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高精度視線速度系外惑星探査装置 - Wikipedia コンテンツにスキップ

こう精度せいど視線しせん速度そくどけいがい惑星わくせい探査たんさ装置そうち

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
HARPSから転送てんそう
3.6m望遠鏡ぼうえんきょうとHARPSの写真しゃしん
左上ひだりうえ)3.6m望遠鏡ぼうえんきょうのドーム
右上みぎうえ)3.6m望遠鏡ぼうえんきょう本体ほんたい
した)HARPSの恒温こうおん真空しんくう容器ようきとそのなかおさまったHARPS本体ほんたい

こう精度せいど視線しせん速度そくどけいがい惑星わくせい探査たんさ装置そうち[1] (こうせいどしせんそくどけいがいわくせいたんさそうち、英語えいご: High Accuracy Radial Velocity Planet Searcher, HARPS)は、ヨーロッパ南天なんてん天文台てんもんだい (ESO) が2003ねんから運用うんようしている太陽系たいようけいがい惑星わくせい観測かんそく装置そうちである。

HARPSはチリラ・シヤ天文台てんもんだいにある3.6m望遠鏡ぼうえんきょう設置せっちされた分光ぶんこうで、視線しせん速度そくどほうばれる方法ほうほう太陽系たいようけいがい惑星わくせい観測かんそくおこなっている。視線しせん速度そくどほうとは、恒星こうせいスペクトルあらわれるひかりドップラー効果こうか測定そくていし、惑星わくせい公転こうてんこす恒星こうせいうごきをあきらかにする技法ぎほうである。HARPSは恒星こうせい視線しせん方向ほうこううごきを時速じそく3.5kmの精度せいど測定そくていできる[2][3]

HARPSの観測かんそくチームは2009ねん10がつに32太陽系たいようけいがい惑星わくせい報告ほうこくし、HARPSが発見はっけんした惑星わくせいは75たっした。そのなかにはスーパーアースなどの小型こがた惑星わくせい数多かずおおふくまれる[2]。ESOの発表はっぴょうによると、2009ねん時点じてんられていた28低質ていしつりょう地球ちきゅうの20ばい以下いか惑星わくせいのうち、24がHARPSによって発見はっけんされたものとされている[2]

開発かいはつ

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1998ねん5がつ、 ESOは1m/sの視線しせん速度そくど測定そくてい精度せいど太陽系たいようけいがい惑星わくせい観測かんそくよう分光ぶんこうあらたに調達ちょうたつすることを発表はっぴょうし、その開発かいはつおこな研究けんきゅう機関きかん公募こうぼした[4]。これにこたえてスイスのジュネーブ天文台てんもんだい、ドイツのベルン大学だいがく、フランスのオートプロバンス天文台てんもんだい共同きょうどう新型しんがた分光ぶんこう開発かいはつおこなうことを提案ていあんした[4]。そのフランス国立こくりつ研究けんきゅうセンターによってこれらの研究けんきゅう機関きかんをまとめたコンソーシアム設立せつりつされ、そこでHARPSの開発かいはつおこなうことになった[4]

2000ねん8がつにESOとコンソーシアムのあいだわされた合意ごういでは、コンソーシアムが資金しきん負担ふたんうえで、HARPSの分光ぶんこう本体ほんたい開発かいはつおこない、ESOが3.6m望遠鏡ぼうえんきょうとHARPSをつなぐためのファイバーアダプターとファイバーリンク、検出けんしゅつ、HARPS本体ほんたい設置せっちスペースを提供ていきょうすることとなった。また開発かいはつ見返みかえりとしてESOは、HARPS運用うんよう開始かいしから5年間ねんかん、HARPSと3.6m望遠鏡ぼうえんきょう占有せんゆうけん年間ねんかん100夜分やぶんコンソーシアムに提供ていきょうする[5]

完成かんせいしたHARPSは2003ねん1がつにESO 3.6m望遠鏡ぼうえんきょう設置せっちされ、2003ねん2がつ11にちファーストライトおこなった[4]。その試運転しうんてんおこない、2003ねん9がつまつにはHARPSはコンソーシアムからラ・シヤ天文台てんもんだいわたされ、科学かがくコミュニティけに利用りよう機会きかい提供ていきょうはじまった[4]


性能せいのう設計せっけい

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HARPSは当初とうしょから太陽系たいようけいがい惑星わくせい視線しせん速度そくどほう観測かんそくすることを目的もくてきとし、1m/sの精度せいど恒星こうせい視線しせん速度そくど測定そくていできることを目標もくひょう設計せっけいされた[4][5]。 HARPSは安定あんていせい特別とくべつ注意ちゅういはらわれていることをのぞけば通常つうじょう天体てんたい観測かんそくよう分光ぶんこう大差たいさのない設計せっけいになっている。HARPSの光学こうがくけい設計せっけいさき開発かいはつされていたこう分散ぶんさんこう波長はちょうたい分光ぶんこうであるUVESをベースにしており、エシェル回折かいせつ格子こうしはUVESよう開発かいはつされたものを使用しようしていた[5]

HARPSの基本きほん構造こうぞうはファイバー供給きょうきゅうしきクロス分散ぶんさんエシェル分光ぶんこうである[4]分光ぶんこう本体ほんたい望遠鏡ぼうえんきょうから分離ぶんりして設置せっちされ、望遠鏡ぼうえんきょう焦点しょうてんめんあつまった観測かんそく対象たいしょうひかり接続せつぞくユニットとひかりファイバーつうじて分光ぶんこう本体ほんたいとどけられる。しゅたる分散ぶんさんエシェル回折かいせつ格子こうしによっておこない、クロス分散ぶんさん素子そしによっててき分散ぶんさんおこない、電磁でんじスペクトルはCCDセンサーじょう次元じげんてき配列はいれつかたち投射とうしゃされて記録きろくされる。

検出けんしゅつシステムは2まい画素がそピッチ15μみゅーm 4k ×2k画素がそのE2Vしゃせい44-82がたCCDセンサーのモザイクからなり、全体ぜんたいとして4k×4k画素がそ物理ぶつり寸法すんぽう62.7x61.4mmの焦点しょうてんめん形成けいせいしている[5]。2まいのCCDはそれぞれに"Jasmin" "Linda" のニックネームがけられている[5]検出けんしゅつユニットは光学こうがくけいほか部分ぶぶんから独立どくりつして冷却れいきゃくされる[5]

ファイバーアダプターはharps本体ほんたいとはことなり、ラ・シヤ天文台てんもんだい工学部こうがくぶもんにより開発かいはつされた。アダプターはいくつかの機器きき内蔵ないぞうしている[5]アダプターからHARPS本体ほんたいびるひかりファイバーは2ほんあり、直径ちょっけいは90マイクロメートルのものを使つかい、はがねまれたチューブで被覆ひふく保護ほごしている。ひかりファイバーのながさは38mにたっする[5]

波長はちょう分解能ぶんかいのう微小びしょうなドップラーシフトをとらえるためにR(着目ちゃくもくする波長はちょうをその波長はちょうにおける最小さいしょう波長はちょうはばった数値すうち)=115,000というたか波長はちょう分解能ぶんかいのうゆうしている。波長はちょうカバー範囲はんいは380-690ナノメートル可視かしこう領域りょういきである[4]

HARPSはたか視線しせん速度そくど測定そくてい能率のうりつつべく設計せっけいされている。これは最小さいしょう露光ろこう時間じかんこう精度せいど視線しせん速度そくど測定そくてい可能かのうとなるように最適さいてきされていることを意味いみする[4]このためにHARPSは基礎きそてきたか波長はちょう分解能ぶんかいのうスループットつように設計せっけいされている。たか波長はちょう分解能ぶんかいのうたかいスループットという2つの要件ようけん相反あいはんする関係かんけいにあり、最終さいしゅうてき測定そくてい能率のうりつ最良さいりょうとなるように性能せいのうのバランスがえらばれている[5]。バランスを最適さいてきしたうえ性能せいのう向上こうじょうさせる手段しゅだん回折かいせつ格子こうし可能かのうかぎ大型おおがたしそこに可能かのうかぎだいみちのコリメートこうたば入射にゅうしゃさせることであった。当時とうじ入手にゅうしゅ可能かのう最大さいだいいちまいいた回折かいせつ格子こうしのサイズは837×238mmだった(これはおなじく天体てんたい観測かんそくよう分光ぶんこうUVESけに開発かいはつされていたものだった)[5]


HARPSのたか安定あんていせい分光ぶんこう本体ほんたい非常ひじょう安定あんていした気圧きあつ温度おんど環境かんきょうくことで実現じつげんされている。気温きおん気圧きあつ変動へんどう主要しゅよう誤差ごさ要因よういんであり1ミリバール気圧きあつ変化へんかあるいは1℃の気温きおん変化へんか視線しせん速度そくど測定そくていにおよそ100m/sもの変化へんかをもたらすと見積みつもられている[4][5]気圧きあつ変動へんどう起因きいんする測定そくてい系統けいとう誤差ごさけるために分光ぶんこう本体ほんたい真空しんくう容器ようきおさめ、内部ないぶ常時じょうじ0.01ミリバール以下いか減圧げんあつしている。温度おんどについては、いちにち変動へんどう二乗にじょう平均へいきん平方根へいほうこんで0.001℃におさえている[4]容器ようき冷却れいきゃくおこなっておらず、温度おんどやく17℃である。整備せいびともな容器ようき開閉かいへいらして安定あんていせいたかめるため、容器ようきない光学こうがくけい可動かどう部品ぶひん可能かのうかぎ使用しようしないよう設計せっけいされている(唯一ゆいいつ可動かどう部品ぶひんとしてフォーカスユニットがある)[5]。また、HARPSが設置せっちされている3.6m望遠鏡ぼうえんきょうクーデ焦点しょうてんしつ自体じたい温度おんど管理かんりされている[5]


波長はちょう較正こうせいのためにトリウム-アルゴンホロカソードランプ使用しようする光源こうげん装置そうちそなえており[4]、この光源こうげんもまたひかりファイバーをつうじて分光ぶんこう本体ほんたい投入とうにゅうし、ランプのはっする輝線きせんスペクトルを観測かんそく対象たいしょうのスペクトルと同時どうじ並列へいれつしてセンサーじょう投影とうえいすることによって安定あんていした波長はちょう較正こうせい実現じつげんしている。HARPSの較正こうせいシステムはHARPS自身じしんしょうじる0.1m/sレベルの系統けいとう誤差ごさとらえることが可能かのうとされている[4]

HARPSはホロカソードランプによる較正こうせいシステムのとはべつにヨウセルによる較正こうせいシステムも搭載とうさいしている。ヨウセルは観測かんそく対象たいしょうひかりひかりちゅう気体きたいヨウもと封入ふうにゅうしたセルを挿入そうにゅうすることによってヨウもと吸収きゅうしゅうせん付与ふよし、それをもと波長はちょう較正こうせいおこなうというもので、着脱ちゃくだつ可能かのうなヨウセルがファイバーアダプターない設置せっちされている[5]。ヨウセルは予備よびのシステムで、通常つうじょうはランプしき較正こうせいシステムを使つかって観測かんそくおこなう。

改修かいしゅう

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HARPSは性能せいのう向上こうじょう機能きのう追加ついかのために改修かいしゅうおこなわれている

較正こうせいシステムの改良かいりょう

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HARPSが記録きろくした周波数しゅうはすうコムの電磁でんじスペクトル。[6]

HARPSは完成かんせい時点じてんではTh-Arホロカソードランプ波長はちょう較正こうせいよう電磁でんじスペクトルを発生はっせいさせる較正こうせいシステムをそなえていた。HARPSの運用うんよう開始かいしから2ねんあいだにランプの輝線きせんリストの改定かいてい拡充かくじゅうや、較正こうせいれる輝線きせん本数ほんすう増加ぞうかさせることにより、より精度せいどたか較正こうせい可能かのうとなった[7]

また、ヨーロッパ南天なんてん天文台てんもんだい (ESO)では 2006ねんごろよりマックスプランク量子りょうし光学こうがく研究所けんきゅうじょ (MPQ) と共同きょうどうでレーザー周波数しゅうはすうコム (LFC) を天体てんたい観測かんそくよう分光ぶんこう波長はちょう較正こうせい応用おうようする研究けんきゅうはじめており、その一環いっかんとしてHARPSでLFCの実証じっしょうおこなわれることとなった。LFCはホロカソードランプよりも均質きんしつみつかつ均等きんとう分布ぶんぷした既知きち波長はちょう輝線きせんしょうじさせ、スペクトルの長期間ちょうきかん安定あんていせい再現さいげんせいたかいため、波長はちょう較正こうせい精度せいど躍進やくしんをもたらすとされている[8]

HARPSのLFC光源こうげんユニットは2012ねん最初さいしょ試験しけんおこなったのち改良かいりょうくわえられ[6]、2015ねん4がつ8にちから17にちあいだ試運転しうんてんおこなった[9]。HARPSのLFCは460-690ナノメートルの波長はちょう範囲はんいをカバーし、1まん5000ほん輝線きせん発生はっせいさせる[6]

HARPSpolはHARPSにへんこう観測かんそく能力のうりょく付与ふよするために開発かいはつされたへんこう抽出ちゅうしゅつユニットそれ自体じたいおよびこれを観測かんそく使用しようする状態じょうたいのHARPSのシステム全体ぜんたい名称めいしょうである。HARPSpolユニットは2010ねん設置せっちされ、2011ねん3がつまでに完全かんぜん状態じょうたいでの観測かんそく可能かのうとなった[10]

へんこう分光ぶんこう観測かんそく天体てんたい磁場じば直接的ちょくせつてき測定そくていできる数少かずすくない技法ぎほうである[10]。HARPSpolに先行せんこうするこのたね装置そうちとしては、マウナケア天文台てんもんだいぐんカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡ぼうえんきょうESPaDOnSやフランスのピク・デュ・ミディ天文台てんもんだい2m望遠鏡ぼうえんきょうのNarval分光ぶんこう(ESPaDOnSの同型どうけい)が開発かいはつされ 恒星こうせい磁場じばのサーベイなどに成果せいかげていた。一方いっぽう南半球みなみはんきゅう天文台てんもんだいではESPaDOnSやNarvalになら性能せいのうへんこう分光ぶんこう投入とうにゅうされていなかった。そこでこう分散ぶんさん分光ぶんこうとして実績じっせきのあるHARPSにへんこう観測かんそく能力のうりょく付与ふよしようという計画けいかくがり、アメリカの宇宙望遠鏡科学研究所うちゅうぼうえんきょうかがくけんきゅうしょ (STScI) 、スウェーデンウプサラ大学だいがくオランダユトレヒト大学だいがく、アメリカのライス大学だいがくといった各国かっこく研究けんきゅう機関きかんからなる国際こくさい共同きょうどうチームによりHARPSpolとして開発かいはつおこなわれた[10]

HARPSpolユニットはHARPSと望遠鏡ぼうえんきょう接続せつぞくするカセグレン焦点しょうてんアダプターない設置せっちされたコンパクトなはこがたのユニットである[10]

通常つうじょうのHARPSの観測かんそくではカセグレン焦点しょうてんあつめた観測かんそく対象たいしょうへんこう単純たんじゅん接続せつぞくユニットとひかりファイバーをつうじてHARPSの本体ほんたいおくられるが、 HARPSpolはカセグレン焦点しょうてんへんこうからたがいに直交ちょっこうするへんこうじくつ2つのへんこう抽出ちゅうしゅつして2ほんひかりファイバーをつうじてHARPSに送信そうしんすることでへんこう観測かんそく可能かのうとなる。HARPSpolには直線ちょくせんへんこうえんへんこう観測かんそくモードが存在そんざいする[10]。 HARPS本体ほんたい入射にゅうしゃして以降いこうへんこう/へんこう経路けいろ処理しょりちがいはない。

HARPSpolはの登場とうじょうによりはじめて南半球みなみはんきゅうでESPADOnSと同等どうとうへんこう分光ぶんこう観測かんそく可能かのうとなった[11]。 2010ねん完成かんせいしたHARPSpolはESPaDOnSやNarvalがおこなっていた恒星こうせい磁場じばだい規模きぼサーベイ「MiMeS」にくわわった[11]


2022ねんには3.6m望遠鏡ぼうえんきょうにNIRPS分光ぶんこう設置せっちされた。NIRPSは波長はちょう950-1800ナノメートル (nm) をカバーする近赤外線きんせきがいせん分光ぶんこうである。NIRPSはHARPSと重複じゅうふくしない観測かんそく波長はちょう範囲はんいつため、あらかじダイクロイックミラー入射にゅうしゃこう可視かしこう赤外線せきがいせん分割ぶんかつすることでHARPSとNIRPSを同時どうじ使用しようしての観測かんそく可能かのうである。NIRPSはHARPSが従来じゅうらい観測かんそく使用しようしていなかった赤外線せきがいせん観測かんそくするため、NIRPSを併用へいようしてもHARPSの観測かんそく能力のうりょく悪影響あくえいきょうおよぼすことはない。HARPSとNIRPSを同時どうじ稼働かどうさせることによって、システム全体ぜんたいとしては「波長はちょう380-1800nmの広大こうだい波長はちょうカバー範囲はんい単一たんいつのマルチチャンネルだか波長はちょう分解能ぶんかいのう分光ぶんこう」として機能きのうさせることができる[12]視線しせん速度そくどほうによるけいがい惑星わくせい観測かんそくというてんれば、波長はちょうカバー範囲はんい赤外線せきがいせんがわひろげることによって惑星わくせい由来ゆらいのシグナルと恒星こうせい由来ゆらいのノイズを判別はんべつすることが容易よういになり、HARPS単独たんどく場合ばあいよりも信頼しんらいせいたかけいがい惑星わくせい検出けんしゅつ可能かのうになる。なおNIRPS単独たんどくでは3m/sよりこう精度せいど視線しせん速度そくど測定そくていすることが見込みこまれている[12]。 NIRPSは従来じゅうらいのファイバー供給きょうきゅうしき分光ぶんこうよりも小径しょうけいひかりファイバーを使用しようすることによって性能せいのう維持いじしたまま光学こうがくけい小型こがたするコンセプトで設計せっけいされている[12]。このファイバーを使用しようするにはほしぞうを0.4びょうかくよりもちいさいぞうしぼ必要ひつようがあり、この解像度かいぞうど達成たっせいするに補償ほしょう光学こうがく装置そうち手助てだすけが必要ひつようであった。このためNIRPSの設置せっち先立さきだつ2019ねんに3.6m望遠鏡ぼうえんきょう補償ほしょう光学こうがく装置そうち増設ぞうせつされた[12]

NIRPSは2022ねん前半ぜんはんに3.6m望遠鏡ぼうえんきょう設置せっちされ、2022ねん6がつファーストライトおこなった。2022ねん7がつには回折かいせつ格子こうし交換こうかんおこない、2022ねん後半こうはんにテストをおこな見込みこみである[12]

このような可視かしこう分光ぶんこう波長はちょう重複じゅうふくしない赤外線せきがいせん分光ぶんこう併設へいせつして事後じごてき観測かんそく能力のうりょく増強ぞうきょうするというこころみはHARPSの同型どうけいであるHARPS-N先立さきだって実行じっこうされていた。それはHARPS-Nに赤外線せきがいせん分光ぶんこう「GIANO-B」を併設へいせつし「GIARPS」とばれる可視かしこう近赤外線きんせきがいせん観測かんそくシステムを形成けいせいするというものであった。 可視かしこう赤外線せきがいせんのマルチチャンネル分光ぶんこうというコンセプトはCARMENES先駆さきがけであった。ただしCARMENESは事後じごてき赤外線せきがいせん分光ぶんこう増設ぞうせつしたのではなく、最初さいしょからマルチチャンネル分光ぶんこうとして開発かいはつされた

参考さんこう文献ぶんけん

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  1. ^ 地球ちきゅうがたけいがい惑星わくせい発見はっけんか?”. 国立こくりつ天文台てんもんだい アストロ・トピックス. 2010ねん5がつ28にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c “32 New Exoplanets Found”. ESO. (2009ねん10がつ19にち). https://www.eso.org/public/news/eso0939/ 2010ねん5がつ28にち閲覧えつらん 
  3. ^ “32 planets discovered outside solar system”. CNN. (2009ねん10がつ19にち). https://edition.cnn.com/2009/TECH/science/10/19/space.new.planets/index.html 2010ねん5がつ28にち閲覧えつらん 
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m Mayor (2003). The Messanger 114: 20. 
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n Pepe (2002). The Messanger 110: 9. Bibcode2002Msngr.110....9P. 
  6. ^ a b c HARPS Laser Frequency Comb Commissioned”. 8 June 2015閲覧えつらん
  7. ^ Lovis et al. (2006). proceeding of the SPIE 6269. Bibcode2006SPIE.6269E..0PL. 62690P. 
  8. ^ Lo Curto et al. (2012). The Messenger 149: 2. Bibcode2012Msngr.149....2L. 
  9. ^ HARPS Laser Frequency Comb”. ヨーロッパ南天なんてん天文台てんもんだい. 2022ねん12月11にち閲覧えつらん
  10. ^ a b c d e Piskunov et al. (2011). The Messenger 143: 7. Bibcode2011Msngr.143....7P. 
  11. ^ a b Alecian; et al. (2011). "First HARPSpol discoveries of magnetic fields in massive stars". arXiv:1111.3433
  12. ^ a b c d e Wildi et al. (2022). Proceeding of theSPIE 12184. Bibcode2022SPIE12184E..1HW. 12184H. 

外部がいぶリンク

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