2020年東京オリンピック 野球競技 |
横浜スタジアム |
会場 | 横浜スタジアム 福島あづま球場 |
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開催日 | 2021年7月28日 - 8月7日 |
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参加選手数 | 144人 |
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参加チーム数 | 6か国 |
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メダリスト |
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« 2008 | |
2020年東京オリンピックの野球競技(2020ねんとうきょうオリンピックのやきゅうきょうぎ)は、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)管轄の下で実施された2020年東京オリンピックでの野球・ソフトボール競技の正式種目野球である[1]。2021年7月28日から8月7日まで開催され[2]、2008年北京オリンピック以来3大会ぶりの開催となった[3]。
- 2016年
- 2017年
- 2018年
- 2021年
- 7月10日 - 福島県は、直近の新型コロナウイルス感染症の状況悪化などを理由に、県内の競技全セッションを無観客で開催すると発表。これにより、野球競技はすべての試合で無観客開催となる[12]。
OR
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オープニングラウンド
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F
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決勝トーナメント
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7/28
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7/29
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7/30
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7/31
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8/1
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8/4
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OR
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F
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F
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男子野球1種目を実施。オープニングラウンドで6チームを2組に分けて各組1位から3位を決め、決勝トーナメントでは敗者復活を含む変則トーナメント(ページシステム方式)を全チームで行う。試合数は合計16。各組2位・3位の計4チームから勝ち上がったチームが各組1位同士による試合の勝者と対戦し、決勝進出チームを決める。敗者復活は各組3位同士の対戦での敗者を除く4チームで変則的なトーナメントを戦い、勝ち上がったチームが決勝に進む。途中で敗れた2チームが3位決定戦に回る。この方式を、大会組織委員会は「消化試合がなく、全ての試合がメダルに絡む」と説明した[14]。ただし大会前に新型コロナ感染症などで棄権するチームが出た場合は、オープニングラウンドで残りチームによる総当り戦を行ったのち順位決定戦(決勝、3位決定戦)を行うとしている[15]。
参考[16][17]
- 五輪憲章に基づく(当該国の有効なパスポートの保持)
- 24人
- 20秒
- WBSC公認球(エスエスケイ社製)
- なし
- 延長戦 - 9回を終えて同点である場合10回よりタイブレーク方式(無死一・二塁、継続打順)を採用。引き分けなしの完全決着制。
- コールドゲーム - 5・6回終了時に15点差以上、7・8回終了時に10点差以上がついた場合は大会規定によりコールドゲームとして試合成立とみなす。ただし、決勝と3位決定戦では適用しない。
- 指名打者適用
- オープニングラウンドの順位決定方法(同じ勝敗数で終了した場合)
- 該当チームの直接対決の勝敗
- 該当チームのTQB[注 1]が大きい順
- 該当チームのER-TQB[注 2]が大きい順
- 該当チームの打率
- コイントス
競技会場[編集]
アフリカ/欧州予選[編集]
2019年ヨーロッパ野球選手権大会の上位5か国(オランダ、イタリア、スペイン、イスラエル、チェコ)と2019年アフリカ野球選手権大会(英語版)優勝の南アフリカが出場した。
1位のイスラエルがオリンピック出場を決め、2位のオランダは世界最終予選に出場する[20][21]。
2019 WBSCプレミア12[編集]
2018年末時点のWBSC世界ランキングの上位12か国が出場した[22]。
開催国の日本を除いたアジア/オセアニア最上位国(準優勝)の韓国とアメリカ大陸最上位国(3位)のメキシコがオリンピック出場を決めた[23]。
アメリカ大陸予選[編集]
2019 WBSCプレミア12に出場してオリンピック出場権を得ていないアメリカ大陸の6か国(アメリカ合衆国、キューバ、カナダ、プエルトリコ、ベネズエラ、ドミニカ共和国)とそれらの国を除く2019年パンアメリカン競技大会における野球競技の上位2か国(コロンビア、ニカラグア)の計8か国が出場する。
1位のアメリカ合衆国がオリンピック出場を決め、2位のドミニカ共和国と3位のベネズエラは世界最終予選に出場する[20][24]。
世界最終予選[編集]
アフリカ/欧州予選2位のオランダ、2019年アジア野球選手権大会に出場してオリンピック出場権を得ていない上位2か国(チャイニーズタイペイ、中国)、アメリカ大陸予選2位のドミニカ共和国と3位のベネズエラ、オセアニア代表(オーストラリア[25])の計6か国が出場する予定であったが、中国とチャイニーズタイペイとオーストラリアが出場を辞退したことから、残る3か国で争われる[26][27][24]。
1位のドミニカ共和国がオリンピック出場権を獲得した[28]。
試合日程・結果[編集]
- ※ 世界ランクは、大会開幕時の最新版である2021年6月28日付のもの。
7月28日 第1試合(グループA)[編集]
- 勝:栗林良吏(1勝) 敗:ハイロ・アセンシオ(1敗)
- 審判
[球審]Hua-Wen Chi(チャイニーズタイペイ)
[塁審]一塁: Trevor Grieve(カナダ)、二塁: Kevin Sweeney(アメリカ合衆国)、三塁: Jair Fernandez(メキシコ) - 試合開始時刻: 午後0時00分 試合時間: 3時間16分 気温: 31°C 湿度: 65%
詳細: Olympics(日本語) / WBSC(日本語) / ESPN.com(英語)
7月29日 第2試合(グループB)[編集]
7月30日 第3試合(グループA)[編集]
- 勝:エンジェル・サンチェス(1勝) 敗:テディ・スタンキーウィッチ(1敗) S:ルイス・カスティージョ(1S)
- 審判
[球審]Jorge Niebla(キューバ)
[塁審]一塁: Mark Winters(アメリカ合衆国)、二塁: Jairo Mendoza(ニカラグア)、三塁: Trent Thomas(オーストラリア) - 試合開始時刻: 午後0時00分 試合時間: 2時間49分 気温: 28°C 湿度: 82%
詳細: Olympics(日本語) / WBSC(日本語) / ESPN.com(英語)
7月30日 第4試合(グループB)[編集]
7月31日 第5試合(グループA)[編集]
7月31日 第6試合(グループB)[編集]
8月1日 第7試合(1回戦)[編集]
8月1日 第8試合(1回戦)[編集]
8月2日 第9試合(2回戦)[編集]
8月2日 第10試合(2回戦)[編集]
日本が3回に2点を取るも、アメリカが4回に3点を入れて逆転。日本は4回に同点に追いつくも、5回にアメリカはカサスの3点本塁打で勝ち越す。5回ウラに日本は鈴木の本塁打などで2点を奪い1点差に。日本は9回、1死1・3塁から柳田の内野ゴロで同点に追いつき、タイブレークに突入した。
10回のアメリカは栗林の前に無得点、日本は代打栗原が犠打を決めて1死2・3塁となる。アメリカは内野を5人とし賭けに出たが、甲斐が適時打を放って日本がサヨナラ勝ちした。
8月3日 第11試合(敗者復活1回戦)[編集]
8月4日 第12試合(敗者復活2回戦)[編集]
8月4日 第13試合(準決勝)[編集]
- 勝:伊藤大海(1勝) 敗:高佑錫(1敗) S:栗林良吏(2勝2S)
- 審判
[球審]Edwin Hernandez(プエルトリコ)
[塁審]一塁: Hua-Wen Chi(チャイニーズタイペイ)、二塁: Jorge Niebla(キューバ)、三塁: Kevin Sweeney(アメリカ合衆国) - 試合開始時刻: 午後7時00分 試合時間: 3時間30分 気温: 31°C 湿度: 68%
詳細: Olympics(日本語) / WBSC(日本語) / ESPN.com(英語)
8月5日 第14試合(準決勝)[編集]
8月7日 第15試合(3位決定戦)[編集]
8月7日 第16試合(決勝戦)[編集]
アメリカの先発はN・マルティネス、日本の先発は森下暢仁とNPB所属選手による投げ合いとなった。日本は3回に村上の本塁打で先制、8回1死2塁から吉田の安打で山田が好走塁でホームを陥れ、追加点を奪った。日本投手陣はアメリカ打線を無得点に抑え、公開競技であったロサンゼルス大会以来、37年ぶりの金メダルとなった。
最終順位[編集]
東京オリンピック野球競技優勝国
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日本 初優勝
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表彰選手[編集]
アメリカ合衆国のエディ・アルバレスは、ショートトラックスピードスケート選手として2014年のソチ冬季オリンピックにも出場し、男子5,000mリレーで銀メダルを獲得している。夏季・冬季の両方でメダリストとなったのは、アルバレスが史上6人目である[注 3][30]。
オール・オリンピック・チーム(ベストナイン)[編集]
世界野球ソフトボール連盟(WBSC)により選出[31]。
- ^ Total Quality Balanceの略。(得点/攻撃イニング)-(失点/守備イニング)で計算される。
- ^ Earned Runs Total Quality Balanceの略。自責点によるTQB。(相手自責点による得点/攻撃イニング)-(自責点/守備イニング)で計算される。
- ^ 過去の5人は以下の通り。
- ^ “IOC approves five new sports for Olympic Games Tokyo 2020 - Olympic News”. Olympic.org (2016年8月3日). 2016年8月8日閲覧。
- ^ “野球・ソフトボール 競技スケジュール”. 東京2020. 2021年4月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月25日閲覧。
- ^ “野球・ソフトボール”. 2021年2月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月12日閲覧。
- ^ 野球・ソフトボールが東京2020オリンピックの正式種目に追加決定 会見で喜びの表情 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト (2016年8月4日) 2016年9月30日閲覧
- ^ VENUES APPROVED FOR TOKYO 2020 ADDITIONAL EVENTS AS HOST CITIES REPORT TO IOC EXECUTIVE BOARD IOC - International Olympic Committee - Olympics (英語) (2016年12月7日) 2016年12月15日閲覧
- ^ FUKUSHIMA TO HOST BASEBALL AND SOFTBALL MATCHES AT THE OLYMPIC GAMES TOKYO 2020 IOC - International Olympic Committee - Olympics (英語) (2017年3月17日) 2017年3月20日閲覧
- ^ “20年東京五輪:野球、変則方式に 敗者復活から金も 「消化試合」なくす狙い”. 毎日新聞. 2020年5月20日閲覧。
- ^ “東京五輪、観客上限は定員50%以内で1万人に決定 チケット再抽選へ”. 日刊スポーツ. (2021年6月21日). https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/news/202106210000597.html 2021年6月22日閲覧。
- ^ “Olympic baseball, softball events can welcome up to 10,000 spectators per game” (英語). WBSC (2021年6月21日). 2021年6月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月22日閲覧。
- ^ “WBSC, Tokyo 2020 reveal Olympic Baseball groups and schedule” (英語). WBSC (2021年6月28日). 2021年6月28日閲覧。
- ^ “IOC・IPC・東京2020組織委員会・東京都・国 共同ステートメント”. 東京2020オリンピック競技大会公式ウェブサイト (2021年7月8日). 2021年7月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月10日閲覧。
- ^ “東京2020オリンピック 観戦チケットの取り扱いについて 福島あづま球場の全セッションが無観客となります”. 東京2020オリンピック競技大会公式ウェブサイト (2021年7月10日). 2021年7月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月10日閲覧。
- ^ “野球・ソフトボール 競技スケジュール”. 東京2020. 2021年4月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月17日閲覧。
- ^ “【図解・スポーツ】東京五輪2020・東京五輪野球の開催方式(2018年7月):時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2020年5月19日閲覧。
- ^ “五輪野球 コロナで欠場チーム出れば1次リーグは総当たり形式に変更”. スポニチアネックス. (2021年7月12日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2021/07/12/kiji/20210712s00001004215000c.html 2021年7月13日閲覧。
- ^ “WBSC reveals Olympic Baseball, Softball rules and regulations”. WBSC (2021年7月5日). 2021年7月5日閲覧。
- ^ “OG Baseball - Regulations - Google ドライブ”. drive.google.com. 2021年7月23日閲覧。
- ^ “野球の米大陸予選は5月末から”. 共同通信. (2021年4月14日). https://web.archive.org/web/20210413233740/https://this.kiji.is/754848022561669120 2021年4月14日閲覧。
- ^ a b “野球世界最終予選 メキシコのプエブラで6月22日から26日実施”. WBSC (2021年5月28日). 2021年5月29日閲覧。
- ^ a b “WBSC announces hosts, dates of Tokyo 2020 Olympic Baseball/Softball Qualifiers” (2019年1月20日). 2020年5月19日閲覧。
- ^ “2019: Baseball Olympic Qualifiers - Israel's historic first time in Olympic baseball tournament” (英語). wbsc.org. 2020年5月20日閲覧。
- ^ “World’s Top 12 nations qualified for WBSC Premier12 2019 major international baseball event” (英語). wbsc.org. 2020年10月25日閲覧。
- ^ “(Premier12) S. Korea beats Mexico to qualify for 2020 Olympic baseball tournament | Yonhap News Agency”. En.yna.co.kr. 2019年11月18日閲覧。
- ^ a b “オーストラリアがWBSC野球最終予選を辞退、最後のオリンピック出場権を3チームが競う”. wbsc.org. 2021年10月31日閲覧。
- ^ “Final Baseball Qualifier: Australia confirmed as Oceania representative” (英語). WBSC. 2019年12月6日閲覧。
- ^ “Final WBSC Olympic baseball qualifier to be five-team tourney as China withdraws” (英語). WBSC (2021年5月7日). 2021年5月7日閲覧。
- ^ “Chinese Taipei withdraws from WBSC Baseball Final Qualifier as field narrows to 4 teams” (英語). WBSC (2021年6月4日). 2021年6月4日閲覧。
- ^ “Melky Cabrera’s homer ignites Dominican Republic come-from-behind win to earn final berth in Tokyo 2020 Olympics” (英語). WBSC (2021年6月27日). 2021年6月27日閲覧。
- ^ "Medallists," Olympics.com, August 7, 2021. 2021年8月8日閲覧。
- ^ Jake Seiner, "‘Bittersweet’ Alvarez accepts 2nd silver, this one in Summer," Associated Press News, August 7, 2021. 2021年8月8日閲覧。
- ^ "WBSC names MVP and Tokyo 2020 All-Olympic Baseball Team," WBSC - World Baseball Softball Confederation, August 7, 2021. 2021年8月8日閲覧。