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LSD (ゲーム)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
LSD
ジャンル
対応たいおう機種きしゅ
開発元かいはつもと OSD
発売はつばい元もと アスミック・エース
プロデューサー 佐藤さとう理さとし
ディレクター まえだよしのり
デザイナー
  • 佐藤さとう理さとし
  • 芦部あしべ聡さとし
プログラマー まえだよしのり
音楽おんがく
美術びじゅつ
人数にんずう 1人ひとり
メディア CD-ROM
発売はつばい日び
  • 日本 199810221998年ねん10月がつ22日にち
    (PS)
  • 日本 201008112010年ねん8月がつ11日にち
    (PS3, PSP)
対象たいしょう年齢ねんれい CERO：D（17才さい以上いじょう対象たいしょう）
コンテンツ
アイコン		 暴力ぼうりょく
その他た 型式けいしき：
  • SLPS-01556（初回しょかい版ばん）
  • SLPS-01642（通常つうじょう版ばん）
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『LSD』（エルエスディー）は、1998年ねん10月22日にちに日本にっぽんのアスミック・エース エンタテインメントから発売はつばいされたPlayStation用よう3Dアドベンチャーゲーム。

ゲームソフトという体裁ていさいを利用りようしたドリームエミュレータとなっており、サイケデリックで支離滅裂しりめつれつな夢ゆめ体験たいけんを楽たのしむためだけに作つくられ、ゲーム内ないの明確めいかくな目的もくてきは存在そんざいしない。全編ぜんぺんに渡わたるサイケな色調しきちょうは、LSDの名なの通とおり、幻覚げんかく剤ざいにより呼よび起おこされる共きょう感覚かんかくも彷彿ほうふつとさせる。キャッチコピーは「こんなのゲームじゃない」。初回しょかい限定げんてい版ばんには音源おんげんのみ収録しゅうろくされたボーナスCDが付属ふぞくしていた。

開発かいはつはアウトサイド・ディレクターズ・カンパニー (OSD) が行おこない、企画きかくおよびプロデュース、音楽おんがくを同社どうしゃ代表だいひょうの佐藤さとう理さとしが担当たんとう、一部いちぶ楽曲がっきょくのリミックス担当たんとうとしてケン・イシイ、ジミー・テナー（英語えいご版ばん）、μみゅー-Ziqなどの著名ちょめいなミュージシャンが参加さんか、それらの音源おんげんを含ふくめたサウンドトラック『LSD & REMIXES』が同年どうねんにリリースされた。

発売はつばい当初とうしょにはゲームライターからの評価ひょうかは低ひくく「開発かいはつ中ちゅうのゲームにそっくり」と言いった酷評こくひょうも見受みうけられたが、後のちに日本にっぽん国外こくがいでカルト的てきな人気にんきを獲得かくとくし、2010年ねんにはゲームアーカイブス対応たいおうソフトとして配信はいしんされた。また、2017年ねんにはイギリスのロックバンドであるアルト・ジェイのアルバムに本ほん作さくの画像がぞうが使用しようされ、2018年ねんには本ほん作さくのサウンドトラックが『LSD REVAMPED』のタイトルで再さいリリースされている。

ゲーム内容ないよう[編集へんしゅう]

ゲームとしては一人称いちにんしょう視点してんで3Dフィールドを進すすむ探索たんさく型がたアドベンチャーゲームに近ちかい。基本きほん的てきにプレイヤーができる行動こうどうは移動いどうと向むきの変更へんこうだけで、特殊とくしゅな操作そうさやアクションは存在そんざいしない。

タイトル名めいが幻覚げんかく剤ざいであるLSDから取とったように、サイケデリックな画像がぞうや脈絡みゃくらくのないテキストが特徴とくちょう。スタッフが10年間ねんかん書かき留とめた夢ゆめ日記にっきを元もとに制作せいさくされた。

ゲームは、サイケデリックなオープニングムービーが流ながれた後のち、シンプルなメニュー画面がめんが表示ひょうじされるところから始はじまる[1]。メニュー画面がめんにはカウンターが添そえられており、プレイヤーがゲーム内ないで過すごした日数にっすうや、これまで見みた夢ゆめの数かずが数かぞえられている[1]。ゲームデータのセーブは手動しゅどう制せい[1]。

メニュー画面がめんで「スタート(START)」を選択せんたくするとゲームが開始かいしされ、プレイヤーは奇妙きみょうで不条理ふじょうりな夢ゆめの世界せかいを理由りゆうもなく彷徨ほうこううこととなる。夢ゆめの世界せかいには目的もくてきも敵てきも味方みかたも存在そんざいせず、自分じぶんの思おもうまま、行いきたい所ところに行いくことができ、その際さい色々いろいろなキャラクターや不思議ふしぎなオブジェに遭遇そうぐうしたりする。壁かべやキャラクター、オブジェなどにぶつかる事ことで他たの場所ばしょにワープする事ことができ、これをリンクと言いう。リンクは一見いっけんランダムだが、規則きそく性せいが見受みうけられる場合ばあいもある。

一いち度どのプレイで夢ゆめの中なかに居おられる時間じかんはある程度ていど決きまっており（ゲーム中ちゅうは非ひ表示ひょうじ）、草原そうげんなどの穏おだやかな場所ばしょではゆっくりと、バイオレンス街がいなどのスリリングな場所ばしょでは早はやく時間じかんが流ながれる。夢ゆめの中なかで規定きていの時間じかんが過すぎるか、もしくはステージの端はし(崖がけ)から落おちるかすると夢ゆめから覚さめてその日ひのプレイは終了しゅうりょうとなり、最初さいしょのメニュー画面がめんに移行いこうする。プレイ回数かいすうは日数にっすうとして（「Day 001」という風ふうに）カウントされ、そうして何なん度ども夢ゆめを見み続つづけることで、各種かくしゅ地形ちけいの色いろや模様もよう、キャラクターの姿すがたなど夢ゆめの世界せかいの内容ないようが段々だんだん変容へんようしていく。その変化へんかの仕方しかたは時ときにはテクスチャの色いろが変化へんかしたり、時ときにはテクスチャが意味いみの不明ふめいな画像がぞうや文字もじ、詩しに変化へんかしたりと様々さまざまである。また、夢ゆめの内容ないようは夢ゆめの世界せかいを歩あるく以外いがいに、短みじかめの詩しが現あらわれる事ことや不思議ふしぎなムービーが流ながれるなど色々いろいろなパターンがあり、時ときにはムービーを見みただけで一いち日にちが終了しゅうりょう扱あつかいになる場合ばあいもある。

注意ちゅうい点てんとしては、夢ゆめの世界せかいには稀まれに謎なぞの紳士しんしが出現しゅつげんすることがあり、このキャラクターと接触せっしょくすると記憶きおくを抹消まっしょうされ、フラッシュバック（今いままでの記憶きおくのリプレイ）を見みることができなくなるため、警戒けいかいが必要ひつような存在そんざいとなる。本ほん作さくには明確めいかくにゲームオーバーやゲームクリアと呼よべるものは存在そんざいしないが、一応いちおうのエンディングらしきものは存在そんざいする[2][3]。

移植いしょく版ばん[編集へんしゅう]

No. タイトル 発売はつばい日び 対応たいおう機種きしゅ 開発元かいはつもと 発売はつばい元もと メディア 型式けいしき 備考びこう 出典しゅってん
1 LSD 日本 201008112010年ねん8月がつ11日にち
 PlayStation 3
PlayStation Portable 		OSD アスミック・エース ダウンロード
（ゲームアーカイブス） 		- 410メガバイト使用しよう [4][5][6]

開発かいはつ[編集へんしゅう]

本ほん作さくをプロデュースした佐藤さとう理さとしは、中学生ちゅうがくせいの頃ころより洋楽ようがくに没頭ぼっとうし様々さまざまな音楽おんがくを耳みみにしていたが、ある日ひ発見はっけんしたクラフトワークの7枚まい目めのアルバム『人間にんげん解体かいたい』（1978年ねん）のジャケット写真しゃしんに衝撃しょうげきを受うけ、また音源おんげんを耳みみにした事ことからテクノポップおよび電子でんし音楽おんがくに傾倒けいとうする事こととなる[7]。その後ご音楽おんがく誌し『サウンド&レコーディング・マガジン』のロゴや表紙ひょうしデザインを担当たんとうし、ライブイベントなどへの出演しゅつえんを経へて音楽おんがくユニットであるEP-4の佐藤さとう薫かおると邂逅かいこうする事こととなる[7]。その後ご佐藤さとう薫かおるのレーベルからアルバム『Objectless』（1983年ねん）をリリースし、旅行りょこう番組ばんぐみやニュース番組ばんぐみの音源おんげん制作せいさくなどテレビ関連かんれんの仕事しごとを行おこなうようになり、さらに就職しゅうしょくした会社かいしゃの上司じょうしがライターの川勝かわかつ正幸まさゆきであった事ことからグラフィック・デザインの仕事しごとに携たずさわるようになる[7]。その後ご個展こてんを開催かいさいする際さいに出会であったCD-ROMというメディアに未来みらいを感かんじた佐藤さとう理さとしは、パソコン用ようソフト『東ひがし脳のう』（1994年ねん）および『中天ちゅうてん』（1995年ねん）をリリースした後のち、本ほん作さくの開発かいはつに取とり掛かかる事こととなった[7]。

本ほん作さくのモチーフはスタッフが実際じっさいに数すう年間ねんかん書かき溜ためていた夢ゆめ日記にっきが元もとになっている[7]。夢ゆめが不条理ふじょうりであると考かんがえていた佐藤さとう理さとしは、本ほん作さくにおいても不条理ふじょうりな世界せかい観かんを目指めざし、またプレイヤーによって様々さまざまな解釈かいしゃくが可能かのうなように制作せいさくした[7]。佐藤さとう理さとしは本ほん作さくとほぼ同どう時期じきにサウンドトラックや夢ゆめ日記にっきを記しるした書籍しょせきなどもリリースし、展覧てんらん会かいやクラブイベントなどで告知こくちを行おこなったが、佐藤さとうの意いに反はんして本ほん作さくに対たいする反響はんきょうは極ごく一部いちぶに留とまる結果けっかとなった[7]。

音楽おんがく[編集へんしゅう]

オープニングテーマ[編集へんしゅう]

ボーナスCD[編集へんしゅう]

「Lucy in the Sky with Dynamites」

サウンドトラック[編集へんしゅう]

『LSD & REMIXES』
Various Artists の サウンドトラック
リリース
録音ろくおん Room 8
ジャンル エレクトロニック
テクノ
IDM
ブレイクビーツ
ドラムンベース
ゲームミュージック
時間じかん
レーベル ミュージックマイン
プロデュース 佐藤さとう理さとし
EANコード
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『LSD & REMIXES』（エルエスディー・アンド・リミキシーズ）は、PlayStation用ようソフト『LSD』のサウンドトラック。1998年ねん10月21日にちにミュージックマインからリリースされた[9]。本ほん作さくの制作せいさくは佐藤さとう理りが単独たんどくで打うち込こみを行おこなっている[7]。2018年ねん4月がつ11日にちには、ゲームの発売はつばいから20周年しゅうねんを記念きねんしてリマスターによる復刻ふっこく盤ばん『LSD REVAMPED』がリリースされた[10]。復刻ふっこく盤ばんのDISC 1にはボーナストラックとして「Mayday」が収録しゅうろくされた他ほか、DISC 2にはQuarta 330、長谷川はせがわ白紙はくし、オカモトレイジ (OKAMOTO'S)、ジョルジオ・ブレーズ・ギブン達たちによるリミックスが追加ついか収録しゅうろくされている[10]。

収録しゅうろく曲きょく[編集へんしゅう]

『LSD & REMIXES』
Original Mixes
全ぜん作曲さっきょく: 佐藤さとう理さとし。
#タイトル作詞さくし作曲さっきょく・編曲へんきょく時間じかん
1.「Funky Solution」 佐藤さとう理さとし
2.「Long Tall Eyelush」 佐藤さとう理さとし
3.「TV River」 佐藤さとう理さとし
4.「Professional Problem」 佐藤さとう理さとし
5.「Oriental Grill」 佐藤さとう理さとし
6.「Come And On」 佐藤さとう理さとし
7.「Fax Factory」 佐藤さとう理さとし
8.「Fried BANANA」 佐藤さとう理さとし
9.「Say Cheeze」 佐藤さとう理さとし
合計ごうけい時間じかん:
Remixes
#タイトル作詞さくし作曲さっきょく・編曲へんきょくアーティスト時間じかん
1.「Long Tall Eyelush (Ken Ishii Mix)」  ケン・イシイ
2.「Funky Solution (Jimi Tenor Mix)」  ジミー・テナー（英語えいご版ばん）
3.「Long Tall Eyelush (μみゅー-Ziq mix))」  μみゅー-Ziq
4.「TV River (Morgan Geits Mix)」  モーガン・ガイスト（英語えいご版ばん）
5.「Professional Problem (Pantune Music Mix)」  Pantune Music
6.「Oriental Grill (M.P.D. mix)」  M.P.D.
7.「Come On And (Out Ass Mao Mix)」  Out Ass Mao
合計ごうけい時間じかん:
『LSD REVAMPED』
New Originals
全ぜん作曲さっきょく: 佐藤さとう理り。
#タイトル作詞さくし作曲さっきょく・編曲へんきょく時間じかん
1.「Long Tall Eyelash 2018」 佐藤さとう理さとし
2.「Come On And 2018」 佐藤さとう理さとし
3.「Fax Factory 2018」 佐藤さとう理さとし
4.「Fried Banana 2018」 佐藤さとう理さとし
5.「Funky Solution 2018」 佐藤さとう理さとし
6.「Oriental Grill 2018」 佐藤さとう理さとし
7.「Professional Problem 2018」 佐藤さとう理さとし
8.「Say Cheeze 2018」 佐藤さとう理さとし
9.「TV River 2018」 佐藤さとう理さとし
10.「Mayday (Bonus Track)」 佐藤さとう理さとし
合計ごうけい時間じかん:
Remixes
#タイトル作詞さくし作曲さっきょく・編曲へんきょくアーティスト時間じかん
1.「Long Tall Eyelush (ken ishii mix)」  ケン・イシイ
2.「Long Tall Eyelash (μみゅー-Ziq Mix)」  μみゅー-Ziq
3.「Come On And (Out Ass Mao Mix)」  Out Ass Mao
4.「Come On And (Hakushi Hasegawa Mix) (New Remixes 2018)」  長谷川はせがわ白紙はくし
5.「Fax Factory (Reiji Okamoto (OKAMOTO'S) + Giorgio Blaise Givvn MIX) (New Remixes 2018)」  オカモトレイジ、ジョルジオ・ブレーズ・ギブン
6.「Fried Banana (Out Ass Mao Mix) (New Remixes 2018)」  Out Ass Mao
7.「Funky Solution (Jimi Tenor Mix)」  ジミー・テナー（英語えいご版ばん）
8.「Oriental Grill (M.P.D. Mix)」  M.P.D.
9.「Professional Problem (Pantune Music Mix)」  Pantune Music
10.「Say Cheeze (Quarta 330 Mix) (New Remixes 2018)」  Quarta 330
11.「TV River (Morgan Geist Mix)」  モーガン・ガイスト（英語えいご版ばん）
合計ごうけい時間じかん:

レコーディングスタッフ[編集へんしゅう]

  • 天野あまの秀しげる起おこり - A&R
  • UMUプロダクション - コーディネーター（リミックス）
  • 滝瀬たきせ真代まさよ - マスタリング
  • 高橋たかはし信太郎しんたろう - スペシャル・サンクス
  • 山本やまもと哲也てつや - スペシャル・サンクス
  • 佐藤さとう理さとし - プロデューサー、ミックス、アートディレクション、デザイン

開発かいはつスタッフ[編集へんしゅう]

  • プロデュース、オープニング・オリジナルBGM：佐藤さとう理さとし
  • コンセプト、企画きかく：佐藤さとう理さとし、芦部あしべ聡さとし
  • 追加ついかCGデザイン：佐藤さとう理さとし、飯塚いいづか昇のぼる、南みなみ新太郎しんたろう、ヨルグ・シャウム
  • 開発かいはつディレクター、メイン・プログラム：まえだよしのり
  • マップ・デザイン：芦部あしべ聡さとし、西川にしかわ公子きみこ
  • メインCG、ムービー・デザイン：五島ごしま一浩かずひろ
  • オリジナル・ドリームダイアリー：西川にしかわ公子きみこ
  • パッケージ・デザイン：南みなみ新太郎しんたろう
  • 追加ついかプログラム：古賀こが琢みがく
  • 効果こうか音おん：水出みずいで浩ひろし
  • カバー・デザイン：ケビン・フォークス（英語えいご版ばん）
  • リミックス（グラフィック・デザイン）：シーン・ブース（ゲスコム（英語えいご版ばん）、オウテカ）、マット・ローチ、アンドリュー・サットン (Think Electric)、GROOVISIONS、HEX、ケビン・フォークス（DJフード）
  • スペシャル・サンクス：飯田いいだ和敏かずとし、加藤かとう賢崇けんしゅう、いとうひろし、高橋たかはし信太郎しんたろう、いいづかしょう、五島ごしま由実ゆみ、MORI & MOCHI、村田むらた知樹ともき、もちづきとしのり、中村なかむら航わたる、うえはらまさみち、あすか歯科しかクリニック、BEAMS、KISS、VAL、CONSCIOUS DREAMS

反響はんきょう[編集へんしゅう]

評価ひょうか
レビュー結果けっか
媒体ばいたい結果けっか
超ちょうクソゲー2否定ひてい的てき[11]
悪あく趣味しゅみゲーム紀行きこう2否定ひてい的てき[12]
Blog Critics Magazine5/5stars[13]

本ほん作さくに対たいするゲームライターからの評価ひょうかは否定ひてい的てきな見解けんかいが出だされており、ゲーム本ほん『超ちょうクソゲー2』にてライターの阿部あべ広樹ひろきは、本ほん作さくの第だい一いち印象いんしょうがPlayStation発売はつばい当初とうしょの検証けんしょう用ように制作せいさくされたデモ作品さくひんに類似るいじしていると述のべ、本ほん作さくのプレイ感覚かんかくがゲームで遊あそぶのではなく地形ちけいの確認かくにん作業さぎょうに当あたっているようであるとし、また登場とうじょう人物じんぶつや物体ぶったいが粗あらいポリゴンである事ことで好すき嫌きらいがはっきり分わかれると主張しゅちょうした上うえで、グラフィックやゲームシステムに関かんして否定ひてい的てきに評価ひょうかした[14]。ゲーム本ほん『悪あく趣味しゅみゲーム紀行きこう2』にてライターのがっぷ獅子じし丸まるは、本ほん作さくを「スマートドラッグ系けい無む目的もくてき環境かんきょうソフト」と位置付いちづけ、タイトルに表あらわされる積極せっきょく的てきなメーカーの姿勢しせいと低てい価格かかくである事こと、挑戦ちょうせん的てきなキャッチコピーに関かんしては好意こうい的てきに評価ひょうかし、「不条理ふじょうりゲームは制作せいさく者しゃの屈折くっせつした感性かんせいを楽たのしむのがゲームを愛あいする大人おとなの鑑賞かんしょう法ほう」であると主張しゅちょうした上うえで、初期しょきコンセプトを完全かんぜんに表現ひょうげんできれば奇跡きせきのゲームと呼よべたが、当時とうじのPlayStationのテクノロジーでは再現さいげんできずに「単たんにゲームをプレイする我々われわれ凡人ぼんじんたちを困惑こんわくせしめまくるダケで終おわってしまいました」とゲーム性せいに関かんして否定ひてい的てきに評価ひょうかした[15]。

その他たに、『超ちょうクソゲー2』において阿部あべは作者さくしゃである佐藤さとう理りがソニー・ミュージックエンタテインメント主催しゅさいのデジタル・エンタテインメント・プログラム作品さくひん部門ぶもん・人物じんぶつ部門ぶもんで最優秀さいゆうしゅう賞しょうを受賞じゅしょうした事ことに触ふれ、「一風いっぷう変かわったアイデアで業界ぎょうかいに対たいして物申ものもうすのは確たしかに貴重きちょう」と述のべながらも外部がいぶの業界ぎょうかい関係かんけい者しゃがゲーム制作せいさくに携たずさわる事ことで「ゲームはお洒落しゃれでカッコよくなって、そんでもってテクノとゲームが融合ゆうごうすれば一般いっぱん層そうに浸透しんとうして売うれまくる」と勘違かんちがいが発生はっせいすると非難ひなんした[16]。阿部あべは本ほん作さくを「九きゅう〇年代ねんだい初頭しょとうから中盤ちゅうばんにかけて流行はやったマルチメディア騒動そうどうという奴やつの流ながれを確実かくじつに組くんだ、古ふるき良よきデタラメな時代じだいのコンピュータカルチャーの息吹いぶきを現在げんざいに伝つたえるインチキ臭くささが炸裂さくれつした逸品いっぴん」であると総括そうかつした[17]。『悪あく趣味しゅみゲーム紀行きこう2』においてがっぷ獅子じし丸まるは、本ほん作さくが開発かいはつ者しゃによる悪意あくいや計算けいさんのない「ハイセンスな娯楽ごらくを提供ていきょうしようという純粋じゅんすいなクリエイター魂たましいに満みちていた」作品さくひんであるとしながらも、悪意あくいがないことこそが問題もんだいであるとも主張しゅちょうした[18]。

しかし本ほん作さくはその後ご日本にっぽん国外こくがいにてカルト的てきな人気にんきを獲得かくとくし、オリジナルのパッケージ版ばんは欧州おうしゅうにおいてeBayなどで4万まん円えん前後ぜんこうで取引とりひきされるなど高額こうがく化かしている[7]。また、イギリスのロックバンドであるアルト・ジェイの3枚まい目めのオリジナル・アルバム『リラクサー（英語えいご版ばん）』（2017年ねん）においてジャケット写真しゃしんなどに本ほん作さくの画像がぞうがアートワークとして使用しようされている[10]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ a b c “LSD: Dream Emulator – Hardcore Gaming 101”. web.archive.org (2018年ねん3月がつ13日にち). 2021年ねん6月がつ6日にち閲覧えつらん。
  2. ^ “20年ねん時じを経へて、伝説でんせつのカルトゲーム『LSD』のサントラ『LSD REVAMPED』が発売はつばい！”. IGN.Japan (2018年ねん4月がつ11日にち). 2021年ねん10月がつ18日にち閲覧えつらん。
  3. ^ “【好すきなゲームが世間せけんのクソゲーな人ひとインタビュー】“夢ゆめの世界せかい”を9年間ねんかん歩あるき続つづけるプレイヤーに聞きくゲーム「LSD」の魅力みりょく”. ねとらぼ (2020年ねん12月28日にち). 2021年ねん10月がつ18日にち閲覧えつらん。
  4. ^ 電撃でんげきオンライン (2010年ねん8月がつ11日にち). “伝説でんせつのドリーム・ジェネレータ『LSD』がアーカイブスで配信はいしん”. 電撃でんげきオンライン. KADOKAWA. 2021年ねん5月がつ23日にち閲覧えつらん。
  5. ^ 御ご月がつ亜希あき (2010年ねん8月がつ11日にち). “PlayStation Store最新さいしん情報じょうほう。配信はいしんされる新作しんさくタイトルは「フェイト/エクストラ」＆「真しん・マスターオブモンスターズ Final EX」”. 4Gamer.net. Aetas. 2021年ねん5月がつ23日にち閲覧えつらん。
  6. ^ 鴫原しぎはら盛もり之の/木原きはら卓たく (2010年ねん8月がつ18日にち). “週刊しゅうかんダウンロードソフトウェアカタログ 2010年ねん8月がつ第だい3週しゅう分ぶん、第だい4週しゅう分ぶん”. GAME Watch. インプレス. 2021年ねん5月がつ23日にち閲覧えつらん。
  7. ^ a b c d e f g h i 河村かわむら祐介ゆうすけ (2018年ねん7月がつ27日にち). “海外かいがいでカルト的てきに人気にんきを集あつめるゲーム『LSD』サントラが20年ねんぶりに復活ふっかつ──Osamu Satoとは何者なにものなのか？”. OTOTOY. オトトイ. 2021年ねん5月がつ23日にち閲覧えつらん。
  8. ^ 佐藤さとう理さとし（OSAMU SATO）のアナグラム。
  9. ^ “V.A. [ オムニバス ] KEN ISHII 佐藤さとう 理さとし,jimitenor,morgan geits,pantune music,osd,m.p.d.”. MUSIC MINE. 2013年ねん4月がつ27日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2010年ねん9月がつ19日にち閲覧えつらん。
  10. ^ a b c “90年代ねんだいカルトゲーム「LSD」のサントラ、オカモトレイジらのリミックス追加ついかし復刻ふっこく”. 音楽おんがくナタリー. ナターシャ (2018年ねん4月がつ11日にち). 2021年ねん5月がつ23日にち閲覧えつらん。
  11. ^ 超ちょうクソゲー2 2000, pp. 52–56.
  12. ^ 悪あく趣味しゅみゲーム紀行きこう2 2001, pp. 142–145.
  13. ^ “LSD: Dream Emulator for PlayStation (1998)” (英語えいご). Moby Games. Blue Flame Labs. 2021年ねん5月がつ23日にち閲覧えつらん。
  14. ^ 超ちょうクソゲー2 2000, p. 53.
  15. ^ 悪あく趣味しゅみゲーム紀行きこう2 2001, pp. 143–145.
  16. ^ 超ちょうクソゲー2 2000, p. 55.
  17. ^ 超ちょうクソゲー2 2000, p. 56.
  18. ^ 悪あく趣味しゅみゲーム紀行きこう2 2001, p. 145.

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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