14番目ばんめの月つき

『14番目ばんめの月つき』
荒井あらい由実ゆみ の スタジオ・アルバム
リリース	1976年ねん11月20日にち
録音ろくおん	1976年ねん9月 - 10月
ジャンル	ニューミュージック
時間じかん	40分ふん24秒びょう
レーベル	EXPRESS
プロデュース	松任谷まつとうや正隆まさたか
チャート最高さいこう順位じゅんい
週間しゅうかん1位い（オリコン） 週間しゅうかん42位い（オリコンデジタル） 1977年ねん度ど年間ねんかん4位い（オリコン）
荒井あらい由実ゆみ アルバム 年表ねんぴょう
COBALT HOUR （1975年ねん） YUMING BRAND （1976年ねん） 14番目ばんめの月つき （1976年ねん） 紅雀べにすずめ （1978年ねん） ALBUM （1977年ねん）

『14番目ばんめの月つき』（じゅうよんばんめのつき）は、荒井あらい由実ゆみの4枚まい目めのオリジナルアルバム。オリジナルは1976年ねん11月20日にちに東芝とうしばEMIからリリースされた（LP：ETP-72221、CT：ZA-1610・ZT25-328）。

一時期いちじき、音源おんげんの原盤げんばん権けんの都合つごうでアルファレコードより発売はつばいされたこともある。2000年ねん4月がつ26日にちにLPのブックレットを復刻ふっこくし、バーニー・グランドマンによるデジタルリマスタリングで音質おんしつを大幅おおはばに向上こうじょうしたリマスタリングCD（TOCT-10714）をリリース。2005年ねん3月がつ10日とおかより音楽おんがく配信はいしんされた。

解説かいせつ

• 独身どくしん時代じだい最後さいごのオリジナル・アルバム。サウンド的てきにはアコースティック・ピアノは余あまり使つかわれておらず、サウンド的てきにもかなり豪華ごうかになっている。この作品さくひんから松任谷まつとうや正隆まさたかがプロデュースを担当たんとうするようになる。
• 1976年ねん11月14日にちにはNHKホールにて「14番目ばんめの月つきリサイタル」を開催かいさいした。この模様もようは1976年ねん12月31日にちにNHK総合そうごうにて放送ほうそうされ、1977年ねん1月がつにはNHK-FMにて放送ほうそうされた。1976年ねん12月にはエッセイ&写真しゃしん集しゅう「十じゅう四よん番目ばんめの月つき」を出版しゅっぱん。また、本人ほんにんはこのアルバムで歌手かしゅを引退いんたいするつもりだったと、自伝じでん『ルージュの伝言でんごん』で語かたっている。
• 音楽おんがく配信はいしんを機きに本人ほんにん監修かんしゅうのもと、全曲ぜんきょくの英語えいご表記ひょうきが公式こうしきに発表はっぴょうされた。

収録しゅうろく曲きょく

CD

全ぜん作詞さくし・作曲さっきょく: 荒井あらい由実ゆみ、全ぜん編曲へんきょく: 松任谷まつとうや正隆まさたか。
#	タイトル	作詞さくし	作曲さっきょく・編曲へんきょく	時間じかん
1.	「さざ波なみ -Ripples-」	荒井あらい由実ゆみ	荒井あらい由実ゆみ	4:37
2.	「14番目ばんめの月つき -The 14th Moon-」	荒井あらい由実ゆみ	荒井あらい由実ゆみ	3:27
3.	「さみしさのゆくえ -Where Does Loneliness Go-」	荒井あらい由実ゆみ	荒井あらい由実ゆみ	5:23
4.	「朝陽あさひの中なかで微笑ほほえんで -In The Morning Light-」	荒井あらい由実ゆみ	荒井あらい由実ゆみ	5:22
5.	「中央ちゅうおうフリーウェイ -Chuo Freeway-」	荒井あらい由実ゆみ	荒井あらい由実ゆみ	3:39
6.	「何なにもなかったように -Like Nothing Ever Happened-」	荒井あらい由実ゆみ	荒井あらい由実ゆみ	5:06
7.	「天気てんき雨う -Sun Shower-」	荒井あらい由実ゆみ	荒井あらい由実ゆみ	3:05
8.	「避暑ひしょ地ちの出来事できごと -A Summer Place-」	荒井あらい由実ゆみ	荒井あらい由実ゆみ	2:39
9.	「グッド・ラック・アンド・グッドバイ -Good Luck And Goodbye-」	荒井あらい由実ゆみ	荒井あらい由実ゆみ	3:44
10.	「晩夏ばんか（ひとりの季き節ぶし） -Late Summer (The Lonely Season)-」	荒井あらい由実ゆみ	荒井あらい由実ゆみ	3:17

楽曲がっきょく解説かいせつ

1. さざ波なみ
2. 14番目ばんめの月つき

   タイトルは映画えいが 『スリランカの愛あいと別わかれ』 の高峰たかみね秀子ひでこの台詞せりふに由来ゆらいする（正確せいかくには、当時とうじユーミンは映画えいが雑誌ざっしの立読たちよみから科白せりふの該当がいとう部分ぶぶんのみを知しっていただけで、この映画えいがを観みておらず、科白せりふのシーンはもちろん、タイトルすら正ただしくは知しらなかったので、あまり映画えいがとは関係かんけいがない）。ライヴでは終盤しゅうばんを盛もり上あげる定番ていばん曲きょくでもある。1991年ねんTBS系けい『ルージュの伝言でんごん』にてドラマ化かされた（第だい17話わ、主演しゅえんは小松こまつ千春ちはる）。

   カバー：折笠おりかさ愛あい（1997年ねん）、スピッツ（2002年ねん）、奥村おくむら愛子あいこ（2005年ねん）。1980年ねんにアルファレコードからシングルカットされた「中央ちゅうおうフリーウェイ」のB面めんに収録しゅうろくされている。

3. さみしさのゆくえ

   ユーミンが言いうには、歌詞かしには出でてこないが学生がくせい運動うんどうが行おこなわれていた時代じだいの恋愛れんあいが描えがかれた楽曲がっきょくとのこと。

4. 朝陽あさひの中なかで微笑ほほえんで

   1976年ねん、ハイ・ファイ・セットへの提供ていきょう曲きょく。その年としの映画えいが『凍こお河かわ』の主題歌しゅだいか。

   カバー：パティ・オースティン、諫山いさやま実生みしょう（2003年ねん）、ケイコ・リー（2008年ねん）、久保田くぼた利伸としのぶ（2010年ねん）。

5. 中央ちゅうおうフリーウェイ

   題名だいめいは中央ちゅうおう自動車じどうしゃ道どうに由来ゆらいする。フリーウェイとは高速こうそく道路どうろのこと。中央ちゅうおう道どうを調布ちょうふから八王子はちおうじ方面ほうめんへ向むかう際さいに見みえる在ざい日米にちべい軍ぐんの調布ちょうふ基地きち（1974年ねんに全面ぜんめん返還へんかん）、サントリー武蔵野むさしのビール工場こうじょうや東京競馬場とうきょうけいばじょうと、東京とうきょう都と府中ふちゅう市し近辺きんぺんの風景ふうけいが歌うたわれる。

   1976年ねん3月14日にち、TBS系けい『日曜にちようスペシャル』で企画きかくされたスタジオ・ライブ番組ばんぐみ『セブンスターショー』（荒井あらい由実ゆみ&かまやつひろし）ではかまやつが歌うたったが、曲きょく中ちゅうのテロップでは「この曲きょくはユーミンがムッシュ（かまやつ）のために書かいたものです。心しんがこもっているかしら…。」と紹介しょうかいされた。なおこの当時とうじ、中央ちゅうおう道どうの高井戸たかいどIC - 調布ちょうふIC間あいだは未み開通かいつうであった（同年どうねん5月がつ18日にち開通かいつう）。

   一方いっぽうで松任谷まつとうや正隆まさたかの自著じちょや村井むらい邦彦くにひこによれば、この曲きょくは松任谷まつとうやが仕事しごとの帰かえり、ユーミンを八王子はちおうじまで送おくっていた頃ころの思おもい出でを曲きょくにしたもので、その時ときの車種しゃしゅは「うんこ色しょくのマークII」であったという。

   1989年ねんに公開こうかいされたアニメ映画えいが『魔女まじょの宅急便たっきゅうびん』の主題歌しゅだいか候補こうほにも選えらばれたが、都内とないの具体ぐたい的てきな地名ちめいが入はいっているためにヨーロッパを舞台ぶたいにした映画えいがと合あわず、結局けっきょく採用さいようされなかった（代かわって「ルージュの伝言でんごん」が採用さいようされた）。1980年ねんにアルファレコードからシングルカットされている(規格きかく番号ばんごうはALR-710)。

   1991年ねん、TBS系けい『ルージュの伝言でんごん』にてドラマ化かされた（第だい7話わ、主演しゅえんは桃井ももいかおり）。

   カバー：ハイ・ファイ・セット、庄野しょうの真代まさよ（1977年ねん）、木梨きなし憲武のりたけ（1996年ねん）、矢口やぐち真里まり（2003年ねん）、ケラ&ザ・シンセサイザーズ（2006年ねん）、Salon（2008年ねん）、大橋おおはし純子じゅんこ（2009年ねん）、スウィング・アウト・シスター、今井いまい美樹みき（2013年ねん）。

   清水しみずミチコが2019年ねん1月がつ2日にちに行いった日本武道館にほんぶどうかん公演こうえんで、「高輪たかなわゲートウェイ」と替かえ歌うたにして歌うたった。

   2023年ねん12月発売はつばいのコラボレーション・ベストアルバム『ユーミン乾杯かんぱい!!』にて、「YOASOBI cheers 松任谷まつとうや由実ゆみ」名義めいぎで新あらたに歌詞かしを追加ついかしたアレンジバージョンが収録しゅうろくされた。追加ついか歌詞かしの原作げんさくは山内やまうちマリコ『すべての事ことはメッセージ　小説しょうせつユーミン』、追加ついか歌詞かしの作詞さくしおよび編曲へんきょくはAyase。

6. 何なにもなかったように

   当時とうじユーミンが飼かっていた愛犬あいけんのシェパードが死しんで、その供養くようのために作つくった曲きょく。

   カバー：Cocco（2016年ねん）。映画えいが『リップヴァンウィンクルの花嫁はなよめ』劇げき中歌なかうた。

7. 天気てんき雨う

   1976年ねん6月13日にち（日曜日にちようび）に日本にほんテレビ系列けいれつで放送ほうそうされた『遠とおくへ行いきたい』にユーミンが出演しゅつえんした際さい、湘南しょうなん地域ちいきへの番組ばんぐみロケを通とおして歌うた作づくりをした楽曲がっきょく。歌詞かしに出でてくる「ゴッデス」は茅ヶ崎ちがさきにあるサーフショップ。また、歌詞かしに相模さがみ線せんも登場とうじょうする。2020年ねん10月4日にちに放送ほうそうされた『遠とおくへ行いきたい ～50周年しゅうねんスペシャル！ 懐なつかしきニッポン再さい発見はっけん！～』においても楽曲がっきょく製作せいさくの模様もようが一部いちぶ放送ほうそうされた。

8. 避暑ひしょ地ちの出来事できごと

   1976年ねん伊勢丹いせたんCMソング。長年ながねんに渡わたり、ユーミンのオリジナル曲きょくのなかで最もっとも短みじかい曲きょく（2分ふん39秒びょう）であったが、2020年ねんリリースの『Good! Morning』（2分ふん30秒びょう）によって最短さいたん記録きろくが更新こうしんされている。

9. グッド・ラック・アンド・グッドバイ

   岡崎おかざき友紀ゆきへの提供ていきょう曲きょく。1991年ねんTBS系けい『ルージュの伝言でんごん』にてドラマ化かされた（第だい9話わ、主演しゅえんは有森ありもり也実なりみ）。かつては和歌山わかやまと徳島とくしまを結むすぶ南海なんかいフェリーの船内せんない放送ほうそうでも使つかわれていた。

   カバー：CHiYO（2006年ねん）、曾我そが泰久やすひさ（2011年ねん）。

10. 晩夏ばんか（ひとりの季き節ぶし）

    竹内たけうちまりやが『松任谷まつとうや由実ゆみ サウンドアドベンチャー』にゲスト出演しゅつえんした際さい、美よし大だい出身しゅっしんのユーミンにしか書かけない曲きょくと絶賛ぜっさんした楽曲がっきょく。

    秦はた基はじめ博はく、平原ひらはら綾香あやからがカバーしている。

    NHKの「銀河ぎんがテレビ小説しょうせつ」枠わくで1976年ねん8月がつに放送ほうそうされた"ふるさとシリーズ"のドラマ、山田やまだ太一たいち脚本きゃくほんの『夏なつの故郷こきょう』と、市川いちかわ森一もりいち脚本きゃくほんの『幻まぼろしのぶどう園えん』でシリーズ共通きょうつうのドラマ主題歌しゅだいかとして使つかわれた。

参加さんかミュージシャン

• キーボード : 松任谷まつとうや正隆まさたか
• ピアノ : 荒井あらい由実ゆみ（#6）
• ドラム : Mike Baird
• スチールドラム : 細野ほその晴臣はるおみ
• パーカッション : 斎藤さいとうノブ
• エレクトリック・ギター : 松原まつばら正樹まさき、鈴木すずき茂しげる
• アコースティック・ギター, バンジョー&12弦げんギター : 瀬戸せと龍介りゅうすけ
• スティール・ギター : 駒沢こまざわ裕ひろし城じょう
• ベース : Leland Sklar
• コーラス : 山下やました達郎たつお、吉田よしだ美奈子みなこ、大貫おおぬき妙子たえこ、尾崎おざき亜美あみ、タイム・ファイブ、Corporation Three
• ウッドウインズ：清水しみず万まん紀夫のりお、三森みもり一郎いちろう、鈴木すずき重雄しげお、村岡むらおか健けん、砂原すなはら俊三しゅんぞう
• ホルン：沖田おきた晏宏、伊藤いとう泰やすし世よ
• ブラス：羽鳥はとり幸次こうじ、数かず原はら晋すすむ、新井あらい英二えいじ、平内へいない保夫やすお、岡田おかだ澄夫すみお、三田みた治美はるみ
• ハープ：山畑やまばた松枝まつえ
• ストリングス：玉野たまの嘉久よしひさ&His Friends

参考さんこう文献ぶんけん

• 「私わたしの履歴りれき書しょ 村井むらい邦彦くにひこ」『日本経済新聞にほんけいざいしんぶん 東京とうきょう朝刊ちょうかん』日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ、2023年ねん2月がつ19日にち。

外部がいぶリンク

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• 14番目ばんめの月つき松任谷まつとうや由実ゆみオフィシャルサイトによる紹介しょうかいページ

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