつあることであり、大衆たいしゅう向むけ娯楽ごらくの普及ふきゅう、行政ぎょうせいサービスや商業しょうぎょうサービスの充実じゅうじつにより相対そうたい的てきな公益こうえき性せいが低下ていかし青年せいねん団だんの社会しゃかい的てき存在そんざい意義いぎが問とわれている。

市町村しちょうそん合併がっぺいと青年せいねん団だんの存続そんぞく[編集へんしゅう]

自治体じちたいの合併がっぺいは青年せいねん団だんにも影響えいきょうが大おおきい。青年せいねん団だんも合併がっぺいが必要ひつようとなり、そのための協議きょうぎ・調整ちょうせいの労力ろうりょく、新しん自治体じちたいの行政ぎょうせい当局とうきょくと青年せいねん団だんの関係かんけい、具体ぐたい的てきには補助ほじょ金きんの継続けいぞく可否かひ、新しん自治体じちたいの広域こういき化かによる組織そしき化かの困難こんなん、体質たいしつの異ことなる合併がっぺい後ごの青年せいねん団だんの運営うんえい・継続けいぞくの困難こんなんなどのためである。

「政治せいじ団体だんたい化かの懸念けねん」[編集へんしゅう]

日米にちべい安保あんぽ改定かいてい問題もんだいなどをめぐって国民こくみん運動うんどうが大おおきく高揚こうようした1960年代ねんだい、政治せいじ問題もんだいに青年せいねん団だんが明確めいかくな態度たいどを示しめすべきだという考かんがえ方かたが青年せいねん団だん内ないで台頭たいとうし始はじめた。この考かんがえ方かたは、さまざまな思想しそう性せいを持もつ青年せいねんの集あつまりである青年せいねん団だんはあまり高度こうどな政治せいじ課題かだいに踏ふみ込こむべきではないという考かんがえ方かたと対立たいりつし、全国ぜんこくの青年せいねん団だんで問題もんだいとなった。顕著けんちょな例れいとして、1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）に愛媛えひめ県けんで、1966年ねん（昭和しょうわ41年ねん）には岡山おかやま県けんで、それぞれ県けん団だん執行しっこう部ぶが政治せいじ的てきに偏向へんこうしていることを理由りゆうに多おおくの加盟かめい団だん（郡こおり市し団だん）が連合れんごう組織そしきを脱退だったい、解散かいさんもしくは分裂ぶんれつという事態じたいに発展はってんした。地域ちいきにおける青年せいねん団だんのこういった対立たいりつは、政治せいじ課題かだいの対立たいりつが薄うすれてきている今日きょうにおいては、青年せいねん団だん組織そしきの弱体じゃくたい化かもあいまって収束しゅうそくしている。

また、各かく都道府県とどうふけん組織そしきによって構成こうせいされている日本にっぽん青年せいねん団だん協議きょうぎ会かいは、沖縄おきなわ返還へんかん運動うんどうの促進そくしんや非核ひかく三さん原則げんそくの法制ほうせい化かを定期ていき大会たいかいにおいて決議けつぎしたり、沖縄おきなわ米兵べいへいによる少女しょうじょ暴行ぼうこう事件じけんへの抗議こうぎ等とうを主催しゅさいする集会しゅうかい内ないで緊急きんきゅう決議けつぎすることがある。加くわえて、青年せいねん法律ほうりつ家か協会きょうかい弁護士べんごし学者がくしゃ合同ごうどう部会ぶかい、日本にっぽん社会しゃかい主義しゅぎ青年せいねん同盟どうめい、日本にっぽん民主みんしゅ青年せいねん同盟どうめいと合同ごうどうで有事ゆうじ法制ほうせい反対はんたいの街頭がいとう宣伝せんでん活動かつどうを行おこなっているほか、イラク戦争せんそうへの自衛隊じえいたい派遣はけんに反対はんたいする声明せいめいなどを常任じょうにん理事りじ会かいで決議けつぎしている。こうした動うごきに対たいし特定とくていの政治せいじ団体だんたいとの親密しんみつ化かや政治せいじ的てき思想しそうの偏かたよりを進すすめるのではないかという懸念けねんの声こえもある。

青年せいねん層そう組織そしきであるならば、青年せいねん層そうを含ふくむ若年じゃくねん層そうに向むけた声明せいめいを発表はっぴょうするべきという意見いけんもあるが、日本にっぽん青年せいねん団だん協議きょうぎ会かいが時ときの政策せいさくに向むけた抗議こうぎという形かたちをとっている背景はいけいには、青年せいねんの声こえを集約しゅうやくし社会しゃかいに向むけて発信はっしんしていくことこそ役割やくわりであるという考かんがえ方かたによる。

日本にっぽん青年せいねん団だん協議きょうぎ会かいは機関きかん紙しのコラムで「青年せいねん団だんは思想しそう・信条しんじょうを超こえて組織そしきされた団体だんたいだから、政治せいじ的てきな判断はんだんは保留ほりゅうすべきだという考かんがえは、本質ほんしつを取とり違ちがえている。青年せいねん団だんは政党せいとう的てきに中立ちゅうりつであっても、政治せいじ的てきに中立ちゅうりつであるわけではない」と述のべている。青年せいねん団だんの大衆たいしゅう性せいや網羅もうら性せいと政治せいじ的てき・社会しゃかい的てき態度たいどの明確めいかく性せいという微妙びみょうな関係かんけいは現在げんざいにおいても課題かだいと言いえる。